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公開番号
2025024949
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-21
出願番号
2023129352
出願日
2023-08-08
発明の名称
複合紡績糸および織編物
出願人
ユニチカトレーディング株式会社
代理人
主分類
D02G
3/36 20060101AFI20250214BHJP(糸;糸またはロープの機械的な仕上げ;整経またはビーム巻き取り)
要約
【課題】ナイロン56短繊維および天然繊維またはセルロース系繊維を所定量以上含み、引張強力に優れ、抗ピリング性や帯電防止性に優れる織編物とできる複合紡績糸を提供する。
【解決手段】糸条長手方向に対して垂直な断面が島部と海部とを有する紡績糸であって、複合紡績糸における1つの海部に対して島部の数が2個以上であり、各島部を構成する繊維はナイロン56短繊維を40質量%以上含有し、海部を構成する繊維は天然繊維またはセルロース系繊維を50質量%以上含有し、紡績糸中におけるナイロン56短繊維の含有量が20質量%以上であり、かつ引張強さが230cN以上、伸び率が5~25%、3mm以上の毛羽数が40(個/10m)以下である複合紡績糸。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
糸条長手方向に対して垂直な断面が島部と海部とを有する複合紡績糸であって、複合紡績糸における1つの海部において島部の数が2個以上であり、
各島部を構成する繊維はナイロン56短繊維を40質量%以上含有し、前記海部を構成する繊維は、天然繊維またはセルロース系繊維を50質量%以上含有し、紡績糸中におけるナイロン56短繊維の含有量が20質量%以上であり、
かつ引張強さ230cN以上、伸び率が5~25%、
かつ、JIS-L-1095一般紡績糸試験方法における「毛羽」9.22.2B法に従って測定し3mm以上の毛羽数が40(個/10m)以下であることを特徴とする複合紡績糸。
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【請求項2】
複合紡績糸を筒編地としたときのタテ方承知向の摩擦帯電圧(摩擦布:羊毛)が800V以下であることを特徴とする請求項1に記載の複合紡績糸。
【請求項3】
前記海部が綿繊維を50質量%以上含有する請求項1または2に記載の複合紡績糸。
【請求項4】
請求項1に記載の複合紡績糸を含む織編物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸条長手方向に対して垂直な断面において1つの海部と2個以上の島部とを有する複合紡績糸であって、島部にナイロン56短繊維を含み、強力や抗ピリング性に優れ、帯電防止性にも優れる織編物を得ることができる複合紡績糸および該紡績糸より得られる織編物に関するものである。
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【背景技術】
【0002】
近年、SDGs(持続可能な開発目標)に向けた開発が進む中で、地球規模での環境に対する意識向上に伴い、石油資源の枯渇や石油資源の大量消費による地球温暖化の問題から、非石油由来の繊維素材の開発が望まれている。
【0003】
二酸化炭素を大気中から取り込み成長する植物資源を原料とすることで、二酸化炭素の循環により地球温暖化を抑制できることが期待できると共に、資源枯渇の問題も解決できる可能性がある。
このため近年では、バイオマス由来のプラスチックに注目が集まっており、例えば、ポリ乳酸などが知られているが、ポリアミドと比較して耐熱性、耐衝撃性、加水分解性などの諸特性に劣るものであり、使用用途が大きく制限される。
【0004】
ポリアミド繊維に関しては、ナイロン6、ナイロン66に代表されるポリアミド繊維はその優れた糸強度、吸湿性、耐摩耗性、深みのある染色性、高次加工のしやすさ等によって多くの衣料用途に使用されている。また、ポリアミド繊維は吸湿性を有するため、ポリエステル繊維と比べて着用時の摩擦等による静電気発生を抑えることができる。しかしながら、これら汎用のポリアミド繊維は石油原料を由来とした繊維である。そのため、一部もしくは全ての成分に非石油原料を由来とする成分を用いたポリアミドとして、ナイロン56、ナイロン11などが注目されている。
【0005】
ナイロン56を用いた繊維としては、特許文献1には、吸湿性ナイロン56短繊維からなる紡績糸が提案されている。特許文献1では、ナイロン56短繊維からなる紡績糸は、吸湿性が前記汎用ポリアミド繊維と比較してさらに高いことが示されているが、この紡績糸から得られた織編物の帯電防止性は綿などの天然繊維と比較すると不十分であり、肌着、中衣、スポーツ衣料などに使用すると、着用時の摩擦等による静電気発生を抑えることができなかった。
【0006】
一方、紡績糸の製造方法としては、芯鞘構造を有する複合紡績糸とする方法が知られているが(特許文献2、3)、芯部を鞘部のそれぞれに配する繊維の種類を種々選択することにより、各種の機能性を付与することができる。例えば、芯部には強度を担わせるために強度の高い繊維を配し、鞘部に肌触りのよい繊維を配することにより、実用的な強度を有しながら、肌触りの良好な紡績糸となる。しかしながら、異なる素材を配してなる芯鞘二層構造の紡績糸は、その構造上、芯部と鞘部との境界における繊維同士の結束力が劣る。すなわち、異なる素材同士が繊維の単位で混ざり合ってなる混紡糸と比べると、繊維同士の結束力が劣るのである。繊維同士の結束力が劣ると、毛羽が発生しやすい傾向にあり、また糸の引張強力や、該紡績糸を用いた生地の抗ピリング性等についても結束力不足によって低下する懸念がある。
【0007】
これを解決する方法として、フィラメントによりカバリングすることや、精紡時に撚数をアップすることや、双糸化すること等が挙げられる。しかしながら、これらの手法は、風合いや肌触りが硬くなる傾向にあり、風合いを維持したままで強力や抗ピリング性を向上させることは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2011-157639号
特公昭59-20774号
特公平5-85655号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような問題点を解決するものであり、ナイロン56短繊維と天然繊維またはセルロース系繊維との複合紡績糸であって、優れた引張強力を有し、また風合いや肌触りを損ねることなく糸の毛羽を抑え、抗ピリング性や帯電防止性に優れる織編物を得ることができる複合紡績糸、および該複合紡績糸を使用した織編物を提供することを技術的な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記の様な課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下(1)~(4)を要旨とするものである。
(1)糸条長手方向に対して垂直な断面が島部と海部とを有する複合紡績糸であって、複合紡績糸における1つの海部において島部の数が2個以上であり、各島部を構成する繊維はナイロン56短繊維を40質量%以上含有し、前記海部を構成する繊維は、天然繊維またはセルロース系繊維を50質量%以上含有し、紡績糸中におけるナイロン56短繊維の含有量が20質量%以上であり、かつ引張強さが230cN以上、伸び率が5~25%、かつ、JIS-L-1095一般紡績糸試験方法における「毛羽」9.22.2B法に従って測定した3mm以上の毛羽数が40(個/10m)以下であることを特徴とする複合紡績糸。
(2)複合紡績糸を筒編地としたときのタテ方向の摩擦帯電圧(摩擦布:羊毛)が800V以下であることを特徴とする(1)の複合紡績糸。
(3)前記海部が綿繊維を50質量%以上含有する(1)または(2)の複合紡績糸。
(4)(1)の複合紡績糸を含む織編物。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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