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公開番号2024036169
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-15
出願番号2022140930
出願日2022-09-05
発明の名称ガス処理システム
出願人トヨタ車体株式会社
代理人弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類F23G 7/06 20060101AFI20240308BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約【課題】 塗装乾燥炉から排出された排ガスを処理するときの熱エネルギーロス低減を図るのに有効なガス処理技術を提供しようとするものである。
【解決手段】 ガス処理システム101は、塗装後のワークWを乾燥処理する塗装乾燥炉10と、塗装乾燥炉10から排出された排ガスGaの一部Gbが戻される燃焼室21を有し、燃焼室21における燃焼処理で生成した乾燥用ガスGdを塗装乾燥炉10へ供給する燃焼装置20と、排ガスGaのうち燃焼室21に戻されなかった残ガスGcに含まれる臭気成分を除去する脱臭処理部30と、残ガスGcに含まれる窒素酸化物を除去する脱硝処理部40と、脱臭処理部30及び脱硝処理部40による処理で生成した回収ガスGfを燃焼室に送るガス戻し経路60と、を備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
塗装後のワークを乾燥処理する塗装乾燥炉と、
上記塗装乾燥炉から排出された排ガスの一部が戻される燃焼室を有し、上記燃焼室における燃焼処理で生成した乾燥用ガスを上記塗装乾燥炉へ供給する燃焼装置と、
上記排ガスのうち上記燃焼室に戻されなかった残ガスに含まれる臭気成分を除去する脱臭処理部と、
上記残ガスに含まれる窒素酸化物を除去する脱硝処理部と、
上記脱臭処理部及び上記脱硝処理部による処理で生成した脱臭・脱硝ガスを上記燃焼室と上記塗装乾燥炉の少なくとも一方に送るガス戻し経路と、
を備える、ガス処理システム。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
上記脱臭処理部と上記脱硝処理部を兼務する脱臭・脱硝装置を備え、
上記脱臭・脱硝装置は、上記残ガスを上記塗装乾燥炉よりも高温で燃焼処理する処理ユニットと、上記処理ユニット内に充填された還元触媒と、上記処理ユニット内に還元剤を注入する注入装置と、を有し、上記残ガスに含まれる臭気成分を除去する脱臭処理と、上記残ガスに含まれる窒素酸化物を除去する脱硝処理と、を上記処理ユニット内で並行して行うように構成されている、請求項1に記載のガス処理システム。
【請求項3】
上記脱臭・脱硝装置の処理ユニット内には、蓄熱体が設けられている、請求項2に記載のガス処理システム。
【請求項4】
上記ガス戻し経路には、補助脱硝装置が設けられており、
上記補助脱硝装置は、上記脱臭・脱硝装置で生成した脱臭・脱硝ガスを燃焼処理する処理ユニットと、上記処理ユニット内に充填された還元触媒と、上記処理ユニット内に還元剤を注入する注入装置と、を有する、請求項2に記載のガス処理システム。
【請求項5】
上記脱臭処理部は、上記残ガスを上記塗装乾燥炉よりも高温で燃焼処理する処理ユニットを有する脱臭装置であり、
上記脱硝処理部は、上記脱臭装置で生成した脱臭ガスを受け入れて燃焼処理する処理ユニットと、上記処理ユニット内に充填された還元触媒と、上記処理ユニット内に還元剤を注入する注入装置と、を有する脱硝装置である、請求項1に記載のガス処理システム。
【請求項6】
上記燃焼室に導入される外気を脱臭・脱硝ガスまたは脱臭ガスとの間の熱交換によって加熱する熱交換器を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のガス処理システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装乾燥炉から排出される排ガスを処理するガス処理システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、自動車ボディであるワークを塗装後に塗装乾燥炉で乾燥処理するガス処理システムが記載されている。このガス処理システムでは、加温装置の燃焼バーナーで生成した高温ガスが塗装乾燥炉に乾燥用として供給される一方で、塗装乾燥炉で発生した排ガスの大半を加温装置に戻すように構成されている。また、塗装乾燥炉から排出された排ガスは、サイクロン装置でヤニが分離された後に燃焼装置で燃焼処理されたのち、その全量が屋外排気されるように構成されている。
【0003】
塗装乾燥炉では、ワークの乾燥処理に伴って塗料に起因する揮発性有機化合物(VOC)やヤニなどが発生する。揮発性有機化合物は、乾燥によって臭気を伴う性質を有する臭気成分である。加温装置から塗装乾燥炉に供給される高温ガスには、燃焼時に生成した窒素酸化物が含まれている。なお、窒素酸化物は、燃焼装置における燃焼処理でガス中の臭気成分が分解されるときにおいても同様に生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-66638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、塗装乾燥炉で発生する排ガスを処理するこの種のガス処理技術においては、屋外排気量を極力抑えることにより熱エネルギー効率を高めることが課題とされている。引用文献1のガス処理システムの場合、燃焼装置から排出された高温ガスを塗装乾燥炉に戻すことができれば、熱エネルギーロスを低減するのに有効である。ところが、燃焼装置から排出された高温ガスには前述のように窒素酸化物が含まれており、この高温ガスをそのまま塗装乾燥炉に戻すと、塗装乾燥炉での窒素酸化物の濃度が高くなり、このことが要因で塗装品質に悪影響を及ぼすという問題が生じ得る。このため、塗装乾燥炉から排出された排ガスから臭気成分のみならず窒素酸化物をも除去することによって、熱エネルギーロスを低減することが可能になる。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、塗装乾燥炉から排出された排ガスを処理するときの熱エネルギーロス低減を図るのに有効なガス処理技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、
塗装後のワークを乾燥処理する塗装乾燥炉と、
上記塗装乾燥炉から排出された排ガスの一部が戻される燃焼室を有し、上記燃焼室における燃焼処理で生成した乾燥用ガスを上記塗装乾燥炉へ供給する燃焼装置と、
上記排ガスのうち上記燃焼室に戻されなかった残ガスに含まれる臭気成分を除去する脱臭処理部と、
上記残ガスに含まれる窒素酸化物を除去する脱硝処理部と、
上記脱臭処理部及び上記脱硝処理部による処理で生成した脱臭・脱硝ガスを上記燃焼室と上記塗装乾燥炉の少なくとも一方に送るガス戻し経路と、
を備える、ガス処理システム、
にある。
【発明の効果】
【0008】
上述の態様のガス処理システムにおいて、塗装後のワークを乾燥処理する塗装乾燥炉から排出された排ガスは、その一部が燃焼室に戻され、燃焼室に戻されなかった残ガスは脱臭処理部及び脱硝処理部で処理される。残ガスに含まれる臭気成分は脱臭処理部で除去され、残ガスに含まれる窒素酸化物は脱硝処理部で除去される。そして、脱臭処理部及び脱硝処理部による処理で生成した脱臭・脱硝ガスは、ガス戻し経路を通じて燃焼室と塗装乾燥炉の少なくとも一方に送られる。
【0009】
ここで、脱臭・脱硝ガス自体には窒素酸化物が殆ど含まれていない。このため、脱臭・脱硝ガスを燃焼室や塗装乾燥炉に送っても、塗装乾燥炉で窒素酸化物の濃度が塗装品質を低下させる程度まで高くなるのを防ぐことができる。したがって、脱臭・脱硝ガスを回収することで屋外排気量を減らすことができ、その分だけ熱エネルギーロスを低減することができる。
【0010】
以上のごとく、上述の態様によれば、塗装乾燥炉から排出された排ガスを処理するときの熱エネルギーロス低減を図るのに有効なガス処理技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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