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公開番号2025010100
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2024107451
出願日2024-07-03
発明の名称円筒状ボンド磁石、その製造方法およびその成形用金型
出願人日亜化学工業株式会社
代理人弁理士法人WisePlus
主分類H01F 41/02 20060101AFI20250109BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】磁束密度の波形がサイン波形またはサイン波形に近い円筒状ボンド磁石、その製造方法およびその成形用金型を提供する。
【解決手段】円筒状ボンド磁石の製造方法は、非磁性部材を含む内側金型部1と外側金型部2、第1配向用磁石3及び第2配向用磁石4を有し、第1配向用磁石3及び第2配向用磁石4が、所定方向において内側金型部1及び外側金型部2を挟むように配置された金型を準備する工程と、第1配向用磁石3と第2配向用磁石4による磁場を印加しつつ内側金型部の外面と外側金型部の内面の間にボンド磁石用樹脂組成物を充填、成形し、円筒状ボンド磁石を得る成形工程と、を含み、所定方向における一断面視において、第1配向用磁石3と第2配向用磁石4の外側金型部2の内面で規定される円に接する磁場方向の直線距離は、同様に内側金型部1の外面で規定される円の中心を通る磁場方向の直線距離よりも短い。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
(1)非磁性部材を含む内側金型部と、非磁性部材を含む外側金型部、第1配向用磁石、および第2配向用磁石を有する金型を準備する工程であって、
前記内側金型部は、所定方向における一断面視においてその形状が円となる外面を有し、
前記外側金型部は、前記内側金型部の外面と離れて位置した、前記所定方向における一断面視においてその形状が円となる内面を有し、
前記第1配向用磁石および前記第2配向用磁石は、前記所定方向において、前記内側金型部および前記外側金型部を挟むように配置された、金型を準備する工程と、
(2)前記第1配向用磁石と前記第2配向用磁石を用いて磁場を印加しつつ、前記内側金型部の外面と前記外側金型部の内面の間の領域にボンド磁石用樹脂組成物を充填し、成形することによって、円筒状ボンド磁石を得る成形工程と、
を含み、
前記所定方向における一断面視において、前記第1配向用磁石と前記第2配向用磁石の、前記外側金型部の内面で規定される円に接する磁場印加方向の直線距離は、前記第1配向用磁石と前記第2配向用磁石の、前記内側金型部の外面で規定される円の中心を通る磁場印加方向の直線距離よりも短い、円筒状ボンド磁石の製造方法。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
前記外側金型部は、前記所定方向における一断面視において、その形状が楕円である外面を有する請求項1に記載の円筒状ボンド磁石の製造方法。
【請求項3】
前記内側金型部の内側にさらに磁性部材を有する請求項1または2に記載の円筒状ボンド磁石の製造方法。
【請求項4】
前記第1配向用磁石および前記第2配向用磁石が電磁石である請求項1または2に記載の円筒状ボンド磁石の製造方法。
【請求項5】
異方性希土類磁性粉末および樹脂を含み、径方向に対して2極に配向しており、外周側の表面磁束密度の正弦波曲線に対する歪率が15%以下である円筒状ボンド磁石。
【請求項6】
前記樹脂が、熱可塑性樹脂である請求項5に記載の円筒状ボンド磁石。
【請求項7】
前記異方性希土類磁性粉末がSmFeN系磁性粉末である請求項5または6に記載の円筒状ボンド磁石。
【請求項8】
外周直径と内周直径との差が2mm以上10mm以下である請求項5または6に記載の円筒状ボンド磁石。
【請求項9】
外周直径が15mm以上50mm以下である請求項5または6に記載の円筒状ボンド磁石。
【請求項10】
非磁性部材を含む内側金型部、非磁性部材を含む外側金型部、第1配向用磁石、および第2配向用磁石を有する円筒状ボンド磁石の成形用金型であって、
前記内側金型部は、所定方向における一断面視においてその形状が円となる外面を有し、
前記外側金型部は、前記内側金型部の外面と離れて位置した、前記所定方向における一断面視においてその形状が円となる内面を有し、
前記第1配向用磁石および前記第2配向用磁石は、磁場配向時に前記所定方向に磁場が印加されるよう、前記内側金型部および前記外側金型部を挟むように配置されており、
前記所定方向における一断面視において、前記第1配向用磁石と前記第2配向用磁石の、前記外側金型部の内面で規定される円の接点を通る磁場印加方向の直線距離は、前記第1配向用磁石と前記第2配向用磁石の、前記内側金型部の外面で規定される円の中心を通る磁場印加方向の直線距離よりも短い、円筒状ボンド磁石の成形用金型。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、円筒状ボンド磁石、その製造方法およびその成形用金型に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
円筒状磁石において、磁極数が4極であり磁束密度がサイン波形となる円筒状磁石(特許文献1)や、磁極数が2極であり磁束密度が三角波に近い波形となる円筒状磁石(特許文献2)が知られていた。しかしながら、特に2極のサイン波形となる円筒状磁石を製造する場合、磁場配向時の磁場の波形と実際に得られる磁石の磁束密度の波形とが異なっている。このため、特許文献1および2の特許文献に記載の方法によっても、磁束密度がサイン波形に近い円筒状磁石を製造することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-212863号公報
特開2019-123126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、磁束密度がサイン波形またはサイン波形に近い円筒状ボンド磁石、その製造方法およびその成形用金型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様にかかる円筒状ボンド磁石の製造方法は、
(1)非磁性部材を含む内側金型部と、非磁性部材を含む外側金型部、第1配向用磁石、および第2配向用磁石を有する金型を準備する工程であって、
前記内側金型部は、所定方向における一断面視においてその形状が円となる外面を有し、
前記外側金型部は、前記内側金型部の外面と離れて位置した、前記所定方向における一断面視においてその形状が円となる内面を有し、
前記第1配向用磁石および前記第2配向用磁石は、前記所定方向において、前記内側金型部および前記外側金型部を挟むように配置された、金型を準備する工程と、
(2)前記第1配向用磁石と前記第2配向用磁石を用いて磁場を印加しつつ、前記内側金型部の外面と前記外側金型部の内面の間の領域にボンド磁石用樹脂組成物を充填し、成形することによって、円筒状ボンド磁石を得る成形工程と、
を含み、
前記所定方向における一断面視において、前記第1配向用磁石と前記第2配向用磁石の、前記外側金型部の内面で規定される円に接する磁場印加方向の直線距離は、前記第1配向用磁石と前記第2配向用磁石の、前記内側金型部の外面で規定される円の中心を通る磁場印加方向の直線距離よりも短いものである。
【0006】
本開示の一態様にかかる円筒状ボンド磁石は、異方性希土類磁性粉末および樹脂を含み、径方向に対して2極に配向しており、外周側の表面磁束密度の正弦波曲線に対する歪率が15%以下である円筒状ボンド磁石。
【0007】
本開示の一態様にかかる円筒状ボンド磁石の成形用金型は、
非磁性部材を含む内側金型部、非磁性部材を含む外側金型部、第1配向用磁石、および第2配向用磁石を有する円筒状ボンド磁石の成形用金型であって、
前記内側金型部は、所定方向における一断面視においてその形状が円となる外面を有し、
前記外側金型部は、前記内側金型部の外面と離れて位置した、前記所定方向における一断面視においてその形状が円となる内面を有し、
前記第1配向用磁石および前記第2配向用磁石は、磁場配向時に前記所定方向に磁場が印加されるよう、前記内側金型部および前記外側金型部を挟むように配置されており、
前記所定方向における一断面視において、前記第1配向用磁石と前記第2配向用磁石の、前記外側金型部の内面で規定される円の接点を通る磁場印加方向の直線距離は、前記第1配向用磁石と前記第2配向用磁石の、前記内側金型部の外面で規定される円の中心を通る磁場印加方向の直線距離よりも短いものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示の円筒状ボンド磁石の製造方法および円筒状ボンド磁石の成形用金型によれば、磁束密度の波形がサイン波形またはサイン波形に近い円筒状ボンド磁石を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例1で使用した円筒状ボンド磁石の成形用金型の断面図である。
実施例1で作製した円筒状ボンド磁石について、外周の表面磁束密度を角度に対してプロットした図である。
実施例1の円筒状ボンド磁石について、特定の領域ごとの磁化方向を示すイメージ図である。
実施例1で使用した円筒状ボンド磁石の成形用金型の成形品取出し時における型開き状態の断面図である。
実施例2において、配向磁場を角度に対してプロットした図である。
実施例2の円筒状ボンド磁石について、外周の表面磁束密度を角度に対してプロットした図である。
実施例3で使用した円筒状ボンド磁石の成形用金型の断面図である。
実施例3において、配向磁場を角度に対してプロットした図である。
実施例3の円筒状ボンド磁石について、外周の表面磁束密度を角度に対してプロットした図である。
実施例4で使用した円筒状ボンド磁石の成形用金型の断面図である。
実施例4において、配向磁場を角度に対してプロットした図である。
実施例4の円筒状ボンド磁石について、外周の表面磁束密度を角度に対してプロットした図である。
実施例4で使用した円筒状ボンド磁石の成形用金型の成形品取出し時における型開き状態の断面図である。
実施例5で使用した円筒状ボンド磁石の成形用金型の断面図である。
実施例5において、配向磁場を角度に対してプロットした図である。
実施例5の円筒状ボンド磁石について、外周の表面磁束密度を角度に対してプロットした図である。
実施例6で使用した円筒状ボンド磁石の成形用金型の断面図である。
実施例6において、配向磁場を角度に対してプロットした図である。
実施例6の円筒状ボンド磁石について、外周の表面磁束密度を角度に対してプロットした図である。
比較例1で使用した円筒状ボンド磁石の成形用金型の断面図である。
比較例1の円筒状ボンド磁石について、角度に対して外周の表面磁束密度をプロットした図である。
比較例1の円筒状ボンド磁石について、特定の領域ごとの磁化方向を示すイメージ図である。四角で囲った部分は、図7Bにおいて矢印で示した部位に該当する。
比較例2において、配向磁場を角度に対してプロットした図である。
比較例2の円筒状ボンド磁石について、角度に対して外周の表面磁束密度をプロットした図である。
比較例3で使用した円筒状ボンド磁石の成形用金型の断面図である。
比較例3において、配向磁場を角度に対してプロットした図である。
比較例3の円筒状ボンド磁石について、外周の表面磁束密度を角度に対してプロットした図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について詳述する。ただし、以下に示す実施形態は、本開示の技術思想を具体化するための一例であり、本開示を以下のものに限定するものではない。なお、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
(【0011】以降は省略されています)

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