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公開番号2024078043
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-10
出願番号2022190357
出願日2022-11-29
発明の名称量子演算システムおよび量子ビットアレイの制御方法
出願人株式会社日立製作所
代理人青稜弁理士法人
主分類G06N 10/20 20220101AFI20240603BHJP(計算;計数)
要約【課題】量子演算システムにおいて、目的とする演算の実現に必要な制御シーケンスを、少数のより高次の制御情報で効率的に一括制御する量子演算システム及び量子ビットアレイの制御方法を提供する。
【解決手段】量子演算システムは、バイアス電圧により特性可変な量子ビットが一次元または二次元状に複数配列した量子ビットアレイと、量子ビットアレイに供給するバイアス電圧を選択するバイアス電圧切り替えスイッチマトリクスと、バイアス電圧切り替えスイッチマトリクスの動作を制御するバイアス電圧制御レジスタと、バイアス電圧制御レジスタへの設定パタンを生成するバイアス電圧波形パタン発生部を有する命令変換部と、を備える。バイアス電圧波形パタン発生部は、量子ビットで実行する量子演算の種類及び演算対象とする量子ビットの座標を特定する指示値に基づき、量子演算の実行に必要な1つ以上のバイアス電圧波形パタンを生成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
バイアス電圧により特性可変な量子ビットが一次元または二次元状に複数配列した量子ビットアレイと、
前記量子ビットアレイに供給するバイアス電圧を選択するバイアス電圧選択回路と、
前記バイアス電圧選択回路の動作を制御するバイアス電圧制御レジスタと、
前記バイアス電圧制御レジスタへの設定パタンを生成するバイアス電圧波形パタン発生回路と、を備え、
前記バイアス電圧波形パタン発生回路は、前記量子ビットで実行する量子演算の種類、および、演算対象とする前記量子ビットの座標を特定する指示値に基づき、当該量子演算の実行に必要な1つ以上のバイアス電圧波形パタンを生成することを特徴とする、
量子演算システム。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記バイアス電圧波形パタン発生回路が、前記バイアス電圧制御レジスタへの設定パタンが、前記量子演算の種類および前記量子ビットの座標を特定する指示値の少なくとも一つにより類型化できない場合、前記量子ビットの座標を特定する指示値をオーバライドする回路を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の量子演算システム。
【請求項3】
前記バイアス電圧波形パタン発生回路が、前記バイアス電圧波形パタンの生成ルールを、前記バイアス電圧波形パタン発生回路の外部から変更可能とする、
請求項1に記載の量子演算システム。
【請求項4】
前記バイアス電圧波形パタンの生成ルールは、前記量子演算システムで実行するアプリケーションに基づき最適化されたものであることを特徴とする、
請求項3に記載の量子演算システム。
【請求項5】
前記量子ビットアレイと前記バイアス電圧波形パタン発生回路が、同一の半導体チップ内に実装されることを特徴とする、
請求項1に記載の量子演算システム。
【請求項6】
前記量子ビットアレイと前記バイアス電圧波形パタン発生回路が、異なる半導体チップ内に実装されることを特徴とする、
請求項1に記載の量子演算システム。
【請求項7】
第1の温度環境に配置され、バイアス電圧により特性可変な量子ビットが複数配列した量子ビットアレイに前記バイアス電圧を供給する際に、
前記第1の温度環境より高温の第2の温度環境に配置された情報処理装置が、前記量子ビットを特定する位置情報と前記量子ビットが実行すべき処理を示す命令情報を出力する第1の工程、
前記第2の温度環境より低温の第3の温度環境に配置されたバイアス電圧波形パタン発生部が、前記位置情報と前記命令情報に基づいて、制御対象となるバイアス制御スイッチを特定するバイアス制御アドレス情報と、前記バイアス制御スイッチが選択すべきバイアス電圧値を特定するバイアス制御データ情報を出力する第2の工程、
前記バイアス制御アドレス情報と前記バイアス制御データ情報に基づいて、前記バイアス電圧を前記量子ビットに作用させ、前記第1の工程で特定した量子ビットに対して前記実行すべき処理を行う第3の工程、
を実行する量子ビットアレイの制御方法。
【請求項8】
前記第1の工程において前記位置情報と前記命令情報を出力する信号線の本数は、前記第2の工程において前記バイアス制御アドレス情報とバイアス制御データ情報を出力する信号線の本数より少ない、
請求項7記載の量子ビットアレイの制御方法。
【請求項9】
前記第1の温度環境は量子ビットが動作可能な極低温環境であり、前記第2の温度環境は室温環境である、
請求項7記載の量子ビットアレイの制御方法。
【請求項10】
前記第3の温度環境は量子ビットが動作可能な極低温環境である、
請求項9記載の量子ビットアレイの制御方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はゲート型量子コンピュータシステムに関し、特に単一電子スピン量子ビットがアレイ状に配列した量子演算デバイスと組み合わせることで、量子デバイス内の各量子ドットに対して少ない制御信号数で効率的な操作、すなわちバイアス電圧印加シーケンス生成を実現する、量子ドットアレイ制御デバイスならびに制御方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
半世紀以上にわたりコンピュータの進展を支えてきた半導体素子の微細化による性能向上は、プロセスルールとシリコンの原子間距離との対比から、近い将来限界が訪れることが確実視されている。量子コンピュータは、新しい計算原理やデバイスによりその限界を打破する試みであり、超伝導回路、イオントラップ、光子、シリコン量子ドットなどを利用した量子演算デバイスや演算方式が提案されている。加えて、大規模で実用的なアプリケーションを、誤り耐性のある汎用量子コンピュータシステムで実行するという将来構想への前段階として、現時点では、量子ビット数が100個程度と少なく誤り訂正ができないという概念を前提とした、NISQ(Noisy Intermediate-Scale Quantum device)と呼ばれるシステムの原理実証やアルゴリズム探索が進んでいる。
【0003】
シリコン量子ドット内の単一電子スピンのように、極低温で発現する量子効果を演算原理とする量子演算デバイスを応用した量子コンピュータシステムを実現するには、組み込み先となる装置として希釈冷凍機を選択するのが通例である。この場合、量子演算デバイスは希釈冷凍機内で最も温度が下がるミキシングチャンバに固定されており、量子演算デバイス動作制御に必要な信号は希釈冷凍機外部に配置した信号発生器から印加し、同様に希釈冷凍機外部の測定器により演算結果を読み出すという、さながら実験装置のような構成を採ることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
米国第10635990号特許
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、量子ビットを制御するバイアス電圧制御線に対する電圧印加の際に、アナログメモリを活用する技術が開示されている。アナログメモリの各セルが備える1つ以上のキャパシタが所定の電圧値となるよう充電し、アナログメモリ外部のスイッチマトリクスと連携して各バイアス電圧制御線に切り替えて出力することにより、シーケンスを含むバイアス電圧制御を実現するものである。量子ビット数が少なく制御すべきバイアス制御線も本数が少ない場合は、バイアス制御線単位での直接制御でも十分に効率的だが、多数の量子ビットを含む大規模システムにおいては、バイアス制御線より抽象度の高い制御単位に基づく制御方式が望まれている。
【0006】
希釈冷凍機の内外を接続する配線は、電力や信号を伝送するだけではなく、熱伝導の媒体ともなる。そのため、ミキシングチャンバの目標到達温度と希釈冷凍機の冷却能力とのバランスで決まる、必要最低限の本数しか敷設できないという、量子コンピュータ特有の制約が存在する。この制約は、現在のNISQ型から将来の汎用量子コンピュータへのスケールアップを目指す場合にさらに厳しいものとなる。量子演算のスケーラビリティを担保する手段として量子ビットをアレイ状に多数集積した量子演算デバイスについても、少ない制御信号数で柔軟な制御ができることが望ましい。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、目的とする演算シーケンスを実現するための量子演算デバイス制御について、個々の量子ビットが必要とするプリミティブな制御情報を、デバイス外部に接続された多数の制御信号線を利用して直接各量子ビットに供給する方式ではなく、量子演算デバイスのアレイ構造に基づき抽象化された、少数のより高次の制御情報で代替して一括制御可能とする、量子ドットアレイ制御デバイス、制御方法、ならびに量子ドットアレイ制御デバイスを含む量子コンピュータシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面は、バイアス電圧により特性可変な量子ビットが一次元または二次元状に複数配列した量子ビットアレイと、前記量子ビットアレイに供給するバイアス電圧を選択するバイアス電圧選択回路と、前記バイアス電圧選択回路の動作を制御するバイアス電圧制御レジスタと、前記バイアス電圧制御レジスタへの設定パタンを生成するバイアス電圧波形パタン発生回路と、を備え、前記バイアス電圧波形パタン発生回路は、前記量子ビットで実行する量子演算の種類、および、演算対象とする前記量子ビットの座標を特定する指示値に基づき、当該量子演算の実行に必要な1つ以上のバイアス電圧波形パタンを生成することを特徴とする、量子演算システムである。
【0009】
本発明の他の一側面は、第1の温度環境に配置され、バイアス電圧により特性可変な量子ビットが複数配列した量子ビットアレイに前記バイアス電圧を供給する際に、前記第1の温度環境より高温の第2の温度環境に配置された情報処理装置が、前記量子ビットを特定する位置情報と前記量子ビットが実行すべき処理を示す命令情報を出力する第1の工程、前記第2の温度環境より低温の第3の温度環境に配置されたバイアス電圧波形パタン発生部が、前記位置情報と前記命令情報に基づいて、制御対象となるバイアス制御スイッチを特定するバイアス制御アドレス情報と、前記バイアス制御スイッチが選択すべきバイアス電圧値を特定するバイアス制御データ情報を出力する第2の工程、前記バイアス制御アドレス情報と前記バイアス制御データ情報に基づいて、前記バイアス電圧を前記量子ビットに作用させ、前記第1の工程で特定した量子ビットに対して前記実行すべき処理を行う第3の工程、を実行する量子ビットアレイの制御方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るバイアス電圧波形パタン発生回路を備えた量子演算システム、および量子ビット制御方式によれば、量子ビットをアレイ状に多数配列した量子演算デバイスに関して、多数の制御信号が必要なプリミティブな制御に替えて、より抽象度が高く柔軟な制御を少ない制御信号数でスケーラブルに実現できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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