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公開番号2024103588
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2024086609
出願日2024-05-28
発明の名称乳牛排泄物処理システム
出願人株式会社晃紳
代理人個人,個人
主分類C02F 3/30 20230101AFI20240725BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】乳牛の消化液は膨大な量であり、液肥としての利用には限界がある。また、敷料等に使用されるおが粉の再利用も課題である。
【解決手段】物理処理としておが粉が回収され、更に遠心分離されて固形分(固形堆肥)が除去された遠心分離液に対して、バイオガスと硫化物を生成する嫌気性発酵処理槽(UASB処理槽)と、発酵処理槽から処理水を受取り、窒素分を硝化させて硝酸態窒素等を生成する硝化処理槽(DHS・AUF処理槽)と、硝化処理槽からの処理水に含まれる硝酸態窒素及び/または亜硝酸態窒素を前記硫化物を利用して脱窒させる脱窒処理槽(UAF処理槽)を生物処理部として備える。硝化処理槽と脱窒処理槽が循環構成になっており、発酵処理槽からの処理水が必要なタイミングで必要な量だけ液肥として取出され、残りは河川放流可能に浄化される。また、バイオガスの脱硫装置が硝化処理槽の処理水を洗浄水として使用し、洗浄廃水が脱窒処理槽に硫化物利用の目的で戻される。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
物理処理として遠心分離されて固形分が除去された乳牛排泄物の遠心分離液に対して、バイオガスと硫化物を生成する嫌気性発酵処理槽と、前記発酵処理槽から処理水を受取り、有機物除去及び含まれるアンモニア態窒素を硝化させて硝酸態窒素及び/または亜硝酸態窒素を生成する好気処理槽と、前記好気処理槽からの処理水に含まれる硝酸態窒素及び/または亜硝酸態窒素を前記硫化物を利用して脱窒させる脱窒処理槽を生物処理部として備え、前記好気処理槽と前記脱窒処理槽が循環構成になっており、前記発酵処理槽からの処理水が液肥として取出され、前記好気処理槽からの処理水が河川放流可能に浄化されることを特徴とする乳牛排泄物処理システム。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
請求項1に記載した乳牛排泄物処理システムにおいて、
バイオガスの脱硫装置が好気処理槽の処理水を洗浄水として使用し、洗浄廃水が脱窒処理槽に硫化物利用の目的で戻されることを特徴とする乳牛排泄物処理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載した乳牛排泄物処理システムにおいて、
好気処理槽は、前段のDHS処理槽と、後段のAUF処理槽とで構成されており、前記DHS処理槽に設けられた沈殿部でリンを含む汚泥が回収されることを特徴とする乳牛排泄物処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載した乳牛排泄物処理システムにおいて、
発酵処理槽がUASB処理槽で構成され、脱窒槽がUAF処理槽で構成されていることを特徴とする乳牛排泄物処理システム。
【請求項5】
請求項3に記載した乳牛排泄物処理システムにおいて、
UASB処理槽とUAF処理槽との間に受槽を設けて、前記受槽から液肥と灰分が回収されることを特徴とする乳牛排泄物処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載した乳牛排泄物処理システムにおいて、
スクリーン処理部と遠心分離部を物理処理部として備え、おが粉を含む乳牛排泄物を含む原料水に対して、前段の前記スクリーン処理部でおが粉が分離回収され、後段の前記遠心分離部で灰分が分離回収された上で、残りの遠心分離液が生物処理部に送られることを特徴とする乳牛排泄物処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載した乳牛排泄物処理システムにおいて、
バイオガスをスクリーン処理部で分離回収されたおが粉の乾燥の熱源とすると共に、その排熱をUASB処理槽に導入する遠心分離液の加温に利用することを特徴とする乳牛排泄物処理システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、乳牛の排泄物の物理処理と生物処理を組み合わせた処理システムに関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
現在、家畜排せつ物処理法の一つとして北海道を中心に、特許文献1に記載のメタン発酵(嫌気発酵)処理法が導入されている。この処理法では、家畜排せつ物(有機系廃棄物)からメタンガス(バイオガス)が生成されており、このメタンガスは再生可能なエネルギーとして発電やボイラー等の熱源として利用される。また、メタン発酵後の残渣(消化液)は、ほとんどが水であるが、窒素・リン・カリ等の肥料成分を多く含んでおり、液肥として利用される。
このように、メタン発酵処理法では、一般的な堆肥化処理法に比べ環境負荷(GHG排出)の少ない循環型農業を実現できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-192193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、乳牛の消化液は膨大な量であり、これを全て液肥利用するには「年間3回(北海道では年間2回)散布するのに十分な広さの圃場(牧草地など)が必要」、「4か月~6か月分の消化液を貯留する設備が必要」、「自治体・地域住民の理解が得られるか」などの制約も多い。
また、余剰な消化液の浄化排水処理には多大な初期投資及びランニングコストが掛かる。
更に、酪農業に於いて敷料及び固形堆肥製造用水分調整副素材として使用される「おが粉」の再利用も課題である。
【0005】
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、工場排水や下水処理施設などで利用されている物理処理や生物処理などこれまで畜産農業の分野ではあまり利用されてこなかった技術を組み合わせることで、余剰処理水の河川放流を可能する排水基準以下まで浄化することを実現することで、消化液の液肥貯留槽サイズを最小化できる、新規且つ有用な乳牛排泄物処理システムを提供することを、その目的とする。
また、本発明は、「おが粉」が敷料として使用されて乳牛の排泄物に不可避的に含まれてしまっている場合には、その「おが粉」の回収・再生によりおが粉の購入費用も削減できる、新規且つ有用な乳牛排泄物処理システムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、物理処理として遠心分離されて固形分が除去された乳牛排泄物の遠心分離液に対して、バイオガスと硫化物を生成する嫌気性発酵処理槽と、前記発酵処理槽から処理水を受取り、有機物除去及び含まれるアンモニア態窒素を硝化させて硝酸態窒素及び/または亜硝酸態窒素を生成する好気処理槽と、前記好気処理槽からの処理水に含まれる硝酸態窒素及び/または亜硝酸態窒素を前記硫化物を利用して脱窒させる脱窒処理槽を生物処理部として備え、前記好気処理槽と前記脱膣処理槽が循環構成になっており、前記発酵処理槽からの処理水が液肥として取出され、前記好気処理槽からの処理水が河川放流可能に浄化されることを特徴とする乳牛排泄物処理システムである。
【0007】
好ましくは、バイオガスの脱硫装置が好気処理槽の処理水を洗浄水として使用し、洗浄廃水が脱窒処理槽に硫化物利用の目的で戻される。
好ましくは、好気処理槽は、前段のDHS処理槽と、後段のAUF処理槽とで構成されており、前記DHS処理槽に設けられた沈殿部でリンを含む汚泥が回収される。
好ましくは、発酵処理槽がUASB処理槽で構成され、脱窒槽がUAF処理槽で構成されている。
好ましくは、UASB処理槽とUAF処理槽との間に受槽を設けて、前記受槽から液肥と灰分が回収される。
好ましくは、スクリーン処理部と遠心分離部を物理処理部として備え、おが粉を含む乳牛排泄物を含む原料水に対して、前段の前記スクリーン処理部でおが粉が分離回収され、後段の前記遠心分離部で灰分が分離回収された上で、残りの遠心分離液が生物処理部に送られる。
好ましくは、バイオガスをスクリーン処理部で分離回収されたおが粉の乾燥の熱源とすると共に、その排熱をUASB処理槽に導入する遠心分離液の加温に利用する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の乳牛排泄物処理システムによれば、余剰処理水の河川放流を可能とする排水基準以下まで浄化することを実現でき、液肥の液肥貯留槽サイズを最小化できる。
また、おが粉を回収・再生させて、その購入費用を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の実施の形態に係る乳牛排泄物処理システムの構成図である。
図1の濃度調整槽の構造のイメージ図である。
図1のUASB処理槽の構造のイメージ図である。
図1のUAF処理槽の構造のイメージ図である。
図1のDHS処理槽の構造のイメージ図である。
図1のAUF処理槽の構造のイメージ図である。
図1の脱硫装置の構造のイメージ図である。
再生した乾燥後のおが粉の写真である。
遠心分離機により分離した固形分(固形堆肥)の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態に係る乳牛排泄物処理システム1を、図1にしたがって説明する。
この乳牛排泄物処理システム1は、乳牛の排泄物(ふん、尿)と敷料として使用されたおが粉が混合された有機性原料を被処理物としたものであり、生物処理部の前段に物理処理部を設けて 、発酵不適なおが粉、夾雑物、SS等(浮遊物、主に灰分)をできるだけ除去することで、後段の生物処理を実効性のあるものとしている。
有機性原料は、原料槽3に投入され、撹拌されながら加水されて3~4倍に希釈される。従って、含水率は82~83%程度から、94~95%程度まで高められて、有機性原料はスラリー状になる。希釈水は、後段のAUF処理水が使用される。
(【0011】以降は省略されています)

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