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公開番号2025111198
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-30
出願番号2024005467
出願日2024-01-17
発明の名称蛍光分析装置
出願人学校法人早稲田大学
代理人弁理士法人京都国際特許事務所
主分類G01N 21/64 20060101AFI20250723BHJP(測定;試験)
要約【課題】マイクロ流路デバイスの流路内という微小な反応場で発生する微弱な蛍光を感度良く検出することができる蛍光分析装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る蛍光分析装置100は、マイクロ流路デバイス200を保持するための保持台110と、光源121と、該光源から出射された光のうち所定の波長範囲の光である励起光を透過させ、前記励起光以外の光を透過させない励起光フィルタ123と、該励起光フィルタ123を透過してきた励起光を前記保持台110に保持されたマイクロ流路デバイス200の流路内に集光するための集光レンズ122とを有する励起光出射部120と、光電子増倍管131を有する蛍光検出部130と、前記励起光出射部120から出射された励起光を前記保持台110に保持されたマイクロ流路デバイス200の流路内に導入し、該マイクロ流路デバイス200の流路内で生じた蛍光を前記蛍光検出部130に導入する共通光学系140とを備えるものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
マイクロ流路デバイスを保持するための保持台と、
光源と、該光源から出射された光のうち所定の波長範囲の光である励起光を透過させ、前記励起光以外の光を透過させない励起光フィルタと、該励起光フィルタを透過してきた励起光を前記保持台に保持されたマイクロ流路デバイスの流路に集光するための集光レンズとを有する励起光出射部と、
光電子増倍管を有する蛍光検出部と、
前記励起光出射部から出射された励起光を前記保持台に保持されたマイクロ流路デバイスの流路に導入し、該マイクロ流路デバイスの流路で生じた蛍光を前記蛍光検出部に導入する共通光学系と、
を備える蛍光分析装置。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
請求項1に記載の蛍光分析装置において、
前記蛍光検出部の前記光電子増倍管よりも前記共通光学系側に配置された、前記蛍光を透過させ、前記励起光を透過させない蛍光フィルタを備える、蛍光分析装置。
【請求項3】
請求項1に記載の蛍光分析装置において、
前記励起光出射部から出射され、前記マイクロ流路デバイスの流路に入射した後、該流路で反射された励起光の像を形成する結像光学系と、
前記結像光学系が形成した像を撮像する撮像部とをさらに備えている、蛍光分析装置。
【請求項4】
請求項1に記載の蛍光分析装置において、
前記共通光学系が、前記励起光出射部から出射された励起光を、前記保持台に保持されたマイクロ流路デバイスの流路の方向に反射させ、前記流路内で生じた蛍光を前記蛍光検出部の方向に透過させるダイクロイックミラーが配置されている、蛍光分析装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の蛍光分析装置に用いられるマイクロ流路デバイスであって、
石英ガラス基板と、
該石英ガラス基板の一方の面に接合され、前記石英ガラス基板との接合面に流路用溝部が形成された石英ガラス製又はポリジメチルシロキサン製の流路部材とを備え、
前記流路用溝部と前記石英ガラス基板とから、流路が形成されている、マイクロ流路デバイス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光顕微鏡などの蛍光分析装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
ミリメートルサイズからマイクロメートルサイズの微細な流路が基板上に形成されたマイクロ流路デバイスは、流路に微量な液体試料を流すことで、流路内で生化学反応や化学反応を行うことができる。特に、微細な流路では慣性力よりも粘性力が支配的となり液体の流れが層流となるため、ビーカー等の容器を用いた実験系に比べて迅速に化学反応が進行する(非特許文献1)。このように、マイクロ流路デバイスを用いると化学反応の反応時間を短縮できるため、マイクロ流路デバイスは化学反応の反応機構の解明に有用なツールとなり得る。
【0003】
化学反応の反応機構は、例えば2個の導入口と1個の排出口を繋ぐY字状の流路を備えたマイクロ流路デバイスを用いて調べることができる。このマイクロ流路デバイスにおいて、2種類の試薬を2個の導入口からそれぞれ導入すると、2種類の試薬は合流した後も層流となって並列して流路内を流れ、該層流の境界面で化学反応が進行する。
【0004】
マイクロ流路デバイスの流路内で進行する生化学反応や化学反応の観察には通常、光学顕微鏡が用いられる。特によく用いられるのは、流体の可視化が容易な蛍光顕微鏡で、当該顕微鏡では、励起光出射部が出射する励起光をマイクロ流路デバイスの流路内に照射し、これによって生じた蛍光をCCDカメラ等の2次元イメージセンサで観察する。生化学反応や化学反応によって生成される物質(生成物)が発する蛍光を励起する光を流路内に照射することにより、流路内に生成物が生じたことを確認することができる。
【0005】
一般的な蛍光顕微鏡の励起光出射部は、光源と、光源から出射された光のうち励起光以外の光を除く励起光フィルタと、励起光フィルタを透過した光(励起光)をマイクロ流路デバイスが配置されている方向に向けて反射するダイクロイックミラーを備えている。ダイクロイックミラーは、マイクロ流路デバイスの流路内で発生した蛍光を透過し、2次元イメージセンサに導入する。ダイクロイックミラーとマイクロ流路デバイスの間には対物レンズが配置されており、この対物レンズにより、励起光出射部から出力される励起光をマイクロ流路デバイスの流路内に集光させ、該流路内で生じた蛍光を2次元イメージセンサの受光面に集光させる。また、ダイクロイックミラーと2次元イメージセンサとの間には、励起光を除去し、蛍光を透過させる蛍光フィルタや結像レンズ等も配置されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Masashi Kobayashi, et al., "Efficient Synthesis of a Schiff Base Copper(II) Complex Using a Microfluidic Device", Micromachines 2023, 14, 890
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記蛍光顕微鏡では、ダイクロイックミラーで反射され、マイクロ流路デバイスに向かって進行する励起光の一部が対物レンズで反射され、該マイクロ流路デバイスで発生した蛍光と共に2次元イメージセンサに入射してしまうことがある。蛍光と共に2次元イメージセンサに入射した励起光はノイズとなるため、S/N比が低下する。特に励起光の強度は蛍光に比べると非常に大きいため、蛍光と共に励起光が2次元イメージセンサに入射してしまうと、蛍光の検出感度の低下を招く。また、上記蛍光顕微鏡では、マイクロ流路デバイスの流路内で生じた蛍光は、対物レンズや結像レンズを透過した後、2次元イメージセンサに入射する。蛍光の波長によっては、対物レンズや結像レンズを透過する際に蛍光の一部が前記レンズに吸収されてしまい、2次元イメージセンサに到達する蛍光の光量が低下するという問題もあった。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、マイクロ流路デバイスの流路内という微小な反応場で発生する微弱な蛍光を感度良く検出することができる蛍光分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために成された本発明に係る蛍光分析装置は、
マイクロ流路デバイスを保持するための保持台と、
光源と、該光源から出射された光のうち所定の波長範囲の光である励起光を透過させ、前記励起光以外の光を透過させない励起光フィルタと、該励起光フィルタを透過してきた励起光を前記保持台に保持されたマイクロ流路デバイスの流路内に集光するための集光レンズとを有する励起光出射部と、
光電子増倍管を有する蛍光検出部と、
前記励起光出射部から出射された励起光を前記保持台に保持されたマイクロ流路デバイスの流路内に導入し、該マイクロ流路デバイスの流路内で生じた蛍光を前記蛍光検出部に導入する共通光学系と
を備えるものである。
【0010】
本発明の蛍光分析装置には蛍光顕微鏡が含まれるものとする。上記蛍光分析装置においては、励起光出射部から出射された励起光は、共通光学系を通ってマイクロ流路デバイスの流路内に照射される。励起光が照射されることによって流路内で生じた蛍光は前記共通光学系を通って蛍光検出部に導入され、光電子増倍管の入射窓から該光電子増倍管に入射する。光電子増倍管は、入射した蛍光から光電子を発生させ、その光電子を加速・増倍することで増幅し、電流信号として出力する。そのため、微弱な蛍光であっても高い感度で検出することができる。また、上記蛍光分析装置では、従来の装置で蛍光の検出に用いられていた2次元イメージセンサに代えて光電子増倍管で蛍光を検出するため、2次元イメージセンサの受光面に蛍光を集光したり結像したりするためのレンズをなくすことができる。さらに、上記蛍光分析装置では、マイクロ流路デバイスの流路内に励起光を集光するための集光レンズを励起光出射部に配置したため、マイクロ流路デバイスの流路内で発生した蛍光が光電子増倍管に入射するまでの間において蛍光が光学素子等に吸収されることを防止でき、光電子増倍管に入射する蛍光の光量を増やすことができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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