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公開番号2024087190
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-01
出願番号2022201835
出願日2022-12-19
発明の名称燃料ガス供給装置
出願人三菱重工業株式会社
代理人SSIP弁理士法人
主分類F02C 7/26 20060101AFI20240624BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】ガスタービンの着火時や昇速時における各種燃料ノズルに対する燃料ガスの流量制御を簡易な構成で精度よく実施する。
【解決手段】本願はガスタービンの燃焼器に設けられた複数の燃料ノズルに対して燃料ガスを供給するための燃料ガス供給装置に関する。本装置は、各燃料ノズルに供給される燃料ガスの流量を調節するための複数の流量調節弁より上流側に設けられた遮断弁と、遮断弁をバイパスするように設けられたバイパスラインに設けられた遮断弁バイパス弁と、流量調節弁の上流側圧力を制御するための制御装置とを備える。通常運転時には、遮断弁を開くとともに遮断弁バイパス弁を閉じることにより、上流側圧力は燃料ガス供給源の供給圧力によって制御される。ガスタービンの着火時又は昇速時の少なくとも一方では、遮断弁を閉じるとともに遮断弁バイパス弁を開くことにより、上流側圧力は通常運転時に比べて低くなるように制御される。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
ガスタービンの燃焼器に設けられた複数の燃料ノズルに対して燃料ガスを供給するための燃料ガス供給装置であって、
燃料ガス供給源に接続された燃料ガス供給ラインを介して前記複数の燃料ノズルに前記燃料ガスをそれぞれ供給するための燃料ガス供給系統と、
前記燃料ガス供給ラインに設けられ、前記複数の燃料ノズルに対する前記燃料ガスの流量をそれぞれ調節するための複数の流量調節弁と、
前記燃料ガス供給ラインのうち前記複数の流量調節弁より上流側に設けられた遮断弁と、
前記燃料ガス供給ラインに対して前記遮断弁をバイパスするように設けられたバイパスラインと、
前記バイパスラインに設けられた遮断弁バイパス弁と、
前記燃料ガス供給ラインのうち前記複数の流量調節弁の上流側圧力を制御するための制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記ガスタービンが通常運転状態にある場合において、前記遮断弁を開くとともに、前記遮断弁バイパス弁を閉じることにより、前記上流側圧力を、前記燃料ガス供給源の供給圧力によって制御し、
前記ガスタービンの着火時又は昇速時の少なくとも一方を含む非通常運転状態において、前記遮断弁を閉じるとともに、前記遮断弁バイパス弁を開くことにより、前記上流側圧力を前記通常運転時に比べて低くなるように制御する、燃料ガス供給装置。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
前記遮断弁バイパス弁は、開度を調節可能な制御弁であり、
前記制御装置は、前記非通常運転状態において、前記通常運転状態に比べて、前記上流側圧力が低くなるように、前記遮断弁バイパス弁の開度を制御する、請求項1に記載の燃料ガス供給装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記複数の流量調節弁がチョーク流れ状態で動作するように、前記上流側圧力を制御する、請求項1又は2に記載の燃料ガス供給装置。
【請求項4】
前記燃料ガス供給系統は、前記燃料ガス供給ラインの下流側から前記複数の燃料ノズルに分岐する複数の燃料ガス分岐ラインを含み、
前記遮断弁は、前記燃料ガス供給ラインに設けられ、
前記複数の流量調節弁は、前記複数の分岐燃料ガス供給ラインにそれぞれ設けられる、請求項1又は2に記載の燃料ガス供給装置。
【請求項5】
前記遮断弁によって遮断された前記燃料ガス供給ラインの前記燃料ガスを外部に放出するための燃料ガス排出ラインと、
前記燃料ガス排出ラインに設けられたベント弁と、
を更に備え、
前記遮断弁、前記遮断弁バイパス弁、及び、前記ベント弁は、共通の制御空気供給系統から供給される制御空気によって作動可能な空気駆動弁である、請求項1又は2に記載の燃料ガス供給装置。
【請求項6】
前記遮断弁及び前記遮断弁バイパス弁は、前記制御空気の遮断時に閉状態になり、
前記ベント弁は、前記制御空気の遮断時に開状態になる、請求項5に記載の燃料ガス供給装置。
【請求項7】
前記空気供給系統は、
前記制御空気を供給するための制御空気供給ラインと、
前記制御空気供給ラインから分岐し、前記遮断弁、前記遮断弁バイパス弁、及び、前記ベント弁にそれぞれ接続される複数の制御空気分岐ラインと、
前記制御空気供給ラインに設けられた第1電磁弁と、
前記遮断弁に接続される前記制御空気分岐ラインに設けられた第2電磁弁と、
を備える、請求項6に記載の燃料ガス供給装置。
【請求項8】
前記第1電磁弁は励磁時に開状態となり、
前記第2電磁弁は励磁時に閉状態となる、請求項7に記載の燃料ガス供給装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ガスタービンの燃焼器に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
ガスタービンでは、燃焼器で燃料を燃焼して生成した燃焼ガスによって、タービンが駆動される。燃焼器には、燃料ガスを燃焼室に噴出するための燃料ノズルが設けられており、特に、NOx排出量の低減や燃焼安定性を目的として、複数種の燃料ノズルを備えるものが知られている。例えば特許文献1では、このような燃料ノズルとして、予混合燃焼用のメインノズルや拡散燃焼用のパイロットノズルに加えて、更なるNOx排出量の低減を目的とした予混合燃焼用のトップハットノズルを備える燃焼器を対象として、燃料ガスの供給制御に関する技術が開示されている。
【0003】
燃焼器に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給装置は、供給先である燃料ノズルが複数種類有る場合には、その種類ごとに、燃料ガスの供給量を独立して制御可能に構成されることがある。例えば特許文献1の構成では、各種燃料ノズルに燃料ガスを供給するための各供給系統には、燃料ガスの流れの上流側から順に、圧力調節弁と流量調節弁とがそれぞれ設けられる。圧力調節弁は、流量調節弁の上流側と下流側との差圧を一定に保つ機能を有する。これにより、流量調節弁は、当該差圧が一定の条件下で、流量調節弁が有する流量係数(Cv値)に基づく演算により得られた目標開度になるように開度制御を行うことで、非チョークフロー域における燃料ガスの流量調整が可能となっている。
【0004】
特許文献1に開示された燃料ガス供給装置の構成では、燃料ノズルの種類ごとに設けられた各供給系統に、油圧駆動弁である圧力調節弁及び流量調節弁がそれぞれ設けられる。油圧駆動弁は、制御弁や制御油系統等のコストが高い。そのため、油圧駆動弁に代えて空気駆動弁を用いることでコストダウンが考えられるが、空気駆動弁は油圧駆動弁に比べて応答性・位置決め精度が劣る。そのため、圧力調節弁に空気駆動弁を採用すると、流量調節弁の上流側圧力が振れてしまい、流量制御性が低下してしまうおそれがある。
【0005】
このような課題に対して特許文献2では、流量調節弁をチョークフロー域で作動させることで、燃料ノズルの種類ごとに設けられる各供給系統から圧力調節弁を省略して、弁数削減によるコストダウンが可能とされている。一般的に、圧縮性流体が流れる管路において上流側状態を固定して下流側圧力を次第に低下させると、はじめは非チョークフロー域にあるため下流側圧力の低下に従って、管路の流量は増加する。しかしながら、下流側圧力がある所定の圧力以下まで低下すると、流量が変化しなくなるチョークフロー域となる(すなわちチョークフロー域では、流量が下流側圧力に依存せず、上流側圧力のみに依存する)。
尚、チョークフロー域は、流量調節弁の上流側圧力Pinと下流側圧力Poutとが、以下の関係を満たす領域として定義される。
Pout≦Pin/2 (1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2007-77867号公報
国際公開第2013/105406号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献2では、流量調節弁をチョークフロー域で作動させることにより、流量調節弁の目標開度は上流側圧力と必要流量とを用いて算出することができるため、圧力調節弁を不要とすることで弁数を削減し、コストダウンを図ることができるとされている。このような構成は、燃料ガスの流量が十分に多い通常運転時が想定されているため、燃料ガスの流量が比較的少なくなるガスタービンの着火時や昇速時には、流量調節弁の流量係数(Cv値)が小さくなり、燃料ガスの流量制御の精度が低下するおそれがある。
【0008】
このような課題を解決するための一手法として、例えば、燃料ノズルの種類ごとに設けられた各供給系統の流量調節弁を流量係数が互いに異なる親弁及び小弁で構成し、燃料ガスの流量に応じて切り替えることが考えられる。この場合、燃料ガスの流量が比較的多い通常運転時には親弁を使用し、燃料ガスの流量が比較的少ない着火時や昇速時には子弁を使用することにより、各運転状態において流量調節弁の流量係数(Cv値)を程度に確保することができる。しかしながら、燃料ノズルの種類ごとに設けられる流量調節弁を、このような構成にすることは、やはり弁数の増加を招いてしまう。
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、ガスタービンの着火時や昇速時における各種燃料ノズルに対する燃料ガスの流量制御を簡易な構成で精度よく実施可能な燃料ガス供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の少なくとも一実施形態に係る燃料ガス供給装置は、上記課題を解決するために、
ガスタービンの燃焼器に設けられた複数の燃料ノズルに対して燃料ガスを供給するための燃料ガス供給装置であって、
燃料ガス供給源に接続された燃料ガス供給ラインを介して前記複数の燃料ノズルに前記燃料ガスをそれぞれ供給するための燃料ガス供給系統と、
前記燃料ガス供給ラインに設けられ、前記複数の燃料ノズルに対する前記燃料ガスの流量をそれぞれ調節するための複数の流量調節弁と、
前記燃料ガス供給ラインのうち前記複数の流量調節弁より上流側に設けられた遮断弁と、
前記燃料ガス供給ラインに対して前記遮断弁をバイパスするように設けられたバイパスラインと、
前記バイパスラインに設けられた遮断弁バイパス弁と、
前記燃料ガス供給ラインのうち前記複数の流量調節弁の上流側圧力を制御するための制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記ガスタービンが通常運転状態にある場合において、前記遮断弁を開くとともに、前記遮断弁バイパス弁を閉じることにより、前記上流側圧力を、前記燃料ガス供給源の供給圧力によって制御し、
前記ガスタービンの着火時又は昇速時の少なくとも一方を含む非通常運転状態において、前記遮断弁を閉じるとともに、前記遮断弁バイパス弁を開くことにより、前記上流側圧力を前記通常運転時に比べて低くなるように制御する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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