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公開番号2024060545
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-02
出願番号2022167994
出願日2022-10-19
発明の名称成形体
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人
主分類C08L 101/00 20060101AFI20240424BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】
遮炎性と断熱性に優れた成形体を提供すること。
【解決手段】
(A)熱可塑性樹脂と、(B)リン系難燃剤と、(C)繊維を含む樹脂組成物からなる成形体であって、下記試験方法(イ)で得た成形体表面の温度曲線を多項式近似により平滑化して得られる平滑化曲線について、その2階微分から変曲点を得たとき、2つ目の変曲点を有する、成形体。
試験方法(イ):成形体の表面を火炎面が1200℃となるようにバーナーで接炎させ、接炎面と反対側の表面の温度を非接触式温度計で測定し、t=200秒までの経過時間に対する表面温度をプロットした曲線を得る。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
(A)熱可塑性樹脂と、(B)リン系難燃剤と、(C)繊維を含む樹脂組成物からなる成形体であって、下記試験方法(イ)で得た成形体表面の温度曲線を、多項式近似により平滑化して得られる平滑化曲線について、その2階微分から変曲点を得たとき、2つ目の変曲点を有する、成形体。
試験方法(イ):成形体の表面を火炎面が1200℃となるようにバーナーで接炎させ、接炎面と反対側の表面の温度を非接触式温度計で測定し、t=200秒までの経過時間に対する表面温度をプロットした曲線を得る。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記2つ目の変曲点は、t=40秒以降に存在する、請求項1に記載の成形体。
【請求項3】
前記2つ目の変曲点は、t=180秒以内に存在する、請求項1に記載の成形体。
【請求項4】
前記2つ目の変曲点は、400℃以下に存在する、請求項1に記載の成形体。
【請求項5】
前記2階微分により得られる平滑化曲線上の1つ目の変曲点と3つ目の変曲点を結んだ線分と平滑化曲線とで囲まれる領域の面積(X1)と、50℃における点と1つ目の変曲点とを結んだ線分と平滑化曲線とで囲まれる領域の面積(Y)の比(面積(X1)/面積(Y))が1.0以上である、請求項1に記載の成形体。
【請求項6】
前記2階微分により得られる平滑化曲線上の2つ目の変曲点と3つ目の変曲点を結んだ線分と平滑化曲線とで囲まれる領域の面積(X2)と、50℃における点と1つ目の変曲点とを結んだ線分と平滑化曲線とで囲まれる領域の面積(Y)の比(面積(X2)/面積(Y))が0.5以上である、請求項1に記載の成形体。
【請求項7】
前記樹脂組成物が、さらに(D)分散剤を含む、請求項1、4又は5に記載の成形体。
【請求項8】
前記(D)分散剤がα-オレフィンと不飽和カルボン酸との共重合体である、請求項7に記載の成形体。
【請求項9】
前記(B)リン系難燃剤がイントメッセント系難燃剤である、請求項1、4又は5に記載の成形体。
【請求項10】
前記(C)繊維が無機繊維である、請求項1、4又は5に記載の成形体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、成形体に関し、詳しくは遮炎性、断熱性に優れた成形体に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境対策の一環として電気自動車やハイブリット自動車の研究開発が進められており、航続距離の向上を目指した高エネルギー密度のバッテリー開発と軽量化が盛んに進められている。このような高エネルギー密度のバッテリーは不慮の事故により発火する恐れがあり、乗客への安全対策としてそのハウジング材は高い遮炎性が必要なため、鉄などの金属材料と耐火材が併用されている場合が多い。
しかしながら、金属材料は重くなる欠点があり、耐火材を併用する場合には加工性や部品点数増加によるコスト増が課題となっている。そこで、軽量化と遮炎性を両立する可能性を有する樹脂化が試みられている。
一方、現在、持続可能な社会に向け、二酸化炭素の抑制やリサイクル性が重要視されてきている。熱硬化系の材料は高い難燃性を有するものが多く、複合材としては一般的であるが、リサイクル性の面では熱可塑性の樹脂素材が有利となる。
【0003】
また、中国ではGB 38031-2020《電動自動車動力用バッテリーの安全要求》という安全規格が発表され、バッテリーの熱暴走の5分前に警告を発することが義務付けられているが、これは、バッテリーの発火後5分以上遮炎するハウジング材によっても達成できると考えられている。
【0004】
これらの課題に対し、例えば特許文献1では、炭素繊維強化ポリプロピレン樹脂に臭素系難燃剤や酸化アンチモン化合物を添加したものなどが提案されている。しかしながら、ここで使用される添加剤は生体残留性に問題がある。
これに対し、生体残留性に配慮して、ポリプロピレン系樹脂を難燃化する技術として、特許文献2には、ポリオレフィン系樹脂に(ポリ)リン酸塩化合物を含有させた難燃性ポリオレフィン系組成物が提案されている。
また、特許文献3には、ポリプロピレン樹脂にガラス長繊維とリン酸塩化合物を含有した難燃性樹脂組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-62189号公報
特開2013-119575号公報
特開2011-88970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、高エネルギー密度のバッテリーの軽量化と遮炎性を両立する可能性を有する樹脂化に対して、従来の技術では、不十分な点が多い。具体的には、高度な遮炎性と断熱性を有する成形体が求められている
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、遮炎性と断熱性に優れた成形体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、(A)熱可塑性樹脂と、(B)リン系難燃剤と、(C)繊維を含む樹脂組成物からなる成形体であって、特定の条件で得られる温度曲線上に特定の変曲点が存在する成形体によって、上記の課題を解決できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づき、完成したものである。すなわち、本発明は、以下の[1]~[17]を提供する。
【0009】
[1](A)熱可塑性樹脂と、(B)リン系難燃剤と、(C)繊維を含む樹脂組成物からなる成形体であって、下記試験方法(イ)で得た成形体表面の温度曲線を、多項式近似により平滑化して得られる平滑化曲線について、その2階微分から変曲点を得たとき、2つ目の変曲点を有する、成形体。
試験方法(イ):成形体の表面を火炎面が1200℃となるようにバーナーで接炎させ、接炎面と反対側の表面の温度を非接触式温度計で測定し、t=200秒までの経過時間に対する表面温度をプロットした曲線を得る。
[2]前記2つ目の変曲点は、t=40秒以降に存在する、上記[1]に記載の成形体。
[3]前記2つ目の変曲点は、t=180秒以内に存在する、上記[1]又は[2]に記載の成形体。
[4]前記2つ目の変曲点は、400℃以下に存在する、上記[1]~[3]のいずれかに記載の成形体。
[5]前記2階微分により得られる平滑化曲線上の1つ目の変曲点と3つ目の変曲点を結んだ線分と平滑化曲線とで囲まれる領域の面積(X1)と、50℃における点と1つ目の変曲点とを結んだ線分と平滑化曲線とで囲まれる領域の面積(Y)の比(面積(X1)/面積(Y))が1.0以上である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の成形体。
[6]前記2階微分により得られる平滑化曲線上の2つ目の変曲点と3つ目の変曲点を結んだ線分と平滑化曲線とで囲まれる領域の面積(X2)と、50℃における点と1つ目の変曲点とを結んだ線分と平滑化曲線とで囲まれる領域の面積(Y)の比(面積(X2)/面積(Y))が0.5以上である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の成形体。
[7]前記樹脂組成物が、さらに(D)分散剤を含む、上記[1]~[6]のいずれかに記載の成形体。
[8]前記(D)分散剤がα-オレフィンと不飽和カルボン酸との共重合体である、上記[7]に記載の成形体。
[9]前記(B)リン系難燃剤がイントメッセント系難燃剤である、上記[1]~[8]のいずれかに記載の成形体。
[10]前記(C)繊維が無機繊維である、上記[1]~[9]のいずれかに記載の成形体。
[11]前記無機繊維が、ガラス繊維、セラミック繊維、金属繊維及び金属酸化物繊維から選ばれる少なくとも1種である、上記[10]に記載の成形体。
[12]成形体が、前記樹脂組成物からなる樹脂層と、繊維からなる支持層を備えた積層体である、上記[1]~[11]のいずれかに記載の成形体。
[13]前記繊維からなる支持層が、不織布からなる不織布層、織布からなる織布層、又は編物からなる編物層である、上記[12]に記載の成形体。
[14]前記支持層を構成する繊維が無機繊維である、上記[12]又は[13]に記載の成形体。
[15]前記無機繊維が、ガラス繊維、セラミック繊維、金属繊維及び金属酸化物繊維から選ばれる少なくとも1種である、上記[14]に記載の成形体。
[16]前記(A)熱可塑性樹脂がポリプロピレン系樹脂であり、樹脂組成物中のポリプロピレン系樹脂の含有量が15~80質量%である、上記[1]~[15]のいずれかに記載の成形体。
[17]前記樹脂組成物中の(B)リン系難燃剤の含有量が1~40質量%である、上記[1]~[16]のいずれかに記載の成形体。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、遮炎性と断熱性に優れた成形体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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