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公開番号2025037250
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-17
出願番号2024152033
出願日2024-09-04
発明の名称内燃機関
出願人マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング,MAHLE International GmbH
代理人アインゼル・フェリックス=ラインハルト,個人,個人,個人,個人,個人
主分類F01M 13/00 20060101AFI20250310BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】クランクケース内での水素濃度の上昇の確実な回避を達成する。
【解決手段】ピストンエンジンとして形成されており、かつ燃料として水素を用いて作動するように構成された内燃機関(1)であって、エンジン制御装置(2)と、クランクケース(5)と、クランクケース(5)に周囲空気を供給するクランクケース換気装置(16)と、を備える。内燃機関(1)が、クランクケース(5)からブローバイガスを導出するブローバイガス導出装置(19)を有しており、ブローバイガス導出装置(19)は、クランクケース(5)からブローバイガスを吸い込むファン(20)を有しており、エンジン制御装置(2)が目下のエンジン作動データに応じてファン(20)を制御し、これにより、ファン(20)によりクランクケース(5)から吸い込まれる混合物体積流量(22)を、目下のブローバイガス体積流量(18)よりも多くするように構成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ピストンエンジンとして形成されており、かつ燃料として水素を用いて作動するように構成された内燃機関(1)であって、
前記内燃機関(1)を作動させるエンジン制御装置(2)と、
前記内燃機関(1)の作動中に、ブローバイガスがブローバイガス体積流量(18)で流入することができるクランクケース(5)と、
前記クランクケース(5)に周囲空気を供給するクランクケース換気装置(16)であって、該クランクケース換気装置(16)は、前記クランクケース(5)に形成された少なくとも1つの換気開口(24)を有しており、該換気開口(24)を介して、前記クランクケース(5)内の水素濃度を低下させるために、前記周囲空気を所定の空気体積流量(17)で前記クランクケース(5)内に吸い込むことができる、クランクケース換気装置(16)と、
を備えた内燃機関(1)において、
前記内燃機関(1)は、前記クランクケース(5)から前記ブローバイガスを導出するブローバイガス導出装置(19)を有しており、
前記ブローバイガス導出装置(19)は、前記クランクケース(5)から前記ブローバイガスを吸い込むファン(20)を有しており、
前記エンジン制御装置(2)は、前記ファン(20)に連結されており、かつ前記エンジン制御装置(2)が目下のエンジン作動データに応じて前記ファン(20)を制御し、これにより、前記ファン(20)により前記クランクケース(5)から吸い込まれる混合物体積流量(22)を、目下のブローバイガス体積流量(18)よりも多くするように構成されており、これにより、前記ファン(20)は、前記周囲空気を前記空気体積流量(17)で前記クランクケース(5)内に吸い込むことを特徴とする、
内燃機関(1)。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記ブローバイガス導出装置(19)は、前記内燃機関(1)に形成された少なくとも1つの導出開口(23)を有しており、該導出開口(23)を介して、前記混合物体積流量(22)が前記クランクケース(5)から吸い込まれるようになっており、前記導出開口(23)は、各前記換気開口(24)から間隔をあけて配置されておりかつ/または前記内燃機関(1)のシリンダヘッド(4)に配置されている、
請求項1記載の内燃機関(1)。
【請求項3】
前記ブローバイガス導出装置(19)は、前記内燃機関(1)の作動中に前記混合物体積流量(22)が通流するオイル分離装置(25)を有している、
請求項1または2記載の内燃機関(1)。
【請求項4】
前記オイル分離装置(25)は、前記ファン(20)の下流側に配置されており、かつ/または
前記オイル分離装置(25)は、インパクタとして形成されており、かつ/または
前記オイル分離装置(25)は、オイル戻し管路(27)を有しており、該オイル戻し管路(27)は、分離されたオイルをオイルリザーバ(7)に供給し、該オイルリザーバ(7)は、特に前記クランクケース(5)内に形成されたオイルパン(6)により形成されていてもよい、
請求項3記載の内燃機関(1)。
【請求項5】
前記ファン(20)は、前記混合物体積流量(22)を吸い込むファンホイール(28)と、該ファンホイール(28)を駆動する電動モータ(29)とを有しており、かつ/または
前記ファン(20)は、サイドチャネルブロワとして形成されている、
請求項1から4までのいずれか1項記載の内燃機関(1)。
【請求項6】
前記クランクケース換気装置(16)は、吸い込まれた前記周囲空気が前記クランクケース(5)に流入する前に加熱されるように構成されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載の内燃機関(1)。
【請求項7】
前記クランクケース換気装置(16)は、前記周囲空気を各前記換気開口(24)に供給する少なくとも1つの換気管路(30)を有しており、該換気管路(30)は、前記内燃機関(1)に熱伝達式に連結されておりかつ/または前記内燃機関(1)の熱源の領域内で前記周囲空気を吸い込むように構成されている、
請求項1から6までのいずれか1項記載の内燃機関(1)。
【請求項8】
前記内燃機関(1)は、該内燃機関(1)の燃焼室(8)に新気を供給する新気装置(9)を有しており、
前記ブローバイガス導出装置(19)は、前記混合物体積流量(22)を前記新気装置(9)に供給する、
請求項1から7までのいずれか1項記載の内燃機関(1)。
【請求項9】
前記内燃機関(1)は、該内燃機関(1)の燃焼室(8)に新気を供給する新気装置(9)を有しており、
前記内燃機関(1)は、前記燃焼室(8)から排気を導出する排気装置(10)を有しており、
前記内燃機関(1)は、排気ターボチャージャ(11)を有しており、該排気ターボチャージャ(11)は、前記新気装置(9)内に配置された圧縮機(12)と、前記排気装置(10)内に配置された、前記圧縮機(12)を駆動するタービン(13)とを有している、
請求項1から8までのいずれか1項記載の内燃機関(1)。
【請求項10】
前記エンジン制御装置(2)は、該エンジン制御装置(2)が前記混合物体積流量(22)を調整し、これにより、結果的に吸い込まれた前記空気体積流量(17)が、前記クランクケース(5)内で水素濃度を調整し、該水素濃度を所定の安全マージンだけ、所定の危機的な水素濃度よりも低くするように構成されている、
請求項1から9までのいずれか1項記載の内燃機関(1)。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の内燃機関に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【0002】
CO2削減の削減手段に関して、いわゆる水素エンジン、つまり、ピストンエンジンとして形成され、燃料として水素を用いて作動可能な内燃機関が話題になっている。内燃機関の作動中には、ブローバイガスが必然的に内燃機関のクランクケース内に流入する。内燃機関が、燃料として水素を用いて作動させられる場合、ブローバイガスは、クランクケース内に存在する空気と混合可能な水素を含み得る。この混合物における比較的低い水素濃度から既に、つまり4体積%から既に、この混合物は着火可能になり得る。さらに、この着火可能な混合物が着火するためには、極めて小さな着火エネルギで既に足りる、という事情が加わる。内燃機関の領域には熱源があり、潜在的な着火源が存在しているため、着火可能な水素濃度は、回避せねばならない危機的な水素濃度と見なされる。
【0003】
上位概念に記載の内燃機関は、国際公開第2021/161610号から公知であり、ピストンエンジンとして形成されており、かつ燃料として水素を用いて作動するように構成されている。内燃機関は一般に、内燃機関を作動させるエンジン制御装置を装備しており、かつクランクケースを有しており、クランクケース内には、内燃機関の作動中に、ブローバイガスがブローバイガス体積流量で流入することがある。内燃機関はさらに、クランクケースに周囲空気を供給するクランクケース換気装置を装備しており、クランクケース換気装置は、クランクケースに形成された少なくとも1つの換気開口を有しており、換気開口を介して、クランクケース内の水素濃度を低下させるために、周囲空気を所定の空気体積流量でクランクケース内に吸い込むことができる。周囲空気の吸込みにより、空気と水素とから成るクランクケース内の混合物を希釈して水素成分を減らし、これにより、特に爆発の危険を低下させることができる。公知の内燃機関の場合、クランクケース換気装置は、導出管を介してクランクケースに接続されたファンを装備している。国際公開第2021/161610号から公知の内燃機関の場合、ファンは、クランクケース内の支配的な混合物を吸い込み、周囲に吐き出す。このとき、これにより形成されたクランクケース内の負圧に基づき、同時に周囲空気が換気開口を通って後から流入する。任意には、国際公開第2021/161610号から公知の内燃機関の場合、クランクケースに、換気開口を介して排気が供給され得るようになっており、このために排気は、排気ターボチャージャのタービンの下流側で分岐させられる。国際公開第2021/161610号から公知の内燃機関の場合、クランクケース換気装置はさらに、クランクケース内に配置され、かつクランクケース内で目下の水素濃度を検出するセンサを装備している。このようにして、クランクケース内の水素濃度が所定の限界値に達すると常に、ファンを作動させることが可能である。ファンの作動により、混合物が吸い出され、このとき後から流入する周辺空気がクランクケースを掃気する。換言すると、公知の内燃機関の場合には、クランクケース内の水素の危機的な濃縮を回避するために、周囲空気によるクランクケースの、必要に応じてセンサ制御される掃気が行われる。
【0004】
このような方式における欠点は、このようなセンサの組込みには比較的高いコストが結び付いている点にある。さらに、クランクケース内では、センサの確実な作動にとって不都合な雰囲気が支配的であるため、センサは急速に老朽化しかつ汚染され、その結果、不確実になる。特に、クランクケース内には一般に、センサの確実な測定を損なう恐れがあるオイルミストが形成される。
【0005】
本発明は、上述した形式の内燃機関用に、高められた確実性でもって、クランクケース内の水素の危機的な濃縮を阻止し得るという点において特に優れた、改良された実施形態を提供する、という課題に関する。
【0006】
この課題は本発明に基づき、独立請求項の対象により解決される。有利な実施形態は、従属請求項の対象である。
【0007】
本発明は、内燃機関に、クランクケースからブローバイガスを導出するブローバイガス導出装置を装備し、ブローバイガス導出装置は、クランクケースからブローバイガスを吸い込むファンを有している、という一般的な思想に基づくものである。ファンに連結されたエンジン制御装置は、エンジン制御装置が、内燃機関の目下の作動状態に応じてファンを制御し、これにより、クランクケースから吸い込まれる混合物体積流量を、吸い出されるべきブローバイガス体積流量よりも多くするように、構成される。この場合、本発明は、クランクケース内では周囲空気とブローバイガスとから成る混合物が支配的であり、これにより、ブローバイガス体積流量と空気体積流量とから成る混合物体積流量が形成されている、という知見を利用する。本発明に基づき、ファンによりクランクケースから吸い出される混合物体積流量は、クランクケース内に流入するブローバイガス体積流量よりも多いため、周囲空気もクランクケースから吸い出される、ということが保証されている。その結果、まず負圧がクランクケース内に生じ、この負圧により、クランクケース換気装置の各換気開口を介して周囲空気が吸い込まれ、これにより、最終的に相応の空気体積流量が各換気開口を介してクランクケース内に吸い込まれる。内燃機関の作動中、ブローバイガスはクランクケース内に継続的に流入するため、ブローバイガス導出装置のファンは継続的に作動状態にあり、これにより、周囲空気も継続的に吸い込まれることになる。その結果、クランクケース内の混合物の希釈も継続的に行われ、これにより、クランクケース内の水素成分の危機的な濃縮を回避することができる。さらにエンジン制御装置は、ファンを、エンジン制御装置が必然的に識別する内燃機関の目下の作動状態に応じて制御する。目下の作動状態を表すエンジンデータは、例えば以下の情報、すなわち、回転数、負荷、新気体積流量、排気体積流量、排気温度および排気組成のうちの少なくとも1つを含み得る。エンジン制御装置は、目下の作動状態に応じて、その際に生じるブローバイガス体積流量を求め、次いでこのブローバイガス体積流量に応じファンを制御するために、例えば特性曲線を用いることができる。本発明に基づき、ファンは、ブローバイガス体積流量のみを送出するのではなく、追加的に空気体積流量を含みひいてはブローバイガス体積流量よりも多い混合物体積流量をも送出することが望ましいため、エンジン制御装置はファンの制御に際してこの関連を考慮し、これにより、例えば周知の特性曲線から求められたブローバイガス体積流量を、この場合にファンが送出すべき混合物体積流量を得るために、所定の係数だけ増大させる。エンジン制御装置はファンの制御にエンジンデータを用いるため、基本的にはクランクケース内に取り付けられたセンサなしで間に合い、これにより、コストを削減し、かつ確実性を高めると共に、クランクケース内の水素の危機的な濃度を防ぐことができる。
【0008】
1つの有利な実施形態では、ブローバイガス導出装置は、内燃機関に形成された少なくとも1つの導出開口を有していてもよく、導出開口は、各換気開口から間隔をあけて配置されておりかつ/または内燃機関のシリンダヘッドに配置されており、導出開口を介して、混合物体積流量がクランクケースから吸い込まれる。これにより、クランクケース内でブローバイガスと周囲空気との確実な混合が行われ、これにより、水素濃度を大幅に低下させることができる、ということが保証される。これにより、クランクケースの通流しにくい領域に未希釈のブローバイガスが集合することが回避され得る。各喚起開口に対して各導出開口を的確に位置決めすることにより、周囲空気によるクランクケースの効率的な掃気を実現することができる。
【0009】
好適には、ブローバイガス導出装置は、内燃機関の作動中に混合物体積流量が通流するオイル分離装置を有していてもよい。上述のように、内燃機関の作動中、クランクケース内ではオイルミストが支配的であり、このオイルミストは、混合物体積流量と共に吸い出される。ここでのオイル消費量を減らすために、提案したオイル分離装置が使用され、これにより、混合物体積流量内で連行されたオイルを分離して再循環させることができる。混合物体積流量はブローバイガス体積流量よりも多いため、ファンにより、比較的高い流速が実現され得、このことは、有利には効率的なオイル分離に影響を及ぼす。
【0010】
1つの有利な実施形態では、オイル分離装置は、ファンの下流側に配置されていてもよい。これにより、オイル分離装置はファンの吐出側に位置することになり、このことは、効率的なオイル分離を促進する。追加的または択一的に、オイル分離装置は、インパクタとして形成されていてもよい。このようなインパクタは衝突面を表しており、この衝突面において、排気流は変向させられるのに対して、液滴は、衝突面に付着し続けて集まり、的確に導出され得る。追加的または択一的に、オイル分離装置は、オイル戻し管路を有していてもよく、オイル戻し管路は、分離されたオイルをオイルリザーバに供給する。この場合、オイルリザーバは、好適にはクランクケース内に形成されたオイルパンにより形成されていてもよい。換言すると、オイルはクランクケースに再び戻される。
(【0011】以降は省略されています)

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