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公開番号
2025092761
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-19
出願番号
2025062298,2021172613
出願日
2025-04-04,2021-10-21
発明の名称
組成物
出願人
森永乳業株式会社
代理人
弁理士法人秀和特許事務所
主分類
A23L
33/15 20160101AFI20250612BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】HMO等のオリゴ糖の腸内細菌による資化を促進する技術を提供する。
【解決手段】トコフェロールをオリゴ糖の資化促進用組成物の有効成分とする。前記トコフェロールは、β-トコフェロール、γ-トコフェロール及びδ-トコフェロールからなる群から選択される一種又は二種以上を含む。資化されるオリゴ糖は、好ましくはヒトミルクオリゴ糖である。前記資化促進用組成物において、β-トコフェロールの含有量に対するδ-トコフェロールの含有量の質量比(δ/β)は好ましくは5以上であり、δ-トコフェロールの含有量に対するγ-トコフェロールの含有量の質量比(γ/δ)は好ましくは8.8以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
トコフェロールを含有する、オリゴ糖の資化促進用組成物であって、
前記トコフェロールが、β-トコフェロール、γ-トコフェロール及びδ-トコフェロールからなる群から選択される一種又は二種以上を含む組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、トコフェロールの新たな用途に関し、具体的にはオリゴ糖の資化促進用途に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、ヒトの初乳に含まれる多種類のオリゴ糖の総称であるヒトミルクオリゴ糖(以下、HMOとも記す)について、種々研究されている。ヒトミルクオリゴ糖は、初乳では、22~24g/L、常乳では、12~13g/L含まれると算出されており、母乳においてラクトース、脂質に次ぐ3番目の固形分である。ヒトミルクオリゴ糖は感染防御作用や免疫調節作用等を有することが知られている。また、ヒトミルクオリゴ糖は、腸内の様々な細菌に資化されることにより、宿主の健康に貢献すると考えられている(非特許文献1)。
HMO以外のオリゴ糖についても、腸内細菌に資化されこれを増殖させるプレバイオティクスとしての利用が盛んに研究されている。
オリゴ糖の腸内で資化されやすさを向上させることは、乳児を始めとするヒトの健康増強のために重要である。
【0003】
また、乳幼児用の栄養組成物に配合する成分としては、トコフェロールが注目されている。
特許文献1には、HMOの1つである2’-フコシルラクトースとα-トコフェロールとを含有する組成物が開示されており、かかる組成物が認知、学習、及び記憶の少なくとも1つを改善する作用を有することが記載されている。
なお、α-トコフェロール以外の他のトコフェロールのアイソフォームについては研究途上であり、十分な知見はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2016-86151号
【非特許文献】
【0005】
L. W. Chia et al., Microorganisms, 2020,8 (10), 1513
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、HMO等のオリゴ糖の腸内細菌による資化を促進する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、β-トコフェロール、γ-トコフェロール及びδ-トコフェロールからなる群から選択される一種又は二種以上が、ヒトミルクオリゴ糖等のオリゴ糖の腸内細菌による資化を促進させることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、トコフェロールを含有する、オリゴ糖の資化促進用組成物であって、前記トコフェロールが、β-トコフェロール、γ-トコフェロール及びδ-トコフェロールからなる群から選択される一種又は二種以上を含む組成物である。
本発明の組成物において、β-トコフェロールの含有量に対するδ-トコフェロールの
含有量の質量比(δ/β)は、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上である。
本発明の組成物において、δ-トコフェロールの含有量に対するγ-トコフェロールの含有量の質量比(γ/δ)は、好ましくは8.8以下であり、より好ましくは3.9以下である。
本発明の組成物のより好ましい用途は、糖残基の数が3個以上5個以下のオリゴ糖の資化促進用途である。また、本発明の組成物のより好ましい用途は、ヒトミルクオリゴ糖の資化促進用途である。かかる用途において、資化促進されるヒトミルクオリゴ糖は、好ましくはラクト-N-ネオテトラオース(LNnTとも記す)、2’-フコシルラクトース(2’-FLとも記す)、3’-シアリルラクトース(3’-SLとも記す)、6’-シアリルラクトース(6’-SLとも記す)、ジフコシルラクトース(DFL)、及び3-フコシルラクトース(3-FL)からなる群から選択される一種又は二種以上を含む。
本発明の組成物は、さらにヒトミルクオリゴ糖を含有してもよい。かかる態様において、ラクト-N-テトラオース(LNTとも記す)を含有し、2’-フコシルラクトースを含むヒトミルクオリゴ糖の資化促進用途とすることが好ましい。
本発明の組成物は、栄養組成物であることが好ましく、調製乳であることがより好ましい。
本発明の組成物は、ヒトミルクオリゴ糖を含有する組成物に添加して用いられる態様であってもよい。かかる態様において、前記ヒトミルクオリゴ糖を含有する組成物は母乳を好ましく挙げられる。
また、本発明の別の態様として、オリゴ糖とトコフェロールとを含有する栄養組成物であって、前記オリゴ糖がラクト-N-テトラオース及び2’-フコシルラクトースを含み、前記トコフェロールが、β-トコフェロール、γ-トコフェロール及びδ-トコフェロールからなる群から選択される一種又は二種以上を含む、栄養組成物(ただし、母乳を除く)が提供される。
また、本発明の別の態様として、オリゴ糖とトコフェロールとを含有する栄養組成物であって、前記オリゴ糖がフラクトオリゴ糖及び6’-シアリルラクトースを含み、前記トコフェロールが、β-トコフェロール、γ-トコフェロール及びδ-トコフェロールからなる群から選択される一種又は二種以上を含む、栄養組成物(ただし、母乳を除く)が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、HMO等のオリゴ糖の腸内細菌による資化を促進させることができる組成物が提供される。
かかる組成物は、飲食品や医薬品等の経口組成物の態様としたり、添加物等の態様で飲食品や医薬品に含有させたりすることができる。本発明の組成物を摂取することにより、腸内細菌叢の改善効果が得られ、摂食者、特に乳幼児の健康維持に役立つことが期待される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。
(【0011】以降は省略されています)
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