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公開番号2024075091
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-03
出願番号2022186284
出願日2022-11-22
発明の名称材料分離装置および材料分離方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人
主分類B03B 4/02 20060101AFI20240527BHJP(液体による,または,風力テーブルまたはジグによる固体物質の分離;固体物質または流体から固体物質の磁気または静電気による分離,高圧電界による分離)
要約【課題】3種類以上の材料粒子を含む被処理材料を一度で高精度に分離処理する。
【解決手段】エアテーブル型密度分離機構による密度分離と、この機構のデッキの振動を利用した摩擦帯電分離機構による摩擦帯電分離を組み合わせて材料分離を行う材料分離装置であり、デッキ面10を構成する部材を、被処理材料に含まれる材料粒子のうち、密度差がない若しくは密度差が小さいが分離を要する2種類の材料粒子の仕事関数の中間値となる仕事関数を有する材質とし、デッキ1の材料払出し部12またはその近傍位置に、材料払出し部12から払い出される前記2種類の材料粒子の流れを挟むようにして正負の電極部材2a,2bを対向して設けた。前記2種類の材料粒子はデッキ1の振動によるデッキ面10との摩擦でプラスとマイナスに帯電し、材料払出し部12から払い出される際に、それらの極性に応じて電極部材2a,2bに引き寄せられることで分離される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
一端側が材料投入部(11)、他端側が材料払出し部(12)を構成し、デッキ面(10)が、材料投入部(11)から材料払出し部(12)に向かって下向きに傾斜するとともに、デッキ幅方向に傾斜したデッキ(1)を有し、
デッキ面(10)に形成された複数の空気穴からデッキ面(10)上に空気を噴出させつつ、デッキ(1)を幅方向で振動させることにより、材料投入部(11)からデッキ面(10)上に投入された粒状の被処理材料が材料払出し部(12)に流れる過程で、密度差による材料粒子の分離がなされるようにしたエアテーブル型密度分離機構を備えた材料分離装置であって、
デッキ(1)の少なくともデッキ面(10)を構成する部材を、被処理材料に含まれる材料粒子のうち、密度差がない若しくは密度差が小さいが分離を要する2種類の材料粒子の仕事関数の中間値となる仕事関数を有する材質とし、
デッキ(1)の材料払出し部(12)またはその近傍位置に、材料払出し部(12)から払い出される前記2種類の材料粒子の流れを挟むようにして、正電極部材(2a)と負電極部材(2b)が材料払出し部(12)の幅方向で対向して設けられることを特徴とする材料分離装置。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
デッキ(1)のデッキ面(10)を構成する部材が、デッキ本体を被覆するめっき層またはライニングであることを特徴とする請求項1に記載の材料分離装置。
【請求項3】
被処理材料に含まれる材料粒子のうち、密度差がない若しくは密度差が小さいが分離を要する2種類の材料粒子(x1),(x2)が、密度差による材料粒子の分離が一部生じた状態で材料払出し部(12)から払い出される被処理材料を処理対象とする材料分離装置であって、
材料払出し部(12)の幅方向において、仕事関数の高い方の材料粒子(x1)が多く払い出される側に正電極部材(2a)を配置し、仕事関数の低い方の材料粒子(x2)が多く払い出される側に負電極部材(2b)を配置することを特徴とする請求項1に記載の材料分離装置。
【請求項4】
使用済み耐火物を処理対象とすることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の材料分離装置。
【請求項5】
高炉樋の使用済み耐火物を処理対象とすることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の材料分離装置。
【請求項6】
一端側が材料投入部(11)、他端側が材料払出し部(12)を構成し、デッキ面(10)が、材料投入部(11)から材料払出し部(12)に向かって下向きに傾斜するとともに、デッキ幅方向に傾斜したデッキ(1)を有し、
デッキ面(10)に形成された複数の空気穴からデッキ面(10)上に空気を噴出させつつ、デッキ(1)を幅方向で振動させることにより、材料投入部(11)からデッキ面(10)上に投入された粒状の被処理材料が材料払出し部(12)に流れる過程で、密度差による材料粒子の分離がなされるようにしたエアテーブル型密度分離機構を備えた材料分離装置(A)を用いた材料分離方法であって、
材料分離装置(A)は、デッキ(1)の少なくともデッキ面(10)を構成する部材を、被処理材料に含まれる材料粒子のうち、密度差がない若しくは密度差が小さいが分離を要する2種類の材料粒子の仕事関数の中間値となる仕事関数を有する材質とし、デッキ(1)の材料払出し部(12)またはその近傍位置に、材料払出し部(12)から払い出される前記2種類の材料粒子の流れを挟むようにして、正電極部材(2a)と負電極部材(2b)を材料払出し部(12)の幅方向で対向して設け、
デッキ面(10)上に投入された被処理材料に含まれる材料粒子のうち、前記2種類の材料粒子とそれ以外の材料粒子とを、前記エアテーブル型密度分離機構で密度差により分離するとともに、
デッキ(1)の振動による摩擦により、前記2種類の材料粒子のうちの一方の材料粒子をプラスに、他方の材料粒子をマイナスにそれぞれ帯電させ、材料払出し部(12)から払い出される際に、前記マイナスに帯電した材料粒子が正電極部材(2a)側に引き寄せられ、前記プラスに帯電した材料粒子が負電極部材(2b)側に引き寄せられるようにすることにより、前記2種類の材料粒子を分離することを特徴とする材料分離方法。
【請求項7】
デッキ(1)のデッキ面(10)を構成する部材が、デッキ本体を被覆するめっき層またはライニングであることを特徴とする請求項6に記載の材料分離方法。
【請求項8】
被処理材料に含まれる材料粒子のうち、密度差がない若しくは密度差が小さいが分離を要する2種類の材料粒子(x1),(x2)が、密度差による材料粒子の分離が一部生じた状態で材料払出し部(12)から払い出される被処理材料を処理対象とする材料分離方法であって、
材料払出し部(12)の幅方向において、仕事関数の高い方の材料粒子(x1)が多く払い出される側に正電極部材(2a)を配置し、仕事関数の低い方の材料粒子(x2)が多く払い出される側に負電極部材(2b)を配置することを特徴とする請求項6に記載の材料分離方法。
【請求項9】
使用済み耐火物を処理対象とすることを特徴とする請求項6~8のいずれかに記載の材料分離方法。
【請求項10】
高炉樋の使用済み耐火物を処理対象とすることを特徴とする請求項6~8のいずれかに記載の材料分離方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、3種類以上の材料粒子を含む被処理材料(粒状混合物)を材料粒子別に分離回収するための材料分離装置および材料分離方法に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
製銑工程では溶銑を流すための耐火物製の樋(高炉樋)が用いられており、この高炉樋は溶損による損耗が進むと解体され、使用済み耐火物となる。この使用済み耐火物は、いわゆるスラグライン材(SiCを主成分とする耐火物。以下、説明の便宜上「SL材」という。)、メタルライン材(Al



を主成分とする耐火物。以下、説明の便宜上「ML材」という。)、スラグ材(樋に付着していたスラグ)が混在したものである。
この使用済み耐火物のうち、SL材とML材は耐火物としての能力を有する成分に富んだ材料であるため、安定した状態で分離回収し、耐火物原料としてリサイクルすることが望ましい。しかし、分離回収したSL材やML材にスラグ材が混入すると耐火物原料としての品位が安定しないため、リサイクル原料として使用することは難しい。
【0003】
したがって、高炉樋の使用済み耐火物のリサイクルを行うためには、使用済み耐火物をSL材、ML材、スラグ材の3種類に分離する必要がある。しかし、これらの材料は色合いが酷似しており、従来の耐火物リサイクルで利用されている色彩の違いによって選別・分離する方法を適用することは困難である。
従来、密度が異なる材料粒子の混合物(粒状混合物)を対象とする材料分離手段として、材料粒子の密度差を利用したエアテーブル型密度分離装置が使用されており、主にリサイクル廃棄物(廃プラなど)の選別技術として広く用いられている。
【0004】
このエアテーブル型密度分離装置は、図4に示すように、一端側が材料投入部81、他端側が材料払出し部82を構成し、デッキ面80が、材料投入部81から材料払出し部82に向かって下向きに傾斜(この傾斜をサイドスロープという。)するとともに、デッキ幅方向に傾斜(この傾斜をエンドスロープという。)したデッキ8を備え、デッキ面80の全面に形成された複数の空気穴からデッキ面80上に空気流を噴出させつつ、デッキ8を幅方向(図中x方向)で振動させることにより、材料投入部81からデッキ面80上に投入された被処理材料(粒状混合物)が材料払出し部82に流れる過程で、密度差による材料粒子の分離がなされるようにしたものである。
【0005】
このエアテーブル型密度分離装置では、被処理材料に含まれる材料粒子のうち、低密度粒子はデッキ面80から噴出する空気流によって浮上するため、振動するデッキ面80との摩擦の影響が少なく、このため幅方向で傾斜したデッキ面80の低い側に移動し、一方、高密度粒子は、振動するデッキ面80との摩擦の影響を大きく受けるので、幅方向で傾斜したデッキ面80の高い側に移動し、このようにして分離された低密度粒子と高密度粒子が、材料払出し部82の幅方向の異なる位置からそれぞれ払い出される。また、被処理材料に低密度粒子と高密度粒子に対して十分な密度差がある中密度粒子が含まれる場合、この中密度粒子は、幅方向で傾斜したデッキ面80の高い側と低い側の中間位置に移動し、低密度粒子・高密度粒子と分離された状態で払い出されるため、被処理材料(粒状混合物)を密度差により3種類の材料粒子(低密度粒子・中密度粒子・高密度粒子)に分離することができる。
【0006】
しかし、被処理材料に含まれる中密度粒子が、低密度粒子または高密度粒子に対して十分な密度差がない場合には、従来のエアテーブル型密度分離装置では、被処理材料を3種類の材料粒子(低密度粒子・中密度粒子・高密度粒子)に高精度に分離することができない。ここで、上述した高炉樋の使用済み耐火物を密度分離する場合、スラグ材が低密度材、ML材が高密度材、SL材が中密度材になるが、SL材とスラグ材に十分に大きな密度差がないため、従来のエアテーブル型密度分離装置では、ML材、SL材、スラグ材という3種類の材料を高精度に分離することができない。
一方、材料の分離精度を向上させるため、例えば、特許文献1には、エアテーブル型密度分離装置で密度分離する前の材料(プラスチックを含む廃棄物)に摩擦帯電分離を実施し、事前に密度差が小さい材料どうしを分離するようにした分離方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2002-59082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のエアテーブル型密度分離装置による密度分離では、十分な密度差があれば3種類以上の材料粒子を高精度に分離できるが、中密度粒子が低密度粒子または高密度粒子に対して十分な密度差がない場合には、低精度の分離しかできない問題がある。
一方、特許文献1の方法は、3種類以上の材料粒子の分離精度は高まるが、摩擦帯電分離工程とエアテーブル型密度分離装置による密度分離工程という2つの工程が必要であるため、手間とコストがかかる問題がある。
【0009】
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、分離を要する3種類以上の材料粒子を含む被処理材料(粒状混合物)を一度で高精度に分離処理し、各材料粒子を高純度で分離回収することができる材料分離装置および材料分離方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の材料分離装置および材料分離方法は、エアテーブル型密度分離機構による密度分離と、この機構のデッキ(テーブル)の振動を利用した摩擦帯電分離機構による摩擦帯電分離を組み合わせることで、3種類以上の材料粒子を含む被処理材料(粒状混合物)を一度で高精度に分離処理できるようにしたものであり、その特徴は以下の通りである。
(【0011】以降は省略されています)

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