TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025157275
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-15
出願番号
2025108663,2021138882
出願日
2025-06-27,2021-08-27
発明の名称
抗SARS-CoV-2単ドメイン抗体
出願人
株式会社プロテイン・エクスプレス
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
C07K
16/10 20060101AFI20251007BHJP(有機化学)
要約
【課題】SARS-CoV-2に対する結合活性及び中和活性を有する単ドメイン抗体を提供する。
【解決手段】以下の(a)~(c)に記載のポリペプチド群から選択されるポリペプチドを含む、単ドメイン抗体:
(a)特定のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)前記(a)に記載のいずれかのポリペプチドのアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する、ポリペプチド;
(c)前記(a)又は(b)に記載のポリペプチドのアミノ酸配列を部分配列として含む、ポリペプチド。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の(a)~(c)に記載のポリペプチド群から選択されるポリペプチドを含む、単ドメイン抗体:
(a)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)前記(a)に記載のポリペプチドのアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有し、かつ、SARS-CoV-2の受容体結合ドメイン(RBD)への結合活性を有する、ポリペプチド;
(c)前記(a)又は(b)に記載のポリペプチドのアミノ酸配列を部分配列として含み、かつ、SARS-CoV-2 RBDへの結合活性を有する、ポリペプチド。
続きを表示(約 690 文字)
【請求項2】
前記ポリペプチドが以下の3つのCDRを含む、請求項1に記載の単ドメイン抗体:
(g)配列番号9で示されるアミノ酸配列又は配列番号9で示されるアミノ酸配列のうち、1個若しくは2個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるCDR1;
(h)配列番号13で示されるアミノ酸配列又は配列番号13で示されるアミノ酸配列のうち、1個若しくは2個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるCDR2;及び
(i)配列番号17で示されるアミノ酸配列又は配列番号17で示されるアミノ酸配列のうち、1個若しくは2個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるCDR3。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の単ドメイン抗体を有効成分として含む、SARS-CoV-2感染症の治療又は予防のために使用される、医薬組成物。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の単ドメイン抗体を含む、SARS-CoV-2の検出試薬。
【請求項5】
試料と、請求項1又は2に記載の単ドメイン抗体とを接触させる工程を含む、試料中のSARS-CoV-2を検出する方法。
【請求項6】
前記試料が、対象から取り出した試料である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記対象がヒトである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の単ドメイン抗体を有効成分として含む、SARS-CoV-2感染症の予防のために使用される、衛生用品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、SARS-CoV-2を中和するための単ドメイン抗体に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
コロナウイルスは、ニドウイルス目コロナウイルス科オルソコロナウイルス亜科よりなるRNAウイルスの一群である。コロナウイルスは、ポジティブセンス一本鎖RNAゲノムと、らせん対称のヌクレオカプシドを持つエンベロープウイルスであり、カプシド表面からこん棒型の突起が突き出た特徴的な形状を有する。コロナウイルスは、RNAウイルスの中でも大型のウイルスであり、そのゲノムサイズは約26~32キロベースである。
【0003】
コロナウイルスは、哺乳類、鳥類等に感染性疾患を引き起こすRNAウイルスとして知られ、特に、軽度~重篤の気道感染症を引き起こすことが知られる。ヒトにおいては、コロナウイルスは、軽症の場合は一般的な風邪の原因ウイルス(風邪の原因ウイルスは、コロナウイルス以外にも多数知られる)となるが、SARS、MERS等の一部のコロナウイルスは、より致命的な症状を引き起こすことが知られる。特に、2019年に中国で発見された新型コロナウイルスであるSARS-CoV-2は、短期間に全世界に蔓延し、有効な治療薬が存在しなかったという背景もあり、多数の感染者及び死者を出すこととなった。現在も、その数は増え続けており、早急にSARS-CoV-2の治療薬の開発と普及が達成されることが望まれている。
【0004】
SARS-CoV-2には、そのウイルス表面に、宿主細胞の受容体に結合するスパイクタンパク質が存在する。このスパイクタンパク質は、三量体構造を有する糖タンパク質であり、各ポリペプチド鎖は、N末端ドメイン(NTD)、S1ドメイン及びS2ドメインから構成される。S1ドメイン上の受容体結合ドメイン(RBD)には、「ダウン型構造」と「アップ型構造」があり、アップ型構造のRBDが宿主細胞表面のアンジオテンシン変異酵素II(ACE2)受容体に結合することが明らかにされている(非特許文献1)。
【0005】
単ドメイン抗体は、重鎖のみで構成される抗体(免疫グロブリン)の可変領域からなる抗体であり、ラクダ科哺乳類でみられるVHH、サメ科でみられるVNARが知られる。単ドメイン抗体は、単鎖抗体、ナノボディ(登録商標)とも称される。単ドメイン抗体は、通常の抗体と同様の抗原結合性を有する一方で、耐酸性や耐熱性に優れ、一度変性しても再度生理的な条件下におくことでその抗原結合性が復活することで知られる。単ドメイン抗体の分子量は12~15kDa程度であり、大腸菌、酵母等の組換え微生物による生産が比較的容易である。これらの特徴から、抗体医薬としての利用が期待されており、既に、フォン・ヴィレブランド因子(vWF)を標的とする単ドメイン抗体を用いた後天性血栓性血小板減少性紫斑病(aTTP)治療薬が市販されている(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
D. Wrapp et al., Science, Vol. 367, pp. 1260-1263 (2020)
F. Peyvandi et al., Journal of Thrombosis and Haemostasis, Vol. 15, pp. 1448-1452 (2017)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
多くの機関でSARS-CoV-2感染症(Covid-19)治療薬の開発が進められており、抗体医薬の実用化もなされているが、現在のところ、単ドメイン抗体を主成分とするSARS-CoV-2感染症治療のための承認薬は存在しない。本発明は、SARS-CoV-2に対する結合活性及び中和活性を有する単ドメイン抗体を提供することを目的とする。また、本発明は、SARS-CoV-2感染症の治療及び/又は予防に有用な医薬組成物、SARS-CoV-2感染症の診断補助に有用な、試料中のSARS-CoV-2を検出する試薬及び方法、並びに、SARS-CoV-2感染症の予防に有効な衛生用品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書によれば、以下の発明が提供される。
(1)以下の(a)~(c)に記載のポリペプチド群から選択されるポリペプチドを含む、単ドメイン抗体:
(a)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)前記(a)に記載のポリペプチドのアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有し、かつ、SARS-CoV-2の受容体結合ドメイン(RBD)への結合活性を有する、ポリペプチド;
(c)前記(a)又は(b)に記載のポリペプチドのアミノ酸配列を部分配列として含み、かつ、SARS-CoV-2 RBDへの結合活性を有する、ポリペプチド。
(2)前記ポリペプチドが以下の3つのCDRを含む、(1)に記載の単ドメイン抗体:
(g)配列番号9で示されるアミノ酸配列又は配列番号9で示されるアミノ酸配列のうち、1個若しくは2個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるCDR1;
(h)配列番号13で示されるアミノ酸配列又は配列番号13で示されるアミノ酸配列のうち、1個若しくは2個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるCDR2;及び
(i)配列番号17で示されるアミノ酸配列又は配列番号17で示されるアミノ酸配列のうち、1個若しくは2個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるCDR3。
(3)(1)又は(2)に記載の単ドメイン抗体を有効成分として含む、SARS-CoV-2感染症の治療又は予防のために使用される、医薬組成物。
(4)(1)又は(2)に記載の単ドメイン抗体を含む、SARS-CoV-2の検出試薬。
(5)試料と、(1)又は(2)に記載の単ドメイン抗体とを接触させる工程を含む、試料中のSARS-CoV-2を検出する方法。
(6)前記試料が、対象から取り出した試料である、(5)に記載の方法。
(7)前記対象がヒトである、(6)に記載の方法。
(8)(1)又は(2)に記載の単ドメイン抗体を有効成分として含む、SARS-CoV-2感染症の予防のために使用される、衛生用品。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、SARS-CoV-2に対する結合活性及び中和活性を有する単ドメイン抗体を提供することができる。また、本発明によれば、SARS-CoV-2感染症の治療及び/又は予防に有用な医薬組成物、SARS-CoV-2感染症の診断補助に有用な、試料中のSARS-CoV-2を検出する試薬及び方法、並びに、SARS-CoV-2感染症の予防に有効な衛生用品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
配列番号1~7で表されるアミノ酸配列を有するVHH抗体(A02、A03、A15、B02、B04、B13及びB16)のアラインメントを示す。
各抗SARS-CoV-2 RBD VHH抗体のRBDへの結合活性評価の結果を示すグラフである。試験はn=4で実施した。使用した抗RBD VHH抗体のいずれもRBDに対する結合活性を有することが確認された。特に、A02、A03及びA15において高い結合活性が見られた。
各SARS-CoV-2 RBD VHH抗体の中和活性評価の結果を示すグラフである。試験はn=4で実施した。陽性対照区の平均吸光度をACE2結合率100%として、各測定区の平均吸光度よりACE2結合率を算出した。実施例3で高いRBD結合活性を示したA02、A03及びA15で比較的高い中和活性が見られることが確認された。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
株式会社日本触媒
(メタ)アクリレート化合物
6日前
株式会社トクヤマ
チオファニウム塩臭化物の製造方法
19日前
ステラケミファ株式会社
リン化合物の製造方法
11日前
日本特殊陶業株式会社
反応装置
6日前
国立大学法人東京農工大学
化合物の製造方法
4日前
上野製薬株式会社
高純度芳香族ジオールの製造方法
6日前
上野製薬株式会社
高純度芳香族ジオールの製造方法
6日前
株式会社プロテリアル
触媒複合物を用いたメタネーション反応器
20日前
大成建設株式会社
気体貯蔵放出材料
11日前
大阪瓦斯株式会社
メタン生成システム
20日前
キヤノン株式会社
有機化合物および有機発光素子
19日前
日本電子株式会社
安定同位体標識されたシステイニルドーパ、及び分析方法
1か月前
AGC株式会社
含フッ素化合物
21日前
個人
中空微小球に基づく再生可能な深共晶溶媒を用いたオレアノール酸の抽出方法
11日前
大阪ガスケミカル株式会社
フルオレン化合物ならびにその製造方法および用途
11日前
達興材料股ふん有限公司
高純度のシクロブタン誘導体の製造方法
28日前
国立大学法人九州大学
化合物、重合体、コーティング剤、及び器具
4日前
三菱瓦斯化学株式会社
フラン-2,5-ジカルボン酸の製造方法
19日前
アッヴィ・インコーポレイテッド
TIPARP阻害剤化合物
27日前
国立大学法人北海道大学
タンパク質分解制御化合物、剤、方法及びキット
27日前
住友化学株式会社
反応混合組成物の製造方法、混合組成物および混合組成物の製造方法
4日前
国立大学法人佐賀大学
リン酸トリエステルの製造方法
19日前
第一三共株式会社
抗腫瘍効果を有する抗体薬物複合体の新規製造方法
1か月前
住友化学株式会社
組成物及びその硬化物、成形物、表示装置、並びに固体撮像素子
1か月前
アミリス,インコーポレイティド
イソプレノイドの精製のための組成物及び方法
25日前
信越化学工業株式会社
含窒素多官能オルガノキシシラン化合物の製造方法
27日前
ダイト株式会社
リナグリプチン結晶及びその製造法
11日前
株式会社半導体エネルギー研究所
化合物及び発光デバイス
27日前
太陽ホールディングス株式会社
テレフタル酸の製造方法及び被処理物の分解方法
5日前
カイマブ・リミテッド
生理学的鉄過剰の処置
1か月前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
27日前
株式会社ファンケル
ピラノベンゾピランを基本骨格とする化合物
19日前
サノフイ
抗CD38抗体および使用方法
8日前
日本化学工業株式会社
第3級アルキル基を有するモノオルガノホスフィンの製造方法
1か月前
信越化学工業株式会社
金属含有膜形成用化合物、金属含有膜形成用組成物、及びパターン形成方法
5日前
住友化学株式会社
メタクリル酸メチルの製造方法、組成物、重合体、硬化物及び成形体
19日前
続きを見る
他の特許を見る