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公開番号
2025015437
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-30
出願番号
2024098169
出願日
2024-06-18
発明の名称
高度不飽和脂肪酸含有乳化製剤
出願人
横浜油脂工業株式会社
代理人
弁理士法人 もえぎ特許事務所
主分類
C11B
5/00 20060101AFI20250123BHJP(動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく)
要約
【課題】水溶性が良好で、常温での流通及び保管が可能な高度不飽和脂肪酸含有乳化製剤
及びその製造方法を提供する。
【解決手段】(A)高度不飽和脂肪酸を含む油脂と、(B)(b1)フェノール性水素を
有する油溶性のラジカル捕捉型酸化防止剤及び/又は(b2)酸化-還元型を示す油溶性
の酸化防止剤と、(C)(c1)フェノール性水素を有する水溶性のラジカル捕捉型酸化
防止剤及び/又は(c2)酸化-還元型を示す水溶性の酸化防止剤と、を含有し、水に対
して良好な溶解性を示す乳化製剤であって、(A)の含有量が5質量%~60質量%、(
B)及び(C)の合計含有量が0.01質量%~10質量%、(B)/(C)の比率が0
.2~5であり、乳化粒子径が150nm以下である高度不飽和脂肪酸含有乳化製剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)高度不飽和脂肪酸を含む油脂と、
(B)(b1)フェノール性水素を有する油溶性のラジカル補足型酸化防止剤及び/又
は(b2)酸化-還元型を示す油溶性の酸化防止剤と、
(C)(c1)フェノール性水素を有する水溶性のラジカル補足型酸化防止剤及び/又
は(c2)酸化-還元型を示す水溶性の酸化防止剤と、を含有し、
水に対して良好な溶解性を示す乳化製剤であって、
前記(A)の含有量が5質量%~60質量%、
前記(B)及び前記(C)の合計含有量が0.01質量%~10質量%、
前記(B)/前記(C)の比率が0.2~5であり、
乳化粒子径が150nm以下である高度不飽和脂肪酸含有乳化製剤。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記(b1)がトコフェロール、没食子酸脂肪酸エステル、BHA、BHTのうちの1
種又は2種以上であり、
前記(b2)がアスコルビン酸脂肪酸エステル、ユビキノンのうちの1種又は2種以上
であり、
前記(c1)が茶カテキン、アントシアニン、クロロゲン酸のうちの1種又は2種以上
であり、
前記(c2)がアスコルビン酸及びその金属塩、エリソルビン酸及びその金属塩のうち
の1種又は2種以上である請求項1に記載の高度不飽和脂肪酸含有乳化製剤。
【請求項3】
前記(A)の高度不飽和脂肪酸が、DHA、EPA、α-リノレン酸のいずれかを含む
請求項1又は2に記載の高度不飽和脂肪酸含有乳化製剤。
【請求項4】
40℃に保存した前記高度不飽和脂肪酸含有乳化製剤から油分を抽出し、基準油脂分析
法の電位差滴定法により過酸化物価(POV)を測定したときの、POV30に到達する
までの日数が90日以上である請求項1又は2に記載の高度不飽和脂肪酸含有乳化製剤。
【請求項5】
下記(A)、(B)、(C)成分:
(A)高度不飽和脂肪酸を含む油脂、
(B)(b1)フェノール性水素を有する油溶性のラジカル補足型酸化防止剤及び/又
は(b2)酸化-還元型を示す油溶性の酸化防止剤、
(C)(c1)フェノール性水素を有する水溶性のラジカル補足型酸化防止剤及び/又
は(c2)酸化-還元型を示す水溶性の酸化防止剤、
を混合する工程を備える高度不飽和脂肪酸を含む油脂の製造方法であって、
前記(A)の含有量が5質量%~60質量%、
前記(B)及び前記(C)の合計含有量が0.01質量%~10質量%、
前記(B)/前記(C)の比率が0.2~5であり、
乳化粒子径を150nm以下に調整する工程をさらに備える高度不飽和脂肪酸含有乳化
製剤の製造方法。
【請求項6】
前記(b1)がトコフェロール、没食子酸脂肪酸エステル、BHA、BHTのうちの1
種又は2種以上であり、
前記(b2)がアスコルビン酸脂肪酸エステル、ユビキノンのうちの1種又は2種以上
であり、
前記(c1)が茶カテキン、アントシアニン、クロロゲン酸のうちの1種又は2種以上
であり、
前記(c2)がアスコルビン酸及びその金属塩、エリソルビン酸及びその金属塩のうち
の1種又は2種以上である請求項5に記載の高度不飽和脂肪酸含有乳化製剤の製造方法。
【請求項7】
前記(A)の高度不飽和脂肪酸が、DHA、EPA、α-リノレン酸のいずれかを含む
請求項5又は6に記載の高度不飽和脂肪酸含有乳化製剤の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高度不飽和脂肪酸を含む油脂類を酸化に対して安定的に水溶化し、水を含む
加工食品等に添加、配合することができる高度不飽和脂肪酸含有乳化製剤に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、アラキドン酸(A
RA)、α-リノレン酸、γ-リノレン酸等の高度不飽和脂肪酸は動脈硬化予防や脳機能の
活性化等の生体調節機能に関する報告が数多く有り、その生理機能が注目されている。こ
れらの高度不飽和脂肪酸は遊離脂肪酸の形態のみならずアルキルエステル、トリアシルグ
リセロール、リン脂質、糖脂質等種々の油脂形態で生体中に存在するが、一般的には魚油
やシソ油、アマニ油等の植物油といったトリアシルグリセロールの形態の油脂として供給
される。一方、飲料をはじめとする加工食品には多量の水分が含まれるため、油脂類はそ
のままの状態での配合は難しく、乳化・分散等の製剤加工が必要で、加工された油脂含有
製剤は乳液や粉末等の製剤形態が存在する。
【0003】
一方、高度不飽和脂肪酸は不飽和結合が多いため酸化に対して不安定であり、製剤加工
や保存中に酸化変性を受け、臭気劣化や着色等の品質低下が発生するとう問題を有する。
一般的に油脂の酸化防止にはトコフェロールやアスコルビン酸、ブチルヒドロキシアニソ
ール(BHA)やブチルヒドロキシトルエン(BHT)といった酸化防止剤の利用が一般
的ではあるが、不飽和結合が多い高度不飽和脂肪酸含有油脂への単純な添加では十分な効
果を得ることができず、さらに乳化物等の極性が異なる化合物の製剤の系では、均一系と
は異なる酸化防止作用を示すことも報告されている(非特許文献1)。
【0004】
高度不飽和脂肪酸を含む乳化製剤の安定化には、これまで種々の方法が報告されており
、例えば油脂と魚介エキスにトコフェロール、リン脂質、アスコルビン酸等を添加しポリ
グリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤で乳化する方法(特許文献1)、水相中にアスコル
ビン酸、エリソルビン酸等の水溶性抗酸化剤を添加し、油相中にゴマ油、アスコルビン酸
エステル、トコフェロール等の油溶性抗酸化剤含有成分を添加し乳化する方法(特許文献
2)、アスコルビン酸、カテキン等の酸化防止剤と多価アルコールを添加し、HLB10
以上のポリグリセリン脂肪酸エステルと蔗糖脂肪酸エステル、レシチンを用いて乳化物を
得る方法(特許文献3)などが開示されているが、いずれも抗酸化成分の種類や配合量の
バランスの面で酸化安定性が十分とは言えない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
W. Porte et al, J. Agric. Food Chem., 37, 615 (1989)
【特許文献】
【0006】
特開平5-86395号公報
特開平6-298642号公報
特開平7-227227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
高度不飽和脂肪酸又は高度不飽和脂肪酸を含有する油脂と、2種類のフェノール性水素
を有する油溶性のラジカル捕捉型酸化防止剤及び/又は2種類の酸化-還元型を示す油溶
性の酸化防止剤とを組み合わせ、適切な配合割合に調製することで、水を含む加工食品等
に対して安定的に配合しうる高度不飽和脂肪酸含有水溶性製剤が得られる技術も開示され
ている(特開2022―29516号公報)。
これにより、特許文献1~特許文献3に記載された高度不飽和脂肪酸含有水溶性製剤に
係る前記課題は、大幅に改善された。しかし、特開2022―29516号公報に係る高
度不飽和脂肪酸含有水溶性製剤は、冷蔵での流通及び保管が必要であり、酸化安定性が十
分であるとは言えなかった。そのため、常温での流通及び保管が可能な高度不飽和脂肪酸
含有乳化製剤が求められていた。
以上より、本発明の目的は、水溶性を示さず、さらに酸化安定性が低い高度不飽和脂肪
酸を含む油脂を安定的に水溶化し、水を含む加工食品等に対して安定的に配合することが
でき、常温での流通及び保管が可能な高度不飽和脂肪酸含有乳化製剤を提供することにあ
る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は以下の内容に関する。
[1](A)高度不飽和脂肪酸を含む油脂と、(B)(b1)フェノール性水素を有する油
溶性のラジカル捕捉型酸化防止剤及び/又は(b2)酸化-還元型を示す油溶性の酸化防
止剤と、(C)(c1)フェノール性水素を有する水溶性のラジカル捕捉型酸化防止剤及
び/又は(c2)酸化-還元型を示す水溶性の酸化防止剤と、を含有し、水に対して良好
な溶解性を示す乳化製剤であって、(A)の含有量が5質量%~60質量%、(B)及び
(C)の合計含有量が0.01質量%~10質量%、(B)/(C)の比率が0.2~5
であり、乳化粒子径が150nm以下である高度不飽和脂肪酸含有乳化製剤。
[2](b1)が、トコフェロール、没食子酸脂肪酸エステル、BHA、BHTのうちの1
種又は2種以上であり、(b2)が、アスコルビン酸脂肪酸エステル、ユビキノンのうち
の1種又は2種以上であり、(c1)が、茶カテキン、アントシアニン、クロロゲン酸の
うちの1種又は2種以上であり、(c2)が、アスコルビン酸及びその金属塩、エリソル
ビン酸及びその金属塩のうちの1種又は2種以上である[1]記載の高度不飽和脂肪酸含有
乳化製剤。
[3](A)の高度不飽和脂肪酸が、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン
酸(DHA)、α-リノレン酸のいずれかを含む[1]又は[2]に記載の高度不飽和脂肪酸
含有乳化製剤。
[4]40℃に保存した前記高度不飽和脂肪酸含有乳化製剤から油分を抽出し、基準油脂分
析法の電位差滴定法により過酸化物価(POV)を測定したときの、POV30に到達す
るまでの日数が90日以上である[1]又は[2]に記載の高度不飽和脂肪酸含有乳化製剤。
[5]下記(A)、(B)、(C)成分:(A)高度不飽和脂肪酸を含む油脂、(B)(b
1)フェノール性水素を有する油溶性のラジカル補足型酸化防止剤及び/又は(b2)酸
化-還元型を示す油溶性の酸化防止剤、(C)(c1)フェノール性水素を有する水溶性
のラジカル補足型酸化防止剤及び/又は(c2)酸化-還元型を示す水溶性の酸化防止剤
、を混合する工程を備える高度不飽和脂肪酸を含む油脂の製造方法であって、(A)の含
有量が5質量%~60質量%、(B)及び(C)の合計含有量が0.01質量%~10質
量%、(B)/(C)の比率が0.2~5であり、乳化粒子径を150nm以下に調整す
る工程をさらに備える高度不飽和脂肪酸含有乳化製剤の製造方法。
[6](b1)がトコフェロール、没食子酸脂肪酸エステル、BHA、BHTのうちの1種
又は2種以上であり、(b2)がアスコルビン酸脂肪酸エステル、ユビキノンのうちの1
種又は2種以上であり、(c1)が茶カテキン、アントシアニン、クロロゲン酸のうちの
1種又は2種以上であり、(c2)がアスコルビン酸及びその金属塩、エリソルビン酸及
びその金属塩のうちの1種又は2種以上である[5]に記載の高度不飽和脂肪酸含有乳化製
剤の製造方法。
[7](A)の高度不飽和脂肪酸がDHA、EPA、α-リノレン酸のいずれかを含む前記[
5]又は[6]に記載の高度不飽和脂肪酸含有乳化製剤の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、従来の高度不飽和脂肪酸含有水溶性製剤化技術と比較して酸化安定性や水を
含む加工食品中での配合安定性に優れており、水を含む加工食品分野において高度不飽和
脂肪酸を含有する油脂を効果的に添加、配合しうる。
また、従来は5℃程度で冷蔵流通、冷蔵保存をする必要があったが、本発明により得ら
れた高度不飽和脂肪酸含有乳化製剤は、従来よりも酸化安定性が向上することより、約2
0℃~25℃の常温流通、常温保存が可能になることが期待される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、実施形態を挙げて本発明の説明を行うが、本発明は以下の実施形態に限定され
るものではない。
(【0011】以降は省略されています)
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