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公開番号2024103335
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2023007612
出願日2023-01-20
発明の名称刺激情報から予測対象の人間関係における推定精度を予測する予測装置、プログラム及び方法
出願人KDDI株式会社,国立研究開発法人情報通信研究機構
代理人個人
主分類G06Q 50/10 20120101AFI20240725BHJP(計算;計数)
要約【課題】複数のユーザに与えられる刺激情報に対して、予測対象の人間関係における推定精度を予測することができる予測装置、プログラム及び方法を提供する。
【解決手段】人間関係毎に、刺激情報における刺激特徴量を説明変数とし、当該人間関係における推定精度を目的変数として対応付けた第1の教師データを事前に用意し、予測対象の刺激情報から、刺激特徴量を抽出する刺激特徴量抽出手段と、第1の教師データによって事前に訓練した上で、予測対象の人間関係について、抽出された刺激特徴量から、推定精度を予測する推定精度予測エンジンとを有する。刺激情報は、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚からなる五感のいずれか又はそれらの組み合わせに基づく時系列の情報である。類似度は、複数のユーザそれぞれの生体信号の位相差同期度(PLV(Single-trial Phase Locking Value))である。
【選択図】図3


特許請求の範囲【請求項1】
複数のユーザに与えられる刺激情報から、任意の人間関係における推定精度を予測する予測装置であって、
人間関係毎に、刺激情報における刺激特徴量を説明変数とし、当該人間関係における推定精度を目的変数として対応付けた第1の教師データを事前に用意し、
予測対象の刺激情報から、刺激特徴量を抽出する刺激特徴量抽出手段と、
第1の教師データによって事前に訓練した上で、予測対象の人間関係について、抽出された刺激特徴量から、推定精度を予測する推定精度予測エンジンと
を有することを特徴とする予測装置。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
予測対象の刺激情報を、複数の刺激情報に分割する刺激情報分割手段と、
推定精度予測エンジンを用いて、予測対象の人間関係について、複数の刺激情報から得られた複数の推定精度の中で、最も高い推定精度となる刺激情報を選択する刺激情報選択手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載の予測装置。
【請求項3】
複数のユーザに刺激情報を与えることによって計測された各ユーザの生体信号から、任意の人間関係における推定精度を決定するために、
第1のユーザにおける第1の位置の第1の生体信号を取得する第1の生体信号取得手段と、
第2のユーザにおける第2の位置の第2の生体信号を取得する第2の生体信号取得手段と
を有すると共に、
予め計測された複数の生体信号における時系列同期の類似度を説明変数とし、当該複数の生体信号に係るユーザ間の正解の人間関係を目的変数として対応付けた第2の教師データを事前に用意し、
第1の生体信号及び第2の生体信号における時系列同期の類似度を算出する類似度算出手段と、
第2の教師データによって事前に訓練した上で、抽出された複数のユーザの類似度から、人間関係を予測する人間関係予測エンジンと、
複数のユーザに与えられる刺激情報毎に、正解の人間関係と、人間関係予測エンジンによって予測された人間関係とが一致した割合を、第1の教師データにおける当該刺激情報の推定精度として算出する推定精度算出手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載の予測装置。
【請求項4】
第1の教師データは、説明変数として、複数のユーザそれぞれの個人属性を更に加え、
推定精度予測エンジンは、予測対象の人間関係について、抽出された刺激特徴量と、予測対象の複数のユーザの個人属性とから、推定精度を予測する
ことを特徴とする請求項1に記載の予測装置。
【請求項5】
複数のユーザに刺激情報を与えることによって計測された各ユーザの生体信号から、任意の人間関係における推定精度を決定するために、
第1のユーザにおける第1の位置の第1の生体信号を取得する第1の生体信号取得手段と、
第2のユーザにおける第2の位置の第2の生体信号を取得する第2の生体信号取得手段と
を有すると共に、
予め計測された複数の生体信号における時系列同期の類似度を説明変数とし、当該複数の生体信号に係るユーザ間の正解の人間関係を目的変数として対応付けた第2の教師データを事前に用意し、
第1の生体信号及び第2の生体信号における時系列同期の類似度を算出する類似度算出手段と、
第2の教師データによって事前に訓練した上で、抽出された複数のユーザの類似度及び各個人属性から、人間関係を予測する人間関係予測エンジンと、
複数のユーザに与えられる刺激情報毎に、正解の人間関係と、人間関係予測エンジンによって予測された人間関係とが一致した割合を、第1の教師データにおける当該刺激情報の推定精度として算出する推定精度算出手段と
を有することを特徴とする請求項4に記載の予測装置。
【請求項6】
推定精度算出手段は、人間関係予測エンジンにおける予測した人間関係の推定確率を、推定精度とする
ことを特徴とする請求項3又は5に記載の予測装置。
【請求項7】
第2の教師データは、目的変数となる正解の人間関係として、人間関係自体の項目、又は、所定の人間関係の適合度を対応付けており、
人間関係予測エンジンは、人間関係自体の項目、又は、所定の人間関係の適合度を予測し、
推定精度算出手段は、正解の人間関係自体の項目と、人間関係予測エンジンによって予測された人間関係自体の項目とが一致した割合、又は、正解の人間関係の適合度と、人間関係予測エンジンによって予測された人間関係の適合度とが近いほど高くなる割合を、第1の教師データにおける当該刺激情報の推定精度として算出する
ことを特徴とする請求項3又は5に記載の予測装置。
【請求項8】
生体信号は、ユーザそれぞれに装着されるスマートウォッチ、スマートグラス及び/又はスマートリングに配置されたセンサによって計測された信号であり、心拍数、血中酸素濃度、皮膚温、血圧、発汗量、活動量、ストレスレベルのいずれか又はそれらの組み合わせである
ことを特徴とする請求項3又は5に記載の予測装置。
【請求項9】
生体信号は、ユーザそれぞれの頭部に装着されるヘッドセット、スマートグラス、イヤホン又はゴーグルに配置されたEEG(ElectroEncephaloGraphy)センサによって計測された脳波信号である
ことを特徴とする請求項3又は5に記載の予測装置。
【請求項10】
類似度算出手段は、複数のユーザそれぞれの生体信号における時系列同期の類似度を算出する
ことを特徴とする請求項3又は5に記載の予測装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザに、同一の刺激情報を与えた際に得られる生体信号から、それらユーザ間の人間関係を予測する技術に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、例えば婚活サービスについて、男女を対象に、結婚するか否か、結婚した場合に幸福を感じるか否か、などを予測する技術がある(例えば非特許文献1参照)。
また、例えば電話営業について、企業側オペレータと顧客とのペアを対象に、営業の成否を予測する技術もある(例えば非特許文献2参照)。
更に、例えば企業、学校、軍隊などにおけるチーム決めについて、チームのパフォーマンスを予測する技術もある(例えば非特許文献3及び4参照)。
【0003】
これら非特許文献1~4によれば、複数のユーザにおける性格や価値観、知能指数などの様々な生体特性を、テストによって予め収集し、その結果から判定するものである。例えば非特許文献1によれば、婚活サービスの事業者が、予め用意した心理テストを利用者に回答させ、その結果の類似度からマッチングする男女の候補を選定している。心理テストでは、性格や価値観のみならず、知能指数など様々な生体特性を測定することができる。
【0004】
一方で、心理テストには、以下のような課題があった。
第1に、心理テストの回答には、意識又は無意識を問わず、様々なバイアスが含まれる。例えば、無意識に自分を良く見せようとする「社会適応性バイアス」や、自分の力を誇示したがる「名声バイアス」などがある。即ち、このようなバイアスによって、期待した予測精度が得られないという課題があった。
また、第2に、心理テストにおける質問文が多かったり、長文であったりする場合、複数のユーザにおける回答の質が劣化することがある。心理テストでは、ユーザ自ら質問文を読み、複数の選択肢を検討する必要があり、認知負荷が高いといえる。即ち、ユーザの認知力に応じて、期待した予測精度が得られないという課題があった。
【0005】
これに対し、対象となる複数のユーザに同一の刺激を与え、その際に得られた各ユーザの生体信号から、ユーザ間の友人関係を予測する技術がある(例えば非特許文献5参照)。この技術によれば、複数のユーザに動画像の刺激情報を与えて、磁気共鳴画像法(MRI:Magnetic Resonance Imaging)によって「脳活動量」(神経反応)を計測する。脳活動量を生体信号として、ユーザ間の友人関係を予測する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
SAITAMA出会いサポートセンター運営協議会 「恋たま」、[online]、[令和4年12月15日検索]、インターネット<URL:https://koitama.jp/>
Akihiro Kobayashi, Yuichi Ishikawa, and Roberto Sebastian Legaspi. 2021. Psychographic Matching between a Call Center Agent and a Customer. In Proceedings of the 29th ACM Conference on User Modeling, Adaptation and Personalization (UMAP '21). Association for Computing Machinery, New York, NY, USA, 229-234.、[online]、[令和4年12月15日検索]、インターネット<URL:https://doi.org/10.1145/3450613.3456815>
Halfhill, T., Sundstrom, E., Lahner, J., Calderone, W., & Nielsen, T. M. (2005). Group personality composition and group effectiveness: An integrative review of empirical research. Small group research, 36(1), 83-105.、[online]、[令和4年12月15日検索]、インターネット<URL:https://www.researchgate.net/publication/237439485_Group_Personality_Composition_and_Group_Effectiveness_An_Integrative_Review_of_Empirical_Research>
Peeters, M. A., Van Tuijl, H. F., Rutte, C. G., & Reymen, I. M. (2006). Personality and team performance: a meta‐analysis. European journal of personality, 20(5), 377-396.、[online]、[令和4年12月15日検索]、インターネット<URL:https://research.utwente.nl/en/publications/personality-and-team-performance-a-meta-analysis>
Parkinson, Carolyn, Adam M. Kleinbaum, and Thalia Wheatley. "Similar neural responses predict friendship." Nature communications 9.1 (2018): 1-14.、[online]、[令和4年12月15日検索]、インターネット<URL:https://www.nature.com/articles/s41467-017-02722-7>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した非特許文献1~4のような人間関係の相性を推定する際に、非特許文献5のように脳活動量を計測することも想定される。しかし、脳活動量を計測するために、MRIのような高コストな設備が必要となるだけなく、制約された計測環境からユーザによっては性格的に計測できない場合もある。
【0008】
一方で、例えばスマートウォッチやスマートリングのようなウェアラブルデバイスでは、脳活動量以外の一般的な生体信号を比較的容易に計測することができる。生体信号の中でも例えば脳波信号の場合、ユーザの頭部にEEG(ElectroEncephaloGram)センサを接触させることによって、容易に計測することができる。
【0009】
ここで、生体信号から、人間関係の相性を推定することを想定する。その場合、複数のユーザへ、例えば五感に訴える刺激情報を与えて、その生体信号を計測するとする。「同じシーンで、同じ位置から計測された生体信号が、同じような信号形態である場合」、一般的に、人間関係の相性が良いと判定される。例えば脳波信号の場合、ユーザの頭部の同じ位置から計測された信号は、同じ五感系に基づくものと想定される。
【0010】
これに対し、本願の発明者らは、複数のユーザに与える刺激情報のコンテンツに応じて、人間関係の推定精度も異なるのではないか、と考えた。即ち、ユーザに与えるコンテンツ(刺激情報)の選定が重要となる、と考えた。
刺激情報のコンテンツとして、例えば多数のユーザが興味を持てない映画を選定した場合、多数のユーザから同じような反応となる生体信号しか得られないであろう。そのような生体信号は、人間関係の予測に寄与しないと考えられる。
逆に、ユーザの感情が強く喚起されると共に、その感情がシーン毎に異なるような映画であれば、人間関係の予測に大きく寄与すると考えられる。即ち、ユーザの感情が強く喚起されるような刺激情報を選定することができれば、人間関係の予測に貢献すると考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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