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公開番号2024058245
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022165482
出願日2022-10-14
発明の名称潜在捲縮性ポリエステル複合糸および織編物
出願人ユニチカトレーディング株式会社
代理人
主分類D02G 3/34 20060101AFI20240418BHJP(糸;糸またはロープの機械的な仕上げ;整経またはビーム巻き取り)
要約【課題】ストレッチ性、ピーチタッチ調の風合い、撥水性を有するとともに、織編物に斜行が生じにくく、縫製時の取り扱い性にも優れた織編物を得ることが可能となる潜在捲縮性ポリエステル複合糸を提供する。
【解決手段】単繊維繊度が1.2~2.0dtexの無撚であるポリエステルコンジュゲート糸Aと、単繊維繊度が0.2~0.9dtexの仮撚糸であるポリエステルフィラメント糸Bとを含むポリエステル複合糸であって、前記ポリエステル複合糸のトルク(T/M)が5~30であり、かつ糸条長手方向に開繊部と交絡部が交互に存在する複合糸で、糸条長手方向に高さが0.3~1.0mmである開繊部を、糸条1mあたり120~160個有する潜在捲縮性ポリエステル複合糸。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
単繊維繊度が1.2~2.0dtexの無撚であるポリエステルコンジュゲート糸Aと、単繊維繊度が0.2~0.9dtexの仮撚糸であるポリエステルフィラメント糸Bとを含むポリエステル複合糸であって、前記ポリエステル複合糸のトルク(T/M)が5~30であり、かつ糸条長手方向に開繊部と交絡部が交互に存在する複合糸であって、糸条長手方向に高さが0.3~1.0mmである開繊部を、糸条1mあたり120~160個有する潜在捲縮性ポリエステル複合糸。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記ポリエステルコンジュゲート糸Aおよび前記ポリエステルフィラメント糸Bの質量比率が、(ポリエステルコンジュゲート糸A)/(ポリエステルフィラメント糸B)=20/80~80/20である、請求項1に記載の潜在捲縮性ポリエステル複合糸。
【請求項3】
前記ポリエステルコンジュゲート糸Aが、熱収縮性の異なる2種のポリエステル樹脂がサイドバイサイド型の形態で複合されている、請求項1または2に記載の潜在捲縮性ポリエステル複合糸。
【請求項4】
130℃で30分間湿熱水処理することにより、糸条長手方向に開繊部と交絡部が交互に存在し、高さが0.5~1.4mmである開繊部を、糸条1mあたり280~330個有する捲縮性ポリエステル複合糸となる、請求項1記載の潜在捲縮性ポリエステル複合糸。
【請求項5】
請求項1に記載の潜在捲縮性ポリエステル複合糸を含む、織編物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、製織または製編して加工した際に、ストレッチ性に優れ、ピーチタッチ調で風合いを良好にできる潜在捲縮性ポリエステル複合糸、およびその製造方法に関する。また、本発明は、当該ポリエステル複合糸を使用した生機、織編物に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、織編物に高いストレッチ性と優れた風合いを与えることができるポリエステル複合糸について種々検討されている。例えば特許文献1には、ポリエステルコンジュゲート糸と単繊維繊度の細いポリエステルフィラメント糸との複合糸で、コンジュゲート糸の延伸糸条と単繊維繊度の細いポリエステル未延伸糸条とを同時仮撚加工を施すことによって、ストレッチ性に優れ、ピーチタッチ調で風合いがよく、さらに撥水性にも優れるストレッチ性織編物が得られる潜在捲縮性ポリエステル仮撚複合糸が記載されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1で得られる潜在捲縮性ポリエステル仮撚複合糸は、熱水処理後に複合糸表面に飛び出すポリエステルコンジュゲート糸の量が多いものであったため、単繊維繊度の細いポリエステルフィラメント糸により形成される突出部の数が減少し、撥水性に改良の余地がある。また、製造工程において同時仮撚加工を施すため、ポリエステルコンジュゲート糸と単繊維繊度の細いポリエステルフィラメント糸はどちらも加撚された状態となり、得られる仮撚複合糸はトルクの大きいものであった。そのため、該仮撚複合糸を用いて製織や製編をした場合に得られる織編物は斜行を有するものとなりやすく、縫製時などの取り扱い性に劣るものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-186503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解決するものであり、十分なストレッチ性、ピーチタッチ調の風合い、撥水性を有するとともに、織編物に斜行が生じにくく、縫製時の取り扱い性にも優れた織編物を得ることが可能となる潜在捲縮性ポリエステル複合糸を提供することを技術的な課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、特定範囲の単繊維繊度を有する、無撚であるポリエステルコンジュゲート糸Aと、仮撚糸であるポリエステルフィラメント糸Bとを含むポリエステル複合糸とすることで、上記の課題を解決することができることを見出し、本発明に到達したものである。
【0007】
すなわち、本発明は、以下を要旨とするものである。
【0008】
(イ)単繊維繊度が1.2~2.0dtexの無撚であるポリエステルコンジュゲート糸Aと、単繊維繊度が0.2~0.9dtexの仮撚糸であるポリエステルフィラメント糸Bとを含むポリエステル複合糸であって、前記ポリエステル複合糸のトルク(T/M)が5~30であり、かつ糸条長手方向に開繊部と交絡部が交互に存在する複合糸であって、糸条長手方向に高さが0.3~1.0mmである開繊部を、糸条1mあたり120~160個有する潜在捲縮性ポリエステル複合糸。
(ロ)前記ポリエステルコンジュゲート糸Aおよび前記ポリエステルフィラメント糸Bの質量比率が、(ポリエステルコンジュゲート糸A)/(ポリエステルフィラメント糸B)=20/80~80/20である、(イ)の潜在捲縮性ポリエステル複合糸。
(ハ)前記ポリエステルコンジュゲート糸Aが、熱収縮性の異なる2種のポリエステル樹脂がサイドバイサイド型の形態で複合されている、(イ)または(ロ)の潜在捲縮性ポリエステル複合糸。
(ニ)130℃で30分間湿熱水処理することにより、糸条長手方向に開繊部と交絡部が交互に存在し、高さが0.5~1.4mmである開繊部を、糸条1mあたり280~330個有する捲縮性ポリエステル複合糸となる、(イ)の潜在捲縮性ポリエステル複合糸。
(ホ)(イ)の潜在捲縮性ポリエステル複合糸を含む、織編物。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、特定範囲の単繊維繊度を有する、無撚であるポリエステルコンジュゲート糸Aと、仮撚糸であるポリエステルフィラメント糸Bとを含むポリエステル複合糸であるため、熱水収縮処理をした際に、捲縮性能を有するポリエステルコンジュゲート糸Aが複合糸の中心部分に、ポリエステルフィラメント糸Bがその周りを覆うように配置されるような態様となり、ポリエステルフィラメント糸Bによって複合糸表面に形成される突出部の数が多くなるため、十分なストレッチ性に加え、撥水性にも優れるものとなる。また、トルクが小さいものであるため、製織や製編した際にも織編物に斜行が生じにくく、縫製などの際に取り扱い性に優れるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
ポリエステルコンジュゲート糸Aの複合形状の一実施態様であるサイドバイサイド型を示す横断面模式図である。
本発明の潜在捲縮性ポリエステル複合糸の製造方法の一例を示す、工程概略図である。
実施例1の潜在捲縮性ポリエステル複合糸を、顕微鏡を用いて撮影した写真である(倍率;20倍)。
実施例1の潜在捲縮性ポリエステル複合糸を130℃で30分間湿熱水処理したもの(捲縮性ポリエステル複合糸)を、顕微鏡を用いて撮影した写真である(倍率;20倍)。
比較例1のポリエステル複合糸の製造方法の一例を示す、工程概略図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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