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公開番号2024082716
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-20
出願番号2022196757
出願日2022-12-09
発明の名称ポリトリメチレンテレフタレート複合糸およびその製造方法および布帛
出願人帝人フロンティア株式会社
代理人個人
主分類D02G 3/28 20060101AFI20240613BHJP(糸;糸またはロープの機械的な仕上げ;整経またはビーム巻き取り)
要約【課題】単繊維繊度が小さいにもかかわらず、製造工程時に糸切れが少なく、高い捲縮性能を有するポリトリメチレンテレフタレート複合糸およびその製造方法および布帛を提供する。
【解決手段】90モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰返単位から構成されるポリトリメチレンテレフタレートからなりS方向のトルクを有する仮撚捲縮加工糸と、90モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰返単位から構成されるポリトリメチレンテレフタレートからなりZ方向のトルクを有する仮撚捲縮加工糸とを混繊してなり、下記(1)~(4)の要件を同時に満足することを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート複合糸。
(1)単繊維繊度:0.3~3.2dtex
(2)破断強度≧2.5cN/dtex
(3)捲縮率≧10%
(4)残留トルク≦30T/m
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
90モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰返単位から構成されるポリトリメチレンテレフタレートからなりS方向のトルクを有する仮撚捲縮加工糸と、90モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰返単位から構成されるポリトリメチレンテレフタレートからなりZ方向のトルクを有する仮撚捲縮加工糸とを混繊してなり、下記(1)~(4)の要件を同時に満足することを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート複合糸。
(1)単繊維繊度:0.3~3.2dtex
(2)破断強度≧2.5cN/dtex
(3)捲縮率≧10%
(4)残留トルク≦30T/m
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
総繊度が10~400dtexである、請求項1に記載のポリトリメチレンテレフタレート複合糸。
【請求項3】
ポリトリメチレンテレフタレート複合糸にインターレース加工が施されている、請求項1に記載のポリトリメチレンテレフタレート複合糸。
【請求項4】
異型度が1.15~10.0の異型断面繊維を含む、請求項1に記載のポリトリメチレンテレフタレート複合糸。
【請求項5】
扁平度が2.0~10.0の扁平断面繊維を含む、請求項1に記載のポリトリメチレンテレフタレート複合糸。
【請求項6】
請求項1に記載のポリトリメチレンテレフタレート複合糸の製造方法であって、S方向のトルクを有する仮撚捲縮加工糸およびZ方向のトルクを有する仮撚捲縮加工糸が、下記(A)~(C)の要件を同時に満足するポリトリメチレンテレフタレート繊維を延伸仮撚加工したものである、ポリトリメチレンテレフタレート複合糸の製造方法。
(A)繊維の温度-熱応力曲線において、温度40~100℃の範囲に熱応力の極大値が存在する。
(B)(A)の熱応力の極大値が0.1~0.8cN/dtexである。
(C)伸度10~30%におけるもっとも低い弾性率が0.1~2cN/dtexである。
【請求項7】
請求項1~5のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレート複合糸を含む布帛。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、単繊維繊度が小さいにもかかわらず、製造工程時に糸切れが少なく、高い捲縮性能を有するポリトリメチレンテレフタレート複合糸およびその製造方法および布帛に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルに代表されるテレフタル酸の低級アルコールエステルと、トリメチレングリコール(1,3-プロパンジオール)を重縮合させて得られるポリトリメチレンテレフタレート(以下「PTT」と略す)は、それを用いた繊維が低弾性率(ソフトな風合い)、優れた弾性回復性、易染性といったポリアミドに類似した性質と、耐光性、熱セット性、寸法安定性、低吸水率といったポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略す)繊維に類似した性能を併せ持つ画期的なポリマーであり、その特徴を生かしてスポーツ用、ファッション用の布帛の他、BCFカーペット、ブラシ、テニスガット等に広く使用されている。
【0003】
そして、PTT繊維の上記の特性を最大限に生かせる繊維形態の一つとして仮撚捲縮加工糸(「仮撚加工糸」ということもある。)がある。PTT繊維の仮撚加工糸は、PTTと類似の構造を有する繊維、例えばPET繊維等のポリエステル繊維に比較して、弾性回復性、ソフト性に富むので、ストレッチ用原糸として極めて優れたものとなるからである。
【0004】
しかしながら、上記のようなPTT繊維を用いた仮撚加工糸は弾性回復性、ソフト性に優れるものの、特に単繊維繊度の小さいPTT繊維を仮撚捲縮加工(「仮撚加工」ということもある。)しようとする場合には糸切れしやすく、それゆえ捲縮性能を十分に高めることができなかった。
【0005】
また、一般に、仮撚捲縮加工に用いる供給原糸は、紡糸、延伸工程を経て製造する延伸糸であるため、生産性を上げることが困難である上、繊維製造コストが高くなってしまうという欠点がある。また延伸糸であるため、生産性の高い高速での延伸仮撚捲縮加工(いわゆるPOY-DTY加工)を行うことはできない。
【0006】
このような欠点を改良するため、PET繊維と同様に、1段階の工程で製造したPTTの部分配向繊維(以下「PTT-POY」と略す)を用いて仮撚捲縮加工を行う方法が考えられる。このPTT-POYに関する技術としては、「ChemicalFibers International」47巻、1997年2月発行、72~74頁(非特許文献1)に開示があり、この非特許文献には、ポリマーを押出して冷却固化した後、仕上げ剤を付与し、ゴデットロールを用いず、あるいは冷たいゴデットロールを介した後、3~6000m/分で巻き取った繊維が開示されている。
【0007】
また、特開平11-229276号公報(特許文献1)には、特定の仕上げ剤を付与し、3300m/分で巻き取った、複屈折率が0.059、伸度71%のPTT-POYが、さらに、国際公開第1999/39041号パンフレット(特許文献2)には、特定の仕上げ剤を付与し、3500m/分で巻き取った複屈折率が0.062、伸度74%のPTT-POYが開示されている。
【0008】
しかしながら、本発明者らの検討によると、上記の非特許文献や特許文献などに開示されているPTT-POYは、繊維を巻き取った糸管上で糸が大きく収縮して糸管を締め付けるために、糸管が変形し、チーズ状パッケージを巻取機のスピンドルより取り外すことができなくなる。また、このような変形を防止するために、たとえ強度の大きい糸管を使って糸管の変形を抑えたとしても、パッケージ側面が膨れる、バルジと呼ばれる現象が見られたり、チーズの内層で糸が堅く締まったりする現象が発生する。このためチーズ状パッケージから糸を解舒する時の張力が高くなると共に、張力変動も大きくなり、延伸仮撚捲縮加工時に毛羽、糸切れが多発したり、倦縮むらや染色むらが発生したりする。
【0009】
このような課題を解決するため、特開2001-254226号公報(特許文献3)では、巻取り前に熱をかけ歪を小さくする検討が行われている。また特開2015-7306号公報(特許文献4)では2500m/分より低い紡速での部分配向糸の検討がなされている。さらに、特開2001-348729号公報(特許文献5)では、紡速4500~8000m/分で引き取り、熱応力のピーク温度とピーク値を特定の範囲に制御することが示されている。
【0010】
しかしながら、上記のような部分配向糸を用いて仮撚捲縮加工糸を作ろうとしても、PTTを用いた部分配向糸は仮撚張力が低く断糸しやすかったり、延伸倍率を上げられず、高い捲縮性能を有する仮撚捲縮加工糸を得ることは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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