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公開番号2024131922
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023042497
出願日2023-03-17
発明の名称橋梁の洪水対策構造
出願人株式会社横河NSエンジニアリング,日鉄エンジニアリング株式会社
代理人個人,個人
主分類E01D 1/00 20060101AFI20240920BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】洪水や河川の氾濫時に橋梁上部工への作用力を低減させ、橋梁上部工の損傷を効果的に回避することができる橋梁の洪水対策構造を提供する。
【解決手段】本発明の橋梁の洪水対策構造は、並列する主桁2の上部に床版3が架設されてなる橋梁上部工について、床版3の張出部下部から主桁2の下部をつなぐ形で、橋梁上部工を側方から覆うフェアリング4を設け、隣接する主桁2の下部間に形状保持材5を設けることで、水流に起因する水平力に対し、主桁2間の変形を防止し、橋梁上部工の形状を保持する構造となっている。形状保持材5としてグレーティングを用いれば、下面から主桁2間に水が入り、上部工に対する浮力や静水圧を低減させ、上向きの揚力を抑えることができる。また、主桁2間の上部位置に床版3の上下間を連通させる空気流通部6を設けたり、主桁2に水平方向の貫通部7を設け、主桁2間における空気や水の流通を図ることもできる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
並列する複数本の主桁の上部に床版が架設されてなる橋梁上部工に対する水流に起因する作用力を低減させるための橋梁の洪水対策構造であって、前記床版の橋軸直角方向の張出部下部から前記主桁の下部をつなぐ形で、橋梁上部工を側方から覆うフェアリングと、隣接する前記主桁の下部どうしをつなぐことで、水流に起因する水平力に対し、前記主桁間の変位または変形を防止して前記橋梁上部工の形状を保持するための形状保持材とを備えていることを特徴とする橋梁の洪水対策構造。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
請求項1記載の橋梁の洪水対策構造において、前記フェアリングは、鋼板、強化プラスチック板、またはプレキャストコンクリート版からなることを特徴とする橋梁の洪水対策構造。
【請求項3】
請求項1記載の橋梁の洪水対策構造において、前記形状保持材の全体または一部が板状のグレーティングからなることを特徴とする橋梁の洪水対策構造。
【請求項4】
請求項1、2または3記載の橋梁の洪水対策構造において、前記床版には、隣接する前記主桁間の上部位置に床版上下間を連通させる空気流通部が設けられていることを特徴とする橋梁の洪水対策構造。
【請求項5】
請求項4記載の橋梁の洪水対策構造において、前記空気流通部はスリットまたは空気孔であることを特徴とする橋梁の洪水対策構造。
【請求項6】
請求項4記載の橋梁の洪水対策構造において、前記空気流通部にはグレーティングが取り付けられていることを特徴とする橋梁の洪水対策構造。
【請求項7】
請求項1、2または3記載の橋梁の洪水対策構造において、前記主桁に水平方向に貫通する貫通部が設けられていることを特徴とする橋梁の洪水対策構造。
【請求項8】
請求項4記載の橋梁の洪水対策構造において、前記主桁に水平方向に貫通する貫通部が設けられていることを特徴とする橋梁の洪水対策構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、洪水や河川の氾濫時に、橋梁の上部工に作用する水流等による流体力を低減させるための橋梁の洪水対策構造に関するものである。なお、本発明でいう洪水には、実際に洪水が生じている狭い意味での洪水状態に限定されず、集中豪雨などの大雨による洪水の他、津波による洪水、河川の氾濫などにおいて実際の洪水が生じる前の状態が含まれるものとする。
続きを表示(約 1,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、大雨が引き起こす洪水や河川の氾濫の件数は増加傾向にあり、橋梁への被害も多数生じている。氾濫時には常時と比べ、流量および流速が急激に増加するが、橋梁においては河川氾濫による荷重を設計値として見込んでいないため、橋梁全体においては抵抗力を持たず、橋桁の流出や転倒といった事故が生じる恐れがある。
【0003】
図3は並列する複数本の主桁2の上部に床版3が架設されてなる橋梁上部工の一般的な橋梁の現状の構造を示したものであり、図4はこのような現状の構造での洪水や河川氾濫時の作用力を示したものである。
【0004】
現状の橋梁上部工の構造は、洪水や河川氾濫時に橋梁上部工に向かう水流により、大きな水平力(抗力)や鉛直力(揚力)を受ける断面形状であり、水位の上昇により桁側面に静・動水圧が作用する。
【0005】
すなわち、図4に示すように、水流W

方向の水平力F

が作用し、張出部には上向きの力F
Vw
が作用する。また、主桁2どうしの間には、空気溜まりA

が生じることで、上向きの力F
Va
が作用する。
【0006】
主桁2の下フランジは水流W

に抵抗できる設計になっておらず、水流W

が主桁2に衝突し、水流W

の方向が分散する。また、主桁2のウェブの側方に漂流物が引っ掛かることもある。
【0007】
大きな流速が発生した際の水平力は、橋梁の設計に見込まれる最大の作用力である地震力をも超過し、例えば、図5(損傷例1)、図6(損傷例2)に示すような形態で、橋梁本体への損傷を生じさせる恐れがある。
【0008】
流体力を低減させるための構造としては、従来、耐風設計に用いられていたフェアリングパネルの設置が検討されている。このようなフェアリングを用いた橋梁に関する発明として、例えば特許文献1、非特許文献1~3記載の発明がある。
【0009】
特許文献1には、波の威力を低減するフェアリング部材を主桁または床版の橋軸方向に沿って備えた橋梁であって、フェアリング部材が波力の作用方向を変化させる外面を有し、人がフェアリング部材の内部を点検できるように開閉可能に構成されたフェアリング部材を備えた橋梁が開示されている。
【0010】
また、非特許文献1では、橋桁の主桁側面を断面が半円柱あるいは直方体で覆うフェアリングモデルを用いて、津波による抗力や揚力に対する検討が行われている。
(【0011】以降は省略されています)

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