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公開番号2025146714
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-03
出願番号2025035062
出願日2025-03-06
発明の名称アスファルト改質材
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類C08L 95/00 20060101AFI20250926BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】耐候性に優れたアスファルト組成物を実現できるアスファルト改質材、当該アスファルト改質材を用いたアスファルト組成物、及び当該アスファルト組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂A及びカーボンブラックを含むアスファルト改質材であって、カーボンブラックの含有量が2.5質量%以下であり、カーボンブラックに対する無機充填剤(カーボンブラックを除く)の質量比〔無機充填剤/カーボンブラック〕の値が1以下である、アスファルト改質材。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂A及びカーボンブラックを含むアスファルト改質材であって、
カーボンブラックの含有量が2.5質量%以下であり、
カーボンブラックに対する無機充填剤(カーボンブラックを除く)の質量比〔無機充填剤/カーボンブラック〕の値が1以下である、アスファルト改質材。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
樹脂A及びカーボンブラックの溶融混練物を含む、請求項1に記載のアスファルト改質材。
【請求項3】
黒色度が7以上40以下である、請求項1又は2に記載のアスファルト改質材。
【請求項4】
樹脂Aが、ポリエステル樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂及びナイロン樹脂から選ばれる1種以上を含む、請求項1又は2に記載のアスファルト改質材。
【請求項5】
ポリエステル樹脂が、アルコール成分、カルボン酸化合物及びポリエチレンテレフタレートの重縮合物を含む、請求項4に記載のアスファルト改質材。
【請求項6】
樹脂Aの含有量が97.0質量%以上である、請求項1又は2に記載のアスファルト改質材。
【請求項7】
アスファルト及び請求項1又は2に記載のアスファルト改質材を含有するアスファルト組成物。
【請求項8】
請求項7に記載のアスファルト組成物であって、
300~400nmの紫外線を、150W/m

で48時間照射後のカルボニルインデックス(C

)と、紫外線照射前のカルボニルインデックス(C

)が下記式(1)を満たす、アスファルト組成物。


/C

<2 (1)
カルボニルインデックスは、フーリエ変換赤外分光法により測定される、アスファルト組成物の1600cm
-1
の吸光度に対する1700cm
-1
の吸光度の比(1700cm
-1
の吸光度/1600cm
-1
の吸光度)である。
【請求項9】
下記工程1及び2をこの順に有する、アスファルト組成物の製造方法。
工程1:樹脂A及びカーボンブラックを混合して、アスファルト改質材を得る工程
工程2:アスファルトと、工程1で得られたアスファルト改質材とを混合する工程
ただし、工程1で得られたアスファルト改質材中、カーボンブラックの含有量が2.5質量%以下であり、カーボンブラックに対する無機充填剤(カーボンブラックを除く)の質量比〔無機充填剤/カーボンブラック〕の値が1以下である。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アスファルト改質材、アスファルト組成物及びアスファルト組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
自動車道や駐車場、貨物ヤード、歩道等の舗装には、敷設が比較的容易であり、舗装作業開始から交通開始までの時間が短くてすむことから、アスファルト組成物(アスファルトバインダー)に骨材を添加して得られるアスファルト混合物を用いるアスファルト舗装が行われている。このアスファルト舗装は、骨材をアスファルトで結合したアスファルト混合物によって路面が形成されているので、舗装道路は良好な硬度や耐久性を有している。
【0003】
例えば、特許文献1には、道路舗装用アスファルトの大部分を占めるストレートアスファルトの耐轍掘れ性能と耐ひび割れ性能の改善を両立させ、より広範囲の温度域において使用可能なアスファルトバインダー並びに舗装用アスファルト混合物を簡便、安価に提供することを目的として、ストレートアスファルト100重量部に対し、窒素吸着比表面積(N

SA)が40~180m

/g、DBP吸収量が80cm

/100g以上のカーボンブラックを、30重量部までの範囲で添加したアスファルトバインダーであって、下記(1)式で算出されるA値が200nm以下の範囲にあることを特徴とするアスファルトバインダー及び当該アスファルトバインダーが記載されている。
A=f・Dst・{〔(0.86)/(φ・β)
1/3
〕-1}…(1)
但し、f=exp(ΔD50/2Dst)


β=〔1+0.0181(24M4DBP)〕/1.59である。
なお、Dstはカーボンブラックアグリゲートのストークス相当径分布のモード径(nm)、ΔD50は同ストークス相当径分布における半値幅(nm)、φは体積分率、24M4DBPは圧縮DBP吸収量(cm

/100g)を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-256663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アスファルト舗装には、太陽光に長期間暴露されると紫外線により劣化が進行し、ひび割れが生じる問題がある。このような問題は、特に太陽光照射強度が強い地域で深刻である。アスファルト舗装が劣化すると、補修を行う必要が生じる。舗装の補修を行うことにより、維持費用が増大するとともに、自動車の交通に大きな影響を与える。そのため、紫外線による劣化が少ない、耐候性に優れたアスファルト舗装が求められている。しかし、特許文献1に記載の技術においては、アスファルト組成物の耐候性に関して検討がなされていない。
本発明は、耐候性に優れたアスファルト組成物を実現できるアスファルト改質材、当該アスファルト改質材を用いたアスファルト組成物、及び当該アスファルト組成物の製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、樹脂A及びカーボンブラックを含むアスファルト改質材において、特定量以下のカーボンブラックを配合することで、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、次の[1]~[3]を包含する。
[1] 樹脂A及びカーボンブラックを含むアスファルト改質材であって、
カーボンブラックの含有量が2.5質量%以下であり、
カーボンブラックに対する無機充填剤(カーボンブラックを除く)の質量比〔無機充填剤/カーボンブラック〕が1以下である、アスファルト改質材。
[2] アスファルト及び上記[1]に記載のアスファルト改質材を含有する、アスファルト組成物。
[3] 下記工程1~3をこの順に有する、アスファルト組成物の製造方法。
工程1:樹脂A及びカーボンブラックを混合して、アスファルト改質材を得る工程
工程2:アスファルトと、工程1で得られたアスファルト改質材とを混合する工程
ただし、工程1で得られたアスファルト改質材中、カーボンブラックの含有量が2.5質量%以下であり、カーボンブラックに対する無機充填剤(カーボンブラックを除く)の質量比〔無機充填剤/カーボンブラック〕の値が1以下である。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、耐候性に優れたアスファルト組成物を実現できるアスファルト改質材、当該アスファルト改質材を用いたアスファルト組成物、及び当該アスファルト組成物の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[アスファルト改質材]
本発明のアスファルト改質材は、樹脂A及びカーボンブラックを含み、カーボンブラックの含有量が2.5質量%以下であり、カーボンブラックに対する無機充填剤(カーボンブラックを除く)の質量比〔無機充填剤/カーボンブラック〕の値が1以下である。本発明のアスファルト改質材は、カーボンブラックをアスファルト中に均一に分散させ、アスファルト組成物の耐候性を向上させる観点から、溶融混練物であることが好ましい。
【0009】
本発明の効果が得られる理由は定かではないが、以下のように考えられる。
カーボンブラックは紫外線で劣化しにくいため、アスファルト舗装に用いることで道路の耐候性を向上させることができる。しかし、カーボンブラックを、アスファルト又は改質アスファルトに直接添加して混合すると、カーボンブラックがアスファルト中で凝集するという問題があり、耐候性を向上させるにはカーボンブラックの添加量が非常に多くなる問題があった。
本発明のアスファルト改質材は、樹脂Aとカーボンブラックを含み、カーボンブラックに対する無機充填剤(カーボンブラックを除く)の質量比〔無機充填剤/カーボンブラック〕の値が1以下であることで、カーボンブラックの含有量を2.5質量%以下に抑えても、当該アスファルト改質材をアスファルトと混合することで、アスファルト中にカーボンブラックを均一に分散させることができる。そのため、本発明のアスファルト改質材を用いてアスファルト組成物の耐候性を向上させることができると考えられる。
【0010】
本明細書における各種用語の定義等を以下に示す。
ポリエステル樹脂中、「アルコール成分由来の構成単位」とは、アルコール成分のヒドロキシ基から水素原子を除いた構造を意味し、「カルボン酸成分由来の構成単位」とは、カルボン酸成分のカルボキシ基からヒドロキシ基を除いた構造を意味する。
「カルボン酸成分」とは、そのカルボン酸のみならず、反応中に分解して酸を生成する無水物、及びカルボン酸のアルキルエステル(例えば、アルキル基の炭素数1以上3以下)も含む概念である。カルボン酸成分がカルボン酸のアルキルエステルである場合、エステルのアルコール残基であるアルキル基の炭素数を、カルボン酸の炭素数に算入しない。
(【0011】以降は省略されています)

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