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公開番号2023170558
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-01
出願番号2022082399
出願日2022-05-19
発明の名称堤体材料の製造方法及び土質材料の改良方法
出願人個人
代理人個人,個人
主分類E02D 1/02 20060101AFI20231124BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】ため池の近傍で取得した泥土等を用い、近傍の狭小な現場において短時間で水分を蒸発させて必要な強度を有する堤体材料を製造する方法を提供する。
【解決手段】ため池の底泥土と堤体の掘削土を混合した混合土に、繊維質物質とセメント系固化材を添加・混練して繊維質固化処理土を製造し、これを露天状態で積載する。繊維質物質の毛細管現象により水分が吸い上げられて蒸発し、繊維質固化処理土の高い含水比を最短一日以内に最適な値とすることができる。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項1】
改修または新設しようとするフィルダムの遮水部を構成する堤体材料の製造方法であって、
前記フィルダムの近傍において土質材料を取得し、
前記フィルダムの近傍において、繊維質物質とセメント系固化材を前記土質材料に添加して混練することにより繊維質固化処理土を製造し、
前記フィルダムの近傍または上流側に設定した作業場所において、前記繊維質固化処理土を露天状態で積載し、
前記繊維質物質の毛細管現象により達成される水分の蒸発速度で前記繊維質固化処理土の水分を蒸発させることにより、乾燥密度が最大乾燥密度となる最適含水比と、乾燥密度が最大乾燥密度の95%となる湿潤側の限界含水比の間の範囲から外れた前記繊維質固化処理土の含水比を、最短で一日以内に前記範囲内の値とする堤体材料の製造方法。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
改修しようとするため池の堤体を構成する堤体材料の製造方法であって、
前記ため池の近傍において、前記ため池の底泥土と前記堤体の掘削土を混合して混合土を製造し、
前記ため池の近傍において、繊維質物質とセメント系固化材を前記混合土に添加して混練することにより繊維質固化処理土を製造し、
前記ため池の近傍または上流側に設定した作業場所において、前記繊維質固化処理土を露天状態で積載し、
前記繊維質物質の毛細管現象により達成される水分の蒸発速度で前記繊維質固化処理土の水分を蒸発させることにより、乾燥密度が最大乾燥密度となる最適含水比と、乾燥密度が最大乾燥密度の95%となる湿潤側の限界含水比の間の範囲から外れた前記繊維質固化処理土の含水比を、最短で一日以内に前記範囲内の値とする堤体材料の製造方法。
【請求項3】
新設しようとするアースダム又はロックフィルダムのコア部分を構成する堤体材料の製造方法であって、
前記アースダム又はロックフィルダムの新設現場において土質材料を取得し、
前記アースダム又はロックフィルダムの新設現場において、繊維質物質とセメント系固化材を前記土質材料に添加して混練することにより繊維質固化処理土を製造し、
前記アースダム又はロックフィルダムの新設現場の近傍に設定した作業場所において、前記繊維質固化処理土を露天状態で積載し、
前記繊維質物質の毛細管現象により達成される水分の蒸発速度で前記繊維質固化処理土の水分を蒸発させることにより、乾燥密度が最大乾燥密度となる最適含水比と、乾燥密度が最大乾燥密度の95%となる湿潤側の限界含水比の間の範囲から外れた前記繊維質固化処理土の含水比を、最短で一日以内に前記範囲内の値とする堤体材料の製造方法。
【請求項4】
前記土質材料の含水比を45%以上とし、
前記繊維質物質の添加量を25kg/m
3
以上とし、
前記セメント系固化材の添加量を56kg/m
3
以上とすることにより、
前記蒸発速度の最大値を4.38kg/h・m
2
以上としたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載された堤体材料の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、改修または新設しようとするフィルダム(ため池、アースダム、ロックフィルダム等を含む)の遮水部(コア部)を構成する堤体材料の製造方法に係り、特にフィルダムやその近傍で取得した高含水比の土質材料を用い、フィルダム近傍の狭小な現場で短時間のうちに水分を蒸発させて必要な強度を有する堤体材料を製造する方法に関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
フィルダムとは、堤体材料としての土を盛り、これを締固めて築造するダムの総称であり、内部に粘土などから構成される遮水部(心壁またはコア部と称する)が設けられたアースダムやロックフィルダム等が含まれる。フィルダムの堤体材料は、特殊なものを除いて、ほぼその全量を、フィルダムの近傍で採取した土質材料または工事に伴って発生する土質材料で賄うことが、環境保護及び工事費用低減の観点から好ましいとされている。堤体材料の締固め基準については、土地改良事業計画設計基準「フィルダム編」2003に示されており、堤高15m未満のため池改修の場合も同様の基準となっている。すなわち、ため池もフィルダムの一種として扱うことができることは一般的に認められており、アースダムやロックフィルダムの新設時において適用される技術的基準は、既設のため池の改修にも同様に適用される。以上の事情から、本願におけるフィルダムの用語には、アースダムやロックフィルダム等だけでなく、ため池も含まれることを念の為確認しておく。
【0003】
上述したフィルダムの遮水部を構成する堤体材料の締固めは、土粒子、空気、水の混合体に外力を加え、土粒子を強制的に密に詰める行為であるが、この際、土の締固まり具合や締固められた土の工学特性は水により大きく影響を受ける。すなわち、同じ土を同じ方法で締固めても、その土の含水比により締固め土の密度や強度、遮水性などが異なる。したがって堤体材料の締固め土の設計密度ρ
ds
は、原則として現場含水比で締固め可能な密度をとるものとされている。設計密度ρ
ds
は土質、気象、施工条件等により変わるが、粘性土ではJISA1210:2009に規定されている通り、当該土質材料の最大乾燥密度ρ
dmax
から、最大乾燥密度ρ
dmax
の95%(D値95%と称する。)程度までの範囲の値が多く採用されている。
【0004】
図22は、土質材料ごとに定められる含水比w
n
(横軸、%)と乾燥密度ρ
d
(縦軸、g/cm
3
)の関係を示すグラフ(締め固め曲線、一般に「プロクターのライン」と呼ばれる。)である。堤体材料の製造において土質材料の締固めを行う際には、品質のバラツキを考慮して、当該土質材料の図22に示すような締め固め曲線において、上述した通り設計密度ρ
ds
が最大乾燥密度ρ
dmax
の95%以上かつ最大乾燥密度ρ
dmax
以下であって、乾燥密度ρ
d
が最大乾燥密度ρ
dmax
となる最適含水比w
opt
と、乾燥密度ρ
d
が最大乾燥密度ρ
dmax
の95%となる湿潤側の限界含水比w
wet
の間の範囲(図1中にグレーで着色した領域)を、当該土質材料の締め固めに最適な範囲としている事例が多い。
【0005】
我が国は多雨多湿の気候であるため、土質材料の自然含水比は、ほとんどの場合、最適含水比w
opt
よりも湿潤側にあり、フィルダム工事(新設、改修)における施工可能日数は、気温、降雨、積雪、降霜および日照などの諸条件によって左右される。特に、フィルダムの遮水部を盛立てる施工では、日平均気温3℃以下または日雨量1mm以上の場合、施工が規制されている(土地改良事業計画設計基準「フィルダム編」、2003)。
【0006】
フィルダムは、透水係数の小さな粘性土からなる堤体材料を盛立てて締固めた遮水部(コア)と、土や岩石を遮水部の両側にゆるい勾配で盛立てて水圧やダムの重さを分散して支える部分から構成されている。フィルダムの築造にあたっては、遮水部を構成する遮水性の堤体材料と、その両側の土や岩石を同一レベルで盛立てていくため、遮水部の盛立て状況が全体工程の進捗状況を左右することになる。そして、前述した通り、遮水部を構成する堤体材料には、フィルダムの近傍で採取される土質材料を用いることが一般的であるが、この土質材料の含水比が高いと、盛立て中に土質材料が泥状化して施工ができなくなることが多々ある。そこで、土質材料を高い密度に締固めて遮水性を確保し、かつ良好な施工性を得るために、異種の土質材料を混合する調整(粒度、分布、含水比の調整)が行われるようになった。
【0007】
図23は、異種の土質材料を混合して行う調整作業を説明する図である。図23(a)に示すように、粗粒材と細粒材の粒度および含水比を把握し、これら両材が所定の混合比になるように所定の厚さで交互に層状に盛立ててストックパイルを形成し、これを一定期間放置した後、図23(b)に示すように、ブルドーザでストックパイルを切り崩して(「スライスカット」と称する。)所定の品質を有する堤体材料(図中、「コア材」と表記)を製造する。このような堤体材料の製造方法をストックパイル方式と称する。
【0008】
ストックパイル方式は、以下の長所を有している。
(1)圧密により細粒材の含水比が低下する。
(2)貯蔵中にオーバーサイズの礫が除去できる。
(3)採取場の機械稼働に無駄がなくなる。
(4)コア材料をストックしておくことにより、遮水部(コア部)の施工に逐次対応できる。
【0009】
一方で、ストックパイル方式は、以下の短所を有している。
(1)広い面積の造成ヤードを必要とし、造成ヤードの周辺において確実な排水機能が必要である。
(2)材料のコストアップにつながる場合がある。
(3)細粒材が高含水比の場合に、含水比低下は鈍い。
【0010】
このような従来の技術において、堤体材料となる高含水比の土質材料の含水比を低下させることは重要な課題となっており、種々の提案が示されているが、2つの代表例を以下に示す。
(1)全天候通風型システム
このシステムは、外気の通風を利用して高含水比の土質材料を効率良く所定の含水比まで乾燥させるシステムである。屋根と壁が透明樹脂板張で、壁の一部(壁の下半分と屋根直下の50cm程度)が開放されている仮設小屋に含水比の高い土質材料を仮置し、送風機や扇風機による外気の送風と、バックホウによる天地換えを行うことで、土質材料を乾燥させて含水比を調整する。4日間で含水比を5~6%下げることができた実例がある。
(【0011】以降は省略されています)

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