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公開番号
2025049971
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-04
出願番号
2023158515
出願日
2023-09-22
発明の名称
アルミニウム二次合金、磁気ディスク用アルミニウム基板、及びアルミニウム二次合金の製造方法
出願人
株式会社神戸製鋼所
代理人
弁理士法人栄光事務所
主分類
C22C
21/06 20060101AFI20250327BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】リサイクル性の高い磁気ディスク基板が得られるアルミニウム二次合金、これを用いて得られる磁気ディスク用アルミニウム基板、及びアルミニウム二次合金の製造方法を提供する。
【解決手段】原料の少なくとも一部にアルミニウム廃材を含むアルミニウム二次合金であって、Mg、Fe、Zn、NiおよびPを含み、前記Mg:3.0質量%~15質量%、前記P:0.1質量ppm~25質量ppmである、アルミニウム二次合金。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
原料の少なくとも一部にアルミニウム廃材を含むアルミニウム二次合金であって、
Mg、Fe、Zn、NiおよびPを含み、
前記Mg:3.0質量%~15質量%、
前記P:0.1質量ppm~25質量ppmである、アルミニウム二次合金。
続きを表示(約 610 文字)
【請求項2】
さらに、Siを含み、
前記Si:0.1質量%以下である、請求項1に記載のアルミニウム二次合金。
【請求項3】
さらに、CrおよびMnを含む、請求項1に記載のアルミニウム二次合金。
【請求項4】
前記Ni:0.5質量%~10質量%である、請求項1に記載のアルミニウム二次合金。
【請求項5】
前記Fe:0.01質量%~3.0質量%である、請求項1に記載のアルミニウム二次合金。
【請求項6】
前記Zn:0質量%超~1.5質量%である、請求項1に記載のアルミニウム二次合金。
【請求項7】
さらに、Be:3質量ppm~50質量ppmを含む、請求項1に記載のアルミニウム二次合金。
【請求項8】
前記アルミニウム廃材が、磁気ディスク用アルミニウム基板の製造工程中で生じる端材、磁気ディスクを製造する際に生じるNi-Pめっきを処する前の端材、廃ディスク基板から選択される少なくとも1種から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載のアルミニウム二次合金。
【請求項9】
再生塊である、請求項1~8のいずれか1項に記載のアルミニウム二次合金。
【請求項10】
溶湯である、請求項1~8のいずれか1項に記載のアルミニウム二次合金。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム二次合金、磁気ディスク用アルミニウム基板、及びアルミニウム二次合金の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
アルミニウムは、リサイクル性に優れた金属材料とされており、アルミ缶やダイカスト製品を始めとするアルミニウム展伸材からなる多くのアルミニウム製品は廃却後再溶解されて新しい製品へリサイクルされる。しかしながら、廃却後のアルミニウム製品には不純物が付着しており、リサイクルを繰り返すことで不純物元素の濃度が次第に増加することから、より成分規格の緩い製品へカスケードリサイクルされることが一般的である。
【0003】
ハードディスク基板材についても同様で、使用済み基板表面には亜鉛処理、Ni-Pめっき処理がなされている。これらを個別に除去することは一般に難しいため、上記の例にもれずカスケードリサイクルされていると推定される。
【0004】
また、アルミニウム製品の用途拡大に伴い、現在JIS規格で規定されていない新合金が開発されつつある。ディスク材においても、剛性を付与するために遷移金属元素(Fe、Mn、Ni、Cr等)を積極的に添加した材料が開発されている(特許文献1)。これらは不純物濃度が高いため、スクラップを利用できる期待があるが、スクラップに起因して設計外の元素が混入すると、品質に悪影響を及ぼす。例えば、JIS AC3A合金において、溶解原料にPが高濃度含まれていると、共晶Si相が粗く鉄系化合物を粗大化させ、機械特性も低下する(非特許文献1)。そのため、高品質を維持するためには溶解原料成分の厳密な管理が重要である。
【0005】
磁気ディスク用アルミニウム基板は、JIS5086合金をベースにしているものが主流であるが、廃ディスク基板表面にはNi-Pめっき処理がなされているため、高濃度のPが含まれる。これをそのまま再生材として配合した場合、PがFe等を含む遷移金属系化合物の粗大化や機械特性の低下を招く、あるいはPを含有する化合物が介在物として懸濁するリスクがある。そのため、回収した廃ディスク基板をそのまま原料として使用できない問題がある。
【0006】
アルミニウム溶湯から不純物を取り除く方法としては、例えば、特許文献2には、溶湯温度650~850℃でP及び/又はSbを含有するアルミニウム溶湯にMg添加及び塩素ガスの吹き込みを行うことで、P及び/又はSbを除去する方法が記載されている。
特許文献3には、不純物を含むアルミニウム又はアルミニウム合金溶湯中に、Mg又はMg合金を添加する工程と、上記添加工程後の溶湯を470℃以上50℃以下の温度範囲で保持する工程と、上記保持工程で生成された金属間化合物を上記溶湯から分離する工程とを備える不純物除去方法が記載されている。
特許文献4には、脱リン用フラックスを用いて鋳造用アルミニウム合金の溶湯からリンを除去する方法が記載されている。
特許文献5には、溶湯を700~850℃で3時間以上保持することでリンを除去する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第7132289号公報
特許第3524519号公報
特開2019-183265号公報
特開2020-007630号公報
特開2023-032363号公報
【非特許文献】
【0008】
大城ら、軽金属,47(1997),341.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献2の方法は、P濃度の低減に必要な塩素量が多く、環境負荷が大きいという問題がある。
特許文献3の方法は、Pについての適用性は不明である上、不純物除去後の溶湯中のMg濃度が高く、磁気ディスク用アルミニウム基板への適用が難しい場合がある。
特許文献4の方法は、Mgを含まない溶湯に対して有効であるが、P除去後にNa成分を低減する工程が必要であり、効率的でない場合がある。
特許文献5の方法は、溶湯を高温で長時間保持する必要があり、処理に必要なエネルギーが大きく生産性が低くなる場合がある。
【0010】
従って、Ni-Pめっきが施された廃ディスク基板をAl-Ni合金として活用するためには、機械特性を低下させるリスクの高いPを効果的に除去する技術が望まれる。
(【0011】以降は省略されています)
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