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公開番号
2024068652
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-05-20
出願番号
2023189298
出願日
2023-11-06
発明の名称
高次Anti-PT対称性に基づく多負荷無線電力伝送システム
出願人
同済大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
H02J
50/12 20160101AFI20240513BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】本発明は、高次Anti-PT対称性に基づく多負荷無線電力伝送システムを提案し、基礎的なWPTプラットフォームに「W型」反共鳴モードを導入することで、Anti-PTの有効な非エルミートシステムを容易に構築する。
【解決手段】反共鳴モードの「エネルギー準位吸引」を反共鳴モード及び共鳴モードの「エネルギー準位分裂」と組み合わせて、高次Anti-PT対称性による「エネルギー準位ピンニング」効果を検討した。デバイスの小型化及び集積化を考慮して、「合成次元」を採用して「超構造コイル」を設計し、高次Anti-PT対称性システムの構築に用い、さらに多負荷の高効率WPTを実現する。高次Anti-PT対称性の「エネルギー準位ピンニング」効果に基づいて提案される新規WPT技術は、非エルミート物理の充実に良好な応用研究プラットフォームを提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
高次Anti-PT対称性に基づく多負荷無線電力伝送システムであって、W型反共鳴構造とLorentz共鳴構造を結合することで、三次Anti-PT対称性WPTシステムを構築するステップを含み、W型反共鳴構造について、2つの離調したモードω
+
=ω
0
+Δとω
-
=ω
0
-Δの間の結合係数はiγであり、式中Δは離調量を表し、W型反共鳴構造及び共鳴構造における共振モードω
0
間の結合係数はκであり、
前記システムの運動方程式は以下のとおりであり、
TIFF
2024068652000038.tif
54
145
式中、γ
j
及びΓ
j
(j=+,-,0)はそれぞれ共振モードa
j
=A
j
e
-iωt
の放射損失及び固有損失を表し、κ
±
は反共鳴構造と共鳴構造の間の近接場結合強度を表し、
TIFF
2024068652000039.tif
19
150
は外部から反共鳴構造に入力される電磁波を表し、γ
+
=γ
-
=γ
0
/2=γ、κ
+
=κ
-
=κを考慮すると、システムの固有損失Γj
+
=Γ
-
=Γ
0
=0は無視され、無反射条件
TIFF
2024068652000040.tif
20
132
を考慮すると、システムの動力学方程式は下記式で表すことができ、
TIFF
2024068652000041.tif
22
145
この場合、システムの有効ハミルトニアンは下記式で表され、
TIFF
2024068652000042.tif
22
145
式中、ω
0
は共鳴及び反共鳴システムの中心周波数を表し、Δは反共鳴構造の周波数離調量を表し、κは反共鳴構造と共鳴構造の結合強度を表し、γは反共鳴構造における2つの離調モードの放射損失を表し、式(3)から非エルミートシステムが三次Anti-PT対称性条件(PT)H(PT)
-1
=PH
*
P=-Hを満たすと確認され、システムの対称性中心が周波数空間のω
0
であることを特徴とする、前記システム。
続きを表示(約 2,300 文字)
【請求項2】
一般性を失わないように、まずγ=1と仮定し、この場合、異なる結合強度κで、システムモードがマージする位置は、非エルミートシステムの除外点に対応することを特徴とする、請求項1に記載の高次Anti-PT対称性に基づく多負荷無線電力伝送システム。
【請求項3】
式(1)に基づき、W型反共鳴構造とLorentz共鳴構造とによる三次Anti-PT対称性のWPTシステムの伝送効率は下記式で表され、
TIFF
2024068652000043.tif
22
145
式中、S
2+
は共鳴構造から出力される信号を表し、
TIFF
2024068652000044.tif
19
150
は反共鳴構造から入力される信号を表し、A
0
は共鳴構造の振幅を表し、A
+
及びA
-
は反共鳴構造の離調モードの振幅を表し、固定の動作周波数ω=ω
0
で、システムの伝送効率は常にη=4γ/4γ=1であることを特徴とする、請求項1に記載の高次Anti-PT対称性に基づく多負荷無線電力伝送システム。
【請求項4】
平面型超構造コイルを用いて反共鳴送電コイルATCを設計し、次に受電コイルRCと整合させ、コンパクトな三次Anti-PT対称性のWPTシステムを構築するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の高次Anti-PT対称性に基づく多負荷無線電力伝送システム。
【請求項5】
ATC及びRCの半径はそれぞれR及びrで表され、R=15cmと固定する場合、ATCとRCの近接場結合係数は送電/受電端面積比の増加につれて指数関数的に減少するκ
0
=159.55e
-0.72R/r
となることを特徴とする、請求項4に記載の高次Anti-PT対称性に基づく多負荷無線電力伝送システム。
【請求項6】
バイパスコンデンサを合成次元のATCの等価回路図として用い、交流電源電圧がU=-I
1
Zの場合、ATCのKirchhoff方程式は下記式で表すことができ、
TIFF
2024068652000045.tif
18
145
式中I
1
とI
2
はそれぞれ異なる方向に沿った電流を表し、-Zは電源インピーダンスを表し、ATC構造の対称性により、L
1
=L
2
=L及びC
2
=C
1
であり、
1/C=1/C
1
+1/C
0
、
TIFF
2024068652000046.tif
11
145
と仮定し、適切な近似
TIFF
2024068652000047.tif
11
145
を行い、ATC構造モードの振幅はa
n
=(-iL
n
/ω)dI
n
/dt(n=1,2)で表され、次に式(5)は下記式に書き換えられ、
TIFF
2024068652000048.tif
18
145
ATC構造の等価ゲイン及び有効結合がそれぞれγ
0
=-Z/2L及びκ=1/2ωC
0
Lとして得られることを特徴とする、請求項5に記載の高次Anti-PT対称性に基づく多負荷無線電力伝送システム。
【請求項7】
合成された三次Anti-PT対称性のWPTシステムを提案し、L
3
=L、C
3
=C、R=Zと仮定するステップをさらに含み、この場合、システムのKirchhoff方程式は下記式で表され、
TIFF
2024068652000049.tif
22
145
ここのM=ξLは合成されたATCとTCの相互インダクタンスを表し、ξ=-C/C
0
は異なる負荷の結合因子を表し、式(6)と同様に、ATCとRCとの結合システムの下記動力学方程式が得られ、
TIFF
2024068652000050.tif
37
145
ユニタリ変換
TIFF
2024068652000051.tif
11
145
を使用し、a
3
=a
0
とすると、運動方程式は下記式で表すことができ、
TIFF
2024068652000052.tif
43
145
Δ=1/2ωC
0
L及びγ
0
=-Z/2Lと設定すると、Kirchhoff方程式から得られた動力学方程式は下記式で表され、
TIFF
2024068652000053.tif
41
145
γ=γ
0
/2及びκ=-Δ/2と定義すると、システムの有効ハミルトニアンは式(3)で表され、システムはAnti-PT対称性条件(PT)H(PT)
-1
=PH
*
P=-Hを満たすことを特徴とする、請求項6に記載の高次Anti-PT対称性に基づく多負荷無線電力伝送システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線電力伝送の技術分野に関し、特に高次反パリティ-時間(Anti-parity-time,Anti-PT)対称性システムにおける反共鳴状態の「エネルギー準位ピンニング」効果に基づいて高効率と安定性を実現する多負荷無線電力伝送システムに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
無線電力伝送(Wireless Power Transfer,WPT)は、電磁波を利用して電力を電源から負荷に直接伝送する技術であり、人々の電力利用のための新たなアプローチを開いており、家電業界、工業的な自動作業場及び人工知能プラットフォーム等、高自由度での電力供給を必要とするシナリオのいずれに対しても、重要な応用価値を有する。しかし、従来のWPTは伝送距離により大きく制限され、研究者らは、2つの共振コイル間の近接場結合効果(ここで結合強度はコイル距離の増加につれて指数関数的に減少する)によって、磁気共鳴WPTが中距離の高効率なエネルギー伝送を実現できると発見し、それにより非放射磁気共鳴WPTの広範囲な発展を促進した。それにも関わらず、磁気共鳴WPTには、エネルギー伝送の高効率と高安定性を同時に実現しにくいという最も顕著な欠点がある。強結合の場合(共振コイルの間隔が小さい)、高い伝送効率を確保できるが、動作周波数は近接場結合により分裂される。従って、送電端共振コイルと受電端共振コイルの間隔が変化すると、システムの最適動作周波数はシフトし、さらにデバイスの安定性が低下する。一方、弱結合の場合(共振コイルの間隔が大きい)、動作周波数の安定性を確保できるが、伝送効率は著しく低下する。従って、どのようにシステムの高い伝送効率を維持しながら安定したエネルギー伝送を実現するかは、現在、中長距離WPTにおける調和しにくい矛盾となっている。この問題を解決するために、研究者らは、周波数追跡回路を使用してシステムの動作周波数を常に変更し、走査によって効率が最高な周波数を取得してから、最適な動作周波数への切り替えによって高効率なWPTを確保することを提案した。この解決手段は、高い伝送効率を実現できるが、システムの周波数走査追跡回路により、機器の構造複雑性が増加するだけでなく、回路素子の性能に対する要求がさらに高くなり、そのため、複雑な回路整合ネットワークは多くの適用シナリオにおいてまだ限界がある。
【0003】
近年、非エルミート物理の顕著な進歩により、現代のWPT技術革新に原理的に新たな裏付けがもたらされる。研究者らは非エルミート物理におけるパリティ-時間(Parity-Time,PT)対称性をWPTシステムに適用し、非線形回路によってシステムの最適な動作周波数を適応的に追跡するロバストWPTを実現していた。該解決手段はコア素子のオペアンプにより制約されるため、システムの最大パワーが10W以上に達しにくいが、新たな物理原理から新たな研究視点を模索する示唆をもたらし、さらに新技術及び新デバイスの登場を促進する。現在、周波数追跡回路及び非線形効果に基づくWPT技術は段階的にWPTの最適動作周波数のロックという問題を解決していたが、デバイス内部の複雑な回路及び非線形素子に対してまだ敏感性が高いため、システム全体の安定性能はまだ低い。また、長距離、高送電/受電端面積比、及び多負荷の安定的で高効率なWPTをどのように実現するかは、現在でも早急な解決が待たれる重要な科学的難題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の科学的な課題に対して、本発明は、「W型」の反共鳴構造を初めて提案する。基礎的なWPTプラットフォームに該反共鳴モードを導入することで、反パリティ-時間(Anti-Parity-Time,Anti-PT)の有効な非エルミートシステムを容易に構築することができる。反共鳴モードの「エネルギー準位吸引」を反共鳴モード及び共鳴モードの「エネルギー準位分裂」と組み合わせて、高次Anti-PT対称性による「エネルギー準位ピンニング」効果を検討した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明で採用される技術的解決手段は、以下のとおりである。
【0006】
高次Anti-PT対称性に基づく多負荷無線電力伝送システムであって、W型反共鳴構造とLorentz共鳴構造を結合することで、三次Anti-PT対称性WPTシステムを構築するステップを含み、W型反共鳴構造について、2つの離調したモードω
+
=ω
0
+Δとω
-
=ω
0
-Δの間の結合係数はiγであり、式中Δは離調量を表し、W型反共鳴構造及び共鳴構造における共振モードω
0
の間の結合係数はκである。
【0007】
前記システムの運動方程式は、以下のとおりであり、
【0008】
TIFF
2024068652000002.tif
51
138
式中、γ
j
及びΓ
j
(j=+,-,0)はそれぞれ共振モードa
j
=A
j
e
-iωt
の放射損失及び固有損失を表し、κ
±
は反共鳴構造と共鳴構造の間の近接場結合強度を表し、
TIFF
2024068652000003.tif
15
116
は外部から反共鳴構造に入力される電磁波を表し、γ
+
=γ
-
=γ
0
/2=γ、κ
+
=κ
-
=κを考慮すると、システムの固有損失Γj
+
=Γ
-
=Γ
0
=0が無視され、無反射条件
TIFF
2024068652000004.tif
20
132
を考慮すると、システムの動力学方程式が下記式で表すことができ、
【0009】
TIFF
2024068652000005.tif
22
145
この場合、システムの有効ハミルトニアンは下記式で表され、
【0010】
TIFF
2024068652000006.tif
22
145
式中、ω
0
は共鳴及び反共鳴システムの中心周波数を表し、Δは反共鳴構造の周波数離調量を表し、κは反共鳴構造と共鳴構造の結合強度を表し、γは反共鳴構造における2つの離調モードの放射損失を表し、式(3)から非エルミートシステムが三次Anti-PT対称性条件(PT)H(PT)
-1
=PH
*
P=-Hを満たすと確認され、システムの対称性中心が周波数空間のω
0
である。
(【0011】以降は省略されています)
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