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公開番号2024150770
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-23
出願番号2024130036,2022547484
出願日2024-08-06,2021-08-25
発明の名称熱電材料、その製造方法、および、熱電発電素子
出願人国立研究開発法人物質・材料研究機構
代理人個人
主分類H10N 10/852 20230101AFI20241016BHJP()
要約【課題】室温において熱電特性に優れた熱電材料、その製造方法およびその熱電発電素子を提供する。
【解決手段】本発明の実施例において、熱電材料は、マグネシウム(Mg)と、アンチモン(Sb)および/またはビスマス(Bi)と、銅(Cu)と、必要に応じてM(ただし、Mは、セレン(Se)およびテルル(Te)からなる群から少なくとも1種選択される元素である)とを含有する無機化合物を含み、無機化合物は、MgaSb2-b-cBibMcCudで表され、パラメータa、b、cおよびdは、
3≦a≦3.5、
0≦b≦2、
0≦c≦0.06、
0<d≦0.1、および、
b+c≦2
を満たす。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
マグネシウム(Mg)と、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)と、銅(Cu)と、およびテルル(Te)とを含有する無機化合物を含み、
前記無機化合物は、Mg

Sb
2-b-c
Bi

Te

Cu

で表され、
パラメータa、b、cおよびdは、
3≦a≦3.5、
0.2≦b≦2、
0.002≦c≦0.06、
0.001<d≦0.1、および、
b+c≦2
を満たし、
前記無機化合物は、La



型構造を有し、空間群P-3m1の対称性を有し、
Cuは、前記La



型構造に侵入型固溶する、n型である、熱電材料。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記パラメータdは、
0.005≦d≦0.05
を満たす、請求項1に記載の熱電材料。
【請求項3】
前記パラメータa、b、cおよびdは、
3≦a≦3.5、
0.2≦b≦0.7、
0.002≦c≦0.06、および、
0.005≦d≦0.05
を満たす、請求項1または2に記載の熱電材料。
【請求項4】
前記熱電材料は、粉末、焼結体および薄膜からなる群から選択される形態である、請求項1~3のいずれかに記載の熱電材料。
【請求項5】
前記熱電材料は、粉末または焼結体の形態であり、
前記無機化合物は、3.5μm以上30μm以下の範囲の平均粒径を有する結晶粒からなる、請求項4に記載の熱電材料。
【請求項6】
前記無機化合物は、4μm以上20μm以下の範囲の平均粒径を有する結晶粒からなる、請求項5に記載の熱電材料。
【請求項7】
前記熱電材料は、薄膜の形態であり、
前記無機化合物は、3.5μm以上30μm以下の範囲の平均粒径を有する結晶粒からなり、
有機材料をさらに含有する、請求項4に記載の熱電材料。
【請求項8】
マグネシウム(Mg)を含有する原料と、アンチモン(Sb)を含有する原料、および/または、ビスマス(Bi)を含有する原料と、銅(Cu)を含有する原料と、およびテルル(Te)を含有する原料とを混合し、混合物を調製することと、
前記混合物を焼結することと
を包含する、請求項1~7のいずれかに記載の熱電材料を製造する方法。
【請求項9】
前記焼結することは、放電プラズマ焼結する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記放電プラズマ焼結は、723K以上1173K以下の温度範囲で、30MPa以上100MPa以下の圧力下で、1分以上10分以下の時間、焼結する、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電材料、その製造方法、および、熱電発電素子に関し、詳細には、Mg

Bi

系の熱電材料を含有する熱電材料、その製造方法、および、熱電発電素子に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
世界の中で特に省エネルギーが進んだ我が国においてでも、廃熱回収においては、一次供給エネルギーの約3/4が熱エネルギーとして廃棄されているのが現状である。そのような状況の下、熱電発電素子は、熱エネルギーを回収して電気エネルギーに直接変換できる固体素子として注目されている。
【0003】
熱電発電素子は、電気エネルギーへの直接変換素子であるため、可動部分がないことによるメンテナンスの容易さ、スケーラビリティ等のメリットがある。このため、熱電半導体について、IoT動作電源などとしても、盛んな材料研究が行われている。
【0004】
IoT動作電源用途としては、室温近傍での実用が期待されるが、室温近傍の最高性能を有する熱電材料はBi

Te

系の材料で、Teの希少さのために、広範囲実用化の問題がある。しかし、室温ではこうしたTe化合物以外では比較的高性能を有する材料があまりなく問題であったが、Mg

Sb

系材料が一つの候補として挙がっている(例えば、特許文献1および2ならびに非特許文献1を参照)。
【0005】
非特許文献1は、Mg
3.2
Sb
1.5
Bi
0.49
Te
0.01
のマグネシウム(Mg)サイトにFe、Co、HfおよびTeをドープさせたドープ熱電材料を報告する(例えば、特許文献1を参照)。非特許文献1によれば、母相としてMg

Sb

系としてMg
3.2
Sb
1.5
Bi
0.5
Te
0.01
のMgサイトに少量の上述の金属元素をドープすることによって、熱電材料の電気伝導率およびゼーベック係数が高く、性能指数が向上することを開示する。
【0006】
特許文献1は、Mg
3+m





2-e


で表される熱電変換材料に関する。ここで、元素Aは、Ca、Sr、Ba、およびYbからなる群から選択される少なくとも1種を表し、元素Bは、MnおよびZnからなる群から選択される少なくとも1種を表し、mの値は-0.39以上0.42以下であり、aの値は0以上0.12以下であり、bの値は0以上0.48以下であり、元素Dは、SbおよびBiからなる群から選択される少なくとも1種を表し、元素Eは、SeおよびTeからなる群から選択される少なくとも1種を表し、eの値は、0.001以上0.06以下である。
【0007】
特許文献2は、Mg
3+m-a



2-c-e




により表される熱電変換材料に関する。ここで、元素Aは、Ca、Sr、Ba、Nb、Zn、およびAlからなる群から選択される少なくとも1種を表し、元素Bは、SbおよびBiからなる群から選択される少なくとも1種を表し、元素Cは、Mn、SiおよびCrからなる群から選択される少なくとも1種を表し、元素Eは、SeおよびTeからなる群から選択される少なくとも1種を表し、mの値は-0.1以上0.4以下であり、aの値は0以上0.1以下であり、cの値は0以上0.1以下であり、eの値は、0.01以上0.06以下である。
【0008】
特許文献1、2ならびに非特許文献1においても、種々の材料の組み合わせを開示するが、特に、室温においてパワーファクタおよび無次元性能指数ZTの値は十分ではない。IoT発電用途を考えると、室温において14μWcm
-1

-2
を超える高いパワーファクタ、および、0.3を超える無次元性能指数ZTを有する熱電材料が開発されることが期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公開第2017/072982号
特開2018-190953号公報
【非特許文献】
【0010】
Jun Maoら,PNAS,114(40),10548-10553,2017
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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