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公開番号2024109423
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-14
出願番号2023014209
出願日2023-02-01
発明の名称空気紡績機、紡績方法、及び紡績プログラム
出願人村田機械株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類D01H 5/00 20060101AFI20240806BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】フロントローラ対のうちの従動ローラへの負荷を軽減することができる空気紡績機を提供する。
【解決手段】紡績機1は、フロントボトムローラ17aを有し、繊維束Sをドラフトするドラフト動作を実行するドラフト装置6と、ドラフト装置6よりも下流側に配置されて、繊維束Sを紡績することにより糸Yを生成するエアジェット紡績装置7と、エアジェット紡績装置7よりも下流側に配置されて、糸Yを巻き取ってパッケージPを形成する巻取装置13と、糸Yの分断が発生した後であって糸継ぎが実行されるまでの期間において、通常の紡績時の速度である第1速度よりも遅い第2速度でフロントボトムローラ17aを少なくとも一時的に回転させ、糸継要求に応じて、第1速度又は第1速度よりも遅い第3速度でフロントボトムローラ17aの回転を開始するユニットコントローラ10と、を備える。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
フロントローラを有し、繊維束をドラフトするドラフト動作を実行するドラフト装置と、
前記ドラフト装置よりも下流側に配置されて、前記ドラフト装置によりドラフトされた前記繊維束を紡績することにより糸を生成する紡績装置と、
前記紡績装置よりも下流側に配置されて、前記紡績装置により生成された前記糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、
前記糸の分断が発生した後であって糸継ぎが実行されるまでの期間において、通常の紡績時の速度である第1速度よりも遅い第2速度で前記フロントローラを少なくとも一時的に回転させ、糸継要求に応じて、前記第1速度又は前記第1速度よりも遅い第3速度で前記フロントローラの回転を開始する制御部と、を備える、空気紡績機。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記制御部は、前記糸継要求に応じて、前記第2速度よりも速い前記第3速度での前記フロントローラの回転を開始する、請求項1に記載の空気紡績機。
【請求項3】
前記糸の分断が発生した後であって糸継ぎが実行されるまでの期間において、前記紡績装置の清掃を行う清掃装置を備え、
前記清掃装置により清掃が行われている間、前記第2速度で前記フロントローラを少なくとも一時的に回転させ、
前記清掃の終了後、前記第1速度又は前記第3速度で前記フロントローラを回転させる、請求項1又は2に記載の空気紡績機。
【請求項4】
前記パッケージの巻取り中、前記紡績装置と前記巻取装置の間で前記糸を貯留する糸貯留ローラをさらに備え、
前記糸の分断が発生したときに前記糸貯留ローラに貯留されていた前記糸を除去する除去動作を行う期間中、前記第2速度で前記フロントローラを少なくとも一時的に回転させる、請求項1~3の何れか一項に記載の空気紡績機。
【請求項5】
前記ドラフト装置と、前記紡績装置と、前記巻取装置と、をそれぞれが備える複数の紡績ユニットと、
前記複数の紡績ユニットに対して移動可能に設けられており、前記複数の紡績ユニットのうち前記糸継要求を発生させた紡績ユニットにおいて前記糸継ぎを実行する糸継台車と、を備え、
前記制御部は、前記糸継要求に応じた前記糸継台車の到来状態に基づいて、前記第1速度又は前記第3速度での前記フロントローラの回転を開始する、請求項1~4の何れか一項に記載の空気紡績機。
【請求項6】
前記制御部は、前記糸継要求を発生させた前記紡績ユニットに前記糸継台車が到着したときに、前記第1速度又は前記第3速度での前記フロントローラの回転を開始する、請求項5に記載の空気紡績機。
【請求項7】
前記糸継要求に相当する操作を行うための操作ボタンを備え、
前記制御部は、前記操作ボタンが操作されたときに、前記第1速度又は前記第3速度で前記フロントローラの回転を開始する、請求項1又は2に記載の空気紡績機。
【請求項8】
前記ドラフト装置、及び、前記ドラフト装置に隣り合う別の紡績ユニットに属する別のドラフト装置に共通して設けられた1つのドラフトクレードルと、
前記ドラフト装置のミドルローラ及び前記別のドラフト装置のミドルローラにそれぞれ設けられたエプロンベルトを前記エプロンベルトの幅方向に往復移動させるトラバース装置と、を備え、
前記制御部は、前記糸の分断が発生した後であって糸継ぎが実行されるまでの期間において、前記ミドルローラを回転させる、請求項1~7の何れか一項に記載の空気紡績機。
【請求項9】
前記制御部は、前記糸の分断の発生後に前記ドラフト動作が停止している間、前記ドラフト装置のバックローラの回転を停止させる、請求項1~8の何れか一項に記載の空気紡績機。
【請求項10】
前記紡績装置からの前記糸を捕捉して案内する捕捉案内部材と、
前記捕捉案内部材により案内された前記糸と、前記巻取装置によって形成された前記パッケージ側の糸と、を継ぐ糸継装置と、を備える、請求項1~9の何れか一項に記載の空気紡績機。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、空気紡績機、紡績方法、及び紡績プログラムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
空気紡績機において、ドラフト装置は、繊維束の走行方向に向かって順に配置されたバックローラ、サードローラ、ミドルローラ、及びフロントローラを備えている。特許文献1に記載された紡績機では、ドラフト装置が、フロントローラを駆動する第1駆動部と、バックローラ、サードローラ、及びミドルローラを駆動する第2駆動部とを備える。空気紡績装置に繊維屑が詰まっている場合に、第1駆動部はフロントローラを紡績時の方向とは逆方向に回転させる。
【0003】
特許文献2に記載された紡績機では、複数の紡績ユニットにわたって設けられた共通の第1ラインシャフトによって、各紡績ユニットのフロントボトムローラが一斉に回転駆動される。複数の紡績ユニットにわたって設けられた共通の第2ラインシャフトによって、各紡績ユニットのミドルボトムローラが一斉に回転駆動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-017253号公報
特開2018-178294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
空気紡績機においては、糸監視装置の監視結果に基づく糸の切断、又は糸切れ等により、糸の分断が発生する場合がある。糸の分断が発生すると、糸継要求に応じて糸継ぎが実行される。ここで、ドラフト装置のフロントローラ対は、モータ等の駆動部によって回転駆動されるボトムローラ(駆動ローラ)と、ボトムローラに圧接するトップローラ(従動ローラ)とを有する。ボトムローラは例えば金属製であり、トップローラは例えばゴム製(樹脂製)である。フロントローラは紡績時には高速で回転しており、トップローラには負荷がかかっている。また糸の分断が発生してドラフト動作が停止している間、フロントローラを停止させてしまうと、トップローラが変形するおそれがある。従来の紡績機では、ドラフト動作が停止している間におけるフロントローラの回転制御に関して特に検討はなされていない。ラインシャフトによる一斉駆動が適用された紡績機では、ある紡績ユニットにおけるフロントローラの回転のみを個別に制御することはできない。
【0006】
本発明は、フロントローラ対のうちの従動ローラへの負荷を軽減することができる空気紡績機、紡績方法、及び紡績プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る空気紡績機は、フロントローラを有し、繊維束をドラフトするドラフト動作を実行するドラフト装置と、ドラフト装置よりも下流側に配置されて、ドラフト装置によりドラフトされた繊維束を紡績することにより糸を生成する紡績装置と、紡績装置よりも下流側に配置されて、紡績装置により生成された糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、糸の分断が発生した後であって糸継ぎが実行されるまでの期間において、通常の紡績時の速度である第1速度よりも遅い第2速度でフロントローラを少なくとも一時的に回転させ、糸継要求に応じて、第1速度又は第1速度よりも遅い第3速度でフロントローラの回転を開始する制御部と、を備える。
【0008】
この空気紡績機によれば、糸の分断が発生した後であって糸継ぎが実行されるまでの期間において、フロントローラが、第1速度よりも遅い第2速度で少なくとも一時的に回転させられる。これにより、上記の期間全体に渡ってフロントローラが第1速度のまま回転させられる場合、又は、フロントローラが停止を継続する場合と比べて、従動ローラにかかる負荷を軽減することができる。また糸継要求に応じて、第1速度又は第3速度でフロントローラの回転を開始するので、ドラフト動作を速やかに再開できる。
【0009】
制御部は、糸継要求に応じて、第2速度よりも速い第3速度でのフロントローラの回転を開始してもよい。この場合、第1速度よりは低速の回転を維持して従動ローラにかかる負荷を軽減しつつ、第2速度よりも高速で回転を開始することで、ドラフト動作を速やかに再開できる。
【0010】
空気紡績機は、糸の分断が発生した後であって糸継ぎが実行されるまでの期間において、紡績装置の清掃を行う清掃装置を備え、清掃装置により清掃が行われている間、第2速度でフロントローラを少なくとも一時的に回転させ、清掃の終了後、第1速度又は第3速度でフロントローラを回転させてもよい。この場合、清掃が行われる期間中において、従動ローラにかかる負荷を軽減することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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