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公開番号2024132677
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2023043542
出願日2023-03-17
発明の名称無線通信装置及び推定方法
出願人富士通株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類H04B 1/10 20060101AFI20240920BHJP(電気通信技術)
要約【課題】運用中でもPIM信号の発生量を監視できる無線通信装置等を提供する。
【解決手段】無線通信装置では、送信信号取得部と、受信信号取得部と、記憶部と、算出部と、推定部とを有する。送信信号取得部は、異なる周波数で無線送信される複数の送信信号を取得する。受信信号取得部は、受信信号を取得する。記憶部は、基準電力及び基準相関ゲインを記憶している。算出部は、前記複数の送信信号に基づいて相互変調歪み信号のレプリカ信号を生成し、前記レプリカ信号と前記受信信号との相関に基づき、相関ゲインを算出する。推定部は、前記算出部にて算出された前記相関ゲインと、前記記憶部に記憶された前記基準電力及び前記基準相関ゲインとに基づき、前記相互変調歪み信号を推定する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
異なる周波数で無線送信される複数の送信信号を取得する送信信号取得部と、
受信信号を取得する受信信号取得部と、
基準電力及び基準相関ゲインを記憶した記憶部と、
前記複数の送信信号に基づいて相互変調歪み信号のレプリカ信号を生成し、前記レプリカ信号と前記受信信号との相関に基づき、相関ゲインを算出する算出部と、
前記算出部にて算出された前記相関ゲインと、前記記憶部に記憶された前記基準電力及び前記基準相関ゲインとに基づき、前記相互変調歪み信号を推定する推定部と、
を有することを特徴とする無線通信装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記算出部は、
前記レプリカ信号と前記受信信号との双方に対して、受信帯域以外の帯域成分をカットするためのフィルタ係数を乗算する乗算部と、
乗算後のレプリカ信号と乗算後の受信信号とに基づき、前記受信帯域の相関ゲインを算出する相関演算部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記算出部は、
所定の相互変調歪み信号を発生する環境下で得た前記レプリカ信号と前記受信信号との相関に基づき、前記基準相関ゲインを算出し、算出した基準相関ゲインを前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記受信信号取得部は、
前記所定の相互変調歪み信号を発生する環境下で得た前記受信信号に応じた受信電力から受信回路の雑音電力を減算して前記基準電力として前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記算出部は、
前記相関ゲインを遅延差毎に算出し、
前記推定部は、
算出した遅延差毎の前記相関ゲインから最大値の相関ゲインを選択する選択部と、
前記基準電力と、前記基準相関ゲインと、選択した前記遅延差の相関ゲインとに基づき、前記相互変調歪み信号を推定する演算部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記推定部は、
前記基準電力から前記基準相関ゲインを減算し、減算後の基準電力に前記相関ゲインを加算することで前記相互変調歪み信号を推定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項7】
無線端末装置に対して送信信号を送信すると共に、前記無線端末装置からの受信信号を受信する無線通信装置が、
異なる周波数で無線送信される複数の送信信号を取得し、
受信信号を取得し、
基準電力及び基準相関ゲインを事前に記憶しておき、
前記複数の送信信号に基づいて相互変調歪み信号のレプリカ信号を生成し、前記レプリカ信号と前記受信信号との相関に基づき、相関ゲインを算出し、
算出された前記相関ゲインと、記憶された前記基準電力及び前記基準相関ゲインとに基づき、前記相互変調歪み信号を推定する
処理を実行することを特徴とする推定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置及び推定方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、無線通信システムの基地局装置等の無線通信装置内外においては、周波数が異なる様々な信号が伝送されている。そして、これらの信号の伝送路上に、例えば、金属等の歪み発生源が存在すると、周波数が異なる信号の相互変調によって、相互変調歪み、すなわち、PIM(Passive Intermodulation)が発生する。すなわち、それぞれの信号の周波数の倍数の和や差の周波数を有するPIM信号が歪み発生源において発生する。
【0003】
基地局装置は、例えば、CU(Central Unit)/DU(Distributed Unit)と、RU(Radio Unit)とを有する。図11は、従来のRU200の構成の一例を示す説明図である。図11に示すRU200は、アンテナ200Aと、インタフェース200Bと、プロセッサ200Cとを有する。インタフェース200Bは、送信信号Tx毎に、DAC(Digital Analog Convertor)211と、アップコンバータ212と、PA(Power Amplifier)213と、を有する。更に、インタフェース200Bは、受信信号毎に、BPF(Band Pass Filter)216と、LNA(Low Noise Amplifier)217と、ダウンコンバータ218と、ADC(Analog Digital Convertor)219とを有する。インタフェース200Bは、多重部214と、デュプレクサ215とを有する。デュプレクサ215は、多重部214とアンテナ200Aとの間を接続すると共に、BPF216とアンテナ200Aとの間を接続する。デュプレクサ215は、多重部214からの送信信号をアンテナ200Aに出力すると共に、アンテナ200Aから受信した受信信号をBPF216に出力する。
【0004】
DAC212は、プロセッサ200Cからのベースバンド周波数の送信信号をアナログ変換し、アナログ変換後の送信信号をアップコンバータ212に出力する。アップコンバータ212は、アナログ変換後の送信信号の無線周波数をアップコンバートし、アップコンバート後の送信信号をPA213に出力する。PA213は、アップコンバート後の送信信号を増幅し、増幅後の送信信号を多重部214に出力する。多重部214は、各PA213からの送信信号を多重し、多重した送信信号をデュプレクサ215に出力する。デュプレクサ215は、多重部214からの送信信号をアンテナ200Aに出力する。アンテナ200Aは、デュプレクサ215からの送信信号を無線出力する。
【0005】
アンテナ200Aは、到来する無線の受信信号を受信する。デュプレクサ215は、アンテナ200Aから受信した受信信号をBPF216に出力する。BPF216は、受信信号から受信帯域の受信信号を抽出する。LNA217は、BPF216で抽出した受信信号を増幅し、増幅後の受信信号をダウンコンバータ218に出力する。ダウンコンバータ218は、増幅後の受信信号をベースバンド周波数にダウンコンバートし、ダウンコンバート後の受信信号をADC219に出力する。ADC219は、ダウンコンバート後の受信信号をデジタル変換し、デジタル変換後の受信信号をプロセッサ200Cに出力する。この際、受信信号には、後述するように送信信号の周波数f1及びf2の信号の相互変調によって発生したPIM信号が付加されているものとする。
【0006】
PIM信号は、例えば、2種の異なる金属の接合部で発生し、RU200とアンテナ200Aとの間を接続するケーブルやコネクタで発生する。そして、PIM信号の周波数がRU200の受信周波数帯に含まれる場合には、PIM信号によって受信信号の感度劣化や、アップリンク特性に影響を及ぼすことになる。
【0007】
そこで、例えば、RU200から送信される異なる周波数の送信信号の相互変調によるPIM信号を近似的に再生し、受信信号に付加されたPIM信号を相殺している。周波数が異なる複数の送信信号から発生するPIM信号は、演算によって推測することが可能である。そこで、PIM信号をキャンセルするためにレプリカ信号が用いられる。レプリカ信号は、PIM信号のレプリカであり、PIM信号に対して同振幅かつ逆位相の信号である。RU200では、レプリカ信号を受信信号に重畳(加算)することによって、受信信号に付加されたPIM信号のキャンセルを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2015-233279号公報
特開2017-130718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のRU200では、PIM信号によって受信信号の感度劣化や、アップリンク特性への影響を抑制する上で、運用中においてもPIM信号の発生量を監視できることが求められている。尚、運用中とは、RU200が無線システムとしてUE間の無線通信のサービスをUEの利用者に提供している状態である。
【0010】
図12は、アナログフィルタ通過前後の実際のPIM信号及びレプリカ信号の周波数特性の一例を示す説明図である。従来のRU200のマルチキャリア送信時では、受信帯域よりも広帯域にPIM信号が発生することになる。しかしながら、PIM信号が付加された受信信号をRU200内のデュプレクサ215や受信回路内のBPF216等のアナログフィルタを用いて広帯域で発生したPIM信号を抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)

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