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公開番号
2024172164
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023089708
出願日
2023-05-31
発明の名称
紡機における繊維束集束装置
出願人
株式会社豊田自動織機
代理人
個人
,
個人
主分類
D01H
5/72 20060101AFI20241205BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約
【課題】最終送出ローラ対から送出された後に繊維束がフリーの状態になっている距離を短くできる紡機における繊維束集束装置を提供すること。
【解決手段】繊維束集束装置における吸引パイプ15の上流端部31は、最終送出ローラ対のニップ点での共通接線Lよりもフロントボトムローラ13a側に位置し、かつ気流を吸引スリット27に導入する導入面31cと、導入面31cと交差するとともに吸引パイプ15の内面よりも外面側に位置し、かつ、気流の流路を導入面31cでの流路より拡張する流路拡張面31bと、を備える。導入面31cに沿う第1仮想線D1と共通接線Lとがなす第1角度は、流路拡張面31bに沿う第2仮想線D2と共通接線Lとがなす第2角度θ2よりも小さい。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
ボトムローラ及びトップローラを備える最終送出ローラ対の下流側に設けられ、吸引スリットを備えた吸引パイプと、
前記吸引スリットを被覆するように前記吸引パイプに巻き掛けられた状態で回転されて繊維束を搬送する通気搬送ベルトと、を備え、
前記吸引スリットへ流れる気流によって前記繊維束を前記通気搬送ベルトに吸着しつつ集束して、前記繊維束を前記通気搬送ベルトによって搬送方向に搬送する紡機における繊維束集束装置であって、
前記吸引スリットにおける前記搬送方向での上流端部は、
前記吸引パイプにおける前記ボトムローラに対向する曲面部に設けられるとともに、
前記最終送出ローラ対のニップ点での共通接線よりも前記ボトムローラ側に位置し、かつ前記気流を前記吸引スリットに導入する導入面と、
前記導入面と交差するとともに前記吸引パイプの内面よりも外面側に位置し、かつ、前記気流の流路を前記導入面での流路より拡張する流路拡張面と、を備え、
前記導入面に沿う第1仮想線と前記共通接線との間の第1角度の大きさは、前記流路拡張面に沿う第2仮想線と前記共通接線との間の第2角度よりも小さいことを特徴とする紡機における繊維束集束装置。
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【請求項2】
前記導入面は、前記上流端部を形成する傾斜面である請求項1に記載の紡機における繊維束集束装置。
【請求項3】
前記傾斜面は、平坦面である請求項2に記載の紡機における繊維束集束装置。
【請求項4】
前記導入面は、共通接線方向に延びる請求項1又は請求項2に記載の紡機における繊維束集束装置。
【請求項5】
前記上流端部は、前記流路拡張面に対し直交し、かつ前記吸引パイプの内面から前記流路拡張面に向けて延びる交差面を備える請求項1又は請求項2に記載の紡機における繊維束集束装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、紡機における繊維束集束装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されるように、繊維束集束装置は、精紡機におけるドラフト装置の最終送出ローラ対の下流側に配置されている。繊維束集束装置は、吸引パイプと、通気搬送ベルトと、を備える。
【0003】
吸引パイプには、吸引スリットが形成されている。また、吸引パイプは、接続管を介して吸引ダクトに接続されている。通気搬送ベルトの一部は、吸引パイプに巻き掛けられている。通気搬送ベルトは、例えば、適度な通気性を確保できる織布により形成されている。
【0004】
精紡機が運転されると、吸引ダクトによる吸引が接続管を介して吸引パイプに及ぶ。すると、吸引スリットにて発生する吸引力が通気搬送ベルトを介して繊維束に及ぶ。これにより、繊維束は、通気搬送ベルトにおける、吸引スリットと対応する位置に吸着されつつ、集束されるとともに、通気搬送ベルトによって搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-87419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
繊維束は、最終送出ローラ対から送出されてから吸引パイプ上の通気搬送ベルトに吸着されるまでの間は、ローラ対などに拘束されないフリーの状態となるため、繊維が乱れやすい。この繊維の乱れを抑制するため、最終送出ローラ対から送出された後は、繊維束がフリーの状態となっている距離を短くするのが好ましい。
【0007】
繊維束は、最終送出ローラ対のニップ点での共通接線に沿って送出される。このため、吸引スリットの上流端部を、共通接線よりもボトムローラ側に拡張して、吸引スリットにて発生する吸引力を高めることで、繊維束を通気搬送ベルトに速やかに吸着させて、繊維束がフリーの状態となる距離を短くすることが考えられる。
【0008】
しかし、吸引スリットの上流端部を共通接線よりもボトムローラ側に拡張させると、上流端部に沿って流れた気流が、吸引パイプの内面に沿って渦流になりやすい。すると、渦流の発生によって、上流端部に沿って流れ込む気流の流速が遅くなってしまう。上流端部付近での気流の流速が遅くなると、繊維束が通気搬送ベルトに吸着されるタイミングが遅れるため、吸引スリットの上流端部を拡張したにも関わらず、繊維束がフリーの状態になっている距離は短くならない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題点を解決するための紡機における繊維束集束装置は、ボトムローラ及びトップローラを備える最終送出ローラ対の下流側に設けられ、吸引スリットを備えた吸引パイプと、前記吸引スリットを被覆するように前記吸引パイプに巻き掛けられた状態で回転されて繊維束を搬送する通気搬送ベルトと、を備え、前記吸引スリットへ流れる気流によって前記繊維束を前記通気搬送ベルトに吸着しつつ集束して、前記繊維束を前記通気搬送ベルトによって搬送方向に搬送する紡機における繊維束集束装置であって、前記吸引スリットにおける前記搬送方向での上流端部は、前記吸引パイプにおける前記ボトムローラに対向する曲面部に設けられるとともに、前記最終送出ローラ対のニップ点での共通接線よりも前記ボトムローラ側に位置し、かつ前記気流を前記吸引スリットに導入する導入面と、前記導入面と交差するとともに前記吸引パイプの内面よりも外面側に位置し、かつ、前記気流の流路を前記導入面での流路より拡張する流路拡張面と、を備え、前記導入面に沿う第1仮想線と前記共通接線との間の第1角度の大きさは、前記流路拡張面に沿う第2仮想線と前記共通接線との間の第2角度よりも小さいことを要旨とする。
【0010】
これによれば、導入面は、共通接線を超えてボトムローラ側に位置するため、導入面が、共通接線を超えてトップローラ側に位置する場合と比べると、吸引スリットへ流れる気流の量を増大できる。また、流路拡張面により、導入面に沿って流れた後の気流の流路が拡張される。このため、導入面に沿って流れた後の気流は、流路拡張面により共通接線方向に対し交差するように流れる。すると、吸引パイプの内面と、気流との間にて、渦流の発生する領域が小さくなる。その結果、吸引パイプの内部に渦流が発生しても、その渦流を原因とした気流の流速の低下を抑制できる。このため、共通接線よりボトムローラ側に上流端部を設けても、繊維束は、通気搬送ベルトに速やかに吸着されるため、繊維束がフリーの状態になっている距離を短くできる。
(【0011】以降は省略されています)
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