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公開番号2024142503
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023054660
出願日2023-03-30
発明の名称電解セルの起動方法
出願人本田技研工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C25B 15/02 20210101AFI20241003BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】電解セルの起動時のセル電圧、すなわち起動電圧を低減させることが可能な、新規かつ改良された電解セルの起動方法を提供する。
【解決手段】本発明の要旨は以下である。(1)電解セルの起動方法であって、前記電解セルの起動電圧を時間経過と共に段階的に昇圧することを特徴とする、電解セルの起動方法。(2)前記電解セルの起動電圧を、前記電解セルで電解生成物の生成が始まる電圧よりも低い第1電圧V1に所定時間保持することを特徴とする、(1)に記載の電解セルの起動方法。(3)前記電解セルの起動電圧を、前記電解セルの目的生成物が主生成物として生成する第3電圧V3よりも低く、かつ前記第1電圧V1よりも高い第2電圧V2に所定時間保持することを特徴とする、(2)に記載の電解セルの起動方法。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
電解セルの起動方法であって、
前記電解セルの起動電圧を時間経過と共に段階的に昇圧することを特徴とする、電解セルの起動方法。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
前記電解セルの起動電圧を、前記電解セルで電解生成物の生成が始まる電圧よりも低い第1電圧V1に所定時間保持することを特徴とする、請求項1に記載の電解セルの起動方法。
【請求項3】
前記電解セルの起動電圧を、前記電解セルの目的生成物が主生成物として生成する第3電圧V3よりも低く、かつ前記第1電圧V1よりも高い第2電圧V2に所定時間保持することを特徴とする、請求項2に記載の電解セルの起動方法。
【請求項4】
前記電解セルは、二酸化炭素ガスまたは電解液中の炭酸イオンを還元して一酸化炭素ガスを生成するものであることを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載の電解セルの起動方法。
【請求項5】
前記電解セルは、一酸化炭素ガスを還元してエチレンガスを生成するものであることを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載の電解セルの起動方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電解セルの起動方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する再生可能エネルギーに関する研究開発が行われている。この再生可能エネルギーに関する研究開発の一環として、近年、排気ガスや大気中の二酸化炭素を回収し、電気化学的に還元して有価物を得る技術が注目されている。この技術は、カーボンニュートラルを達成する可能性のある有望な技術であるが、経済性が最大の課題である。経済性を改善するためには、二酸化炭素の回収及び還元において、エネルギー効率を高め、また二酸化炭素の損失を小さくすることが重要である。
【0003】
二酸化炭素を回収する技術としては、ガス中の二酸化炭素を固体又は液体の吸着剤に物理的又は化学的に吸着させた後、熱等のエネルギーによって脱離させて利用する技術が知られている。また、二酸化炭素を電気化学的に還元する技術としては、ガス拡散層の電解液と接する側に二酸化炭素還元触媒を用いてカソード触媒層を形成したカソードに対し、ガス拡散層の触媒層とは反対側から二酸化炭素ガスを供給して電気化学的に還元する技術が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2018/232515号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、特許文献1に開示された技術では、電解セルを用いて二酸化炭素ガスを還元する。このような電解セルをはじめとした各種電解セルには、電気化学反応を促進するための触媒(例えば、上述した二酸化炭素還元触媒)が使用されることが多い。また、電解セルにはアニオン交換膜等のイオン交換膜が設けられることが多い。
【0006】
電解セルを駆動して目的生成物を得るためには、電解セルに所定の駆動電圧を印加する必要がある。駆動電圧は、例えば目的生成物が主生成物(全体の生成物の半分以上の割合を占める生成物)となり、かつ電流値が安定する電圧である。駆動電圧の具体的な大きさは、セル構造、触媒の種類、イオン交換膜の種類、アノード及びカソードでの反応の種類等によって変わりうる。ただし、電解セルの起動時には、駆動電圧以上の電圧が電解セルに印加される場合があった。明確な原因は不明であるが、触媒の活性が酸化等により低下している、イオン交換膜中の各イオンがアノードまたはカソードの近傍に移動していない等といったことが考えられる。言い換えれば、触媒を還元して触媒の活性を高め、イオン交換膜中のアニオン(またはカチオン)をアノード(またはカソード)の近傍へ移動させるために駆動電圧以上の電圧が必要になると考えられる。このような高電圧の印加は、電解セルの劣化を引き起こす可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、電解セルの起動時のセル電圧、すなわち起動電圧を低減させることが可能な、新規かつ改良された電解セルの起動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の要旨は以下である。
(1)
電解セルの起動方法であって、
前記電解セルの起動電圧を時間経過と共に段階的に昇圧することを特徴とする、電解セルの起動方法。
(2)
前記電解セルの起動電圧を、前記電解セルで電解生成物の生成が始まる電圧よりも低い第1電圧V1に所定時間保持することを特徴とする、(1)に記載の電解セルの起動方法。
(3)
前記電解セルの起動電圧を、前記電解セルの目的生成物が主生成物として生成する第3電圧V3よりも低く、かつ前記第1電圧V1よりも高い第2電圧V2に所定時間保持することを特徴とする、(2)に記載の電解セルの起動方法。
(4)
前記電解セルは、二酸化炭素ガスまたは電解液中の炭酸イオンを還元して一酸化炭素ガスを生成するものであることを特徴とする、(1)~(3)の何れか1項に記載の電解セルの起動方法。
(5)
前記電解セルは、一酸化炭素ガスを還元してエチレンガスを生成するものであることを特徴とする、(1)~(3)の何れか1項に記載の電解セルの起動方法。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本発明によれば、電解セルの起動時のセル電圧、すなわち起動電圧を低減させることが可能な、新規かつ改良された電解セルの起動方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本実施形態に係る電気化学反応装置の構成例を示す概略断面図である。
第1電解セルに一定値の電流を流したときに第1電解セルに印加される電圧(セル電圧)の時間変化の一例を示すグラフである。
第1電解セルのIV曲線の一例を示すグラフである。
第1電解セルのセル電圧の時間変化をまとめたグラフである。
本実施形態に係る電解セルの起動方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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