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公開番号2024126012
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2024024162
出願日2024-02-21
発明の名称風力タービンの振動周波数の決定及び関連方法
出願人ゼネラル エレクトリック レノバブレス エスパーニャ, エセ.エレ.
代理人個人,個人
主分類F03D 17/00 20160101AFI20240911BHJP(液体用機械または機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの)
要約【課題】運転中の風力タービンの振動モードの周波数を決定する方法並びに風力タービンを運転する方法を提供すること。
【解決手段】風力タービンの振動モードの周波数を決定する方法は、風力タービン内の第1の同調質量ダンパの第1の質量体の運動を決定し、決定した第1の質量体の運動に少なくとも部分的に基づいて風力タービンの振動モードの周波数を導出することを含む。風力タービンの運転方法は、上述の方法で風力タービンの振動モードの周波数を決定した後、導出した振動モードの周波数に基づいて回避すべき風力タービンのロータの回転速度の除外領域を決定し、除外領域での風力タービンの運転時間が短縮又は回避されるように風力タービンを運転することを含む。本開示は、同調質量ダンパと、上述の方法を実施するように構成された制御システムとを備える風力タービンも提供する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
風力タービンの振動モードの周波数を決定する方法であって、当該方法が、
風力タービン内の第1の同調質量ダンパの第1質量体の運動を決定するステップと、
決定した第1の質量体の運動に少なくとも部分的に基づいて風力タービンの振動モードの周波数を導出するステップと
を含む、方法。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
風力タービンの振動モードが第1のノーマルモードである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
風力タービン内の第2の同調質量ダンパの第2の質量体の運動を決定するステップと、決定した第2の質量体の運動に少なくとも部分的に基づいて風力タービンの振動モードの周波数を導出するステップとをさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第1の質量体及び第2の質量体が、実質的に直交する2方向に移動するように構成されている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
風力タービンの振動モードの周波数を決定することが、風力タービンのアイドリング中又は風力タービンの運転中に行われる、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
風力タービン内の第1の同調質量ダンパの第1の質量体の運動を決定するステップが、風力タービンに対する少なくとも第1の質量体の位置を時間の関数として監視することを含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも第1の質量体の位置を監視することが、1以上の標的位置で第1の質量体を検出することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
風力タービンの制御戦略の調整をさらに含む、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
制御戦略の調整が、風力タービンでの共振を回避するようにピッチ制御戦略を変更することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
風力タービンの運転方法であって、当該方法が、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の風力タービンの振動モードの周波数を決定する方法を含んでいるとともに、さらに、
導出した振動モードの周波数に基づいて回避すべき風力タービンのロータの回転速度の除外領域を決定するステップと、
除外領域での風力タービンの運転時間が短縮又は回避されるように風力タービンを運転するステップと
を含む、方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、風力タービンの振動モードの周波数を推定するための方法及びシステムに関する。また、本開示は、風力タービンの運転方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
最新式風力タービンは、電力網への電力の供給に常用されている。この種の風力タービンは一般にタワーとタワー上に配置されたロータとを備える。ロータは通例ハブ及び複数のブレードを備えており、ブレードに対する風の影響下で回転するように設定される。この回転は通常ロータシャフトによって発電機に直接(「直接駆動」又は「ギアレス」)又はギアボックスを用いて伝達されるトルクを生成する。こうして、発電機は電力を発生し、電力を電力網に供給することができる。
【0003】
風力タービンは過去数十年で急速に進化し、大型化の傾向がはっきりとみられる。風力タービンで生成される電力はロータの受風面積に比例し、従ってブレードの長さの2乗に比例する。そのため、風力からのエネルギー抽出量を高めて発電量を増大させるために、用いられるタワーの高層化及びブレードの長尺化がなされてきた。長年にわたる大型化のため、風力タービン部品にかかる負荷が大幅に増大しており、特に機械、電気、材料、土木工学などの幅広い分野で新たな課題が生じている。
【0004】
風力タービンの大型化に伴って、風力タービンも細身化している。風力タービンの負荷制御は、疲労による構造破損及び部品の早期引退を避けるために常に重要であるが、これは、定格電力8MW以上、特に10MW以上又は14MW以上の最新式の非常に背の高い風力タービンでは一段と重要になる。
【0005】
風力タービンのタワー構造及び風力タービンの基礎のような風力タービン部品における疲労などに起因する構造破損の起こり易さは、特に、風力タービンに加わる負荷の大きさ及び周波数並びにそれらが地面(陸上又は海底のいずれか)にどのように伝達されるかに関連する。
【0006】
風力タービン部品の早期構造破損を軽減するため、風力タービンの特定の固有振動数を考慮することが知られている。風力タービンが、固有周波数又はその付近の負荷に付されると、共振が起こり、負荷が急激な増加して危険な負荷に至るおそれがある。そのため、運転所外領域(例えば、振動共振によって深刻な構造的損傷を引き起こすおそれがあり、回避又は最小限に抑制すべき回転速度の範囲)を定義することが知られている。
【0007】
固有振動数(及び対応する除外領域)は、一般に、風力タービンの設計段階で計算される。しかし、加速度計などを使用した振動の測定及び固有振動数の導出は、例えば試運転段階でも実施し得る。設置済みの風力タービンでの固有周波数の決定は複雑な作業であり、一般にかなりの計算リソースに依存し、一般に運転中には実施されない。
【0008】
風力タービンの設置場所は陸上(オンショア)に位置していることもあれば、エネルギー生産量を増大させ、環境への影響を低減するため、沖合の洋上(オフショア)に位置していることもある。オフショア位置での風速は、通例、陸上よりも高い。さらに、オフショアでの風速及び風向の方が安定している傾向があり、オフショアサイトは陸上サイトよりもエネルギー生産が高くかつ安定している。
【0009】
負荷制御及び上述の固有周波数に関連して、洋上風力タービンではさらに課題がある。例えば、洋上ウィンドファームでは、一般に陸上よりも土壌が軟弱であり、ウィンドファーム全体で土壌の状態の変動が大きいので、モノパイル又はジャケット及び風力タービン構造が同一の風力タービンであっても固有振動数が異なることがある。海底の深さは必ずしも一定ではないので、モノパイルの長さは異なることとなる。
【0010】
さらに、特に洋上風力タービンの固有周波数は、浮体式風力タービン及び海底固定式風力タービンのいずれにおいても、その耐用年数の間に変化しかねないことが判明している。タワー又はパイル構造或いは浮遊構造体での藻類、甲殻類、フジツボなどの増殖も、固有振動数に影響を与える。固有周波数が変化すると、所定の運転方法では、予想よりも高い負荷を招くおそれがある。高負荷を避けるために、運転除外領域を増大させて定義することもできるが、これは最適でない運転及びそれに対応した年間発電電力量(AEP)の減少につながりかねない。
(【0011】以降は省略されています)

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