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公開番号2025050042
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-04
出願番号2023158613
出願日2023-09-22
発明の名称体液吸収性物品の処理装置および体液吸収性物品の処理方法
出願人住友重機械エンバイロメント株式会社,トータルケア・システム株式会社
代理人弁理士法人雄渾
主分類B09B 3/30 20220101AFI20250327BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】本発明の課題は、使用済の体液吸収性物品の構成成分のうち、特にプラスチックを分離回収し資源として再利用するに当たり、水使用量を低減し、かつ円滑な処理を進行させることが可能となる体液吸収性物品の処理装置および体液吸収性物品の処理方法を提供することである。
【解決手段】上記課題を解決するために、使用済の体液吸収性物品からプラスチックを回収する回収部と、回収部で分離されたプラスチックを湿式で形状調整する形状調整部と、形状調整部で処理された処理液に含まれる固体分を分離する分離部と、分離部で分離された細粒側分離液を形状調整部に供給する循環部と、を備える体液吸収性物品の処理装置およびこの装置を用いた体液吸収性物品の処理方法を提供する。この発明によれば、体液吸収性物品からプラスチックの分離回収および資源化に係るコスト低減と処理円滑化を可能とし、新たな資源としての利用促進が図られる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
使用済の体液吸収性物品からプラスチックを回収する回収部と、
前記回収部で回収されたプラスチックを湿式で形状調整する形状調整部と、
前記形状調整部で処理された処理液に含まれる固体分を分離する分離部と、
前記分離部で分離された細粒側分離液を前記形状調整部に供給する循環部と、を備えることを特徴とする、体液吸収性物品の処理装置。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
前記回収部で回収されたプラスチックを前記形状調整部に適した状態に調整する調整部を備え、
前記細粒側分離液を前記調整部に供給することを特徴とする、請求項1に記載の体液吸収性物品の処理装置。
【請求項3】
前記分離部を2以上備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の体液吸収性物品の処理装置。
【請求項4】
使用済の体液吸収性物品からプラスチックを回収する回収ステップと、
前記回収ステップで回収されたプラスチックを湿式で形状調整する形状調整ステップと、
前記形状調整ステップで処理された処理液に含まれる固体分を分離する分離ステップと、
前記分離ステップで分離された細粒側分離液を前記形状調整ステップに供給する循環ステップと、を備えることを特徴とする、体液吸収性物品の処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、体液吸収性物品の処理装置および体液吸収性物品の処理方法に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッドのように、体液を吸収させることを目的とした物品(以下、「体液吸収性物品」と呼ぶ)は、主にパルプ、高吸水性樹脂(以下、「SAP」とも呼ぶ)、プラスチックから構成されており、幅広く利用されている。特に、高齢者社会を迎える中、一般家庭、病院や福祉施設において、紙おむつの使用量は年々増加している。
そして、大量に排出される使用済の体液吸収性物品の処分については、廃棄物として主に焼却処理が行われている。
【0003】
しかし、水分を多く含む使用済の体液吸収性物品を焼却処理するには、高温処理や焼却設備の大型化が必要となり、炉の劣化を促進するなど、焼却設備への負荷が大きいという問題がある。また、資源の有効活用という観点からも、焼却処理によらず、使用済の体液吸収性物品から構成成分を分離回収し、再利用することが求められている。
【0004】
例えば、特許文献1には、使用済の体液吸収性物品(使用済紙おむつ)の処理として、使用済紙おむつの破砕、洗浄、分離を行い、紙おむつを構成するパルプ、高吸水性樹脂(吸水ポリマー)、不織布、ビニール(プラスチック)等を別々に分離回収する使用済紙おむつの使用材料の再生処理方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2000-84533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されるように、体液吸収性物品(使用済紙おむつ)の使用材料の再生処理では、分離回収したパルプは再度紙おむつのパルプとして利用する一方、分離回収したビニール(プラスチック)については、油化や炭化して新たな資源として利用することが行われている。このとき、プラスチックの分離回収および資源化に当たっては、洗浄や搬送に際して水資源を使用する工程を経る必要があるが、体液吸収性物品におけるプラスチックの構成比が高く、体液吸収性物品の処理量が増加するに伴い、必要となる水資源の消費量(以下、「水使用量」と呼ぶ)が増大するという課題がある。また、分離回収したプラスチックは、資源化に係る処理を行うに当たって適切な形状とすることが求められる。
【0007】
本発明の課題は、使用済の体液吸収性物品の構成成分のうち、特にプラスチックを分離回収し資源として再利用するに当たり、水使用量を低減し、かつ円滑な処理を進行させることが可能となる体液吸収性物品の処理装置および体液吸収性物品の処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、使用済の体液吸収性物品からプラスチックを回収し、回収したプラスチックに対して、湿式による形状調整(破砕等)および固体分の分離を行うことと併せ、分離により生じた分離液を循環して利用することで、プラスチックの分離回収および資源化において、水使用量を低減し、かつ円滑な処理を進行させることが可能となることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の体液吸収性物品の処理装置および体液吸収性物品の処理方法である。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の体液吸収性物品の処理装置は、使用済の体液吸収性物品からプラスチックを回収する回収部と、回収部で回収されたプラスチックを湿式で形状調整する形状調整部と、形状調整部で処理された処理液に含まれる固体分を分離する分離部と、分離部で分離された細粒側分離液を形状調整部に供給する循環部と、を備えるという特徴を有する。
本発明の体液吸収性物品の処理装置は、使用済の体液吸収性物品からプラスチックの分離回収を行い、さらにプラスチックの資源化に係る処理を円滑に行うためのものである。具体的には、回収部によって使用済の体液吸収性物品からプラスチックを分離回収し、形状調整部において分離回収したプラスチックに対する湿式での形状調整を行うことで、資源化処理に適した形状とするとともに、分離部における固体分の分離によって生じる分離液(細粒側分離液)を、循環部を介して形状調整部に循環させて利用することで、処理に要する水使用量を低減させるものである。これにより、大量に排出される体液吸収性物品(使用済紙おむつ等)からプラスチックの分離回収および資源化に係るランニングコストの低減と処理の円滑化を可能とし、廃棄ではなく新たな資源としての利用を促進することができる。
【0010】
また、本発明の体液吸収性物品の処理装置の一実施態様としては、回収部で回収されたプラスチックを形状調整部に適した状態に調整する調整部を備え、細粒側分離液を調整部に供給するという特徴を有する。
この特徴によれば、調整部を設けることで、形状調整部における処理(湿式での形状調整)について円滑な処理を継続して進行させることが容易になる。また、調整部での調整に係る作業・操作において細粒側分離液を利用することで、系内において見かけ上大量の水を確保することが容易となり、形状調整に係る操作上の好適条件(撹拌強度等)の維持・達成が可能となる。これにより、処理に要する水使用量の削減および円滑な処理継続を図ることがより一層容易となる。
(【0011】以降は省略されています)

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