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公開番号2024109521
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-14
出願番号2024003555
出願日2024-01-12
発明の名称エンジンの制御装置
出願人マツダ株式会社
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類F02D 41/04 20060101AFI20240806BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】多種燃料に対応させた希薄燃焼を実現する。
【解決手段】ECU10は、第1燃料の燃料性状を推定する筒内性状推定部106と、燃焼室17内における混合気のA/F及びG/Fと相関したパラメータを推定する相関量推定部107と、燃焼室17内における混合気の乱流燃焼速度を推定する燃焼速度推定部109と、相関量推定部107及び燃焼速度推定部109それぞれの推定結果に基づいて、アクチュエータに制御信号を出力する流動制御部(制御目標設定部105及び流動補正部110)と、を備える。流動制御部は、乱流燃焼速度が目標速度を下まわる場合、前記パラメータに対応したA/F又はG/Fがリーンになるほど、所定の標準燃料を用いた場合に比べて混合気のレイノルズ数Reをより大きくするとともに該混合気のカルロビッツ数Kaをより小さくするように、アクチュエータの制御目標を変更する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
複数種の燃料に対応させたエンジンの制御装置であって、
燃料タンクから燃焼室内に第1燃料を供給する燃料供給システムと、
前記エンジンに取り付けられ、燃料タンクから燃焼室内に供給される第1燃料により形成される混合気の流動を制御するアクチュエータと、
前記燃焼室内での燃焼に関する計測信号を出力する計測部と、
前記計測信号を受けると共に、前記燃焼室内における前記混合気の空気と前記第1燃料との重量比であるA/F、又は、前記燃焼室内における前記混合気の全ガスと前記第1燃料との重量比であるG/Fを理論空燃比よりもリーンにした状態で前記混合気を燃焼させるように、前記燃料供給システム及び前記アクチュエータに制御信号を出力する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記計測信号に基づいて、前記第1燃料の燃料性状を推定する筒内性状推定部と、
前記筒内性状推定部による推定結果に基づいて、前記燃焼室内における前記A/F及びG/Fと相関したパラメータを推定する相関量推定部と、
前記筒内性状推定部による推定結果に基づいて、前記燃焼室内における前記混合気の乱流燃焼速度を推定する燃焼速度推定部と、
前記相関量推定部及び前記燃焼速度推定部それぞれの推定結果に基づいて、前記アクチュエータに制御信号を出力する流動制御部と、を備え、
前記流動制御部は、前記乱流燃焼速度が目標速度を下まわる場合、前記パラメータに対応した前記A/F又はG/Fがリーンになるほど、前記混合気のレイノルズ数をより大きくするとともに該混合気のカルロビッツ数をより小さくするように、前記アクチュエータの制御目標を変更する
ことを特徴とするエンジンの制御装置。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
請求項1に記載されたエンジンの制御装置において、
前記制御目標は、
前記燃焼室を開閉する吸気弁の開弁時期と、
前記燃焼室内に前記第1燃料を噴射する燃料噴射弁の噴射時期と、の少なくとも一方により構成され、
前記流動制御部は、前記乱流燃焼速度が目標速度を下まわる場合、
前記開弁時期の変更に際しては、前記A/F又はG/Fがリーンになるほど、排気上死点よりも進角側の範囲内で該開弁時期を遅角させ、
前記噴射時期の変更に際しては、前記A/F又はG/Fがリーンになるほど該噴射時期を進角させる
ことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載されたエンジンの制御装置において、
前記燃料噴射弁の噴射圧力は、少なくとも前記レイノルズ数を増減させる第2の制御目標を構成し、
前記流動制御部は、前記乱流燃焼速度が目標速度を下まわる場合、前記制御目標の変更に加えて又は該制御目標の変更に代えて、前記A/F又はG/Fがリーンになるほど前記混合気のレイノルズ数をより大きくするように前記噴射圧力を高める
ことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載されたエンジンの制御装置において、
前記流動制御部は、前記乱流燃焼速度が目標速度を下まわる場合、前記開弁時期、前記噴射圧力及び前記噴射時期の優先順で、前記制御目標又は前記第2の制御目標の変更を実行する
ことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載されたエンジンの制御装置において、
前記パラメータは、前記燃焼室内における前記混合気の層流燃焼速度であり、
前記流動制御部は、前記制御目標を限界まで変更してもなお前記乱流燃焼速度が目標速度を下まわる場合には、前記燃焼室内における前記混合気の層流燃焼速度を高めるよう、前記燃焼室内での外部EGR量に対する内部EGR量の比率を上昇させる
ことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項6】
請求項1に記載されたエンジンの制御装置において、
前記パラメータは、前記燃焼室内における前記混合気の層流燃焼速度であり、
前記流動制御部は、前記制御目標を限界まで変更してもなお前記乱流燃焼速度が目標速度を下まわる場合には、前記燃焼室内における前記混合気の層流燃焼速度を高めるよう、前記燃焼室内に供給される空気の量及び燃料量の少なくとも一方を介して前記A/F又はG/Fを減少させる
ことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載されたエンジンの制御装置において、
前記計測部には、前記燃焼室内の筒内圧を検出する筒内圧センサが含まれ、
前記流動制御部は、前記筒内圧センサの検出結果を参照することで、前記乱流燃焼速度を前記目標速度に一致させるよう、前記乱流燃焼速度をフィードバック制御する
ことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項8】
請求項1に記載されたエンジンの制御装置において、
前記パラメータは、前記燃焼室内における前記混合気の層流燃焼速度であり、
前記燃焼速度推定部は、
式(B)-(D)に示すモデルに基づいて、前記層流燃焼速度に火炎伸張を考慮した局所燃焼速度を推定し、
前記局所燃焼速度と、式(A)及び(E)-(F)に示すモデルとに基づいて、前記乱流燃焼速度を推定する
ことを特徴とするエンジンの制御装置。
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ただし、式(A)-(F)において、S

が前記乱流燃焼速度であり、S


が火炎伸張を考慮した局所燃焼速度であり、S


が前記層流燃焼速度であり、Reが前記レイノルズ数であり、Kaが前記カルロビッツ数であり、Maがマークシュタイン数であり、ηがストークスパラメータであり、leが渦のスケールであり、u’が渦の強さであり、νが未燃混合気の動粘性係数である。
【請求項9】
請求項8に記載されたエンジンの制御装置において、
前記エンジンに取り付けられ、前記燃焼室内に活性種を供給する活性種供給装置と、
前記計測信号に基づいて、前記燃焼室内に生じた前記乱流燃焼速度を計測する燃焼速度計測部と、を備え、
前記制御部は、
前記エンジンの運転状態に応じて前記活性種供給装置に制御信号を入力することで、前記燃焼室内に活性種を供給し、
前記活性種供給装置によって活性種が供給されている場合、前記燃焼速度推定部による前記乱流燃焼速度の推定値を、前記燃焼速度計測部による前記乱流燃焼速度の計測値ぶ近づけるように、前記式(B)の右辺に対して乗算補正を行う
ことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項10】
請求項9に記載されたエンジンの制御装置において、
前記乗算補正における乗算項の絶対値は、前記燃焼室内への活性種の供給量が増えるにしたがって増加する
ことを特徴とするエンジンの制御装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、エンジンの制御装置に関する。
続きを表示(約 1,100 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、火花点火式の内燃機関の制御装置が開示されている。この制御装置は、圧縮行程において燃焼室内の混合気に自着火を生じさせるとともに、その自着火が生じる時期よりも後の所定の時期に点火プラグを点火させるように構成されている。
【0003】
前記特許文献1によると、従来の希薄燃焼では、初期火炎を形成できずに失火する場合があり、また、仮に初期火炎が形成されたとしても、その火炎伝播速度が遅くなって部分燃焼になり得る。これに対し、前記特許文献1に係る制御装置を用いることで、混合気をリーン状態とした場合であっても、その燃焼を安定させて熱効率を向上させることができる。
【0004】
特許文献2には、流動強化弁を備えた内燃機関の制御装置が開示されている。この制御装置は、吸入空気量、及び流動強化弁の動作状態等に基づいて筒内の乱れ強度の指標を演算するとともに、そうして演算した乱れ強度指標に基づいて点火時期を演算するように構成されている。
【0005】
前記特許文献2によると、乱れ強度に比例して乱流燃焼速度が増加する。そして、乱流燃焼速度の増加にしたがって、最大トルクを実現するための点火時期が遅角化する。そのため、前記特許文献2に係る制御装置を用いることで、筒内の乱流燃焼速度に対応した点火時期を実現することができる。
【0006】
また、前記特許文献2には、吸入空気量等に基づいて乱れ強度を直に演算する代わりに、レイノルズ数等、乱れ強度に関連した指標を演算し、その指標に基づいて点火時期を補正することも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2017-015038号公報
特開2012-062865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
種々の環境問題に対応するために、熱効率を高めることが考えられている。これを実現するための方策として、理論空燃比よりも空気過剰側で燃料を燃焼させる希薄燃焼(いわゆるA/Fリーン燃焼)が広く知られている。
【0009】
また、環境問題に対応するための別の方策として、カーボンニュートラル燃料等、いわゆる次世代燃料の使用も検討されている。しかし、現状では、次世代燃料の組成が一律に決まるとは言えず、例えば仕向地によって、燃料組成が異なる可能性がある。
【0010】
本願発明者らは、環境問題に対応したエンジンを提供すべく、どのような燃料を用いたとしても高い熱効率を実現することができるように、多種燃料に対応させた希薄燃焼の実現を模索した。
(【0011】以降は省略されています)

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