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公開番号2025040253
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-24
出願番号2023147059
出願日2023-09-11
発明の名称メタン発酵処理方法、及び、メタン発酵処理設備
出願人株式会社神鋼環境ソリューション
代理人個人
主分類C02F 11/04 20060101AFI20250314BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】構成の簡素化、及び、省エネルギー化を図りながら、メタン発酵槽に供給する有機性廃棄物の温度をメタン発酵処理の適温の温度範囲内に容易に調整する。
【解決手段】有機性廃棄物として、第1有機性廃棄物C1と、第1有機性廃棄物C1よりも難分解性の第2有機性廃棄物C2とを有し、第2有機性廃棄物C2を加熱する加熱工程と、第1有機性廃棄物C1については、加熱工程を経ていないものをメタン発酵槽32に供給し、第2有機性廃棄物C2については、加熱工程にて加熱されたものをメタン発酵槽32に供給する供給工程と、メタン発酵槽32に供給された有機性廃棄物を含むメタン発酵液を冷却する冷却工程とを行う
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
有機性廃棄物をメタン発酵槽にてメタン発酵処理してバイオガスを製造するメタン発酵処理方法において、
前記有機性廃棄物として、第1有機性廃棄物と、前記第1有機性廃棄物よりも難分解性の第2有機性廃棄物とを有し、
前記第2有機性廃棄物を加熱する加熱工程と、
前記第1有機性廃棄物については、前記加熱工程を経ていないものを前記メタン発酵槽に供給し、前記第2有機性廃棄物については、前記加熱工程にて加熱されたものを前記メタン発酵槽に供給する供給工程と、
前記メタン発酵槽に供給された有機性廃棄物を含むメタン発酵液を冷却する冷却工程とを行うメタン発酵処理方法。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記第1有機性廃棄物を前記メタン発酵槽に供給する第1供給経路と、前記第2有機性廃棄物を前記メタン発酵槽に供給する第2供給経路とが、別々に備えられている請求項1に記載のメタン発酵処理方法。
【請求項3】
前記供給工程として、前記加熱工程を経ていない前記第1有機性廃棄物と前記加熱工程にて加熱された前記第2有機性廃棄物とを混合させる混合工程と、前記混合工程にて混合された前記第1有機性廃棄物と前記第2有機性廃棄物との混合物を前記メタン発酵槽に供給する混合物供給工程とを行う請求項1に記載のメタン発酵処理方法。
【請求項4】
前記混合工程では、混合槽において、前記加熱工程を経ていない前記第1有機性廃棄物と前記加熱工程にて加熱された前記第2有機性廃棄物とを混合させ、
前記混合物供給工程では、前記第1有機性廃棄物と前記第2有機性廃棄物との混合物を、前記混合槽から前記メタン発酵槽に供給している請求項3に記載のメタン発酵処理方法。
【請求項5】
前記冷却工程での冷却要求量が過大となる冷却要求過大状態である場合には、前記加熱工程における前記第2有機性廃棄物の加熱量を低減側に調整する加熱量調整工程を行う請求項1~4の何れか1項に記載のメタン発酵処理方法。
【請求項6】
有機性廃棄物をメタン発酵槽にてメタン発酵処理してバイオガスを製造するメタン発酵処理設備において、
前記有機性廃棄物として、第1有機性廃棄物と、前記第1有機性廃棄物よりも難分解性の第2有機性廃棄物とを有し、
前記第2有機性廃棄物を加熱する加熱部と、
前記第1有機性廃棄物については、前記加熱部を経ていないものを前記メタン発酵槽に供給し、前記第2有機性廃棄物については、前記加熱部にて加熱されたものを前記メタン発酵槽に供給する供給部と、
前記メタン発酵槽に供給された有機性廃棄物を含むメタン発酵液を冷却する冷却部とが備えられているメタン発酵処理設備。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機性廃棄物をメタン発酵処理してバイオガスを製造するメタン発酵処理方法、及び、メタン発酵処理設備に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、排水処理で生じる汚泥やバイオマス等の有機性廃棄物の処分において、減容化・エネルギー化を目的としてメタン発酵(嫌気性発酵)が広く行われている。メタン発酵は、嫌気性条件下で有機性廃棄物を一定期間貯蔵することにより、嫌気性微生物の作用で有機性廃棄物が分解されメタンガスや二酸化炭素といったバイオガスを生成する技術であり、国内の廃棄物設備や排水処理設備で広く採用されている。
【0003】
メタン発酵を行うメタン発酵設備は、主として、有機性廃棄物を貯蔵してメタン発酵を行うメタン発酵槽と、メタン発酵槽内のメタン発酵液を攪拌する攪拌機と、メタン発酵液の加温を行う加温装置とが備えられている。
【0004】
バイオガスの回収効率を高めるため、メタン発酵の有機性廃棄物を加熱し可溶化してからメタン発酵処理を行う方法が行われている。メタン発酵の有機性廃棄物を加熱することにより、有機性廃棄物中の難分解性物質が可溶化されバイオガスの発生量が増加する。ただし、可溶化処理で高温となった有機性廃棄物をそのままメタン発酵槽に供給すると、有機性廃棄物の温度が高すぎてメタン発酵を行う微生物に悪影響を与えるおそれがある。
【0005】
そこで、従来、メタン発酵槽の有機性廃棄物を循環させる循環ラインと、その循環ラインにて循環される有機性廃棄物を加熱・冷却する温度制御手段とが備えられているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、熱可溶化のために加熱した有機性廃棄物を冷却せずにメタン発酵槽に供給するものもある(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2では、有機性廃棄物を、好気処理した後の余剰汚泥と初沈汚泥とに分け、余剰汚泥を熱可溶化のために加熱し、その加熱後の余剰汚泥と加熱していない初沈汚泥とを混合させてメタン発酵槽に供給している。余剰汚泥と初沈汚泥とは単に混合させるのではなく、加熱後の余剰汚泥と加熱していない初沈汚泥とを混ぜた場合に、メタン発酵処理の適温の温度範囲になるように、加熱する余剰汚泥の流量を調整している。これにより、メタン発酵処理では、加温する新たなエネルギーが不要となり、省エネルギー化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2006-150252号公報
特開2012-192351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1は、熱可溶化のために加熱後の有機性廃棄物を冷却することを前提構成とするのに対して、特許文献2は、熱可溶化のために加熱後の有機性廃棄物を冷却しないことを前提構成とするので、前提構成が異なる特許文献1と特許文献2とを組み合わせること自体が難しいものである。
【0009】
特許文献2では、メタン発酵処理では加温する新たなエネルギーが不要となるものの、加熱後の余剰汚泥と加熱しない初沈汚泥とを混ぜた場合に、メタン発酵処理の適温の温度範囲になるように、加熱する余剰汚泥の流量を調整する必要がある。しかしながら、この余剰汚泥の流量を調整すること自体が難しいものであり、そのために複雑な構成を追加しなければならず、構成の複雑化やコストアップを招くものとなる。しかも、余剰汚泥と初沈汚泥との混ざり具合等の混合状況や季節変動による初沈汚泥の温度変化によって、混ぜた汚泥の温度が変化することから、冷却等の温度調整を行うことなく、メタン発酵槽に供給する汚泥の温度を調整することが難しくなる。よって、混合状況や初沈汚泥の温度変化によっては、メタン発酵槽に供給される汚泥の温度が十分に温度低下しておらず、メタン発酵を行う微生物に悪影響を与えてしまい、メタン発酵処理を適切に行えなくなる可能性がある。
【0010】
それに対して、特許文献1では、循環ラインにて循環される有機性廃棄物を加熱・冷却できるので、まず、循環ラインにて有機性廃棄物を循環させてその有機性廃棄物を加熱することで、有機性廃棄物の熱可溶化を図ることができる。次に、加熱後の有機性廃棄物を循環ラインにて循環させてその加熱後の循環ラインにて冷却することで、メタン発酵を行う微生物に悪影響を与えることがない温度まで十分に温度低下させることができる。よって、特許文献1では、特許文献2と比べて、メタン発酵槽に供給する有機性廃棄物の温度を適温の温度範囲内に調整し易いものとなる。
(【0011】以降は省略されています)

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