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公開番号2024058002
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022165077
出願日2022-10-13
発明の名称旋動式破砕機並びにその制御装置及び制御方法
出願人株式会社アーステクニカ
代理人弁理士法人有古特許事務所
主分類B02C 25/00 20060101AFI20240418BHJP(破砕,または粉砕;製粉のための穀粒の前処理)
要約【課題】油圧式の旋動式破砕機において、突発的な破砕負荷の急上昇を検知する。
【解決手段】旋動式破砕機は、マントルとコンケーブの間のセットを検出するセットセンサ、アキュムレータを有し油圧室にセットを変化させるシリンダ油圧を発生させる油圧回路、及び、破砕負荷を検出する破砕負荷検出器を備える。この旋動式破砕機の制御装置は、破砕負荷を所定の破砕負荷目標値に制御するセット目標値を生成する負荷安定化制御部と、油圧回路を動作させてセットをセット目標値に制御するセット制御部と、セットの突発的な増加度合を表すセット変動指標を求め、セット変動指標が所定のセット閾値を超えたことに基づいて破砕負荷の異常上昇を検知する負荷異常検知部と、を備える。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
主軸と、前記主軸に固定されたマントルと、前記マントルと対峙するように配置され、前記マントルとの間に破砕室を形成するコンケーブと、前記マントルと前記コンケーブの間のセットを検出するセットセンサと、前記主軸を支持する油圧シリンダと、前記油圧シリンダの油圧室と接続されたアキュムレータを有し前記油圧室に前記セットを変化させるシリンダ油圧を発生させる油圧回路と、破砕負荷を検出する破砕負荷検出器とを備える旋動式破砕機の制御装置であって、
前記破砕負荷を所定の破砕負荷目標値に制御するセット目標値を生成する負荷安定化制御部と、
前記油圧回路を動作させて前記セットを前記セット目標値に制御するセット制御部と、
前記セットの突発的な増加度合を表すセット変動指標を求め、前記セット変動指標が所定のセット閾値を超えたことに基づいて前記破砕負荷の異常上昇を検知する負荷異常検知部と、を備える、
旋動式破砕機の制御装置。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記セット変動指標が、前記セットセンサで検出されたセット検出値と前記セット検出値の移動平均値との差分である、
請求項1に記載の旋動式破砕機の制御装置。
【請求項3】
前記セット変動指標が、前記セットセンサで検出されたセット検出値と前記セット目標値の差分の単位時間あたりの増加量である、
請求項1に記載の旋動式破砕機の制御装置。
【請求項4】
前記負荷異常検知部は、前記セット変動指標が前記セット閾値を超えたこと、且つ、前記シリンダ油圧が所定の油圧閾値を超えたことに基づいて、前記破砕負荷の異常上昇を検知する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の旋動式破砕機の制御装置。
【請求項5】
前記破砕負荷の前記異常上昇が検知されると、一時的に前記負荷安定化制御部に代わって前記セット目標値を生成する過負荷解消制御部を、更に備え、
前記過負荷解消制御部は、前記セットセンサで検出されたセット検出値よりも小さい所定のセット基準値を前記セット目標値としたうえで、前記セット目標値に所定のセット加算値を加えた新たな前記セット目標値を生成することを、前記セット目標値が前記セット検出値以上となるまで繰り返す、
請求項1に記載の旋動式破砕機の制御装置。
【請求項6】
前記破砕負荷の前記異常上昇が検知されると、一時的に前記負荷安定化制御部に代わって前記セット目標値を生成する過負荷解消制御部を、更に備え、
前記過負荷解消制御部は、前記異常上昇が検知されてから前記セットセンサで検出されたセット検出値の最大値を前記セット目標値とし、その後、現在の前記セット目標値と所定時間前の前記セット検出値のうち大きい方を新たな前記セット目標値とすることを、前記セット変動指標が前記セット閾値以下となるまで繰り返す、
請求項1に記載の旋動式破砕機の制御装置。
【請求項7】
前記過負荷解消制御部が前記セット目標値を生成してから、前記セット変動指標が前記セット閾値以下となり所定のオフディレイ時間経過後に、前記過負荷解消制御部に代わって前記負荷安定化制御部が前記セット目標値を生成する、
請求項5又は6に記載の旋動式破砕機の制御装置。
【請求項8】
主軸と、
前記主軸に固定されたマントルと、
前記マントルと対峙するように配置され、前記マントルとの間に破砕室を形成するコンケーブと、
前記マントルと前記コンケーブの間のセットを検出するセットセンサと、
前記主軸の下部を支持する油圧シリンダと、
前記油圧シリンダの油圧室と接続されたアキュムレータを有し前記油圧室に前記セットを変化させるシリンダ油圧を発生させる油圧回路と、
破砕負荷を検出する破砕負荷検出器と、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の旋動式破砕機の制御装置とを、備える、
旋動式破砕機。
【請求項9】
主軸と、前記主軸に固定されたマントルと、前記マントルと対峙するように配置され、前記マントルとの間に破砕室を形成するコンケーブと、前記マントルと前記コンケーブの間のセットを検出するセットセンサと、前記主軸を支持する油圧シリンダと、前記油圧シリンダの油圧室と接続されたアキュムレータを有し前記油圧室に前記セットを変化させるシリンダ油圧を発生させる油圧回路と、破砕負荷を検出する破砕負荷検出器とを備える旋動式破砕機の制御方法であって、
前記破砕負荷の検出値を取得し、前記破砕負荷を所定の破砕負荷目標値に制御するセット目標値を生成すること、
前記油圧回路を動作させて前記セットを前記セット目標値に制御すること、及び、
前記セットの検出値を取得し、前記セットの突発的な増加度合を表すセット変動指標を求め、前記セット変動指標が所定のセット閾値を超えたことに基づいて前記破砕負荷の異常上昇を検知すること、を含む、
旋動式破砕機の制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、旋動式破砕機と、旋動式破砕機の制御装置及び制御方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、円錐筒状のコンケーブとその内側に配置された円錐台状のマントルとの間に破砕室が形成され、原料ホッパから破砕室に供給された原料をコンケーブとマントルとの間に噛み込んで圧砕するように構成された旋動式破砕機が知られている。マントルは、電動モータによって偏心旋回運動するように駆動される。コンケーブとマントルの二つの破砕面の間隙は周期的に変化し、その間隙のセット(即ち、開き)の値によって、破砕物の粒度が定まる。旋動式破砕機は、セットを変更する方式によって油圧式と機械式とに種別される。油圧式は、位置固定されたコンケーブに対しマントルを昇降する油圧シリンダを備える。機械式は、マントルに対しコンケーブを昇降する電動モータを備える。
【0003】
特許文献1には油圧式の旋動式破砕機が開示されている。この旋動式破砕機では、マントルに結合された主軸が油圧シリンダのラムに支持されており、油圧力によってラムが昇降することによってセットが変化する。コンケーブとマントルとの間の破砕キャビティに破砕不可能な異物が混入したり原料投入量が一時的に増加したりして過負荷となると、油圧シリンダとアキュムレータとが自動的に接続されてシリンダの作動油がアキュムレータへ放出され、マントルが降下して破砕キャビティのセットが拡張され、過負荷が軽減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2009-511254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように破砕負荷が突発的に変動した際には圧力バランスが保持されるようにアキュムレータが自動的に作動することから、オペレータが破砕負荷の変動を把握しないで破砕機の運転を継続させると、アキュムレータの入口に設けられたポペット弁が頻繁に開閉を繰り返す、所謂、タッピング現象が生じる。タッピング現象は、ポペット弁の摩耗を加速し、アキュムレータにおいて伸縮を繰り返す袋の疲労を進行させ、また、破砕機の機械部品の摩耗を進行させる。突発的な破砕負荷の急上昇を検知できれば、アキュムレータの作動に加えて過負荷解消の措置をとることによってタッピング現象の継続を回避し得る。
【0006】
本開示は以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、油圧式の旋動式破砕機において、新たな機器の追加を要することなく突発的な破砕負荷の急上昇を検知する技術を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る旋動式破砕機の制御装置は、
主軸と、前記主軸に固定されたマントルと、前記マントルと対峙するように配置され、前記マントルとの間に破砕室を形成するコンケーブと、前記マントルと前記コンケーブの間のセットを検出するセットセンサと、前記主軸を支持する油圧シリンダと、前記油圧シリンダの油圧室と接続されたアキュムレータを有し前記油圧室に前記セットを変化させるシリンダ油圧を発生させる油圧回路と、破砕負荷を検出する破砕負荷検出器とを備える旋動式破砕機の制御装置であって、
前記破砕負荷を所定の破砕負荷目標値に制御するセット目標値を生成する負荷安定化制御部と、
前記油圧回路を動作させて前記セットを前記セット目標値に制御するセット制御部と、
前記セットの突発的な増加度合を表すセット変動指標を求め、前記セット変動指標が所定のセット閾値を超えたことに基づいて前記破砕負荷の異常上昇を検知する負荷異常検知部と、を備えるものである。
【0008】
本開示の一態様に係る旋動式破砕機は、
主軸と、
前記主軸に固定されたマントルと、
前記マントルと対峙するように配置され、前記マントルとの間に破砕室を形成するコンケーブと、
前記マントルと前記コンケーブの間のセットを検出するセットセンサと、
前記主軸の下部を支持する油圧シリンダと、
前記油圧シリンダの油圧室と接続されたアキュムレータを有し前記油圧室に前記セットを変化させるシリンダ油圧を発生させる油圧回路と、
破砕負荷を検出する破砕負荷検出器と、
前記旋動式破砕機の制御装置とを、備えるものである。
【0009】
本開示の一態様に係る旋動式破砕機の制御方法は、
主軸と、前記主軸に固定されたマントルと、前記マントルと対峙するように配置され、前記マントルとの間に破砕室を形成するコンケーブと、前記マントルと前記コンケーブの間のセットを検出するセットセンサと、前記主軸を支持する油圧シリンダと、前記油圧シリンダの油圧室と接続されたアキュムレータを有し前記油圧室に前記セットを変化させるシリンダ油圧を発生させる油圧回路と、破砕負荷を検出する破砕負荷検出器とを備える旋動式破砕機の制御方法であって、
前記破砕負荷の検出値を取得し、前記破砕負荷を所定の破砕負荷目標値に制御するセット目標値を生成すること、
前記油圧回路を動作させて前記セットを前記セット目標値に制御すること、及び、
前記セットの検出値を取得し、前記セットの突発的な増加度合を表すセット変動指標を求め、前記セット変動指標が所定のセット閾値を超えたことに基づいて前記破砕負荷の異常上昇を検知すること、を含むものである。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、油圧式の旋動式破砕機において、新たな機器の追加を要することなく突発的な破砕負荷の急上昇を検知できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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