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公開番号2025022149
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-14
出願番号2023126450
出願日2023-08-02
発明の名称撚糸機及び当該撚糸機を用いた複合糸の製造方法
出願人興亜繊維工業株式会社
代理人個人
主分類D01H 7/02 20060101AFI20250206BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】芯鞘構造の複合糸を製造できる撚糸機を得ること。
【解決手段】本発明は、芯繊維を供給する少なくとも1つの芯繊維束2、鞘繊維を供給する少なくとも1つの鞘繊維束3、トラベラー又はフライヤーを含む撚糸機構4、及び前記撚糸機構4により芯繊維周囲に鞘繊維を捲回させた複合糸を券回させるためのボビン5、を含む撚糸機であって、前記芯繊維束2及び鞘繊維束3と前記撚糸機構4との間に、少なくとも前記芯繊維束2から供給される芯繊維の進行方向を前記ボビン5の軸線方向と略同一に調整する少なくとも2つのガイド6を含んでいる撚糸機に関する。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
芯繊維を供給する少なくとも1つの芯繊維束、
鞘繊維を供給する少なくとも1つの鞘繊維束、
トラベラー又はフライヤーを含む撚糸機構、及び
前記撚糸機構により芯繊維周囲に鞘繊維を捲回させた複合糸を券回させるためのボビン、を含む撚糸機であって、
さらに前記芯繊維束及び鞘繊維束と前記撚糸機構との間に、少なくとも前記芯繊維束から供給される芯繊維の進行方向を前記ボビンの中心軸線方向と略同一に調整する少なくとも2つのガイドを含む、撚糸機。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
芯繊維を供給する少なくとも1つの芯繊維束、
鞘繊維を供給する少なくとも1つの鞘繊維束、
トラベラー又はフライヤーを含む撚糸機構、及び
前記撚糸機構により芯繊維周囲に鞘繊維を捲回させた複合糸を券回させるためのボビン、を含む撚糸機であって、
さらに前記芯繊維束及び鞘繊維束と前記撚糸機構との間に、芯繊維及び鞘繊維を別々に通過させる穴を有したガイドであって、前記鞘繊維を通過させる穴の位置が、芯繊維を通過させる穴を中心とした仮想円上にあるガイドを含む、撚糸機。
【請求項3】
さらに、前記芯繊維を搬送するローラーと、鞘繊維を搬送するローラーとを含み、それぞれのローラーが個別に回転する、請求項1又は2に記載の撚糸機。
【請求項4】
前記少なくとも2つのガイドが、前記少なくとも2つのガイドにより調整される少なくとも芯繊維の軸線をボビンの中心軸線延長上に配置する位置にある、請求項1に記載の撚糸機。
【請求項5】
前記少なくとも2つのガイドのうち、撚糸機構側に備えられたガイドが、芯繊維及び鞘繊維を別々に通過させる穴を有したガイドであって、前記鞘繊維を通過させる穴の位置が、芯繊維を通過させる穴を中心とした仮想円上にある、請求項1に記載の撚糸機。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載する撚糸機を用いた、芯鞘構造を有する複合糸の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、撚糸機及び当該撚糸機を用いた複合糸の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
種類の異なる2種以上の繊維を組み合わせることにより、より性能の高い糸、例えば、剛性と柔軟性を兼ね備えた糸を製造できる場合がある。このような種類の異なる2種以上の繊維を組み合わせた糸(以下、「複合糸」という)の製造方法が種々検討されている。例えば、特許文献1は、リング精紡機の積極的に回転駆動するフロントボトムローラ(1)に、2つの軸方向に直結した大径および小径円柱体(2,3)を錘ごとに同軸に設け、前記円柱体にそれぞれ円筒形のフロントトップローラ(4,5)を独立に転動可能に配置してなることを特徴とする芯鞘型複合紡績糸製造装置の発明を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003-20529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、芯鞘構造を有する複合糸を製造するに際し、芯構造を形成する芯繊維と鞘構造を形成する鞘繊維とを異なる種類の繊維とすることで、より性能の高い複合糸を製造することが可能となる。このような場合においては、鞘繊維が芯繊維の周囲にできるだけ小さい隙間を空けて捲回されることが好ましく、鞘繊維が隙間無く芯繊維の周囲を捲回することがさらに好ましい。例えば、剛性が高いが耐擦過性が低い芯繊維を、剛性は高くないが耐擦過性の高い繊維で隙間無く捲回して得られた複合糸は、糸全体としての剛性を高めつつ、繊維表面の耐擦過性を著しく高めることができる。しかしながら、特許文献1の製造装置を用いて芯鞘構造を有する複合糸を製造しても、鞘繊維が芯繊維の周囲に大きな隙間を空けて捲回した複合糸しか製造できなかった。したがって、上記のような問題を解決できる技術が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者が鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有する装置により上記課題が解決できることを見いだし、本発明に至った。
すなわち本発明は、
[1]芯繊維を供給する少なくとも1つの芯繊維束、
鞘繊維を供給する少なくとも1つの鞘繊維束、
トラベラー又はフライヤーを含む撚糸機構、及び
前記撚糸機構により芯繊維周囲に鞘繊維を捲回させた複合糸を券回させるためのボビン、を含む撚糸機であって、
さらに前記芯繊維束及び鞘繊維束と前記撚糸機構との間に、少なくとも前記芯繊維束から供給される芯繊維の進行方向を前記ボビンの中心軸線方向と略同一に調整する少なくとも2つのガイドを含む、撚糸機、
[2]芯繊維を供給する少なくとも1つの芯繊維束、
鞘繊維を供給する少なくとも1つの鞘繊維束、
トラベラー又はフライヤーを含む撚糸機構、及び
前記撚糸機構により芯繊維周囲に鞘繊維を捲回させた複合糸を券回させるためのボビン、を含む撚糸機であって、
さらに前記芯繊維束及び鞘繊維束と前記撚糸機構との間に、芯繊維及び鞘繊維を別々に通過させる穴を有したガイドであって、前記鞘繊維を通過させる穴の位置が、芯繊維を通過させる穴を中心とした仮想円上にあるガイドを含む、撚糸機、
[3]さらに、前記芯繊維を搬送するローラーと、鞘繊維を搬送するローラーとを含み、それぞれのローラーが個別に回転する、[1]又は[2]に記載の撚糸機、
[4]前記少なくとも2つのガイドが、前記少なくとも2つのガイドにより調整される少なくとも芯繊維の軸線をボビンの中心軸線延長上に配置する位置にある、[1]に記載の撚糸機、
[5]前記少なくとも2つのガイドのうち、撚糸機構側に備えられたガイドが、芯繊維及び鞘繊維を別々に通過させる穴を有したガイドであって、前記鞘繊維を通過させる穴の位置が、芯繊維を通過させる穴を中心とした仮想円上にある、[1]に記載の撚糸機、並びに
[6][1]~[5]のいずれかに記載する撚糸機を用いた、芯鞘構造を有する複合糸の製造方法、
に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の撚糸機及び前記撚糸機を用いた製造方法により、芯糸の周囲にできるだけ小さい隙間を空けて、好ましくは隙間無く鞘糸が捲回されるため、より品質の高い芯鞘構造の複合糸が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の撚糸機を示す斜視図である。
図1とは別の形態の撚糸機を示す斜視図である。
(A)図1の撚糸機におけるガイド、撚糸機構及びボビンの部分を右方向から見た側面図及び(B)正面図である。
(A)図3のボビンの角度を変更した場合の右側面図及び(B)正面図である。
(A)ガイドの正面図、(B)(A)のガイドの側面図、(C)(A)とは異なるガイドの正面図及び(D)(C)の側面図である。
(A)ガイドの正面図、(B)(A)のガイドの側面図、(C)(A)とは異なるガイドの平面図、(D)(C)におけるA-B断面図、(E)(A)及び(C)とは異なるガイドの平面図、(F)(A)、(C)及び(E)とは異なるガイドの平面図及び(G)(F)のガイドの側面図である。
図1及び図2とは別の形態の撚糸機を示す斜視図である。
図1、2及び7とは別の形態の撚糸機を示す斜視図である。
図1の撚糸機により糸が撚糸される際の状況を説明するための、ガイド付近の拡大模式図である。
図8の撚糸機により糸が撚糸される際の状況を説明するための、ガイド付近の拡大模式図である。
従来の方法により得られた芯鞘構造を有する複合糸の拡大写真である(一部色調補正済)。
本発明の方法により得られた撚芯鞘構造を有する複合糸の拡大写真である(一部鞘繊維の捲回が解かれている)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態及び態様に限定されず、本発明の技術的範囲内で種々の変更が可能であることは言うまでもない。また、文中における「上下」、「前後」及び「左右」は、各図面に記載の方向を意味する。
【0009】
1.撚糸機
前記の通り、本発明の撚糸機1は、芯繊維を供給する少なくとも1つの芯繊維束2、鞘繊維を供給する少なくとも1つの鞘繊維束3、トラベラー又はフライヤーを含む撚糸機構4、及び前記撚糸機構4により芯繊維周囲に鞘繊維を捲回させた複合糸を券回させるためのボビン5、を含む撚糸機であって、前記芯繊維束2及び鞘繊維束3と前記撚糸機構4との間に、少なくとも前記芯繊維束2から供給される芯繊維の進行方向を前記ボビン5の中心軸線方向と略同一に調整する少なくとも2つのガイド6を含んでいる撚糸機である。また、本発明の撚糸機1は、芯繊維を供給する少なくとも1つの芯繊維束2、鞘繊維を供給する少なくとも1つの鞘繊維束3、トラベラー又はフライヤーを含む撚糸機構4、及び前記撚糸機構4により芯繊維周囲に鞘繊維を捲回させた複合糸を券回させるためのボビン5、を含む撚糸機であって、前記芯繊維束2及び鞘繊維束3と前記撚糸機構4との間に、芯繊維及び鞘繊維を別々に通過させる穴を有したガイド6であって、前記鞘繊維を通過させる穴の位置が、芯繊維を通過させる穴を中心とした仮想円上にあるガイド6を含む撚糸機である。以下に、図面等に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の撚糸機1の具体的形態例として、トラベラーを含んだ撚糸機構4を含むリング撚糸機としての一形態を示している。図1の撚糸機1において、芯繊維CFを供給する芯繊維束2が1つ備えられている。なお、芯繊維束2は、必要に応じて2以上備えることができる。例えば、同種類の芯繊維CFを2本以上束ねる場合や、異なる種類の芯繊維CFを2種類以上束ねて使用する場合に、これら使用される芯繊維CFの数に応じて芯繊維束2の数を増やすことができる。なお、芯繊維束2の具体的な形態として、芯繊維CFを巻回させたボビンや芯繊維CFを巻き上げたコーン等が挙げられる。また、芯繊維束2に巻回される繊維は、短繊維であっても良いし、長繊維であっても良い。これらの繊維は原糸(撚糸前の繊維の状態)であっても良いし、撚糸後の糸であっても良い。
(【0011】以降は省略されています)

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