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公開番号
2025101713
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-07
出願番号
2024115030
出願日
2024-07-18
発明の名称
脂質組成物
出願人
マルハニチロ株式会社
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C11C
3/00 20060101AFI20250630BHJP(動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく)
要約
【課題】DHAを含む多価不飽和脂肪酸を含有する油脂の酸化劣化を抑制するための有効な手段を提供する。DHAを含む多価不飽和脂肪酸を含有する油脂の酸化劣化の指標となる成分を特定し、ヒトの嗅覚による判断に近い判定が行える方法を提供する。
【解決手段】多価不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする脂質を含む、脂質組成物であって、脂質の全構成脂肪酸に占める多価不飽和脂肪酸の組成比が15%以上であり、水分が、600 ppm以下であり、ペルフルオロオクタンスルホン酸が0.1 ppb以下であり、パーフルオロオクタン酸が0.1 ppb以下である、組成物を提供する。組成物は、2-(2-ペンテニル)フランが、0.0095 ppm未満であることが好ましく、2,4-ヘプタジエナールが、2.600 ppm未満であることがさらに好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
多価不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする脂質を含む、脂質組成物であって、脂質の全構成脂肪酸に占める多価不飽和脂肪酸の組成比が15%以上であり、
水分が、600 ppm以下であり、
パーフルオロオクタンスルホン酸が0.1 ppb以下であり、パーフルオロオクタン酸が0.1 ppb以下である、組成物。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
水分が、300 ppm以下である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
抗酸化剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
2-(2-ペンテニル)フラン(2-(2-pentenyl)furan)が、 0.0095 ppm未満である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
2,4-ヘプタジエナール(2,4-heptadienal)が、2.600 ppm未満である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
1-ペンテン-3-オン(1-penten-3-one)、2,6-ノナジエナール(2,6-nonadienal)、2-メチル-2-シクロペンテン-1-オン(2-methyl-2-cyclopentene-1-one)、2-(2-ペンテニル)フラン(2-(2-pentenyl)furan)、2,4-デカジエナール(2,4-decadienal)、4-ヘプテナール(4-heptenal)、及び2,4-ヘプタジエナール(2,4-heptadienal)からなる群より選択されるいずれかを指標とする、多価不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする脂質を含む、脂質組成物の劣化度の検査方法。
【請求項7】
以下の工程を含む、多価不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする脂質を含み、脂質の全構成脂肪酸に占める多価不飽和脂肪酸の組成比が15%以上である、不快臭の低減された、脂質組成物の製造方法:
原料から、水分が、600 ppm以下であり、2-(2-ペンテニル)フラン(2-(2-pentenyl)furan)が、0.0095 ppm未満であり、2,4-ヘプタジエナール(2,4-heptadienal)が、2.600 ppm未満である画分を得る工程。
【請求項8】
原料から、下記を満たす画分を得ることを特徴とする、多価不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする脂質を含み、脂質の全構成脂肪酸に占める多価不飽和脂肪酸の組成比が15%以上である脂質組成物の、不快臭の低減方法:
水分が、600 ppm以下であり、2-(2-ペンテニル)フラン(2-(2-pentenyl)furanが、0.0095 ppm未満であり、2,4-ヘプタジエナール(2,4-heptadienal)が、2.600 ppm未満である。
【請求項9】
多価不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする脂質を含む、脂質組成物であって、脂質の全構成脂肪酸に占める多価不飽和脂肪酸の組成比が15%以上であり、水分が600 ppm以下であり、2-(2-ペンテニル)フラン(2-(2-pentenyl)furan)が、0.0095 ppm未満であり、2,4-ヘプタジエナール(2,4-heptadienal)が、2.600ppm未満である組成物。
【請求項10】
多価不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする脂質を含む、脂質組成物であって、脂質の全構成脂肪酸に占める多価不飽和脂肪酸の組成比が15%以上であり、
酸価が0.5以下、かつ過酸化物価が2.0meq/kg以下であり
水分が600 ppm以下であり、2-(2-ペンテニル)フラン(2-(2-pentenyl)furan)が、0.0095 ppm未満であり、2,4-ヘプタジエナール(2,4-heptadienal)が、2.600ppm未満である組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多価不飽和脂肪酸を含有する脂質組成物に関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、多価不飽和脂肪酸の健康への有用性が多数報告されており、それに伴い需要も高まっている。特に、魚介類の缶詰製品が消費者の間で脚光を浴びたことはその表れであるといえる。また、機能性表示食品制度を活用した認可食品においても、これら多価不飽和脂肪酸の健康効果を謳う商品は多い。ここでいう多価不飽和脂肪酸とは、例えばドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)、αリノレン酸等を指す。魚介類から抽出精製される魚油は、これら多価不飽和脂肪酸のうち、特にDHAやEPAを豊富に含む素材として注目されている。
【0003】
多価不飽和脂肪酸を含有する油脂組成物には、水分が含まれることがあり、例えば、特許文献1には、ローズマリーによる接触処理工程及び薬品賦活処理された活性炭による吸着処理工程を含み、水分含有量が3重量%以下である、長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂の製造方法が記載されている。この文献では、この製造方法の効果として、平易な方法で、酸化安定性が向上し、風味良好な長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂が得られると述べられている。また実施例1では、脱酸鮪油(酸価=0.10、過酸化物価=5.5、ヨウ素価=184、EPA+DHA含量=28.0%)100部に対し、ローズマリー処理・脱色工程、脱臭工程を行い、これらの工程を通じて油脂中の水分含有量が0.01~0.10%であったことが記載されている。さらに特許文献2には、(i)少なくとも4炭素-炭素二重結合を有する少なくとも約30重量%の1つまたは複数の多価不飽和脂肪酸;(ii)少なくとも1つの第1の抗酸化剤;および(iii)酸化安定性を改善する手段を含んでなる油において、1.5未満の魚臭を有する油が記載されている。この文献では、実施例として、所定の多価不飽和脂肪酸の含量が少なくとも約400mg/g油である油であって、水分及び揮発物%が、規格値で最大0.02、結果<0.01である油が記載されている。
【0004】
パーフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)は、1940年代から工業や家庭用品に利用されてきたが、環境中で分解しにくく、環境残留性や生物蓄積性があることが知られており、近年、各国で健康への影響や環境リスクが議論されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-171942号公報
特開2020-2364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
多価不飽和脂肪酸は化学構造中に二重結合を多く含み、一般に酸化安定性が悪く、風味の劣化が早い。これは、脂肪酸の二重結合が空気中の活性酸素とフリーラジカル生成を介して反応し、ヒドロペルオキシド体を形成しやすいためである。このヒドロペルオキシド体がさらに活性酸素など新たなフリーラジカルと連続的に反応して分解することで、不飽和アルデヒドやケトンなどの独特の臭いを呈する化合物を生成する。本発明者らの検討により、油脂組成物中の水分により、保存中に多価不飽和脂肪酸の分解が促進される可能性があることが分かった。したがって、油脂組成物中の水分量は低いほうが望ましい。
従来の、酸価、過酸化物価、ランシマット法による測定値に基づく脂質の評価は、分解に伴い生成する化合物(過酸化化合物、不飽和アルデヒド、ケトン等)を測定しているが、ヒトが劣化脂質から感じる不快臭を必ずしも反映するものではない。劣化脂質に対する高い寄与を示す臭気成分を指標とした報告はほとんど見られない。
【0007】
また、脂質組成物において、PFASは低減されていることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、脂質組成物に含まれる水分を制御することにより、臭気成分の発生を低減できることを見出した。また、特定成分(PFOS)の量が特定の範囲にある場合に、油脂組成物の劣化時の独特な臭いも少ないことを見出し、本発明を完成した。
【0009】
また、本発明者らは脂質の臭いに関与する成分を探索し、多価不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする脂質に含まれる数百個の香気成分のうちヒトの鼻で感じることができる約100個の成分を見出している。さらにそこから、少量でも臭気として感じることができる(比較的閾値が低い)重要な成分を特定した。またそのような成分の脂質中の濃度を個別に測定することで、臭気成分をどの程度抑制することが重要かを見出し、その臭気が抑制された組成物が下記によって提供できることも見出した。
【0010】
本願は、以下を提供する。
[1] 多価不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする脂質を含む、脂質組成物であって、脂質の全構成脂肪酸に占める多価不飽和脂肪酸の組成比が15%以上であり、
水分が、600 ppm以下であり、
パーフルオロオクタンスルホン酸が0.1 ppb以下であり、パーフルオロオクタン酸が0.1 ppb以下である、組成物。
[2] 水分が、300 ppm以下である、1に記載の組成物。
[3] 抗酸化剤を含む、1又は2のいずれか1項に記載の組成物。
[4] 2,4-ヘプタジエナール(2,4-heptadienal)が、2.600 ppm未満である、1~3のいずれか1項に記載の組成物。
[5] 2-(2-ペンテニル)フラン(2-(2-pentenyl)furan)が、0.0095 ppm未満である、1~4のいずれか1項に記載の組成物。
[6] 1-ペンテン-3-オン(1-penten-3-one)、2,6-ノナジエナール(2,6-nonadienal)、2-メチル-2-シクロペンテン-1-オン(2-methyl-2-cyclopentene-1-one)、2-(2-ペンテニル)フラン(2-(2-pentenyl)furan)、2,4-デカジエナール(2,4-decadienal)、4-ヘプテナール(4-heptenal)、及び2,4-ヘプタジエナール(2,4-heptadienal)からなる群より選択されるいずれかを指標とする、多価不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする脂質を含む、脂質組成物の劣化度の検査方法。
(【0011】以降は省略されています)
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