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公開番号2024058678
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-26
出願番号2022161819
出願日2022-10-06
発明の名称再生補強繊維の製造方法
出願人株式会社ミライ化成
代理人個人,個人
主分類C08J 11/16 20060101AFI20240419BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】
溶媒法において繊維強化樹脂材料から効率的に補強繊維を回収することのできる、再生補強繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】
本発明再に係る生補強繊維の製造方法は、樹脂と補強繊維とを含む繊維強化樹脂材料を酸化剤および重合抑制剤を含む処理液により処理し、前記繊維強化樹脂材料の前記樹脂の少なくとも一部を前記処理液に溶解させる工程を有する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂と補強繊維とを含む繊維強化樹脂材料を酸化剤および重合抑制剤を含む処理液により処理し、前記繊維強化樹脂材料の前記樹脂の少なくとも一部を前記処理液に溶解させる工程を有する、再生補強繊維の製造方法。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記樹脂は、エポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の再生補強繊維の製造方法。
【請求項3】
前記エポキシ樹脂は、アミン硬化エポキシ樹脂を含む、請求項2に記載の再生補強繊維の製造方法。
【請求項4】
前記重合抑制剤は、亜硝酸塩および亜硝酸エステルからなる群から選択される1種以上を含む、請求項1に記載の再生補強繊維の製造方法。
【請求項5】
前記重合抑制剤は、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸エチルおよび亜硝酸アミルからなる群から選択される1種以上を含む、請求項1に記載の再生補強繊維の製造方法。
【請求項6】
前記処理液中における前記重合抑制剤の含有量が、0.20質量%以上5.0質量%以下である、請求項1に記載の再生補強繊維の製造方法。
【請求項7】
前記酸化剤は、酸化力を有する酸を含む、請求項1に記載の再生補強繊維の製造方法。
【請求項8】
前記酸化力を有する酸は、硝酸、硫酸と硝酸との混酸、硝酸と塩酸との混酸(王水)および過酸化水素と硫酸との混合溶液からなる群から選択される1種以上を含む、請求項7に記載の再生補強繊維の製造方法。
【請求項9】
さらに、前記工程に先立ち、前記繊維強化樹脂材料を酸を含む酸性溶液により処理する工程を有する、請求項1に記載の再生補強繊維の製造方法。
【請求項10】
前記酸は、硫酸、塩酸、リン酸および酢酸からなる群から選択される1種以上を含む、請求項9に記載の再生補強繊維の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、再生補強繊維の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
ガラス繊維等の繊維を強化材として用いた繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics;FRP)は、軽量、高強度、かつ高弾性の材料であり、小型船舶、自動車、鉄道車両等の部材に幅広く使用されている。また、更なる軽量化、高強度化、及び高弾性化を目的として、炭素繊維を強化材として用いた炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics;CFRP)が開発されており、航空機、自動車等の部材に使用されている。
【0003】
近年、使用済みの繊維強化プラスチックの廃棄量が増大傾向にあり、その再生利用技術の開発が検討されている。繊維強化プラスチックの補強繊維を回収する方法としては、主に、熱処理により樹脂成分を熱分解して除去し補強繊維を回収する熱分解法と、溶媒を用いて樹脂成分を溶解させて除去し補強繊維を回収する溶媒法とが挙げられる。このうち、溶媒法は、樹脂成分の回収が容易であり、資源リサイクルの観点から有利である。
【0004】
溶媒法としては、例えば、特許文献1、2において提案される方法が挙げられる。特許文献1には、炭素繊維複合材料を、酸性水溶液に浸漬して、炭素繊維複合材料の樹脂分の少なくとも一部を溶出して略繊維状物を得る工程、及び略繊維状物をアルカリ性水溶液に浸漬して、略繊維状物の樹脂分の少なくとも一部を溶出して繊維状物を得る工程を含む、炭素繊維の製造方法が提案されている。また、特許文献2には、リン酸を含有する溶解液を用いて、炭素繊維強化プラスチック材の母材を溶解する工程を備え、前記溶解液のリン酸濃度は、110質量%以上であり、前記溶解する工程は、前記溶解液の温度が200℃以上300℃以下で行われる炭素繊維回収方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-136932号公報
特開2020-50704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の溶媒法においては、樹脂成分を除去する効率が十分に高くなく、例えば特許文献1、2に記載される方法においては、溶媒を含む処理液の浸透を考慮して繊維強化樹脂材料を数センチ程度のチップ状に細かく裁断した上で樹脂成分を除去している。このように繊維強化樹脂材料を細かく裁断してしまうと、繊維強化樹脂材料から回収される再生補強繊維の長さが必然的に短くなり、回収前の繊維強化樹脂材料中に含まれる補強繊維の性能を維持することが困難となるとともに、回収される補強繊維の用途が、限定されてしまう。一方で、溶媒法により樹脂成分を効率除去するためには、高温等の過酷な条件で長時間処理することが要求される。
【0007】
したがって、本発明の目的は、溶媒法において繊維強化樹脂材料から効率的に補強繊維を回収することのできる、再生補強繊維の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、繊維強化樹脂材料から補強繊維の回収を検討する中で、溶媒法において、特定の化学構造を有するエポキシ樹脂が一旦分解した後に再重合する可能性を認識した。そして、溶媒法において酸化剤と共に重合抑制剤を用いることにより、比較的温和な条件下であっても樹脂成分が溶媒に効率よく溶解することを見出した。
そして、以上の知見に基づき、本発明者らはさらに検討を行い、本発明に至った。
【0009】
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1) 樹脂と補強繊維とを含む繊維強化樹脂材料を酸化剤および重合抑制剤を含む処理液により処理し、前記繊維強化樹脂材料の前記樹脂の少なくとも一部を前記処理液に溶解させる工程を有する、再生補強繊維の製造方法。
(2) 前記樹脂は、エポキシ樹脂を含む、(1)に記載の再生補強繊維の製造方法。
(3) 前記エポキシ樹脂は、アミン硬化エポキシ樹脂を含む、(1)または(2)に記載の再生補強繊維の製造方法。
(4) 前記重合抑制剤は、亜硝酸塩および亜硝酸エステルからなる群から選択される1種以上を含む、(1)~(3)のいずれか1項に記載の再生補強繊維の製造方法。
(5) 前記重合抑制剤は、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸エチルおよび亜硝酸アミルからなる群から選択される1種以上を含む、(1)~(4)のいずれか1項に記載の再生補強繊維の製造方法。
(6) 前記処理液中における前記重合抑制剤の含有量が、0.20質量%以上5.0質量%以下である、(1)~(5)のいずれか1項に記載の再生補強繊維の製造方法。
(7) 前記酸化剤は、酸化力を有する酸を含む、(1)~(6)のいずれか1項に記載の再生補強繊維の製造方法。
(8) 前記酸化力を有する酸は、硝酸、硫酸と硝酸との混酸、硝酸と塩酸との混酸(王水)および過酸化水素と硫酸との混合溶液からなる群から選択される1種以上を含む、(7)に記載の再生補強繊維の製造方法。
(9) さらに、前記工程に先立ち、前記繊維強化樹脂材料を酸を含む酸性溶液により処理する工程を有する、(1)~(8)のいずれか1項に記載の再生補強繊維の製造方法。
(10) 前記酸は、硫酸、塩酸、リン酸および酢酸からなる群から選択される1種以上を含む、(9)に記載の再生補強繊維の製造方法。
(11) 前記酸性溶液中における前記酸の濃度が、0.5mol/L以上である、(9)または(10)に記載の再生補強繊維の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
以上の構成により、溶媒法において繊維強化樹脂材料から効率的に補強繊維を回収することのできる、再生補強繊維の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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