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公開番号2025101778
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2023218766
出願日2023-12-26
発明の名称電池の気密性検査方法及び電池の気密性検査装置
出願人日産自動車株式会社,ルノーエス.ア.エス.,RENAULT S.A.S.
代理人個人,個人,個人
主分類H01M 10/48 20060101AFI20250701BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】全固体電池におけるシール性能(気密性)を検査するに当たって供給される水蒸気の分圧差を基に硫化水素ガスの漏出を把握して全固体電池の気密性を判定することが可能な電池の気密性検査方法及び電池の気密性検査装置を提供する。
【解決手段】硫化物系固体電解質を備える電池が収容される密閉容器の内部に水蒸気含有ガスを供給するステップ(ST1)と、水蒸気含有ガスに含まれる水蒸気濃度の情報を基に判定閾値を設定するステップ(ST2)と、電池に対して水蒸気含有ガスが供給されることで電池から発生する硫化水素ガスを検知するステップ(ST3)と、検知された硫化水素ガスに関する値と判定閾値とを比較するステップ(ST4)と、硫化水素ガスに関する値と判定閾値とを比較した結果に基づいて、電池の気密性を判定するステップ(ST5、ST6)と、を備える。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項１】
硫化物系固体電解質を備える電池が収容される密閉容器の内部に水蒸気含有ガスを供給するステップと、
前記水蒸気含有ガスに含まれる水蒸気濃度の情報を基に判定閾値を設定するステップと、
前記電池に対して前記水蒸気含有ガスが供給されることで前記電池から発生する硫化水素ガスを検知するステップと、
検知された前記硫化水素ガスに関する値と前記判定閾値とを比較するステップと、
前記硫化水素ガスに関する値と前記判定閾値とを比較した結果に基づいて、前記電池の気密性を判定するステップと、
を備えることを特徴とする電池の気密性検査方法。
続きを表示（約 1,000 文字）【請求項２】
前記水蒸気含有ガスに含まれる前記水蒸気濃度は、既知である場合、不知である場合のいずれの場合も含み、前記水蒸気濃度が不知である場合には、前記判定閾値を設定するステップの前に、前記水蒸気濃度を測定するステップが設けられることを特徴とする請求項１に記載の電池の気密性検査方法。
【請求項３】
前記判定閾値を設定するステップにおいて、前記判定閾値は、前記水蒸気濃度が設定閾値よりも低い場合には第１の判定閾値に、前記水蒸気濃度が前記設定閾値以上である場合には前記第１の判定閾値よりも高い値である第２の判定閾値に設定されることを特徴とする請求項１に記載の電池の気密性検査方法。
【請求項４】
前記判定閾値を設定するステップにおいて、前記水蒸気濃度の情報に加えて、前記密閉容器内の温度の情報を用いて前記判定閾値が設定されることを特徴とする請求項１に記載の電池の気密性検査方法。
【請求項５】
前記判定閾値を設定するステップにおいて、前記温度の情報が設定閾値よりも低い場合と前記温度の情報が前記設定閾値以上である場合とに分けた後に、それぞれの場合において、前記水蒸気濃度の情報に基づいて前記判定閾値が設定されることを特徴とする請求項４に記載の電池の気密性検査方法。
【請求項６】
前記判定閾値を設定するステップにおいて、前記温度の情報に加えてさらに、前記電池の諸元情報を用いて前記判定閾値が設定されることを特徴とする請求項４に記載の電池の気密性検査方法。
【請求項７】
前記判定閾値を設定するステップにおいて、前記諸元情報が設定閾値よりも低い場合と前記諸元情報が前記設定閾値以上である場合とに分けた後に、それぞれの場合において、前記水蒸気濃度の情報、前記温度の情報に基づいて前記判定閾値が設定されることを特徴とする請求項６に記載の電池の気密性検査方法。
【請求項８】
硫化物系固体電解質を備える電池を収容する密閉容器と、
前記密閉容器の内部に水蒸気含有ガスを供給する水蒸気含有ガス供給装置と、
前記電池に対して前記水蒸気含有ガスが供給されることで前記電池から発生する硫化水素ガスを検知する検知装置と、
前記密閉容器の内部に供給される前記水蒸気含有ガスの水蒸気濃度の情報を基に判定閾値を設定し、前記判定閾値と前記硫化水素ガスに関する値とを比較して、前記電池の気密性を判定する判定装置と、
を備えることを特徴とする電池の気密性検査装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明の実施の形態は、電池の気密性検査方法及び電池の気密性検査装置に関する。
続きを表示（約 1,800 文字）【背景技術】
【０００２】
特許文献１には、検査対象から漏出したガス状の検知対象物を検知することで、気密性検査を短時間で検査することができる気密性検査装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
国際公開第２０１２／１１７８８７号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ここで、上記特許文献１における気密性検査装置が検査の対象とする物は、液式のリチウムイオン電池である。当該液式のリチウムイオン電池の場合、液状の電解液成分が揮発・分解することで、電池外部にガスが漏出する。
【０００５】
しかしながら、例えば、固体電解質を備える全固体電池が検査対象である場合には、電解質の成分が揮発等することによってガスが発生する訳ではない。従って、気密性の検査を行うに当たって上記特許文献１に開示されているような方法を用いて、検査対象から漏出したガス状の検知対象物を検知することによる電池の気密性の検査方法を採用することはできない。
【０００６】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、全固体電池における気密性を検査するに当たって供給される水蒸気の分圧差を基に硫化水素ガスの漏出を把握して全固体電池の気密性を判定することが可能な電池の気密性検査方法及び電池の気密性検査装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
実施の形態における電池の気密性検査方法は、硫化物系固体電解質を備える電池が収容される密閉容器の内部に水蒸気含有ガスを供給するステップと、水蒸気含有ガスに含まれる水蒸気濃度の情報を基に判定閾値を設定するステップと、電池に対して水蒸気含有ガスが供給されることで電池から発生する硫化水素ガスを検知するステップと、検知された硫化水素ガスに関する値と判定閾値とを比較するステップと、硫化水素ガスに関する値と判定閾値とを比較した結果に基づいて、電池の気密性を判定するステップと、を備える。
【発明の効果】
【０００８】
本発明はこのような構成を採用したことから、全固体電池における気密性を検査するに当たって供給される水蒸気の分圧差を基に硫化水素ガスの漏出を把握して全固体電池の気密性を判定することが可能な電池の気密性検査方法及び電池の気密性検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
本発明の実施の形態における電池の気密性検査装置の内部構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態に係る電池の気密性検査装置における判定装置の内部構成を示すブロック図である。
検査対象である電池に水蒸気含有ガスを供給した場合において、水蒸気濃度と電池から漏出する硫化水素ガスとの関係を示す模式図である。
本発明の実施の形態において気密性を判定する際に水蒸気濃度を用いて閾値を設定することを説明する模式図である。
本発明の実施の形態に係る電池の気密性検査の流れを示すフローチャートである。
本発明の実施の形態における電池の気密性検査の流れにおいて、閾値を設定する処理の流れを示すフローチャートである。
本発明の実施の形態における電池の気密性検査の流れにおいて、閾値を設定する処理の別の流れを示すフローチャートである。
本発明の実施の形態における電池の気密性検査の流れにおいて、閾値を設定する処理のさらに別の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下に示す本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
（【００１１】以降は省略されています）

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