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公開番号2024120832
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-05
出願番号2023133791
出願日2023-08-21
発明の名称半導体レーザ装置
出願人国立大学法人 東京大学,アイオーコア株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H01S 5/34 20060101AFI20240829BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】高温動作特性を向上させることができる量子ドット構造をもつ半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】半導体レーザ装置は、単層または複数層の活性層を含む活性層構造を備える。活性層20は量子ドット構造40を含む。量子ドット構造40は、島状結晶52と、島状結晶52の周囲を少なくとも部分的に埋め込む側方障壁層53と、島状結晶52の上端部52t及び側方障壁層53を被覆する上部結晶層30とを含む。側方障壁層53の第1のバンドギャップは、上部結晶層30の第2のバンドギャップよりも大きい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
半導体レーザ装置であって、
単層または複数層の活性層を含む活性層構造を備え、
前記活性層の各々は、1つ以上の量子ドット構造を含み、
前記量子ドット構造の各々は、
島状結晶と、
第1のバンドギャップを有し、前記島状結晶の周囲を少なくとも部分的に埋め込む側方障壁層と、
第2のバンドギャップを有し、前記島状結晶の上端部及び前記側方障壁層を被覆する上部結晶層と
を含み、
前記第1のバンドギャップは、前記第2のバンドギャップよりも大きい、
ことを特徴とする半導体レーザ装置。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
請求項1に記載の半導体レーザ装置であって、前記島状結晶の伝導帯内の基底準位と励起準位との間のエネルギー差は、前記島状結晶の側面が前記側方障壁層と接合せずに前記上部結晶層と接合すると仮定した場合に前記島状結晶の伝導帯内に生ずる基底準位と励起準位との間のエネルギー差よりも大きい、半導体レーザ装置。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体レーザ装置であって、
前記側方障壁層は、前記島状結晶の当該上端部の高さ位置より低い位置まで前記島状結晶の周囲を埋め込んでおり、
前記上部結晶層は、前記島状結晶の当該上端部と接合している、半導体レーザ装置。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体レーザ装置であって、前記側方障壁層は、前記島状結晶の当該上端部の高さ位置まで前記島状結晶の周囲を埋め込んでいる、半導体レーザ装置。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体レーザ装置であって、前記上部結晶層は、前記島状結晶の当該上端部と接合している、半導体レーザ装置。
【請求項6】
請求項1に記載の半導体レーザ装置であって、前記上部結晶層は、変調ドーピングにより第1導電型ドーパントが導入された層状領域を含む、半導体レーザ装置。
【請求項7】
請求項6に記載の半導体レーザ装置であって、前記第1導電型ドーパントがp型ドーパントである、半導体レーザ装置。
【請求項8】
請求項1に記載の半導体レーザ装置であって、前記島状結晶には、直接ドーピングにより第2導電型ドーパントが導入されている、半導体レーザ装置。
【請求項9】
請求項8に記載の半導体レーザ装置であって、前記上部結晶層は、変調ドーピングにより第1導電型ドーパントが導入された層状領域を含む、半導体レーザ装置。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体レーザ装置であって、前記第1導電型ドーパントがp型ドーパントであり、前記第2導電型ドーパントがn型ドーパントである、半導体レーザ装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、量子ドット構造を有する半導体レーザ装置及びその関連技術に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、量子ドット構造をもつ光源は、光通信デバイス、光集積回路、照明素子及び高効率ディスプレイなどの光デバイスに適用できる光源として注目されている。量子ドット構造を半導体レーザの活性層に用いることにより、高温動作特性及び変調特性などの特性が向上することが期待されている。このような量子ドット構造をもつ半導体レーザに関する先行技術は、たとえば、特開2022-166543号公報(特許文献1)、並びに、下記の非特許文献1及び非特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-078795号公報
【非特許文献】
【0004】
L. Jarvis, B. Maglio, C. P. Allford, S. Gillgrass, A. Enderson, S. Shutts, H. Deng, M. Tang, H. Liu, and P. M. Smowton, "1.3-μm InAs Quantum Dot Lasers with P-type modulation and direct N-type co-doping," in 28th International Semiconductor Laser Conference (ISLC) (2022), paper WA-02.
Zun-Ren Lv, S. Wang, H. Wang, H.-M. Wang, H.-Y. Chai, X.-G. Yang, L. Meng, C. Ji, and T. Yang, "Significantly improved performances of 1.3 μm InAs/GaAs QD laser by spatially separated dual-doping," Appl. Phys. Lett. 121(2), 021105 (2022).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
量子ドット構造の伝導帯のエネルギーバンドが複数の準位(サブバンド)に分裂している場合、その伝導帯には、レーザ発振に寄与し得る基底準位の他に励起準位が存在する。それら基底準位と励起準位との間のエネルギー差が周辺温度Tでの熱エネルギー(=k
B
T;k
B
はボルツマン定数)と比べて十分に大きくなければ、温度の上昇とともに電子が励起準位に存在する確率が増大するので、レーザ発振に必要な閾値電流が増大するという課題があった。
【0006】
上記に鑑みて本開示の目的は、閾値電流に関する高温動作特性を向上させることができる量子ドット構造をもつ半導体レーザ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様による半導体レーザ装置は、単層または複数層の活性層を含む活性層構造を備えており、前記活性層の各々は、1つ以上の量子ドット構造を含むように構成されている。前記量子ドット構造の各々は、島状結晶と、第1のバンドギャップを有し、前記島状結晶の周囲を少なくとも部分的に埋め込む側方障壁層と、第2のバンドギャップを有し、前記島状結晶の上端部及び前記側方障壁層を被覆する上部結晶層とを含み、前記第1のバンドギャップは、前記第2のバンドギャップよりも大きい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、量子ドット構造は、島状結晶の周囲を少なくとも部分的に埋め込む側方障壁層を有し、この側方障壁層の第1のバンドギャップは、上部結晶層の第2のバンドギャップよりも大きい。このような島状結晶と側方障壁層と上部結晶層との組合せにより、活性層への所望の電流注入効率(キャリア注入効率)を確保しつつ、量子閉じ込め効果を増強して島状結晶における伝導帯のサブバンド間(基底準位と励起準位との間)のエネルギー差を大きくすることが可能となる。これにより、高温での閾値電流の増大が抑制されるので、高温動作特性の優れた半導体レーザ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A及び図1Bは、一実施形態に係る量子ドット構造を含む活性層の構成を概略的に示す図である。
島状結晶(量子ドット)のバンド構造を模式的に示す図である。
図3A及び図3Bは、他の実施形態に係る量子ドット構造を含む活性層の構成を概略的に示す図である。
図3A及び図3Bの量子ドット構造の変形例である量子ドット構造の概略構成を示す図である。
図5Aは、実際に作製された量子ドット構造の断面のSTEM像を表す図であり、図5Bは、図5AのSTEM像を説明するための図である。。
図5Aに示した量子ドット構造の組成分析結果を表すグラフである。
図3A及び図3Bの量子ドット構造の別の変形例である量子ドット構造の概略構成を示す図である。
側方障壁層の種々の厚みに応じたエネルギー準位差の計算結果を示すグラフである。
2種類の量子ドット構造の側方障壁層の厚みに応じたエネルギー準位差の計算結果を示すグラフである。
図10Aは、量子ドット構造の側方障壁層の厚みに応じたエネルギー準位差ΔEの計算結果を示すグラフであり、図10Bは、図10Aの計算結果を得る際に使用された、量子ドット構造の各種寸法を示す図である。
活性層構造を備えた半導体レーザ装置の構成の概略断面図である。
活性層構造を備えた半導体レーザ装置の構成の概略断面図である。
図11及び図12に示した半導体レーザ装置の活性層構造の概略断面図である。
半導体レーザ装置の活性層構造の他の例を概略的に示す断面図である。
回折格子構造を備えた半導体レーザ装置の構成の概略断面図である。
半導体レーザ装置の高温動作特性(閾値電流密度の温度依存性)の計算結果を示すグラフである。
図17Aは、本実施形態に係る半導体レーザ装置の構成例の概略断面図であり、図17Bは、図17Aに示した半導体レーザ装置の活性層構造の概略断面図である。
図18Aは、実施例1,2の半導体レーザ装置の室温でのPLスペクトルの測定結果を示すグラフであり、図18Bは、実施例1の半導体レーザ装置の構造を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面を参照しつつ、種々の実施形態及びこれらの変形例について詳細に説明する。なお、図面全体において同一符号が付された構成要素は、同一構成及び同一機能を有するものとする。
(【0011】以降は省略されています)

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