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公開番号2025102471
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2023219934
出願日2023-12-26
発明の名称巻付糸を解舒して用いるためのカバリング糸
出願人クラレトレーディング株式会社,綾羽工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類D02G 3/38 20060101AFI20250701BHJP(糸;糸またはロープの機械的な仕上げ;整経またはビーム巻き取り)
要約【課題】巻付糸の解舒後に2段以上の十分な糸長差を発現する、巻付糸を解舒して用いるためのカバリング糸を提供すること。
【解決手段】芯糸と、その周囲に巻付けられた1本以上の巻付糸とを含んでなるカバリング糸であって、芯糸および巻付糸の破断強度は2cN/dtex以上であり、少なくとも最も外側の巻付糸は仮撚糸、または仮撚糸を含んでなる複合糸であり、芯糸の長さに対する少なくとも最も外側の巻付糸の長さの比は1.20~2.00であり、最も外側の巻付糸はトルクを有し、そのトルクと逆方向に巻付けられており、少なくとも最も外側の巻付糸の捲縮伸長率は10%以上である、巻付糸を解舒して用いるためのカバリング糸。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
芯糸と、その周囲に巻付けられた1本以上の巻付糸とを含んでなるカバリング糸であって、芯糸および巻付糸の破断強度は2cN/dtex以上であり、少なくとも最も外側の巻付糸は仮撚糸、または仮撚糸を含んでなる複合糸であり、芯糸の長さに対する少なくとも最も外側の巻付糸の長さの比は1.20~2.00であり、最も外側の巻付糸はトルクを有し、そのトルクと逆方向に巻付けられており、少なくとも最も外側の巻付糸の捲縮伸長率は10%以上である、巻付糸を解舒して用いるためのカバリング糸。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
芯糸の繊度は165dtex以上である、請求項1に記載のカバリング糸。
【請求項3】
巻付糸の繊度は165dtex以上である、請求項1に記載のカバリング糸。
【請求項4】
カバリング糸はシングルカバリング糸である、請求項1に記載のカバリング糸。
【請求項5】
カバリング糸はダブルカバリング糸であり、内側の巻付糸はトルクを有し、自身のトルクと逆方向に巻付けられている、請求項1に記載のカバリング糸。
【請求項6】
カバリング糸はダブルカバリング糸であり、内側の巻付糸はトルクを有し、自身のトルクと同じ方向に巻付けられている、請求項1に記載のカバリング糸。
【請求項7】
全ての巻付糸は、仮撚糸、または仮撚糸を含んでなる複合糸である、請求項1に記載のカバリング糸。
【請求項8】
内側の巻付糸と外側の巻付糸は、逆方向に巻付けられている、請求項5または6に記載のカバリング糸。
【請求項9】
カバリング糸がシングルカバリング糸の場合の巻付糸、またはカバリング糸がダブルカバリング糸の場合の内側の巻付糸に関し、芯糸の繊度D

、巻付糸の繊度D

、および巻付糸のカバリング数T

の関係は、下記式(I)~(III):
330dtex≦総繊度<1000dtexの場合、9000≦T
1
×(総繊度)
1/2
<12000 (I)
1000dtex≦総繊度<1350dtexの場合、9000≦T
1
×(総繊度)
1/2
<23500 (II)
1350dtex≦総繊度<1760dtexの場合、9000≦T
1
×(総繊度)
1/2
<30000 (III)
[式(I)~(III)において、総繊度はD
1
+D
2
であり、165dtex≦D
1
≦1100dtexであり、165dtex≦D
2
≦660dtexである]
のいずれかで表される、請求項1に記載のカバリング糸。
【請求項10】
カバリング糸がダブルカバリング糸の場合の外側の巻付糸に関し、芯糸の繊度D

、内側の巻付糸の繊度D

、外側の巻付糸の繊度D

、および外側の巻付糸のカバリング数T

の関係は、下記式(IV)~(VII):
495dtex≦総繊度<1100dtexの場合、8400≦T
2
×(総繊度)
1/2
<18700 (IV)
1100dtex<総繊度<1400dtexの場合、8400≦T
2
×(総繊度)
1/2
<22000 (V)
1400dtex<総繊度<1600dtexの場合、8400≦T
2
×(総繊度)
1/2
<26000 (VI)
1650dtex<総繊度<2420dtexの場合、8400≦T
2
×(総繊度)
1/2
<28500 (VII)
[式(IV)~(VII)において、総繊度はD
1
+D
2
+D
3
であり、165dtex≦D
1
≦1100dtexであり、165dtex≦D
2
≦660dtexであり、165dtex≦D
3
≦660dtexである]
のいずれかで表される、請求項1に記載のカバリング糸。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、巻付糸を解舒して用いるためのカバリング糸に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
ファウンデーション、ストッキング、スポーツウェアおよび水着等の伸縮性が要求される織物または編物を得るために弾性繊維が用いられている。そのような弾性繊維として、スパンデックス繊維とも称されているポリウレタン系弾性糸、および、該ポリウレタン系弾性糸の欠点(染色特性、機械的強度および耐摩耗特性)が解消された、弾性糸にポリアミド製の長繊維を巻付けることにより製造されたカバリング糸が使用されている。
【0003】
カバリング糸には、巻付け対象となる弾性繊維の性能を損なわないように、また、カバリング糸を製編織する場合の取扱い性を損ねないように、また、カバリング糸が使用された編織物に欠点が生じず、更には審美性が保持されるように、様々な工夫が施されてきた。
【0004】
例えば特許文献1では、弾性繊維からなる芯糸に、熱可塑性重合体の長繊維からなる2本の被覆用糸を巻付け方向を変えて二重に巻付けることによりダブルカバリング弾性糸を製造する方法において、内側巻付けの被覆用糸として、その巻付け方向と逆方向のトルクを有する非嵩高性のトルク・タイプ仮撚糸を用いることを特徴とする、ダブルカバリング弾性糸の製造方法が提案されている。
本発明者らの検討によると、特許文献1を含め、上記工夫のための提案を開示している先行技術文献では、カバリング糸を製造した後に、例えばカバリング糸を用いて製編織した後に、カバリング糸の巻付糸を解舒するということは想定されていない。
【0005】
他方、特許文献2では、少なくとも1種が無撚である糸条をオーバーフィードして得たカバリング糸を、パイル糸に用いてタフティングしてカットパイルとした後、開繊処理を施して2種以上の糸条で糸長差を出す事を特徴とする2段カットパイル製品の製造方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭61-201039号公報
特開2003-268652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、本発明者らの検討によると、特許文献2の製造方法では、無撚である糸条をオーバーフィードして得たカバリング糸(即ち、無撚スライバー)が使用されているので、開繊処理時に短繊維の脱落が激しく、また、2段カットパイル製品に遊び毛が残る。更に、同文献の製造方法では、2段の段差を有するカットパイル製品を製造できるが、短いカットパイルの長さに対する長いカットパイルの長さのバラツキが大きい。
【0008】
本発明の課題は、巻付糸の解舒後に2段以上の十分な糸長差を発現する、巻付糸を解舒して用いるためのカバリング糸を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らが鋭意検討した結果、特定の構造を有するカバリング糸によって上記課題を解決できることを見出した。
即ち、本発明は、以下の好適な実施形態を包含する。
[1]芯糸と、その周囲に巻付けられた1本以上の巻付糸とを含んでなるカバリング糸であって、芯糸および巻付糸の破断強度は2cN/dtex以上であり、少なくとも最も外側の巻付糸は仮撚糸、または仮撚糸を含んでなる複合糸であり、芯糸の長さに対する少なくとも最も外側の巻付糸の長さの比は1.20~2.00であり、最も外側の巻付糸はトルクを有し、そのトルクと逆方向に巻付けられており、少なくとも最も外側の巻付糸の捲縮伸長率は10%以上である、巻付糸を解舒して用いるためのカバリング糸。
[2]芯糸の繊度は165dtex以上である、[1]に記載のカバリング糸。
[3]巻付糸の繊度は165dtex以上である、[1]または[2]に記載のカバリング糸。
[4]カバリング糸はシングルカバリング糸である、[1]~[3]のいずれかに記載のカバリング糸。
[5]カバリング糸はダブルカバリング糸であり、内側の巻付糸はトルクを有し、自身のトルクと逆方向に巻付けられている、[1]~[3]のいずれかに記載のカバリング糸。
[6]カバリング糸はダブルカバリング糸であり、内側の巻付糸はトルクを有し、自身のトルクと同じ方向に巻付けられている、[1]~[3]のいずれかに記載のカバリング糸。
[7]全ての巻付糸は、仮撚糸、または仮撚糸を含んでなる複合糸である、[1]~[3]、[5]および[6]のいずれかに記載のカバリング糸。
[8]内側の巻付糸と外側の巻付糸は、逆方向に巻付けられている、[1]~[3]および[5]~[7]のいずれかに記載のカバリング糸。
[9]カバリング糸がシングルカバリング糸の場合の巻付糸、またはカバリング糸がダブルカバリング糸の場合の内側の巻付糸に関し、芯糸の繊度D

、巻付糸の繊度D

、および巻付糸のカバリング数T

の関係は、下記式(I)~(III):
330dtex≦総繊度<1000dtexの場合、9000≦T
1
×(総繊度)
1/2
<12000 (I)
1000dtex≦総繊度<1350dtexの場合、9000≦T
1
×(総繊度)
1/2
<23500 (II)
1350dtex≦総繊度<1760dtexの場合、9000≦T
1
×(総繊度)
1/2
<30000 (III)
[式(I)~(III)において、総繊度はD
1
+D
2
であり、165dtex≦D
1
≦1100dtexであり、165dtex≦D
2
≦660dtexである]
のいずれかで表される、[1]~[8]のいずれかに記載のカバリング糸。
[10]カバリング糸がダブルカバリング糸の場合の外側の巻付糸に関し、芯糸の繊度D

、内側の巻付糸の繊度D

、外側の巻付糸の繊度D

、および外側の巻付糸のカバリング数T

の関係は、下記式(IV)~(VII):
495dtex≦総繊度<1100dtexの場合、8400≦T
2
×(総繊度)
1/2
<18700 (IV)
1100dtex<総繊度<1400dtexの場合、8400≦T
2
×(総繊度)
1/2
<22000 (V)
1400dtex<総繊度<1600dtexの場合、8400≦T
2
×(総繊度)
1/2
<26000 (VI)
1650dtex<総繊度<2420dtexの場合、8400≦T
2
×(総繊度)
1/2
<28500 (VII)
[式(IV)~(VII)において、総繊度はD
1
+D
2
+D
3
であり、165dtex≦D
1
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、巻付糸の解舒後に2段以上の十分な糸長差を発現する、巻付糸を解舒して用いるためのカバリング糸を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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