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公開番号2025154807
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024058001
出願日2024-03-29
発明の名称シミュレーション装置及びプログラム
出願人DOWAホールディングス株式会社,国立大学法人東北大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B02C 17/14 20060101AFI20251002BHJP(破砕,または粉砕;製粉のための穀粒の前処理)
要約【課題】振動ボールミル装置におけるミル容器内の球形媒体の挙動をシミュレーション可能とする。
【解決手段】シミュレーション装置は、ミル容器壁面の相対座標位置(MB)を求め、各球形媒体の壁面との接触点位置での球形媒体の接触方向(H1)を算出し、接触点位置における壁面の振動速度ベクトル(V1)及び壁面の運動速度ベクトル(VT)を算出し、球形媒体が壁面から受ける力(J0)を算出し、各球形媒体間の接触方向(H2)を算出し、球形媒体間の接触点位置における運動速度ベクトル(VP)を算出し、球形媒体が他の球形媒体から受ける力(JP)を算出し、力(J0)、力(JP)、重力(G)、及び微小単位時間(Δt)に基づき球形媒体の運動速度ベクトル(V)及び微小時間変位(U)を求め、微小時間変位(U)から微小単位時間(Δt)後の媒体中心座標(P)を求め、運動速度ベクトル(V)及び媒体中心座標(P)を更新する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
内部に多数の球形媒体を装填した軸対称形状のミル容器を振動動作させる振動ボールミル装置における、前記球形媒体の挙動をシミュレーションするシミュレーション装置であって、制御部を備え、
前記制御部は、
座標中心を固定した座標系である絶対座標系(K1)における球形媒体の中心位置の座標である媒体中心座標(P)と、前記絶対座標系(K1)における前記球形媒体の運動速度ベクトル(V)と、数値解析を行う微小単位時間(Δt)と、前記球形媒体の半径(R)とを初期パラメータとして入力し、
前記絶対座標系(K1)における、前記ミル容器のZ軸方向の中心のXY座標をミル中心座標(M)として求め、該ミル中心座標(M)に基づき、前記ミル容器の壁面の相対座標位置(MB)を求め、
前記媒体中心座標(P)、前記球形媒体の半径(R)、及び前記相対座標位置(MB)に基づいて、多数の前記球形媒体のそれぞれについて前記壁面との接触点位置の座標である接触点座標(D)を求め、該接触点座標(D)、及び前記媒体中心座標(P)から、前記絶対座標系(K1)における前記接触点位置での前記球形媒体の接触方向(H1)を算出し、
前記接触点位置における前記壁面の振動動作による、前記絶対座標系(K1)における前記壁面の振動速度ベクトルを壁面振動速度ベクトル(V1)として算出するとともに、前記振動速度ベクトル(V1)から、前記絶対座標系(K1)における前記接触点位置での前記壁面の運動速度ベクトルを壁面運動速度ベクトル(VT)として算出し、
前記運動速度ベクトル(V)、前記接触方向(H1)、及び前記壁面運動速度ベクトル(VT)に基づいて、前記球形媒体が前記壁面から受ける力(J0)を算出し、
前記媒体中心座標(P)から各球形媒体間の中心間距離(L)を求め、該中心間距離(L)及び前記球形媒体の半径(R)から前記球形媒体間の接触を判定し、該判定に基づいて、前記媒体中心座標(P)から前記各球形媒体間の接触方向(H2)を算出し、
前記絶対座標系(K1)において、前記運動速度ベクトル(V)に基づいて、前記球形媒体間の接触点位置における運動速度ベクトル(VP)を算出し、
前記接触方向(H2)及び前記運動速度ベクトル(VP)に基づいて、前記球形媒体が他の球形媒体から受ける力(JP)を算出し、
前記力(J0)、前記力(JP)、重力(G)、及び前記微小単位時間(Δt)に基づいて運動方程式を数値解析することにより、前記球形媒体の前記微小単位時間(Δt)後の運動速度ベクトル(V)及び微小時間変位(U)を求め、該微小時間変位(U)から前記微小単位時間(Δt)後の前記球形媒体の媒体中心座標(P)を求め、前記運動速度ベクトル(V)及び前記媒体中心座標(P)を更新する、
シミュレーション装置。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
前記制御部は、
前記ミル中心座標(M)の楕円振動軌道の長軸半径(A)、短軸半径(B)、及び傾き(DW)と、前記ミル容器の振動数(C)とを初期パラメータとして入力し、
楕円の媒介変数表示である次式
JPEG
2025154807000011.jpg
9
170
における角度φを前記振動数(C)と時間(t)で変動するように次式
JPEG
2025154807000012.jpg
15
170
を設定し、前記傾き(DW)だけ回転する回転行列をかけた次式
JPEG
2025154807000013.jpg
15
170
により前記ミル中心座標(M)の成分(Xm,Ym)を求める、請求項1に記載のシミュレーション装置。
【請求項3】
コンピュータを、請求項1に記載のシミュレーション装置として機能させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、振動ボールミル装置におけるミル容器内の球形媒体の挙動をシミュレーションするシミュレーション装置及びプログラムに関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
被加工物を粉砕あるいは混合するボールミル装置としては、容器回転型の転動ボールミル装置、攪拌回転型の攪拌ボールミル装置、ミル容器を固定された回転軸を中心として回転駆動する回転ミル装置、さらにミル容器を回転させつつ揺動する回転揺動ミル装置等、様々な装置がある。
【0003】
回転揺動ミル装置における容器内の球形媒体の挙動をシミュレーショする媒体挙動シミュレーション装置としては、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された媒体挙動シミュレーション装置は、ミル容器を回転させるとともに回転軸が揺動する回転揺動ミル装置における、ミル容器内の球形媒体の挙動をシミュレーションするものである。
【0004】
この媒体挙動シミュレーション装置は、シミュレーション技術として、微小時間毎に個々の粒子に作用する力を算出し、この算出結果に基づいて運動方程式を差分的に計算し、粒子の変位を逐次数値解析する離散要素法が用いられる。なお、離散要素法については、例えば非特許文献1に具体的な計算方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-119433号公報
【非特許文献】
【0006】
日本機械学会論文集(B編)、57巻、534号、60、1991年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、ボールミル装置の中でも、振動ボールミル装置は、転動ボールミル装置と比べて生産性に優れており、無機材料の粉砕、銀粉・銅粉をはじめとした金属粉の扁平化等で注目されている。
【0008】
振動ボールミル装置は、アンバランスウェイトを取り付け、ミル容器を偏心させた状態で設置し、モーターが回転することにより振動が発生するものである。前述のとおり、ミル容器を支えながら振動を実現させるため、ミル容器を設置する下面にはスプリングを備え、振動は主に、円運動のような周期的運動をする。振動ボールミル装置は、アンバランスウェイトの取り付け重量又は取り付け位置を変更することで、振動の振幅を調整することができる。
【0009】
一方、振動ボールミル装置は上記のように部品が多く、ミル容器そのものが浮いているような状態であるため、粉砕媒体、被粉砕物の種類、被粉砕物の装入量、振動数、アンバランスウェイト、スプリング等の要因が複雑的に影響し、ミル容器の振動は完全な円運動ではなく、円運動の長軸・短軸の長さ及び傾きも条件によって様々である。振動ボールミル装置の複雑な振動形状が一因となり、ミル容器内の球形媒体の挙動をシミュレーションすることは困難であった。
【0010】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、振動ボールミル装置におけるミル容器内の球形媒体の挙動を容易且つ正確に逐次シミュレーション可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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