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公開番号2024180314
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2024091383
出願日2024-06-05
発明の名称精練方法
出願人国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類D01B 7/00 20060101AFI20241219BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】本発明は、絹糸に高温加熱処理をすることなく、酵素も必要としない絹糸の精練方法の提供を課題とする。
【解決手段】吐糸絹糸を、50℃を超え、かつ80℃未満である塩基性溶液に接触させる接触工程を含む精練方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
吐糸絹糸を、50℃を超え、かつ80℃未満である塩基性溶液に接触させる接触工程を含む精練方法。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記接触が浸漬によって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記塩基性溶液のpHが10.5~13である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記接触が2分以上90分以下で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記吐糸絹糸が遺伝子組換え絹糸である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記遺伝子組換え絹糸が機能性領域を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記機能性領域が外因性遺伝子に由来する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記吐糸絹糸が繭である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法で得られる絹糸塊。
【請求項10】
請求項9に記載の絹糸塊を含む不織布。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、絹糸の精練方法、それにより得られる絹糸塊及び練糸、並びにそれらを含む不織布、充填剤及び織物に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
生物由来材料の利用は、遺伝子操作やゲノム情報の利用が容易になったことによりさらに注目され、現在も広がりを見せている。その研究開発は、細胞等を用いた医薬品開発のみならず、素材の分野でも活発に行われている。
【0003】
生物由来材料の一つである絹糸はその強度、質感、製法及び加工方法等の観点から、新たな素材開発の基礎として理想的な素材である。事実、遺伝子操作技術の活用により絹糸に外因性の機能性タンパク質を融合させることによる新たな機能性シルクの開発が数多く行われている(特許文献1及び非特許文献1)。
【0004】
従来の繭から生糸を得る製法には、乾燥、煮繭及び精練等、加熱を伴う工程がいくつも存在する。前述の機能性シルクには、シルクに酵素等の機能性タンパク質が付加されているが、加熱を伴う工程により付加されたタンパク質が熱変性し、その機能が失活してしまうという問題が生じ、付与した機能を維持したままシルク(繭)を形状加工することが困難であった。このことから、付加タンパク質を失活させない新たな方法の開発が求められていた。
【0005】
絹糸の製法のうち精練工程においては、煮沸することなく比較的低温において実施可能な、酵素を使用して精練を行う酵素精練という方法が知られている。しかしながら、酵素精練において使用される酵素は多くのタンパク質を分解する活性を有するため、この方法においても、付加タンパク質の活性が失われる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-70293
【非特許文献】
【0007】
K. Kojima, et al., Biosci. Biotechnol. Biochem. 71, 2943-2951 (2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、絹糸に高温加熱処理をすることなく、酵素も必要としない精練方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、塩基性溶液を用いた場合、タンパク質が変性しない比較的低い温度でのカイコ(Bombyx mori:以下、本明細書においては、カイコの幼虫及び成虫のいずれも「カイコ」と総称する。)の絹糸の精練が可能であることを見出した。さらに、この精練方法によれば、酵素精練によって分解され得る絹糸の機能性領域も、その活性が保たれることが明らかとなった。本発明は以上の新規な知見に基づくものであり、以下を提供する。
【0010】
(1)吐糸絹糸を、50℃を超え、かつ80℃未満である塩基性溶液に接触させる接触工程を含む精練方法。
(2)前記接触が浸漬によって行われる、(1)に記載の方法。
(2-1)前記塩基性溶液のpHが10.5~13である、(1)又は(2)に記載の方法。
(3)前記接触が2分以上90分以下で行われる、(1)~(2-1)のいずれかに記載の方法。
(4)前記吐糸絹糸が遺伝子組換え絹糸である、(1)~(3)のいずれかに記載の方法。
(5)前記遺伝子組換え絹糸が機能性領域を含む、(4)に記載の方法。
(6)前記機能性領域が外因性遺伝子に由来する、(5)に記載の方法。
(7)前記吐糸絹糸が繭である、(1)~(6)のいずれかに記載の方法。
(8)(7)に記載の方法で得られる絹糸塊。
(9)(8)に記載の絹糸塊を含む不織布。
(10)(8)に記載の絹糸塊を含む充填剤。
(11)前記吐糸絹糸が生糸である、(1)~(6)のいずれかに記載の方法。
(12)(11)に記載の方法で得られる練糸。
(13)(12)に記載の練糸を含む織物。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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