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公開番号2025115664
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-07
出願番号2024010231
出願日2024-01-26
発明の名称電解セルスタック、電解セルカートリッジ、電解セルモジュールおよび電解セルスタックの製造方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C25B 9/00 20210101AFI20250731BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】本開示は、セルスタックの温度上昇を抑えつつ、電解による生成物量を増やすことのできる電解セルスタックを提供することを目的とする。
【解決手段】本開示に係る電解セルスタック101は、Niを含む水素極、酸素極、固体電解質膜を有し、基体管の周方向に形成された電解単セル105と、基体管の軸方向に並べられた複数の電解単セルを電気的に接続するインターコネクタと、を備え、1つの電解単セルにおいて基体管の軸方向を向く、酸素極の端から端までの距離を電解単セルの幅Wと定義し、複数の電解単セルが並べられている基体管上の領域を、軸方向に沿って第1端部10、中央部11および第2端部12に区分けした場合に、第1端部および/または第2端部に位置する電解単セル105b,105cの幅W1,W3が、中央部に位置する電解単セル105aの幅W2よりも大きい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
Niを含む水素極、酸素極、および前記水素極と前記酸素極との間に挟まれた固体電解質膜を有し、基体管の周方向に形成された電解単セルと、
前記基体管の軸方向に並べられた複数の前記電解単セルを電気的に接続するインターコネクタと、
を備え、1つの前記電解単セルにおいて前記基体管の軸方向を向く、前記酸素極の端から端までの距離を前記電解単セルの幅と定義し、前記複数の電解単セルが並べられている前記基体管上の領域を、軸方向に沿って第1端部、中央部および第2端部に区分けした場合に、
前記第1端部および/または前記第2端部に位置する前記電解単セルの幅が、前記中央部に位置する前記電解単セルの幅よりも大きい電解セルスタック。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第1端部および/または前記第2端部に位置する前記電解単セルの幅は、前記中央部に位置する前記電解単セルの幅の1.5~3倍である請求項1に記載の電解セルスタック。
【請求項3】
前記第1端部に位置する前記電解単セルの幅は、前記第2端部に位置する前記電解単セルの幅と等しい請求項1に記載の電解セルスタック。
【請求項4】
前記第1端部が前記基体管内のガス流れ方向上流側の端部であり、
前記第2端部が前記基体管内のガス流れ方向下流側の端部であり、
前記第2端部に位置する前記電解単セルの幅は、前記第1端部に位置する前記電解単セルの幅よりも大きい請求項1に記載の電解セルスタック。
【請求項5】
前記第1端部の軸方向の長さは、前記中央部、前記第1端部および前記第2端部の前記軸方向の長さの合計に対し、5%以上20%以下である請求項1に記載の電解セルスタック。
【請求項6】
前記第2端部の軸方向の長さは、前記中央部、前記第1端部および前記第2端部の前記軸方向の長さの合計に対し、5%以上20%以下である請求項1に記載の電解セルスタック。
【請求項7】
前記第1端部が前記基体管内のガス流れ方向上流側の端部であり、
前記第2端部が前記基体管内のガス流れ方向下流側の端部であり、
前記第2端部の軸方向長さは、前記第1端部の軸方向長さよりも大きい請求項1に記載の電解セルスタック。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の電解セルスタックを備えた電解セルカートリッジ。
【請求項9】
請求項8に記載の電解セルカートリッジを備えた電解セルモジュール。
【請求項10】
Niを含む水素極、酸素極、および水素極と酸素極との間に配置される固体電解質膜を有し、基体管の周方向に形成された電解単セルと、前記基体管の軸方向に並べられた複数の前記電解単セルを電気的に接続するインターコネクタと、を備えた電解セルスタックの製造方法であって、
1つの前記電解単セルにおいて前記基体管の軸方向を向く、前記酸素極の端から端までの距離を前記電解単セルの幅と定義し、複数の前記電解単セルが並べられている前記基体管上の領域を、軸方向に沿って第1端部、中央部および第2端部に区分けし、
前記第1端部および/または前記第2端部に位置する前記電解単セルの幅を、前記中央部に位置する前記電解単セルの幅よりも大きく形成する電解セルスタックの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電解セルスタック、電解セルカートリッジ、電解セルモジュールおよび電解セルスタックの製造方法、に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
水を電気化学的に分解して水素および酸素を製造する電解セルは、二酸化炭素の排出を伴わない水素製造法であり、優れた環境特性を有している。このうち、固体酸化物形電解セル(Solid Oxide Electrolysis Cell:SOEC)は、電解質としてイットリア安定化ジルコニアなどのセラミックスが用いられ、高温の水蒸気を原料とするため他の電解セルに比べ高い効率で水素の製造が可能である。また、脱炭素化を目的として二酸化炭素(CO

)を原料とし電解水素を還元剤として利用し、直接一酸化炭素(CO)を製造する共電解も可能である。
【0003】
特許文献1では、水素極、固体電解質膜および酸素極を有する電解セルが基体管上に複数並べられたセルスタックを備えた水素生成システムが開示されている。この水素生成システムにおいて、特許文献1に記載のSOECでは、水素極がNiとジルコニア系電解質材料との複合材の酸化物で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第7282968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
SOECに流す電流を増やすと、水の電気化学的な分解(電解)が促進され、生成される水素量を増やすことができる。しかしながら、SOECに流す電流を単純に上げることはできない。
【0006】
水の電解は、吸熱反応である。一方、SOECに電流を流すと、ジュール熱が発生する。低電流であれば、吸熱反応が優位になるため問題ない。しかしながら、高電流で運転しようとすると、SOEC自身のジュール熱による発熱で温度上昇が生じる。SOECが高温に曝されると、水素極のNiがシンタリングし、SOECの内部抵抗が上がり、長時間の安定した電解が難しくなる。
【0007】
複数の電解セルを備えたセルスタックを高電流で運転した場合、高電流による発熱に応じた放熱ができないため、原料ガス(水蒸気等)流れの出口側で温度が高くなる。通常、セルスタックの両端は高温耐久性のある金属材料で構成された保持部材で保持されている。しかしながら、この保持部材が高温に曝されることで耐久性が低下する。そのため、SOECに流す電流密度は、この保持部材が許容温度を超えないような範囲に制限される。
【0008】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、セルスタックの温度上昇を抑えつつ、電解による生成物量を増やすことのできる電解セルスタック、電解セルカートリッジ、電解セルモジュールおよび電解セルスタックの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本開示の電解セルスタック、電解セルカートリッジ、電解セルモジュールおよび電解セルスタックの製造方法は以下の手段を採用する。
【0010】
本開示は、Niを含む水素極、酸素極、および前記水素極と前記酸素極との間に挟まれた固体電解質膜を有し、基体管の周方向に形成された電解単セルと、前記基体管の軸方向に並べられた複数の前記電解単セルを電気的に接続するインターコネクタと、を備え、1つの前記電解単セルにおいて前記基体管の軸方向を向く、前記酸素極の端から端までの距離を前記電解単セルの幅と定義し、前記複数の電解単セルが並べられている前記基体管上の領域を、軸方向に沿って第1端部、中央部および第2端部に区分けした場合に、前記第1端部および/または前記第2端部に位置する前記電解単セルの幅が、前記中央部に位置する前記電解単セルの幅よりも大きい電解セルスタックを提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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