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公開番号2024080381
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-13
出願番号2022193525
出願日2022-12-02
発明の名称空燃比制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類F02D 41/04 20060101AFI20240606BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】燃費の悪化を抑制しつつ酸素吸蔵剤における酸素吸蔵能力の低下を抑制する。
【解決手段】内燃機関100の排気通路に設けられた酸素吸蔵能力を有する排気浄化触媒20、24に流入する排気ガスの空燃比を制御する空燃比制御装置は、排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比を制御する空燃比制御部362を有する。空燃比制御部は、排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリッチなリッチ空燃比に制御するリッチ処理と、前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリーンなリーン空燃比に制御するリーン処理と、を交互に繰り返し実行する。空燃比制御部は、リッチ処理中に、1回の前記リーン処理の期間よりも短い期間に亘って、排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比を前記リーン処理中における空燃比よりもリーン度合いの高いリーン空燃比に制御するリーンパルス処理を実行する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
内燃機関の排気通路に設けられた酸素吸蔵能力を有する排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比を制御する空燃比制御装置であって、
前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比を制御する空燃比制御部を有し、
前記空燃比制御部は、前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリッチなリッチ空燃比に制御するリッチ処理と、前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリーンなリーン空燃比に制御するリーン処理と、を交互に繰り返し実行し、
前記空燃比制御部は、前記リッチ処理中に、1回の前記リーン処理の期間よりも短い期間に亘って、前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比を前記リーン処理中における空燃比よりもリーン度合いの高いリーン空燃比に制御するリーンパルス処理を実行する、空燃比制御装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記空燃比制御部は、前記排気浄化触媒に担持された酸素吸蔵剤上への炭素含有物質の析出量に関連する析出パラメータの値に基づいて、前記リーンパルス処理の実行時期、前記リーンパルス処理の実行期間及び前記リーンパルス処理において前記排気浄化触媒に流入する排気ガスのリーン度合いのうちの少なくともいずれか一つを設定する、請求項1に記載の空燃比制御装置。
【請求項3】
前記空燃比制御部は、前記析出パラメータの値が、前記酸素吸蔵剤上への炭素含有物質の析出量が予め定められた基準析出量以上であることを表す値である場合に、前記リーンパルス処理を実行する、請求項2に記載の空燃比制御装置。
【請求項4】
前記リーンパルス処理の実行期間及び前記リーンパルス処理におけるリーン度合いは、前記基準析出量の炭素含有物質が前記酸素吸蔵剤上から全て除去されるように設定された固定値である、請求項3に記載の空燃比制御装置。
【請求項5】
前記空燃比制御部は、予め定められた周期で、定期的に、前記リーンパルス処理を実行する、請求項2に記載の空燃比制御装置。
【請求項6】
前記空燃比制御部は、前記リーンパルス処理の実行期間及び前記リーンパルス処理におけるリーン度合いの少なくともいずれか一方を、前記リーンパルス処理が実行されるときの前記析出パラメータの値に基づいて設定する、請求項5に記載の空燃比制御装置。
【請求項7】
前記析出パラメータの値を算出する析出量算出部を更に有し、
前記析出量算出部は、前記排気浄化触媒の温度が予め定められた基準温度以上であって且つ前記排気浄化触媒における酸素吸蔵量がゼロであるときに前記排気浄化触媒に流入する過剰な還元剤の積算値に比例するように前記析出パラメータの値を算出する、請求項2~6のいずれか1項に記載の空燃比制御装置。
【請求項8】
前記析出量算出部は、前記内燃機関の作動中に該内燃機関への燃料の供給が一時的に停止される燃料カット制御が実行されると、前記析出パラメータの値を、前記酸素吸蔵剤上への炭素含有物質の析出量がゼロであることを表す値にリセットする、請求項7に記載の空燃比制御装置。
【請求項9】
前記排気浄化触媒の酸素吸蔵量を推定する推定部を更に有し、
前記空燃比制御部は、前記推定部によって推定された前記酸素吸蔵量が最大酸素吸蔵量に到達する前に、前記リーン処理から前記リッチ処理へ切り替える、請求項1~6のいずれか1項に記載の空燃比制御装置。
【請求項10】
前記リーンパルス処理は、前記排気浄化触媒の酸素吸蔵量がゼロであるときに行われる、請求項1~6のいずれか1項に記載の空燃比制御装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、空燃比制御装置に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、内燃機関の排気通路内に三元触媒を設けると共に、三元触媒に流入する排気ガスの空燃比を制御することが知られている(特許文献1~3)。特に、特許文献1に記載の装置では、三元触媒に流入する排気ガスの空燃比をリーン空燃比とリッチ空燃比との間で変動させると共に、このように空燃比を変動させたときの平均空燃比が理論空燃比となるように空燃比が制御される。また、特許文献3には、排気ポートに2次空気を導入して排気ガスを酸素過剰雰囲気とし、炭素の析出に伴う排気浄化触媒の劣化を低下させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-090880号公報
特開2010-236450号公報
特開2006-112300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、高温で排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比をリッチ空燃比にしている期間があると、その期間中に排気浄化触媒の酸素吸蔵剤上に炭素又は炭化水素等の炭素を含有する物質(以下、「炭素含有物質」という)が析出する場合がある。そして、このような炭素含有物質が酸素吸蔵剤の表面上に析出してこの表面上を広く覆うと、酸素吸蔵剤に酸素が吸蔵されなくなり、結果的に排気浄化触媒による浄化性能が低下する。
【0005】
また、上述したように、特許文献3には、排気ポートに2次空気を導入して排気ガスを酸素過剰雰囲気とし、炭素の析出に伴う排気浄化触媒の劣化を低下させることが開示されている。ここで、酸素吸蔵剤の表面上に析出した炭素をNOxの還元に利用することができれば、その分、NOxを還元するのに必要な炭化水素量(すなわち燃料量)を削減することができる。しかしながら、2次空気を導入して排気ガスを酸素過剰雰囲気とした場合には、析出した炭素はNOxの還元反応に利用されず、よって燃費の悪化を招いてしまう。
【0006】
上記課題に鑑みて、本開示の目的は、燃費の悪化を抑制しつつ酸素吸蔵剤における酸素吸蔵能力の低下を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の要旨は以下のとおりである。
【0008】
(1)内燃機関の排気通路に設けられた酸素吸蔵能力を有する排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比を制御する空燃比制御装置であって、
前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比を制御する空燃比制御部を有し、
前記空燃比制御部は、前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリッチなリッチ空燃比に制御するリッチ処理と、前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリーンなリーン空燃比に制御するリーン処理と、を交互に繰り返し実行し、
前記空燃比制御部は、前記リッチ処理中に、1回の前記リーン処理の期間よりも短い期間に亘って、前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比を前記リーン処理中における空燃比よりもリーン度合いの高いリーン空燃比に制御するリーンパルス処理を実行する、空燃比制御装置。
(2)前記空燃比制御部は、前記排気浄化触媒に担持された酸素吸蔵剤上への炭素含有物質の析出量に関連する析出パラメータの値に基づいて、前記リーンパルス処理の実行時期、前記リーンパルス処理の実行期間及び前記リーンパルス処理において前記排気浄化触媒に流入する排気ガスのリーン度合いのうちの少なくともいずれか一つを設定する、上記(1)に記載の空燃比制御装置。
(3)前記空燃比制御部は、前記析出パラメータの値が、前記酸素吸蔵剤上への炭素含有物質の析出量が予め定められた基準析出量以上であることを表す値である場合に、前記リーンパルス処理を実行する、上記(2)に記載の空燃比制御装置。
(4)前記リーンパルス処理の実行期間及び前記リーンパルス処理におけるリーン度合いは、前記基準析出量の炭素含有物質が前記酸素吸蔵剤上から全て除去されるように設定された固定値である、上記(3)に記載の空燃比制御装置。
(5)前記空燃比制御部は、予め定められた周期で、定期的に、前記リーンパルス処理を実行する、上記(2)に記載の空燃比制御装置。
(6)前記空燃比制御部は、前記リーンパルス処理の実行期間及び前記リーンパルス処理におけるリーン度合いの少なくともいずれか一方を、前記リーンパルス処理が実行されるときの前記析出パラメータの値に基づいて設定する、上記(5)に記載の空燃比制御装置。
(7)前記析出パラメータの値を算出する析出量算出部を更に有し、
前記析出量算出部は、前記排気浄化触媒の温度が予め定められた基準温度以上であって且つ前記排気浄化触媒における酸素吸蔵量がゼロであるときに前記排気浄化触媒に流入する過剰な還元剤の積算値に比例するように前記析出パラメータの値を算出する、上記(2)~(6)のいずれか1つに記載の空燃比制御装置。
(8)前記析出量算出部は、前記内燃機関の作動中に該内燃機関への燃料の供給が一時的に停止される燃料カット制御が実行されると、前記析出パラメータの値を、前記酸素吸蔵剤上への炭素含有物質の析出量がゼロであることを表す値にリセットする、上記(7)に記載の空燃比制御装置。
(9)前記排気浄化触媒の酸素吸蔵量を推定する推定部を更に有し、
前記空燃比制御部は、前記推定部によって推定された前記酸素吸蔵量が最大酸素吸蔵量に到達する前に、前記リーン処理から前記リッチ処理へ切り替える、上記(1)~(8)のいずれか1つに記載の空燃比制御装置。
(10)前記リーンパルス処理は、前記排気浄化触媒の酸素吸蔵量がゼロであるときに行われる、上記(1)~(9)のいずれか1つに記載の空燃比制御装置。
(11)前記リーンパルス処理は、前記排気浄化触媒の温度が、前記排気浄化触媒に担持された酸素吸蔵剤上に炭素含有物質が析出するような温度であるときに行われる、上記(1)~(10)のいずれか1つに記載の空燃比制御装置。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、燃費の悪化を抑制しつつ酸素吸蔵剤における酸素吸蔵能力の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、一つの実施形態に係る空燃比制御装置が用いられている内燃機関を概略的に示す図である。
図2は、プロセッサの機能ブロック図である。
図3は、空燃比制御を行った場合における目標空燃比等のタイムチャートである。
図4は、排気浄化触媒において炭素質の析出が生じる様子を模式的に示した図である。
図5は、酸素吸蔵剤としてセリアが用いられている場合における酸素吸蔵剤周りの状態を模式的に表す図である。
図6は、空燃比制御部において実行される空燃比制御の流れを概略的に示すフローチャートである。
図7は、一つの変形例に係る空燃比制御を行った場合における、目標空燃比等の、図3と同様なタイムチャートである。
図8は、比較制御1における空燃比制御を行った場合における、目標空燃比等のタイムチャートである。
図9は、比較制御2における空燃比制御を行った場合における、目標空燃比等の図8と同様なタイムチャートである。
図10は、比較制御3における空燃比制御を行った場合における、目標空燃比等の図8と同様なタイムチャートである。
図11は、炭素質の単位析出量辺りにおけるNOxの還元速度の比を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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