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公開番号2024167890
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-04
出願番号2024077387
出願日2024-05-10
発明の名称紡糸巻取設備及び糸通し補助装置
出願人TMTマシナリー株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類D02J 1/22 20060101AFI20241127BHJP(糸;糸またはロープの機械的な仕上げ;整経またはビーム巻き取り)
要約【課題】糸通し作業を容易に行うことを可能にした紡糸巻取設備、及び紡糸巻取設備への糸通し作業を容易にすることができる糸通し補助装置を提供する。
【解決手段】口金24から溶融ポリマーPを下方に紡出する紡糸機2と、紡糸機2の下方に配置され、口金24から紡出された溶融ポリマーPが通過可能な紡糸筒50を有し、溶融ポリマーPを糸に冷却する冷却装置5と、紡糸筒50を、紡糸機2に対して近接する方向と離間する方向とに移動させることが可能な移動機構6と、溶融ポリマーPを紡糸筒50に通す糸通し作業を補助する糸通し補助装置60とを備える。糸通し補助装置60は、糸条の出口部56に対して押し当てるように取り付けることで紡糸筒50の内部が負圧となる。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
口金から溶融ポリマーを下方に紡出する紡糸機と、
前記紡糸機の下方に配置され、前記口金から紡出された前記溶融ポリマーが通過可能な紡糸筒を有し、前記溶融ポリマーを冷却固化して糸条に形成する冷却装置と、
前記紡糸筒を、前記紡糸機に対して近接する方向と離間する方向とに移動させることが可能な移動機構と、
前記溶融ポリマーを前記紡糸筒に通す糸通し作業を補助する糸通し補助装置と、
を備え、
前記糸通し補助装置は、
前記糸条の出口部に対して配置することで前記紡糸筒の内部が負圧となるように構成されてなる、
紡糸巻取設備。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記糸通し補助装置は、前記糸条の出口部に対して押し当てるように配置されてなる、
請求項1に記載の紡糸巻取設備。
【請求項3】
前記冷却装置は、前記紡糸筒に冷却風を供給する冷却風供給装置を有し、
前記紡糸巻取設備は、少なくとも前記糸通し作業が行われるときは、前記冷却風の供給を停止又は抑制する制御装置をさらに備える、
請求項1または2に記載の紡糸巻取設備。
【請求項4】
前記冷却装置は複数の前記紡糸筒を有しており、
前記糸通し補助装置は、
前記複数の紡糸筒のそれぞれに対して配置可能に構成されてなる、
請求項1~3のいずれか1項に記載の紡糸巻取設備。
【請求項5】
前記糸通し補助装置は、
前記紡糸筒の内部を負圧にする負圧発生部と、
前記糸条の出口部に対して押し当てるように配置可能であり、前記糸条の出口部と前記負圧発生部との間に設けられる筒状部と、を含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の紡糸巻取設備。
【請求項6】
前記筒状部は、前記糸条の出口部に対して押し当てる部位の開口領域が、前記糸条の出口部の開口領域よりも大きい、
請求項5に記載の紡糸巻取設備。
【請求項7】
前記筒状部には、前記糸条を捕捉する捕捉部が設けられてなる、
請求項5または6に記載の紡糸巻取設備。
【請求項8】
前記糸通し補助装置は、
一つの前記負圧発生部に対して複数の前記筒状部を含み、
前記複数の筒状部のそれぞれが、前記複数の紡糸筒のそれぞれに対して押し当てるように配置可能に構成されてなる、
請求項5~7のいずれか1項に記載の紡糸巻取設備。
【請求項9】
前記糸通し補助装置は、
前記紡糸筒の内部を吸引し、前記紡糸筒の上方から下方に向けて空気の流れを発生させることが可能である、
請求項1~8のいずれか1項に記載の紡糸巻取設備。
【請求項10】
前記紡糸機、前記冷却装置、及び前記移動機構をそれぞれ複数備え、
少なくとも前記冷却装置は上階に設けられ、当該冷却装置で冷却された糸を下階で引き取るように構成されており、
前記糸通し補助装置は、
前記複数の紡糸機、前記複数の冷却装置、及び前記複数の移動機構よりも少ない数であって、前記上階を移動可能に設けられることで、前記複数の冷却装置が有する複数の紡糸筒のいずれについても内部を負圧とすることが可能に構成されてなる、
請求項1~9のいずれか1項に記載の紡糸巻取設備。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、紡糸巻取設備、及び紡糸巻取設備に配置可能な糸通し補助装置に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、紡糸巻取設備は、高温の溶融ポリマーを口金から紡出する紡糸機の下方に、冷却装置を備えている。この冷却装置は、口金から紡出された高温の溶融ポリマーが通過可能な紡糸筒を有しており、紡糸筒に冷却風を供給して高温の溶融ポリマーに対して冷却風を吹き付けて冷却固化し、糸を形成している。
【0003】
この種の紡糸巻取設備では、生産性・糸品質維持のため、口金面の掃除(以下「面掃」と称する)や紡糸パックを交換するために、定期的にメンテナンスが行われる。例えば特許文献1(特に段落[0023]を参照)には、糸条冷却装置を降下させて、紡糸パックの交換や面掃等のメンテナンスを行えるようにした糸条冷却装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-42227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、糸条冷却装置を降下させてメンテナンスを行う場合、口金から紡出される溶融ポリマーの紡出を停止し、メンテナンス終了後に、口金からの溶融ポリマーの紡出を再開する。溶融ポリマーの紡出を再開した後、オペレータは、口金から紡出される溶融ポリマーを手で切断して紡糸筒に通す糸通し作業を行う。
【0006】
しかし、上述の糸通し作業は、熟練を要する困難な作業である。とくに、口金からは溶融ポリマーが紡出され続けるため、紡糸筒に通すことができなかった溶融ポリマーが冷却装置の上部に堆積し、紡糸巻取設備の運転再開に時間を要してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、糸通し作業を容易に行うことを可能にした紡糸巻取設備、及び紡糸巻取設備への糸通し作業を容易にすることができる糸通し補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の紡糸巻取設備は、
口金から溶融ポリマーを下方に紡出する紡糸機と、
前記紡糸機の下方に配置され、前記口金から紡出された前記溶融ポリマーが通過可能な紡糸筒を有し、前記溶融ポリマーを冷却固化して糸条に形成する冷却装置と、
前記紡糸筒を、前記紡糸機に対して近接する方向と離間する方向とに移動させることが可能な移動機構と、
前記溶融ポリマーを前記紡糸筒に通す糸通し作業を補助する糸通し補助装置と、
を備え、
前記糸通し補助装置は、
前記糸条の出口部に対して配置することで前記紡糸筒の内部が負圧となるように構成されてなる、
ことを特徴とする。
【0009】
上記(1)に記載の紡糸巻取設備によれば、糸条の出口部に対して糸通し補助装置が配置されると紡糸筒の内部が負圧となり、紡糸筒の内部において上方から下方に向かう空気の流れが発生し、糸通し作業が補助される。そのため、糸通し作業を容易に行うことが可能となり、紡糸巻取設備の運転再開までに要する時間を短縮することが可能となる。
【0010】
(2)本発明の紡糸巻取設備において、
前記糸通し補助装置は、前記糸条の出口部に対して押し当てるように配置されてなる、
ことが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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