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公開番号2024076860
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-06
出願番号2022188661
出願日2022-11-25
発明の名称缶蓋用エンド及びその製造方法
出願人東洋製罐株式会社
代理人弁理士法人愛宕綜合特許事務所
主分類B65D 17/32 20060101AFI20240530BHJP(運搬;包装;貯蔵;薄板状または線条材料の取扱い)
要約【課題】スコアの強度が向上され、意図外の開口や開封時の内容物の噴出等が有効に防止されていると共に、スコア加工部内面の有機被覆のマイクロクラックの発生がなく耐食性にも優れたエンドを提供する。
【解決手段】破断可能なスコアが形成されているエンドにおいて、前記スコアが、スコアの幅方向の垂直断面において、下方に行くに従ってスコア幅が減少する対向する傾斜面と、前記傾斜面と曲面で連続する底面を有しており、前記底面の幅が、前記傾斜面の仮想延長線と、前記底面中心を通る仮想延長線により規定される仮想底面の幅の65%以下である部分を少なくとも一部に有することを特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
破断可能なスコアが形成されているエンドにおいて、
前記スコアが、スコアの幅方向の垂直断面において、下方に行くに従ってスコア幅が減少する対向する傾斜面と、前記傾斜面と曲面で連続する底面を有しており、前記底面の幅が、前記傾斜面の仮想延長線と、前記底面中心を通る仮想延長線により規定される仮想底面の幅の65%以下である部分を少なくとも一部に有することを特徴とするエンド。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記底面の中央には平坦部が形成され、該平坦部の幅が、前記仮想底面の幅の65%以下である請求項1記載のエンド。
【請求項3】
前記傾斜面の仮想延長線と、前記底面中心を通る仮想延長線により規定される幅が15~40μmである請求項1又は2記載のエンド。
【請求項4】
前記傾斜面により形成される角度が40~60度である請求項1又は2記載のエンド。
【請求項5】
前記エンドの非加工部の厚みが0.19~0.30mmである請求項4記載のエンド。
【請求項6】
使用済みアルミニウム製飲料缶のリサイクル材を含有する請求項1又は2記載のエンド。
【請求項7】
破断可能なスコアが形成されているエンドの製造方法において、
前記エンドへのスコアの形成に用いるスコア形成刃が、スコア形成刃の幅方向の垂直断面において、先端に行くに従って刃幅が減少する相対する傾斜側面及び該傾斜側面の下端に位置する先端部から成り、該先端部の両側が前記傾斜側面と曲面で連続しており、前記先端部の幅が、前記傾斜側面の仮想延長線と、前記先端部中心を通る仮想延長線により規定される仮想先端面の幅の65%以下である部分を少なくとも一部に有することを特徴とするエンドの製造方法。
【請求項8】
前記先端部の中央には平坦部が形成され、該平坦部の幅が、前記仮想先端面の幅の65%以下である請求項7記載のエンドの製造方法。
【請求項9】
前記傾斜側面の仮想延長線と、前記先端部中心を通る仮想延長線により規定される幅が15~40μmである請求項7又は8記載のエンドの製造方法。
【請求項10】
前記傾斜側面により形成される前記スコア形成刃の角度が40~60度である請求項7又は8記載のエンドの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食品用缶蓋に用いられる、開口形成のためのスコアが形成されたエンドに関するものであり、より詳細には、スコアの強度が向上され、意図外の開口や落下衝撃を受けた際の内容物の漏洩等が有効に防止されていると共に、耐食性にも優れたエンド及びその方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ビールや清涼飲料等の飲料や食品を充填するための缶として、アルミニウムやスチール等の金属から成る缶体にアルミニウム製缶蓋を取り付けて成る飲食品缶が広く使用されている。かかるアルミニウム製缶蓋は、一般に、エンドと、エンドに形成されたスコアを引裂き、スコアで区画された開口を形成するためのタブとから成っている。
缶蓋に利用される材料には、強度、成形性及び耐食性等が要求される。すなわちエンドには、炭酸飲料等を内容物とする陽圧缶の場合や、内容物の高温充填による温度低下により減圧となる陰圧缶の場合でも、缶蓋が変形しない優れた耐圧強度を有することや、スコアが意図せず破断することがない靭性が要求される。一方、タブは、開口を形成する際に折れや裂け等が生じない破断強度や靭性が要求される。
【0003】
このような問題を解決するものとして、下記特許文献1には、主スコアのうち前記缶蓋本体の最外周位置に配置される前記開口片先端と前記缶蓋本体の中心とを結ぶ線の前記主スコアとの二つの交点の中間位置を基準とし、前記開口片先端と相対する方向を0時とすると、前記補助スコアの残厚部と前記主スコアの残厚部との残厚差は、前記0時を含む局部領域が他の部分よりも大きく設定されている缶蓋が提案されており、この缶蓋においては、初期開封部の領域で主スコアと補助スコアの残厚差を設定することで、開缶初期の破断力を低下させることが可能であると共に、落下や振動などによって不用意な破断が防止できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-35850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、缶蓋はスコアの刃幅やスコア角度等のスコア加工部の断面形状によっても、落下衝撃や振動等を受けた場合に、スコアが意図外に破断して内容物の漏洩を生じる場合がある。
またスコア加工に際して、スコア加工部の裏側(エンド内面側)において有機被覆にマイクロクラックが発生しやすく、経時保管によりエンドに腐食が発生するという別の問題が生じるおそれもある。
【0006】
ところで、内容物を消費した飲料缶(Used Beverage Cans、以下「UBC」ということがある)は、ほぼ100%に近い割合で回収されて、アルミニウム製飲料缶においては、アルミニウム地金に再生されてリサイクルに使用される。缶体(缶ボディ)は、一般にMn含有量の多い3000系アルミニウム合金が用いられているが、缶蓋(エンド及びタブ)は、強度、成形性及び耐食性等の観点から、3000系アルミニウム合金よりも強度に優れるMg含有量の多い5000系アルミニウム合金が使用されている。
従って、UBCから成る再生アルミニウム合金は、アルミニウム製飲料缶全体の重量に占める割合が大きい3000系アルミニウム合金に近い組成となり、5000系アルミニウム合金に比してMn含有量が多く、Mg含有量が少ないことから、缶蓋への使用は難しく、缶蓋においては、新規アルミニウム地金を使用せざるを得なかった。しかしながら、新規アルミニウム地金の製造には、多量の電力が必要であり、それに伴う二酸化炭素の排出量も大きく環境負荷の観点から、缶蓋においてもリサイクル材を利用できることが要望されている。
【0007】
またエンドの成形に用いるアルミニウム合金に含まれる合金元素の量によっても、エンドのスコア強度は影響を受け、上述したように、UBCから成る再生アルミニウム合金を用いたMn量の多いアルミニウム合金においては、Al-Fe-Mn-Si系晶出物が増加することに起因して、特にエンドに形成されたスコアの強度が低下しやすい等の問題が生じやすい。
【0008】
従って本発明の目的は、汎用のアルミニウム合金を用いた場合はもちろん、UBCから成る再生アルミニウム合金を用いたMn量の多いアルミニウム合金を用いた場合でも、スコア強度が高く、落下衝撃や振動を受けた場合の意図外のスコアの破断が有効に防止されていると共に、スコア加工部裏面の有機被膜の損傷がないエンド及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、破断可能なスコアが形成されているエンドにおいて、前記スコアが、スコアの幅方向の垂直断面において、下方に行くに従ってスコア幅が減少する対向する傾斜面と、前記傾斜面と曲面を介して連続する底面を有しており、前記底面の幅が、前記傾斜面の仮想延長線と、前記底面中心を通る仮想延長線により規定される仮想底面の幅の65%以下である部分を少なくとも一部に有することを特徴とするエンドが提供される。
【0010】
本発明のエンドにおいては、
(1)前記底面の中央には平坦部が形成され、該平坦部の幅が、前記仮想底面の幅の65%以下であること、
(2)前記傾斜面の仮想延長線と、前記底面中心を通る仮想延長線により規定される幅が15~40μmであること、
(3)前記傾斜面により形成される角度が40~60度であること、
(4)前記エンドの非加工部の厚みが0.19~0.30mmであること、
(5)使用済みアルミニウム製飲料缶のリサイクル材を含有すること、
が好適である。
(【0011】以降は省略されています)

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