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公開番号2025030382
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023135628
出願日2023-08-23
発明の名称廃棄物焼却装置および廃棄物焼却方法
出願人JFEエンジニアリング株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類F23G 5/50 20060101AFI20250228BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約【課題】廃棄物焼却炉において焼却灰の炭酸化および重金属類の固定化を促進させること。
【解決手段】廃棄物を燃焼させる燃焼室と、焼却炉の排ガスの少なくとも一部を再循環排ガスとして分岐させて燃焼室に供給する再循環排ガス供給手段と、再循環排ガスを脱水する水分離手段と、酸素ガスを燃焼室に供給する酸素供給手段と、再循環排ガスと酸素ガスとの混合ガスを生成するガス混合手段と、を備え、燃焼室が、廃棄物の搬送方向に沿って乾燥火格子、燃焼火格子、および後燃焼火格子を有し、水分離手段の上流側に再循環排ガスの分岐部を設け、分岐部で分岐した一方の再循環排ガスを水分離手段で脱水し、脱水した一方の再循環排ガスを後燃焼火格子に供給するとともに、他方の再循環排ガスとガス混合手段によって酸素ガスとを混合させた混合ガスを乾燥火格子および燃焼火格子に供給する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
廃棄物を燃焼させて焼却灰として排出する焼却炉を備えた廃棄物焼却装置であって、
前記廃棄物を燃焼させる燃焼室と、
前記焼却炉の排ガスの少なくとも一部を再循環排ガスとして分岐させて前記燃焼室に供給可能に構成された再循環排ガス供給手段と、
前記再循環排ガスを脱水可能に構成された水分離手段と、
酸素を主成分として含むガスを前記燃焼室に供給可能に構成された酸素供給手段と、
前記再循環排ガス供給手段によって供給される前記再循環排ガスと、前記酸素供給手段によって供給される前記酸素を主成分として含むガスとを混合させて混合ガスを生成するガス混合手段と、を備え、
前記燃焼室が、前記廃棄物の搬送方向に沿って、前記廃棄物が乾燥された後に初期燃焼が行われる乾燥火格子、前記廃棄物の固形分および発生した可燃性ガスを燃焼させる燃焼火格子、および前記廃棄物における未燃分を燃焼させて前記焼却灰とする後燃焼火格子を有し、
前記再循環排ガスの流れ方向に沿って前記水分離手段の上流側に前記再循環排ガスをさらに分岐する分岐部が設けられ、
前記分岐部において分岐された一方の再循環排ガスが前記水分離手段に供給されて脱水可能に構成され、
前記水分離手段により脱水された前記一方の再循環排ガスを、前記後燃焼火格子に供給可能に構成されるとともに、他方の再循環排ガスを前記ガス混合手段によって前記酸素を主成分として含むガスと混合させて生成した前記混合ガスを前記乾燥火格子および前記燃焼火格子に供給可能に構成される
廃棄物焼却装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記再循環排ガスの流量を制御可能に構成された制御部を備え、
前記制御部は、
前記分岐部に対して前記再循環排ガスの流れ方向に沿った上流側の流量を基準として、前記一方の再循環排ガスの流量比を15%以上25%以下に制御するとともに、前記他方の再循環排ガスの流量比を75%以上85%以下に制御する
請求項1に記載の廃棄物焼却装置。
【請求項3】
前記後燃焼火格子に対して前記廃棄物の搬送方向に沿った下流側に、前記焼却灰に対して炭酸化処理が行われる灰炭酸化火格子を有し、
前記水分離手段により脱水された前記一方の再循環排ガスを、前記後燃焼火格子および前記灰炭酸化火格子に供給可能に構成される
請求項1に記載の廃棄物焼却装置。
【請求項4】
前記灰炭酸化火格子が、段差を隔てて前記後燃焼火格子より低い位置に設けられている
請求項3に記載の廃棄物焼却装置。
【請求項5】
前記後燃焼火格子における温度を400℃以上600℃以下に調整可能に構成される
請求項1に記載の廃棄物焼却装置。
【請求項6】
前記水分離手段によって脱水された前記一方の再循環排ガスに含まれる二酸化炭素の一部を分離除去する二酸化炭素分離手段をさらに備える
請求項1に記載の廃棄物焼却装置。
【請求項7】
廃棄物を燃焼させて焼却灰として排出する焼却炉によって前記廃棄物を焼却する廃棄物焼却方法であって、
前記焼却炉が前記廃棄物を燃焼させる燃焼室を備え、
前記燃焼室が、前記廃棄物の搬送方向に沿って、前記廃棄物が乾燥された後に初期燃焼が行われる初期燃焼領域、前記廃棄物の固形分および発生した可燃性ガスを燃焼させる主燃焼領域、および前記廃棄物における未燃分を燃焼させて前記焼却灰とする後燃焼領域を有し、
再循環排ガス供給手段によって前記焼却炉の排ガスの少なくとも一部を再循環排ガスとして分岐させた後、前記再循環排ガスを一方の再循環排ガスと他方の再循環排ガスとにさらに分岐させ、
前記一方の再循環排ガスを脱水した後に前記燃焼室における前記後燃焼領域に供給するとともに、前記他方の再循環排ガスを酸素供給手段によって酸素を主成分として含むガスと混合させて混合ガスを生成して、前記混合ガスを前記燃焼室における前記初期燃焼領域および前記主燃焼領域に供給する
廃棄物焼却方法。
【請求項8】
前記再循環排ガスの流量を制御可能に構成された制御部が、
前記分岐部に対して前記再循環排ガスの流れ方向に沿った上流側の流量を基準として、前記一方の再循環排ガスの流量比を15%以上25%以下に制御するとともに、前記他方の再循環排ガスの流量比を75%以上85%以下に制御する
請求項7に記載の廃棄物焼却方法。
【請求項9】
前記後燃焼領域に対して前記廃棄物の搬送方向に沿った下流側に、前記焼却灰に対して炭酸化処理が行われる灰炭酸化領域を有し、
脱水された前記一方の再循環排ガスを、前記後燃焼領域および前記灰炭酸化領域に供給する
請求項7に記載の廃棄物焼却方法。
【請求項10】
前記灰炭酸化領域を前記後燃焼領域より低い位置に設ける
請求項9に記載の廃棄物焼却方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物焼却装置および廃棄物焼却方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、O
2
/CO
2
燃焼、酸素燃焼、またはOxy-fuel燃焼(Oxy-fuel combustion)と称される燃焼技術が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1には、O
2
/CO
2
燃焼を適用した都市ゴミの焼却方法が開示されている。特許文献1に記載の技術においては、まず、空気から窒素(N
2
)を分離して得られる酸素(O
2
)によって都市ゴミを焼却する。この都市ゴミの焼却によって発生した排ガスから熱を回収した後、排ガスの一部を焼却工程に供給して焼却温度を制御する。焼却温度の制御とともに、熱回収した後の排ガスから水(H
2
O)と二酸化炭素(CO
2
)を回収する。
【0003】
特許文献1に記載の都市ゴミの焼却方法は具体的に、次のように行われる。すなわち、焼却炉内の温度を800~1200℃に制御するために、製造した酸素(O
2
)に対して、系内を循環させた焼却排ガス(高濃度CO
2
)の一部を循環供給して混合させる。また、都市ゴミと循環される焼却排ガスとの重量比は、都市ゴミが1に対して焼却排ガスを1~12倍量、好適には4~8倍量とされている。これにより、焼却炉においては、都市ゴミなどの廃棄物は、主として酸素および焼却排ガスの雰囲気、すなわち主として二酸化炭素(CO
2
)および水蒸気(H
2
O)を含む雰囲気において焼却される。
【0004】
また、焼却灰に含まれる重金属類としての鉛(Pb)の溶出を抑制して固定化させる技術も種々検討されている。焼却灰に含まれる重金属類において高い含有率である鉛(Pb)は両性金属であることから、強い塩基性を示す焼却灰に対してpHを低下させる処理を施して難溶性領域とすることにより、鉛(Pb)の溶出量を低減できる。このような焼却灰の無害化処理方法として、特許文献2に記載の技術が知られている。
【0005】
特許文献2には、焼却灰の無害化処理方法として、廃棄物焼却炉から排出される焼却灰に廃棄物焼却炉から排出される排ガスを加熱して通気することによって、焼却灰の炭酸化を行って鉛(Pb)の固定化を促進させる技術が開示されている。特許文献2に記載の技術において、焼却灰の炭酸化の反応場所としては以下の4箇所が挙げられる。すなわち、第1に焼却灰排出シュートの下の反応塔、第2に廃棄物焼却シュートの下の焼却灰抜き出し装置から抜き出された焼却灰を貯留する焼却灰貯留槽、第3に焼却灰排出シュートの下の湿式灰出し装置から抜き出された焼却灰を貯留する焼却灰貯留槽、第4に後燃焼火格子上である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平5-126324号公報
特開2003-340397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来技術においては、廃棄物焼却炉から排出される排ガスの二酸化炭素(CO
2
)濃度が10%オーダー程度と低濃度である。そのため、特許文献2に記載の技術において、焼却灰の炭酸化を十分に促進させて、鉛などの重金属類の固定化を促進するためには、長い滞留時間と設備容量の増加が必要になる。そのため、廃棄物焼却炉において焼却灰の炭酸化および重金属類の固定化のさらなる促進化可能な技術が求められていた。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、廃棄物焼却炉において焼却灰の炭酸化および重金属類の固定化を促進させることができる廃棄物焼却装置および廃棄物焼却方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る廃棄物焼却装置は、廃棄物を燃焼させて焼却灰として排出する焼却炉を備えた廃棄物焼却装置であって、前記廃棄物を燃焼させる燃焼室と、前記焼却炉の排ガスの少なくとも一部を再循環排ガスとして分岐させて前記燃焼室に供給可能に構成された再循環排ガス供給手段と、前記再循環排ガスを脱水可能に構成された水分離手段と、酸素を主成分として含むガスを前記燃焼室に供給可能に構成された酸素供給手段と、前記再循環排ガス供給手段によって供給される前記再循環排ガスと、前記酸素供給手段によって供給される前記酸素を主成分として含むガスとを混合させて混合ガスを生成するガス混合手段と、を備え、前記燃焼室が、前記廃棄物の搬送方向に沿って、前記廃棄物が乾燥された後に初期燃焼が行われる乾燥火格子、前記廃棄物の固形分および発生した可燃性ガスを燃焼させる燃焼火格子、および前記廃棄物における未燃分を燃焼させて前記焼却灰とする後燃焼火格子を有し、前記再循環排ガスの流れ方向に沿って前記水分離手段の上流側に前記再循環排ガスをさらに分岐する分岐部が設けられ、前記分岐部において分岐された一方の再循環排ガスが前記水分離手段に供給されて脱水可能に構成され、前記水分離手段により脱水された前記一方の再循環排ガスを、前記後燃焼火格子に供給可能に構成されるとともに、他方の再循環排ガスを前記ガス混合手段によって前記酸素を主成分として含むガスと混合させて生成した前記混合ガスを前記乾燥火格子および前記燃焼火格子に供給可能に構成される。
【0010】
本発明の一態様に係る廃棄物焼却装置は、上記の発明において、前記再循環排ガスの流量を制御可能に構成された制御部を備え、前記制御部は、前記分岐部に対して前記再循環排ガスの流れ方向に沿った上流側の流量を基準として、前記一方の再循環排ガスの流量比を15%以上25%以下に制御するとともに、前記他方の再循環排ガスの流量比を75%以上85%以下に制御する。
(【0011】以降は省略されています)

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