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公開番号2024048395
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-08
出願番号2023165109
出願日2023-09-27
発明の名称二重リング形の生体磁気分離システム
出願人セプマグ システムズ,ソシエダッド リミターダ
代理人弁理士法人南青山国際特許事務所
主分類B03C 1/28 20060101AFI20240401BHJP(液体による,または,風力テーブルまたはジグによる固体物質の分離;固体物質または流体から固体物質の磁気または静電気による分離,高圧電界による分離)
要約【課題】大容量の生体磁気分離装置を提供する。
【解決手段】生体磁気分離システムは、複数の永久磁石からなる外側リング及び内側リングを有する。外側リングは、四極子ハルバッハシリンダである。内側リングは、多極子ハルバッハシリンダである。内側リングの内半径において、容器側壁での磁場勾配は、外側リング単独の磁場勾配よりも大きい。これを満たす様に、各シリンダの直径及び他の条件が選択される。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
内半径R

及び外半径R

であり、同一の幾何形状を有するn

個(n

>4)の永久磁石を有し、前記永久磁石の磁化方向変化は以下の数式で示され、
Δγ

=3Δθ

Δθ

は、2個の隣接する磁石間の角距離である、
外側リングと、
外半径R

及び内半径R

であり、同一の幾何形状を有するn

個(n

>2N)の永久磁石を有し、Nは極対数であり、前記永久磁石の磁化方向変化は以下の数式で示され、
Δγ=(N+1)Δθ
Δθは、2個の隣接する磁石間の角距離である、
内側リングと、
を具備し、
前記内側リングは、前記外側リングと同心であり、シリンダ形の容器を配置するための内孔を定義し、
前記容器の内面は、前記内側リング及び前記外側リングの幾何中心から位置Z

に位置し、
前記外側リングは、残留磁束密度Br

と、空間充填率f

とを有し、
前記内側リングは、残留磁束密度Br

と、空間充填率f

とを有し、
前記内側リングは、以下の複数の条件を満たし、
TIFF
2024048395000006.tif
26
164
TIFF
2024048395000007.tif
43
164
k>1であり、zは、Z

/R

の比であり、f=(B
r2



)/(B
r1



)である
二重リング形生体磁気分離システム。
続きを表示(約 120 文字)【請求項2】
請求項1に記載の二重リング形生体磁気分離システムであって、
f=1であるとき、前記内側リング及び前記外側リングの前記空間充填率及び前記磁石の残留磁束密度が等しい
二重リング形生体磁気分離システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、粒子の磁気分離の技術分野に関する。より詳細には、本開示は、大容量の生体磁気分離装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
磁気分離システムは、医学、生物学及び薬理学の分野に多く適用される。試料、懸濁液又は溶液の特定の成分(例えば、各種の抗体)は、成分に関する見地(疾患の診断等)を分析するために、分離する必要があることが多い。このように成分、粒子又は分子を分離するのに、アフィニティーカラムによる分離方法及び遠心分離法が、従来から使用されている。
【0003】
近年、別の方法として、磁性粒子を使用する分離方法が多く使用されている。この方法によれば、迅速かつ容易に、正確かつ信頼性高く、特定の成分(例えば、特定の蛋白質、遺伝物質及び生体分子等)を分離することができる(例えば、非特許文献1を参照)。本方法で使用される磁性粒子は、特種な容器(vessel)に入れられた試料、溶液及び懸濁液等から分離される特定の成分に結合するように設計されている。磁場を印加することで、磁性粒子は、試料の残余から分離される。言い換えれば、磁性粒子は、容器側壁で凝縮される。磁性粒子は、(例えば、磁場の印加により)容器側壁で保持される。一方、試料の残余(あるいは、少なくとも、試料の残余の実質的部分)は除去される。その後、保持された分画物(フラクション)に対して洗浄処理(再度の磁性粒子分離等を含んでよい)を行ってもよい。
【0004】
特許文献1に開示された構造に基づく磁性粒子分離装置は、強い磁場を生成することが可能である。特許文献2に開示された構造に基づく磁性粒子分離装置は、略一定の磁場勾配を生成することが可能である。各装置の構造は、ハルバッハ定理に基づく。ハルバッハ定理によれば、以下の現象が実証される。軸に対して垂直に磁化された無限リニア磁石の磁化(magnetization)が、この軸を中心に回転すると、空間全体に亘ってモジュール内の磁場は一定である。また、磁場の方向は、空間全体に亘って、回転方向とは逆方向で、同じ角となる(非特許文献2)。この原理を用いて、シリンダ状の空間内に均一な磁場を生成する双極子(dipolar sources)を展開することができる(例えば、非特許文献3を参照)。加えて、シリンダの外側の磁場は略ゼロとなる。これは、安全性の点で有利である。これらの構造は「ハルバッハシリンダ」としても知られる。
【0005】
この原理は、多極子(multipolar sources)に容易に使用できる。四極子(four pole sources)の場合、勾配が一定である。各装置の構造は、機能的であり、少量の場合(数ml単位の量を器(レシピエント)に供給する場合)、理論的には大きな技術的問題は無い。ハルバッハシリンダ(内半径R

、外半径R

)が生成する磁場勾配は、全ての磁性粒子に対して一定の磁場勾配を生成する。磁場勾配により、磁性粒子が、シリンダと同軸の内孔に挿入されたシリンダ形の容器(内半径Z

、Z

<R

)の内壁に向かって半径方向(放射状)に移動する。
【0006】
磁性粒子が分離(即ち、全ての磁性粒子が最終位置に到達)してから、懸濁液の液体を除去する。この点、磁場勾配は、全ての磁性粒子を容器内壁に保持するのに十分強くなければならない。磁場勾配が十分強ければ、除去対象が液体でない際にも、磁性粒子及び磁性粒子に付着した生体分子が損失するのを回避できる。懸濁液中の粒子の体積濃度が一定である場合、分離処理終了時に容器のシリンダ状内壁に保持される磁性粒子の表面密度は、容器半径の増加に比例して直線的に増加する。そうすると、容器半径が大きいほど、磁性粒子を保持するためにより高い磁場勾配が必要となる。
【0007】
しかしながら、四極子ハルバッハシリンダが生成する磁場勾配は、∇B=2



/R


(1-R

/R

)である。B

は、使用する永久磁石の残留磁束密度である。外半径R

が無限大(R

/R

≧0)である無限大のシリンダの場合でも、磁場勾配は半径に反比例する。磁場勾配の限界は、∇B>2



/R

である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
米国特許第5,705,064号明細書
米国特許公開公報第2003/0015474号明細書
【非特許文献】
【0009】
Z. M. Saiyed等、「Application of Magnetic Techniques in Field of Drug Discovery and Biomedicine」、BioMagnetic Research and Technology 2003、1:2、2003年9月18日、http://www.biomagres.com/content/1/1/2
K. Halbach、「Design of permanent multipole magnets with oriented reareast cobalt material」、Nuclear Instruments and Methods Volume 169、Issue 1、1980年2月1日、p.1-10
H. A. Leupold、「Rare Earth Permanent Magnets」、J. M. D Coey編、「Static Applications」、1996年、p. 401-405
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
磁性粒子の懸濁液を磁気分離処理する際に、1回分の容量(バッチボリューム)を増やすには、容器の半径Z

を大きくする。この場合、保持領域で保持される磁性粒子の表面密度が大きくなるため、より大きな磁場勾配が必要となる。一方、内孔の内半径R

(R

>Z

)に制限されて、磁場勾配は小さくなる。臨界半径のとき、四極子ハルバッハシリンダが生成する磁場勾配は、懸濁液の液体を除去する際に磁性粒子を保持するのに必要な値より小さくなる。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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