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公開番号
2025034556
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023141012
出願日
2023-08-31
発明の名称
海産魚スクーチカ症予防治療剤
出願人
国立大学法人 東京大学
代理人
弁理士法人アルガ特許事務所
主分類
A61K
45/00 20060101AFI20250306BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】海産魚に対するスクーチカ症を効果的に予防治療できる薬剤を提供すること。
【解決手段】イオノフォア抗生物質を有効成分とする海産魚スクーチカ症予防治療剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
イオノフォア抗生物質を有効成分とする海産魚スクーチカ症予防治療剤。
続きを表示(約 570 文字)
【請求項2】
イオノフォア抗生物質が、サリノマイシン、ラサロシド、モネンシン、バリノマイシン、イオノマイシン、カルシマイシン及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の海産魚スクーチカ症予防治療剤。
【請求項3】
投与形態が、経口投与である請求項1記載の海産魚スクーチカ症予防治療剤。
【請求項4】
海産魚が、カレイ目、スズキ目及びフグ目から選ばれる海水魚である請求項1記載の海産魚スクーチカ症予防治療剤。
【請求項5】
イオノフォア抗生物質を海産魚に投与することを特徴とする海産魚スクーチカ症の予防治療方法。
【請求項6】
イオノフォア抗生物質を経口投与するものである請求項5記載の予防治療方法。
【請求項7】
イオノフォア抗生物質を餌に混合して投与するものである請求項6記載の予防治療方法。
【請求項8】
イオノフォア抗生物質が、サリノマイシン、ラサロシド、モネンシン、バリノマイシン、イオノマイシン、カルシマイシン及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上である請求項5項記載の予防治療方法。
【請求項9】
海産魚が、カレイ目、スズキ目及びフグ目から選ばれる海水魚である請求項5記載の予防治療方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、海産魚に寄生するスクーチカ繊毛虫目繊毛虫類によるスクーチカ症の予防治療剤に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
スクーチカ症は繊毛虫門貧膜口綱に分類されるスクーチカ繊毛虫類の条件性寄生による疾病で、その原因寄生虫は複数種存在し、同定がなされていない種も多い。その中で、Miamiensis avidusは日本や韓国で分離され、ヒラメのスクーチカ症の主な原因として、ヒラメ養殖業などに経済的に大きな損害を及ぼしている(非特許文献1)。
スクーチカ繊毛虫は宿主がいない環境でも有機物を食べて増殖するため、排泄物や残餌など有機物が多い水槽で増えやすい。ヒラメに寄生した場合は魚の体表や鰓から脳や内蔵へ侵入し、宿主組織を餌として増殖し、宿主の貧血、浸透圧調整の障害、呼吸および排泄の機能の低下により死亡を引き起こす(非特許文献2)。
【0003】
例えばヒラメの養殖場では、稚魚への感染が多く、水温21℃前後で発症がピークとなり、体表に傷が生じるので商品にならない場合が多い。マダイでは、稚魚から成魚まで発生し、特に成魚では体表面に傷ができ、商品にならない場合が多く生じる。また、トラフグの養殖場でも頻繁に発症している。
【0004】
体表に寄生した場合にはホルマリンや過酸化水素による浸漬療法が有効との報告があるが、養殖では認められていない。また、ワクチンの開発もされているが、効果のある種が限定され、市販化がまだ難しい。また、陸上水槽の飼育では、銅イオン発生装置(銅イオン濃度0.2~0.3ppm)の設置により発生を抑制することができるといわれているが、その抑制率などは不明である。さらに、体内に寄生した場合の防除がより困難であるため、効果が高く、市販化も可能な予防治療剤の開発が求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Detection and identification of Miamiensis avidus causing scuticociliatosis by PCR. Fish Pathology, 45(3), 130-132.(2010)
Pathological study on the scuticociliatosis affecting farmed Japanese flounder (Paralichthys olivaceus) in Japan. Journal of Veterinary Medical Science,(2010) 1004230231-1004230231.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、海産魚に対するスクーチカ症を効果的に予防治療できる薬剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者は、海産魚スクーチカ症に対して有効な成分を見出すべく種々検討したところ、イオノフォア抗生物質がスクーチカ繊毛虫に対する殺虫効果を示し、ヒラメなどの海産魚に対する毒性作用を示さない濃度で、経口投与によりスクーチカ症に対する予防治療効果を示すことを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は次の発明[1]~[9]を提供するものである。
[1]イオノフォア抗生物質を有効成分とする海産魚スクーチカ症予防治療剤。
[2]イオノフォア抗生物質が、サリノマイシン、ラサロシド、モネンシン、バリノマイシン、イオノマイシン、カルシマイシン及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上である[1]記載の海産魚スクーチカ症予防治療剤。
[3]投与形態が、経口投与である[1]又は[2]記載の海産魚スクーチカ症予防治療剤。
[4]海産魚が、カレイ目、スズキ目及びフグ目から選ばれる海水魚である[1]~[3]のいずれかに記載の海産魚スクーチカ症予防治療剤。
[5]イオノフォア抗生物質を海産魚に投与することを特徴とする海産魚スクーチカ症の予防治療方法。
[6]イオノフォア抗生物質を経口投与するものである[5]記載の予防治療方法。
[7]イオノフォア抗生物質を餌に混合して投与するものである[5]又は[6]記載の予防治療方法。
[8]イオノフォア抗生物質が、サリノマイシン、ラサロシド、モネンシン、バリノマイシン、イオノマイシン、カルシマイシン及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上である[5]~[7]のいずれかに記載の予防治療方法。
[9]海産魚が、カレイ目、スズキ目及びフグ目から選ばれる海水魚である[5]~[8]のいずれかに記載の予防治療方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、海産魚の魚体に寄生しているスクーチカ繊毛虫に対する殺虫効果と成長抑制効果を有し、海産魚のスクーチカ症による死亡数を顕著に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
イオノフォア抗生物質のスクーチカ繊毛虫に対するin vitro殺虫効果(96時間)を示す。この図は、96ウェルプレートを用いて一つの濃度に対して3ウェルを使用した実験結果の平均である。Blank:薬物を添加されてない実験区;DMSO:ジメチルスルホキシド;A:サリノマイシンナトリウム塩;B:ラサロシド;C:モネンシンナトリウム塩。
サリノマイシンナトリウム塩(A)の連続的投与による治療効果を示す。この図は、2週間で各水槽内の6尾のヒラメの生存率である。Con:感染未投与区;Uninfected:未感染未投与区;A:サリノマイシンナトリウム塩(A)投与区。
ラサロシド(B)の連続的投与による治療効果を示す。この図は、2週間で各水槽内の6尾のヒラメの生存率である。Con:感染未投与区;Uninfected:未感染未投与区;B:ラサロシド(B)投与区。
モネンシンナトリウム塩(C)の連続的投与による治療効果を示す。この図は、2週間で各水槽内の6尾のヒラメの生存率である。Con:感染未投与区;Uninfected:未感染未投与区;C:モネンシンナトリウム塩(C)投与区。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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