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公開番号
2025141197
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-29
出願番号
2024041022
出願日
2024-03-15
発明の名称
アルミニウム合金及びその製造方法
出願人
トヨタ自動車株式会社
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
C22C
21/02 20060101AFI20250919BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】本発明の目的の一つは、自然時効が抑制されたアルミニウム合金を提供することである。
【解決手段】本発明は、5.0~12.0質量%のSi、0.15~0.75質量%のMg、0.05~0.20質量%のFe、及び0.25~1.0質量%のMnを含み、残部が、Alと不純物とからなる、アルミニウム合金であって、Al-Si-Fe-Mn系化合物の析出物、及びMg-Si系化合物の析出物を少なくとも含み、TEMマッピングにより400nm×400nmの視野でSi、Mg、Fe又はMnを観測した場合に、Al-Si-Fe-Mn系化合物の析出物と、該Al-Si-Fe-Mn系化合物の析出物の一部を起点として延在するように形成されたMg-Si系化合物の析出物と、が観測される、アルミニウム合金である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
5.0~12.0質量%のSi、0.15~0.75質量%のMg、0.05~0.20質量%のFe、及び0.25~1.0質量%のMnを含み、残部がAlと不純物とからなる、アルミニウム合金であって、
Al-Si-Fe-Mn系化合物の析出物及びMg-Si系化合物の析出物を少なくとも含み、
TEMマッピングにより400nm×400nmの視野でSi、Mg、Fe又はMnを観測した場合に、Al-Si-Fe-Mn系化合物の析出物と、該Al-Si-Fe-Mn系化合物の析出物の一部を起点として延在するように形成されたMg-Si系化合物の析出物と、が観測される、アルミニウム合金。
続きを表示(約 680 文字)
【請求項2】
Al-Si-Fe-Mn系化合物の析出物は、TEMマッピングにおいて、Si、Fe及びMnの観測位置が一致していることにより観測され、
Mg-Si系化合物の析出物は、TEMマッピングにおいて、Si及びMgの観測位置が一致していることにより観測される、請求項1に記載のアルミニウム合金。
【請求項3】
観測された、Al-Si-Fe-Mn系化合物の析出物の形状及び該Al-Si-Fe-Mn系化合物の析出物の一部を起点として延在するように形成されたMg-Si系化合物の析出物の形状が、それぞれ針状又は棒状であり、10nm以上の長さを有する、請求項1に記載のアルミニウム合金。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のアルミニウム合金を製造する方法であって、
5.0~12.0質量%のSi、0.15~0.75質量%のMg、0.05~0.20質量%のFe、及び0.25~1.0質量%のMnを含み、残部がAlと不純物とからなる、アルミニウム合金の原料を準備する工程、
アルミニウム合金の原料を加熱して合金溶湯を調製する工程、
合金溶湯を鋳型に注湯する工程、及び
注湯した合金溶湯を冷却して凝固させる工程
を含み、
冷却して凝固させる工程は、合金溶湯を380~460℃の間において5分間以上保持する工程を含む、製造方法。
【請求項5】
冷却して凝固させる工程の後に、アルミニウム合金を熱処理する工程を含まない、請求項4に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム合金及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
自動車部品を軽量化することで、燃費を向上させ、消費電力を低減することができる。したがって、従来使用されていた鉄系材料をアルミニウム材料又はアルミニウム合金に置き換える検討がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、全体を100質量%としたときに、3.5質量%~7.5質量%のケイ素(Si)と、0.45質量%~0.8質量%のマグネシウム(Mg)と、0.05質量%~0.35質量%のクロム(Cr)と、を含み残部がアルミニウム(Al)と不可避不純物とからなることを特徴とする鋳造性及び加工性に優れた高強度アルミニウム合金が記載されている。
【0004】
特許文献2には、Al-Mg-Si系アルミニウム合金からなり、昇温速度20℃/分の示差走査熱量分析曲線において、150~230℃の温度範囲に1.0~5.0mW/gの高さaの吸熱ピークと、230~270℃の温度範囲に2つ以上の発熱ピークとを有し、当該発熱ピークの低温側のピーク高さb
1
と高温側のピーク高さb
2
の比b
1
/b
2
が0.80以下であることを特徴とするアルミニウム合金板が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-18875号公報
特開2017-14541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術では、鋳造後のアルミニウム合金に対し、溶体化熱処理及び/又は時効熱処理の追加の熱処理を施す。当該熱処理により、アルミニウム合金中にMg-Si系の析出物が析出される。当該析出物は、部品に必要な硬さを供したり、自然時効を抑制したりする。したがって、従来技術では、析出物によりアルミニウム合金の硬さを上げることで、高強度化をはかっている。
【0007】
一方で、前記熱処理工程には、部品に対して熱処理歪による変形を与え得ること、熱エネルギー消費のためコストが高くなり高CO
2
排出量につながり得ること、という課題がある。
【0008】
したがって、本発明の目的の一つは、自然時効が抑制されたアルミニウム合金を提供することである。さらに、本発明の目的の一つは、鋳造後に熱処理工程を行わなくても自然時効が抑制されるアルミニウム合金の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した。その結果、本発明者らは、Si、Mg、マンガン(Mn)、鉄(Fe)を含むアルミニウム合金材料の製造において、鋳造時の合金溶湯の冷却工程を制御することにより、自然時効が抑制されるアルミニウム合金を製造できることを見出し、本発明を完成した。本発明のアルミニウム合金では、鋳造時の合金溶湯の冷却工程の制御により、Al-Si-Fe-Mn系化合物の析出物を起点としてMg-Si系化合物が析出している。すなわち、Al-Si-Fe-Mn系化合物の析出物とMg-Si系化合物の析出物が接している。
【0010】
すなわち、本発明の態様例は以下の通りである。
(1) 5.0~12.0質量%のSi、0.15~0.75質量%のMg、0.05~0.20質量%のFe、及び0.25~1.0質量%のMnを含み、残部がAlと不純物とからなる、アルミニウム合金であって、
Al-Si-Fe-Mn系化合物の析出物及びMg-Si系化合物の析出物を少なくとも含み、
TEMマッピングにより400nm×400nmの視野でSi、Mg、Fe又はMnを観測した場合に、Al-Si-Fe-Mn系化合物の析出物と、該Al-Si-Fe-Mn系化合物の析出物の一部を起点として延在するように形成されたMg-Si系化合物の析出物と、が観測される、アルミニウム合金。
(2) Al-Si-Fe-Mn系化合物の析出物は、TEMマッピングにおいて、Si、Fe及びMnの観測位置が一致していることにより観測され、
Mg-Si系化合物の析出物は、TEMマッピングにおいて、Si及びMgの観測位置が一致していることにより観測される、(1)に記載のアルミニウム合金。
(3)
観測された、Al-Si-Fe-Mn系化合物の析出物の形状及び該Al-Si-Fe-Mn系化合物の析出物の一部を起点として延在するように形成されたMg-Si系化合物の析出物の形状が、それぞれ針状又は棒状であり、10nm以上の長さを有する、(1)又は(2)に記載のアルミニウム合金。
(4) (1)~(3)のいずれか1つに記載のアルミニウム合金を製造する方法であって、
5.0~12.0質量%のSi、0.15~0.75質量%のMg、0.05~0.20質量%のFe、及び0.25~1.0質量%のMnを含み、残部がAlと不純物とからなる、アルミニウム合金の原料を準備する工程、
アルミニウム合金の原料を加熱して合金溶湯を調製する工程、
合金溶湯を鋳型に注湯する工程、及び
注湯した合金溶湯を冷却して凝固させる工程
を含み、
冷却して凝固させる工程は、合金溶湯を380~460℃の間において5分間以上保持する工程を含む、製造方法。
(5) 冷却して凝固させる工程の後に、アルミニウム合金を熱処理する工程を含まない、(4)に記載の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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