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公開番号2024022017
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-16
出願番号2022125294
出願日2022-08-05
発明の名称ゴム補強用複合コードおよびその製造方法
出願人帝人株式会社
代理人個人
主分類D02G 3/48 20060101AFI20240208BHJP(糸;糸またはロープの機械的な仕上げ;整経またはビーム巻き取り)
要約【課題】高いコード弾性率を備え、ゴム成型時の熱処理後においても高い弾性率を保持することができるゴム補強用複合コードを提供する。
【解決手段】高強度高弾性率繊維および低強度低弾性率繊維を含むゴム補強用複合コードであって、該ゴム補強用複合コードにおいて高強度高弾性率繊維は、低強度低弾性率繊維より強度および弾性率が高い繊維であり、該ゴム補強用複合コードは、高強度高弾性率繊維および低強度低弾性率繊維をそれぞれ下撚りし、その下撚り糸同士を合わせて下撚り方向とは逆方向で上撚りすることで形成された生コードの表面および内部の少なくとも一部に、ラテックスを含む樹脂接着剤が含有されたディップコードであり、そのディップコードの上撚りを解除した際、高強度高弾性率繊維の下撚り糸の長さ(A)は、低強度低弾性率繊維の下撚り糸の長さ(B)よりも短く、その長さ比(A)/(B)は0.950以上0.995以下であることを特徴とする、ゴム補強用複合コード。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
高強度高弾性率繊維および低強度低弾性率繊維を含むゴム補強用複合コードであって、該ゴム補強用複合コードにおいて高強度高弾性率繊維は、低強度低弾性率繊維より強度および弾性率が高い繊維であり、
該ゴム補強用複合コードは、高強度高弾性率繊維および低強度低弾性率繊維をそれぞれ下撚りし、その下撚り糸同士を合わせて下撚り方向とは逆方向で上撚りすることで形成された生コードの表面および内部の少なくとも一部に、ラテックスを含む樹脂接着剤が含有されたディップコードであり、
そのディップコードの上撚りを解除した際、高強度高弾性率繊維の下撚り糸の長さ(A)は、低強度低弾性率繊維の下撚り糸の長さ(B)よりも短く、その長さ比(A)/(B)は0.950以上0.995以下であることを特徴とする、ゴム補強用複合コード。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
高強度高弾性率繊維は、その強度が10cN/dtex以上かつその初期引張抵抗度が300cN/dtex以上であり、低強度低弾性率繊維は、その強度が9cN/dtex以下かつその初期引張抵抗度が100cN/dtex以下である、請求項1に記載のゴム補強用複合コード。
【請求項3】
高強度高弾性率繊維の繊度が400dtex以上2000dtex以下であり、低強度低弾性率繊維の繊度が400dtex以上2000dtex以下である、請求項1に記載のゴム補強用複合コード。
【請求項4】
高強度高弾性率繊維がパラ型芳香族ポリアミド繊維である、請求項2に記載のゴム補強用複合コード。
【請求項5】
低強度低弾性率繊維がポリエステル繊維である、請求項4に記載のゴム補強用複合コード。
【請求項6】
生コードの下記式で示される上撚りの撚り係数が3.5以上7.5以下である、請求項1に記載のゴム補強用複合コード。
TM=T×√D/1055
(ただし、TMは撚り係数、Tは撚り数(回/m)、Dは高強度高弾性率繊維および低強度低弾性率繊維の総繊度(tex)である。)
【請求項7】
ゴム補強用複合コードの総繊度が3500dtex以下である、請求項3に記載のゴム補強用複合コード。
【請求項8】
ゴム補強用複合コードの弾性率が150cN/dtex以上300cN/dtex以下である、請求項1に記載のゴム補強用複合コード。
【請求項9】
ゴム補強用複合コードを150℃30分の熱処理条件における熱収縮率が2.0%以下である、請求項1に記載のゴム補強用複合コード。
【請求項10】
高強度高弾性率繊維および低強度低弾性率繊維を含むゴム補強用複合コードの製造方法であって、該ゴム補強用複合コードにおいて高強度高弾性率繊維は、低強度低弾性率繊維より強度および弾性率が高い繊維であり、該ゴム補強用複合コードは、高強度高弾性率繊維および低強度低弾性率繊維をそれぞれ下撚りし、その下撚り糸同士を合わせて下撚り方向とは逆方向で上撚りすることで形成された生コードの表面および内部の少なくとも一部に、ラテックスを含む樹脂接着剤が含有されたディップコードであり、そのディップコードの上撚りを解除した際、高強度高弾性率繊維の下撚り糸の長さ(A)は、低強度低弾性率繊維の下撚り糸の長さ(B)よりも短く、その長さ比(A)/(B)は0.950以上0.995以下であり、前記製造方法は、接着処理工程を含み、該接着処理工程において、高強度高弾性率繊維および低強度低弾性率繊維をそれぞれ下撚りし、その下撚り糸同士を合わせて下撚り方向とは逆方向で上撚りすることで形成された生コードを0.5cN/dtex以上の張力をかけながら、接着剤を含む処理剤に含侵させ、230~270℃の温度にて1~10分間熱処理する工程を少なくとも含む、ことを特徴とするゴム補強用複合コードの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム補強用複合コードおよびその製造方法に関し、詳しくはタイヤ等のゴム製品の補強に用いるゴム補強用複合コードおよびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
ゴムタイヤ、ゴムベルト等のゴム成形物の強度や耐久性を向上させるために、補強用繊維をゴム成形物のゴム内に埋め込むことが一般に行われている。従来、この補強用繊維として、ガラス繊維、ビニロン繊維に代表されるポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、ナイロン、アラミド(芳香族ポリアミド)などのポリアミド繊維、カーボン繊維、ポリパラフェニレンベンゾオキザール繊維が広く用いられている。
【0003】
そして、ゴム成形物の使用時の剛性を高くするために、補強用繊維として、芳香族ポリアミド繊維、カーボン繊維、ポリフェニレンベンゾオキザール繊維のような高強度高弾性率繊維を用いることが検討されてきた。
しかし、補強用繊維として単に高強度高弾性率繊維を用いても、ゴム成形物の使用時の剛性、ゴム成形物の長期間にわたる使用における強力の保持を、同時に得ることができない。
【0004】
特許文献1には、高強度高弾性率繊維としてパラ型芳香族ポリアミド繊維を用い、低強度低弾性率繊維としてポリエステル繊維を用いた複合コードとすることで、ゴム成形物の剛性および長時間の強力保持を有するコードを得る技術が開示されている。しかし、この技術では、ゴム成形物の使用時の剛性が不十分である可能性が高く、今後の高剛性化および寿命との両立は難しい。そのためには、複合コードの剛性を更に向上させ、また、ゴム成型工程の熱処理時に発生する複合コードの剛性低下を抑制し、また、強力低下を抑制するコード構造にする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2019-532192号公報
特表2016-500769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、高いコード弾性率を備え、ゴム成型時の熱処理後においても高い弾性率を保持することができるゴム補強用複合コードを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、高強度高弾性率繊維および低強度低弾性率繊維を含むゴム補強用複合コードであって、該ゴム補強用複合コードにおいて高強度高弾性率繊維は、低強度低弾性率繊維より強度および弾性率が高い繊維であり、該ゴム補強用複合コードは、高強度高弾性率繊維および低強度低弾性率繊維をそれぞれ下撚りし、その下撚り糸同士を合わせて下撚り方向とは逆方向で上撚りすることで形成された生コードの表面および内部の少なくとも一部に、ラテックスを含む樹脂接着剤が含有されたディップコードであり、そのディップコードの上撚りを解除した際、低強度低弾性率繊維の下撚り糸の長さ(A)は、高強度高弾性率繊維の下撚り糸の長さ(B)よりも長く、その長さ比(A)/(B)は1.005以上1.100以下である、ことを特徴とする、ゴム補強用複合コードである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高いコード弾性率を備え、ゴム成型時の熱処理後においても高い弾性率を保持することができるゴム補強用複合コードを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔高強度高弾性率繊維〕
本発明において高強度高弾性率繊維は、後述する低強度低弾性率繊維より強度および弾性率が高い繊維であり、好ましくは強度が10cN/dtex以上、かつJIS L 1017の初期引張抵抗度で示される初期引張抵抗度が300cN/dtex以上である。強度が10cN/dtex未満であると、ゴム補強用複合コードに必要な強力が得られず好ましくなく、また、初期引張抵抗度が300cN/dtex未満であると、ゴム補強用複合コードに必要な剛性が得られず好ましくない。
【0010】
上記の条件を満足する高強度高弾性率繊維として、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)、カーボン繊維、ポリパラフェニレンベンゾオキザール繊維、芳香族ポリエステル繊維、超高分子量ポリエチレン繊維を例示することができ、好ましくは芳香族ポリアミド繊維であり、中でもパラ型芳香族ポリアミド繊維が、耐熱性と強度に優れているため特に好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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