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公開番号2024158525
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023073787
出願日2023-04-27
発明の名称圧電性材料膜およびその製造方法ならびに振動発電素子
出願人公益財団法人電磁材料研究所
代理人デロイトトーマツ弁理士法人
主分類H10N 30/074 20230101AFI20241031BHJP()
要約【課題】表面平滑性の向上を図りうる圧電性材料膜の製造方法等を提供する。
【解決手段】基板10の表面に、圧電性セラミックス材料の造粒粉末を原料粉末として用いてエアロゾルデポジション法によりアズデポ膜が成膜される。造粒粉末は、メジアン径D50が10~100μmの範囲に含まれ、かつ、変動係数CV値が0.1~0.6の範囲に含まれている。圧電性材料膜20の平均結晶粒径が0.05~2.0μmの範囲に含まれ、平均気孔径が0.5~2μmの範囲に含まれ、気孔率が0.01~0.05(0.5~5%)の範囲に含まれ、圧縮残留応力が30~300MPaの範囲に含まれ、かつ、表面粗さRaが0.05~0.3μmの範囲に含まれるように、アズデポ膜が熱処理される。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
平均結晶粒径が0.05~2.0μmの範囲に含まれ、
平均気孔径が0.01~2μmの範囲に含まれ、
気孔率が0.005~0.05の範囲に含まれ、
圧縮残留応力が10~300MPaの範囲に含まれ、かつ、
表面粗さRaが0.03~0.5μmの範囲に含まれている
圧電性材料膜。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の圧電性材料膜の製造方法であって、
基板の表面に、メジアン径D50が10~100μmの範囲に含まれ、かつ、変動係数CV値が0.1~0.6の範囲に含まれている圧電性セラミックス材料の造粒粉末を原料粉末として用いてエアロゾルデポジション法によりアズデポ膜を成膜する工程と、
前記アズデポ膜を熱処理する工程と、を含む圧電性材料膜の製造方法。
【請求項3】
支持部材により片持ち状態で支持され、前記支持部材を基準として延在している弾性変形可能な金属からなる基板と、
前記基板の上に誘電性材料膜を介して形成されている圧電性材料膜と、
前記圧電性材料膜に対して電圧を印加可能に配置されている第1電極および第2電極と、を備え、
前記圧電性材料膜の平均結晶粒径が0.05~2.0μmの範囲に含まれ、平均気孔径が0.01~2μmの範囲に含まれ、気孔率が0.005~0.05の範囲に含まれ、圧縮残留応力が10~300MPaの範囲に含まれ、かつ、表面粗さRaが0.03~0.5μmの範囲に含まれている
振動発電素子。
【請求項4】
請求項3に記載の振動発電素子において、
前記第1電極が第1櫛歯電極により構成され、前記第2電極が第2櫛歯電極により構成され、
前記第1櫛歯電極を構成する複数の第1櫛歯部分および前記第2櫛歯電極を構成する複数の第2櫛歯部分が、前記基板の長手方向について交互に隣接するように、前記第1櫛歯電極および前記第2櫛歯電極が配置され、
前記第1櫛歯部分および前記第2櫛歯部分のそれぞれの幅bが前記圧電性材料膜の厚さt
1
より小さく、
前記誘電性材料膜の誘電率ε
2
に対する前記圧電性材料膜の誘電率ε
1
の比率r=(ε
1
/ε
2
)が50~300の範囲に含まれ、
前記圧電性材料膜の厚さt
1
が10~50μmの範囲に含まれ、
前記誘電性材料膜の厚さt
2
が0.5~3μmの範囲に含まれ、
前記第1櫛歯部分と前記第2櫛歯部分との間隔aが2t
1
より大きく、かつ、t
1
+rt
2
より小さい範囲に含まれている
振動発電素子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電性を有する圧電性材料膜、当該圧電性材料膜を製造する方法、および、当該圧電性材料膜を用いた振動発電素子に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
本発明者により、コストの低減を図る一方で特性の向上および機械的堅牢性の向上を図りうる振動発電素子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この振動発電素子は、支持部材により片持ち状態で支持され、当該支持部材を基準として延在している弾性変形可能な金属からなる基板と、当該基板の上に誘電性材料膜を介して形成されている圧電性材料膜と、圧電性材料膜の上に形成されている第1櫛歯電極および第2櫛歯電極と、を備えている。第1櫛歯電極を構成する複数の第1櫛歯部分および第2櫛歯電極を構成する複数の第2櫛歯部分が、基板の長手方向について交互に隣接するように配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-010828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、圧電性材料膜の表面の平滑性が低い場合、第1櫛歯電極および第2櫛歯電極の形状精度が低下し、ひいては振動発電素子の性能低下を招来する可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、表面平滑性の向上を図りうる圧電性材料膜の製造方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の圧電性材料膜は、
平均結晶粒径が0.05~2.0μmの範囲に含まれ、
平均気孔径が0.01~2μmの範囲に含まれ、
気孔率が0.005~0.05(0.5~5%)の範囲に含まれ、
圧縮残留応力が10~300MPaの範囲に含まれ、かつ、
表面粗さRaが0.01~0.5μmの範囲に含まれている。
【0007】
本発明の前記構成の圧電性材料膜を製造する方法は、
基板の表面に、メジアン径D50が10~100μmの範囲に含まれ、かつ、変動係数CV値が0.1~0.6の範囲に含まれている圧電性セラミックス材料の造粒粉末を原料粉末として用いてエアロゾルデポジション法によりアズデポ膜を成膜する工程と、
前記アズデポ膜を熱処理する工程と、を含む。
【0008】
当該構成の方法によれば、エアロゾルデポジション法によりアズデポ膜が製膜される際の原料粉末として、圧電性セラミックス材料の1次粒子ではなく、メジアン径D50が10~100μmの範囲に含まれ、かつ、変動係数CV値(=標準偏差/D50)が0.1~0.6の範囲に含まれている圧電性セラミックス材料の造粒粉末(2次粒子)が用いられている。これにより、アズデポ(as-deposited)膜が熱処理された結果として得られる圧電性材料膜の表面粗さRaが0.01~0.5μmの範囲に含まれるような表面平滑性の向上が図られる。
【0009】
本発明の振動発電素子は、
支持部材により片持ち状態で支持され、前記支持部材を基準として延在している弾性変形可能な金属からなる基板と、
前記基板の上に誘電性材料膜を介して形成されている圧電性材料膜と、
前記圧電性材料膜に対して電圧を印加可能に配置されている第1電極および第2電極と、を備え、
前記圧電性材料膜の平均結晶粒径が0.05~2.0μmの範囲に含まれ、平均気孔径が0.01~2μmの範囲に含まれ、気孔率が0.005~0.05(0.5~5%)の範囲に含まれ、圧縮残留応力が10~300MPaの範囲に含まれ、かつ、表面粗さRaが0.03~0.5μmの範囲に含まれている。
【0010】
当該構成の振動発電素子によれば、圧電性材料膜の表面の平滑性の向上が図られているので、第1電極および第2電極のそれぞれの形状精度の向上、ひいては振動発電素子の性能の向上が図られる。
(【0011】以降は省略されています)

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