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公開番号
2025088726
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-11
出願番号
2024185123
出願日
2024-10-21
発明の名称
細胞に結合している抗原結合分子の定量方法
出願人
株式会社島津製作所
,
国立研究開発法人国立がん研究センター
代理人
弁理士法人深見特許事務所
主分類
G01N
33/531 20060101AFI20250604BHJP(測定;試験)
要約
【課題】標的抗原を発現している細胞に結合している抗原結合分子を、精度よく定量する方法を提供すること。
【解決手段】細胞に結合している抗原結合分子の定量方法であって、上記細胞に由来する生体試料を準備する、準備工程であって、上記生体試料は均質化されていて、上記細胞は、上記抗原結合分子が特異的に結合する標的抗原を発現していて、上記細胞は、上記抗原結合分子に曝露されたことがある、準備工程と、上記生体試料に抽出溶液を添加して分析用試料を得る、抽出工程であって、上記抽出溶液は、有機酸と非イオン界面活性剤とを含み、上記抽出液のpHは1以上3以下である、抽出工程と、上記分析用試料を分析して、上記抗原結合分子を定量する、定量工程と、を含む、定量方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
細胞に結合している抗原結合分子の定量方法であって、
前記細胞に由来する生体試料を準備する、準備工程であって、
前記生体試料は均質化されていて、
前記細胞は、前記抗原結合分子が特異的に結合する標的抗原を発現していて、
前記細胞は、前記抗原結合分子に曝露されたことがある、準備工程と、
前記生体試料に抽出溶液を添加して分析用試料を得る、抽出工程であって、
前記抽出溶液は、有機酸と非イオン界面活性剤とを含み、
前記抽出液のpHは1以上3以下である、抽出工程と、
前記分析用試料を分析して、前記抗原結合分子を定量する、定量工程と、
を含む、定量方法。
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
前記有機酸は、アルギニン、シトルリン、及びグリシンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の定量方法。
【請求項3】
前記非イオン界面活性剤は、アルキルグリコシドを含む、請求項1又は請求項2に記載の定量方法。
【請求項4】
前記標的抗原は、EGFR、HER2、CD30、PD-L1、RANKL、腫瘍壊死因子受容体、インスリン受容体、及び血管内皮増殖因子受容体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1又は請求項2に記載の定量方法。
【請求項5】
前記抗原結合分子は、抗体又はペプチドアプタマーを含む、請求項1又は請求項2に記載の定量方法。
【請求項6】
前記抗原結合分子は、セツキシマブ、トラスツズマブ、ブレンツキシマブ、デノスマブ、インフリキシマブ、アダリムマブ、エタネルセプト、アフリベルセプト、ラムシルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、及びインスリンアナログからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項5に記載の定量方法。
【請求項7】
前記細胞は、癌組織由来の細胞、又は病変組織由来の細胞である、請求項1又は請求項2に記載の定量方法。
【請求項8】
前記抗原結合分子は、抗体であり、
前記定量工程は、nSMOL法によって前記抗体の可変領域に由来するペプチドを生成することと、前記ペプチドをLC-MS分析装置によって分析することとを含む、請求項1又は請求項2に記載の定量方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞に結合している抗原結合分子の定量方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、抗体を用いた医薬品(以下、「抗体医薬」と呼ぶ場合がある。)の開発が盛んに行われている。抗体は、特定の抗原に対して特異的に結合する性質を有する(抗原特異性)。この性質を利用して、例えば、癌細胞に特異的に発現する受容体(抗原)にのみ結合する抗体を、当該癌細胞を含む癌組織に投与することで、免疫応答を誘発し癌を治療することが行われている。例えば、セツキシマブは上皮成長因子受容体(EGFR)に特異的に結合して、大腸癌等の癌の増殖を抑制する抗がん剤として知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-032883号公報
【非特許文献】
【0004】
薬学雑誌、2017;137(5):535-544.
Clin Cancer Res. 2021 Jul 15;27(14):3970-3979.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的な抗体医薬は、薬効を発揮するために、まず標的である抗原に結合する。そのため、開発中の抗体医薬を評価するために標的組織又は標的細胞に到達した抗体の集積レベルを精密に測定する技術の開発が望まれている。例えば、非特許文献1には、顕微鏡による撮像データを基準に、XY軸方向を質量分析側と共有することで、組織中に分布したADC(antibody drug conjugate)の量を質量分析計にて測定し、その分子分布画像を得る技術が開示されている。非特許文献2には、抗ヒト抗体および抗ペイロード抗体を用いたADCのホルマリン固定パラフィン包埋組織切片(FFPE組織切片)における集積レベルを組織染色画像から解析する技術が開示されている。
【0006】
しかしながら、従来技術では、標的組織に結合している抗体を間接的に検出しているため、定量精度の点で改良の余地が残されていた。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、標的抗原を発現している細胞に結合している抗原結合分子を、精度および感度よく定量する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、標的抗原を発現している細胞に由来する生体試料に、所定の抽出溶液を添加して分析用試料を得ることによって、上記細胞に結合している抗原結合分子を、精度よく定量できることを見いだし本発明を完成させた。
【0008】
本発明の第1の態様は、細胞に結合している抗原結合分子の定量方法であって、
上記細胞に由来する生体試料を準備する、準備工程であって、
上記生体試料は均質化されていて、
上記細胞は、上記抗原結合分子が特異的に結合する標的抗原を発現していて、
上記細胞は、上記抗原結合分子に曝露されたことがある、準備工程と、
上記生体試料に抽出溶液を添加して分析用試料を得る、抽出工程であって、
上記抽出溶液は、有機酸と非イオン界面活性剤とを含み、
上記抽出液のpHは1以上3以下である、抽出工程と、
上記分析用試料を分析して、上記抗原結合分子を定量する、定量工程と、
を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、標的抗原を発現している細胞に結合している抗原結合分子を、精度よく定量する方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本実施形態に係る定量方法の一態様を説明する模式図である。
図2は、実験1におけるLCMS分析の結果を示すグラフである。
図3は、実験1におけるLCMS分析の結果を示すグラフである。
図4は、実験1における検量線サンプルの分析結果から得られた検量線のグラフである。
図5は、実験1におけるLCMS分析の結果を示すグラフである。
図6は、実験2における細胞株の表面に結合した抗体の定量結果を示すグラフである。
図7は、実験3におけるヌードマウスを用いたモデル腫瘍の作製手順を示した模式図(左側)と、採取したモデル腫瘍の組織染色を示す画像(右側)である。
図8は、実験3における採取したモデル腫瘍の組織染色を示す画像(右側)と、採取したモデル腫瘍において検出された抗体の量を示すグラフ(左側)である。
図9は、採取したモデル腫瘍において検出された抗体の量を示すグラフ(「組織非結合抗体」、「組織全体の抗体量」)である。
図10は、実験4におけるLCMS分析の結果を示すグラフである。
図11は、実験4における検量線サンプルの分析結果から得られた検量線のグラフである。
図12は、実験5における採取したモデル腫瘍の組織染色を示す画像(右側)と、採取したモデル腫瘍において検出された抗体の量を示すグラフ(左側)である。
図13は、採取したモデル腫瘍において検出された抗体の量を示すグラフ(「組織非結合抗体」、「組織全体の抗体量」)である。
図14は、実験6におけるLCMS分析の結果を示すグラフである。
図15は、実験7におけるヌードマウスを用いたモデル腫瘍の作製手順を示した模式図(左側)と、採取したモデル腫瘍の組織染色を示す画像(右側)である。
図16は、実験7における採取したモデル腫瘍の組織染色を示す画像(右側)と、採取したモデル腫瘍において検出された抗体の量を示すグラフ(左側)である。
図17は、採取したモデル腫瘍において検出された抗体の量を示すグラフ(「組織非結合抗体」、「組織全体の抗体量」)である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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